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算数の苦手な子のために(大きな数を計算すること)

 大きな数の計算が苦手な子のなかで、筆算の手続きが覚えられないタイプがいます。例えば、簡単な計算はできるが、20以上の大きな数の筆算ができない子や、計算の順序がよくわからない子、くり上がりの数をどこに書いてどの数と足すのかわからない子、くり下がりの計算で22-7=25としてしまう子などです。
 このようなことが1つでもあるの子のつまずきの背景には、継次処理能力が弱いため手続きが覚えられないことが考えられます。また、ワーキングメモリの弱さのために、頭の中に数を保持しながら筆算の手続きを行うことに問題があるのかもしれません。ワーキングメモリのへの負荷は、加減の計算が自動化していない場合にはより一層大変になります。

 筆算の困難として、計算の手続きの問題が取り上げられます。1つめは、手順に沿って作業が進められないことです。継次処理能力の負荷が高いため、同時処理能力に比べて継次処理能力が低い場合には、生じる問題です。ワーキングメモリの問題も関係しています。

 2つめは、数字の位を揃えられないことなどがあげられます。同時処理能力の負荷が高い視空間認知能力の問題になります。数には桁があり、十進法では左隣に書かれた数字は10倍の大きさをもつが、数字の位置関係の把握が弱ければ、うまく理解できないこともあります。多数桁の数字の計算になると、数字の位を揃えなければならないが、上手くできないことも生じます。

 前者の場合、計算の手続きを本人が分かりやすい方法で示すことが必要です。手続き表をそばに置いて、それに従って計算の作業を確認しながら行ったり、計算しながら矢印やほかの記号などを自分でつけて計算手続きを確認したりする方法もあります。

 後者の場合、マス目のある計算ノートが必要です。筆算の計算式を書くときには、マス目の位置の右端から2番目の位置に1の位の数字を書く、などと初めから決めておくと分かりやすくなります。