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「二つの時間」を生きる

君は友達と夢中になって遊んでいて、「時間があっと間に経ってしまった!」という経験はあるかな? 逆に、苦手な強化の授業で、「まだこれしか時間が経っていないのか…」と思ったことはあるかな? どちらも“時間”についての話だけど、君は「ふたつの時間」を生きているんだ。

ひとつは「クロノス」。これは“時計の時間”のことで、1秒1秒はだれにも平等に刻まれているよね。文明が発達してから、社会をまとめるための決めごととして作られたものだ。

もうひとつは「カイロス」と言って、これは“感じる時間”だ。この時間は人それぞれ感じ方の違うもので、好きなことに没頭していると時間が過ぎるのはあっと言う間に感じるし、嫌いなことをイヤイヤやっていると時間は長く感じるよね。

時間について考えたアウグスティヌスは、「充実した時間は短い時間でも長い思い出となり、堕落した時間は長い時間でも思い出は短い」と言っているよ。つまり、濃密な時間は短時間でも大切な思い出になるし、ダラダラした時間は思い出にならないんだ。せっかく生きているなら、充実した時間を過ごしたいよね。