日誌

コミュニケーション力をつけるためには?❼

❼「根拠のない自信」をつける ー強く生きてぃくための大切な力

コミュニケーションが苦手だと感じるのが、自分に自信がもてないことも原因のひとつです。人は自分に自信がもてなければ、相手に拒否されて傷つくことを恐れ、人づきあいを避けようとしてしまいます。子どもも同じです。「自分はこれでいいんだ」と思える子どもは、自信をもって自分の気持ちを表すことができます。

20年にわたり、5000回以上の面接を通して子育ての悩みに寄り添ってきた、医師で臨床心理士でもある田中茂樹氏は、子どもが親ら見て間違ったことを主張してきたときには、それを理屈で否定しようとせず、意見を言えた勇気を認めてやることが大切だといっています。

「認められている」実感を与える

人が人として生きていくには、「理由はないけれどうまくいくような気がする」といった、無条件に自分を信じる力がとても重要です。これは精神医学では「基本的信頼感(ベーシックトラスト)」と呼ばれています。自分はいつも認められているという実感が、相手との心の壁を取り払い、コミュニケーションへの意欲につながるのです。

 

「根拠のない自信」をつけるにはどうすればいい?

(1)ありのままを受け入れる

「テストで100点をとった」「かけっこで一番だった」といった具体的な成果をほめるのもよいですが、そこから生まれる自信は根拠に基づいたものです。根拠のある自信は、根拠となる事実が消えるとなくなってしまいます。根拠のない自信は、そうした条件付きの自信ではなく、親からありのままを受け入れられ、愛されているという実感から生まれるものです。

(2)苦手に固執しない

苦手なことをがんばって克服するのは大事なことです。ですが、親が固執しすぎて子どもを追いつめると、自信どころか劣等感ばかり増してしまう可能性があります。

(3)大人は聞き手にまわる

子どもと話をするときは、親は聞く側にまわります。「そうだったんだ」「わかるよ」という相づちとともに、どのようなことにでも耳を傾けると、子どもは「自由に何を話してもいいんだ」と自信がもてます。

(4)立ち直る力を育む

子どもは小学校に入るころから自分と他者を比較するようになり、「負けたら悔しい」といった感情をもつようになります。大切なのは負けたとき、落ち込んだときに立ち直る力を身につけることです。この回復力は、心理学では「レジリエンス」と呼ばれています。子どもが失敗したときも、他の子と比べるのではなく、良い面に注目して「よくがんばったね」「勇気があったね」などと認めてあげると、立ち直る力を伸ばしてあげることができます。

(5)子どもを信じる

児童青年精神科医の佐々木正美医師は、「子どもは自分を信じてもらうことによって、信じてくれた人を信じます。そして自分が信じられたことによって、自分を信じることができるのです」という言葉を残しています。まずは親が子どもを信じる。そうすれば、子どもは親を信じ、自分を信じることができます。