日誌

創造力をつけるためには?❺

❺「好奇心」を伸ばす  一親自身が「ワクワク」を追求する

好奇心は創造力の源です。「感動することをやめた人は、生きていないのと同じ」というアインシュタインの言葉がありますが、ワクワクした気持ちは人を意欲的にし、行動にかりたてます。2012年のOECD (経済協力開発機構)による成人(1665)を対象とした調査では、日本の学力は数的思考力などで世界トップクラスである一方、新しいことを学ぼうという意欲は低いことがわかりました。なんと日本の20歳の好奇心は、スウェーデンの65歳並みだそうです。いまはテクノロジーが発達し、なんでもその場で「ググる」ことで知りたい情報がすぐに手に入るようになりました。

一方で、その手軽さや便利さがあだとなり、知らないものをあえて積極的に深掘りしていこうとする好奇心が弱まっているとの指摘もあります。子どもたちには「新しいことを知りたい」「知らないことを学ぶことは楽しい」というワクワクした気持ちを育むための感動体験が必要です。

 

「好奇心」を伸ばすにはどうすればいい?

(1)すぐに教えない

インターネットで調べるとすぐに知りたいことがわかり、さらに関連するリンクを次々とクリックしていけば、どんどん情報が流れてきます。親は子どもの疑問に対して、そうして答えを与えると、問題を解決したような気分になりますが、簡単に答えだけを知ったところで記憶にとどまらないことも多いものです。むしろ「どういうことかな?」「知りたい!」というモヤモヤした気持ちを抱えたまま、自分で図書館に行って調べるなど、あえて時間をかけて確かめるほうが好奇心が深まります。親は、子どもが自分で調べる方法を教えてあげるかたちでサポートするとよいでしょう。

(2)図鑑を置く

東北大学の脳科学者、瀧靖之教授は、恐竜、宇宙、昆虫、動物、魚、植物、人体、岩石など、さまざまな図鑑を子どもがいつでもさわれる場所に置くことを勧めています(『「賢い子」は図鑑で育てる』講談社)。最初は親が一緒に読み、「仲間にはほかにどんなものがいるかな?」などと声をかけながら楽しく誘導します。最近の図鑑に付いているDVDは画質もよいうえにリアル感にあふれているので、ますます好奇心が刺激されます。

(3)好きなことにハマらせる

子どもがポケモンのキャラクターや戦隊ヒーローにしか興味をもたない場合でも、とことんハマらせます。ひとつのことに夢中になる経験は、好奇心を追求する力の源泉になります

さらに、戦隊ヒーローやキャラクターには基になっているモチーフがある場合が多いので、宇宙や星座、恐竜などへの興味につなげていくこともできると、瀧教授はいっています。

(4)親もワクワクする

一方的に図鑑を与えて「読みなさい」と命令しておきながら、親が何も関心を示さなければ、子どもが好奇心を感じることはありません。親も自分の好奇心を追求し、わからないことがあれば調べる習慣や、新しい知識を人に伝える喜びをワクワクしながら示すことで、子どもは新しく学んでいく意欲を感じられるようになります。

(5)外に連れ出す

図鑑で知識を得たなら、知識をさらに深めるために、外の自然や博物館などに子どもと出かけてみます。机上で知識を得て、五感を使って本物を体験することをくりかえすと、脳の広範囲が刺激され、好奇心の土台ができあがっていきます