日誌

コミュニケーション力をつけるためには?❿

❿「しぐさ」を読みとる  ー  体からのメッセージを拾ってあげる

言葉はコミュニケーションの大切な手段のひとつですが、言葉だけでは十分に伝わらないことがあります。とくに言葉が未熟な子どもの感情は、表情やしぐさにあらわれます。子どものしぐさは、子どもの心を理解する重要な手がかりになります。法政大学の発達心理学者、渡辺弥生教授は、子どものしぐさに気づき、その特徴に合わせて次のように適切に対処してあげることが大切だといっています。

 

「しぐさ」を読みとって、どうする? 

(1)頻繁なまばたき、鼻を鳴らす、肩をすくめる →生活リズムを整える

本人の意思とは関係なく、体が勝手に動いてしまう「チック」という症状かもしれません。比較的男子に多い傾向にあります。小学校入学のころに発症する例が多く、脳内にあるドーパミン神経系の発達の問題が原因のようです。早寝早起きで生活のリズムを整え、リラックスした時間を過ごせば、ほとんどの場合、1年以内に自然に治るとぃわれてぃます。無理にやめさせようとすると、かえって悪化することもあります。長く続くようであれば、医師に相談します。

(2)一人でいることが多い →親が一緒に選んであげる

子どもが一人で遊んでばかりいる場合、友だちと一緒に遊びたくてもうまく声がかけられなかったり、どうやって友だちと一緒に遊んだりしたらいいのかがわかっていないことがあります。親からいくら「もっと友だちと遊びなさい」と言われても、わからないからできないのです。そこで、親のほうから「一緒に遊ぼう」と話しかけ、子どもをつれて一緒に友だちの輪に入って遊んでみます。すると子どもは「こんなふうにやればいいのか」と親の真似をし、声をかけられるようになっていきます。また、ボール遊びやボードゲームなどで、一人ではなく人と一緒に遊ぶことの楽しさを体験させると、自然に友だちを求めるようになります。

(3)問題行動を起こす →できていることをほめる

叱っても言うことを聞かず、問題行動をよく起こす場合、子どもには親の関心を引きたい、親を試したいという本音が隠れていることがあります。そのようなときは、しつこく叱るようなことはせず、短い言葉で厳しく注意します。そして、問題を起こさずに良い行動ができているときにも注目し「すごいね、ちゃんとできているね」と声をかけます。ただし、自分やまわりのケガなどにつながるような大きな問題行動を起こしたときは、しっかりと子どもの顔を正面から見て、真剣声と態度で叱る必要があります。

(4)無気力でゴロゴロ →お手伝いで小さな成功体験を

やる気がなくなっている子は、自分ができない理由を自分の能力のせいにしてしまい、「がんばってもしょうがない」と思い込んでいることがよくあります。そうしたときには、洗濯物を畳む、食卓に食器を並べるなど、ちょっとしたお手伝いで小さな成功体験をさせ、心から「ありがとう」と伝えると、子どもはがんばることが好きにいきます。

(5)おなかが痛くなる・頭が痛い・朝起きられない →まずは医者へ。問題なしなら解決を急がない

子どもが深刻な不調を訴えたときは、まずは医師の診察を受けることが第一です。医学的に明確な病気や症状ではないとわかれば、ストレスが原因かもしれません。解決を急いだり、大人が勝手に犯人探しをしたりすると 余計にストレスがかかるので、「いつでも相談に乗るからなんでも話してね」というメッセージをさりげなく伝え、ゆっくり見守りましょう。