日誌

学力をつけるためには?❸

❸一緒に「計画」を立てる  -計画立案で実行機能を伸ばす

ベネッセ教育総合研究所の「小中学生の学びに関する実態調査(2014)」の結果では、計画を立てて勉強する人は、そうでない人に比べると成績上位者が多いことがわかりました。一方、小学4年生で約半分、中学生になっても4割の子どもは計画を立てていないこともわかりました。「放っておいても、いつか一人でできるようになるだろう」というわけにもいかないようです。

 

■「実行機能」は訓練で伸びる

計画を立てる力は、行動や思考、感情を制御する、脳の「実行機能」と呼ばれるものの一部です。実行機能は生まれもった能力ではなく、幼少期から思春期にかけて訓練すれば、どんどん伸びるといわれています。アメリカでは、ハーバード大学子ども発達センターが『子どもの実行機能を育むのは、社会の最も大切な責任である』と表明しているほど、実行機能は教育においてとても重要視されています。そして、実行機能を育むには、大人が「足場」をつくってやることが大事だとしています。計画を立てる力も、最初は大人が少し手を貸すことによって伸ばすことができるのです。

 

一緒に「計画』を立てるにはどうすればいい?

(1)今日1日の計画からはじめる

子どもに、朝起きてから学校へ行くまで、そして学校から帰ってきたら寝るまでに何をするか、前日の夜か当日の朝ごはんの時間に、思いつくことをメモに書き出してもらいます

(2)親も自分の計画を立てる

親も1日のあいだに自分がやるべきことを書き出します。親が計画を実行していく様子を見せることが、子どもの実行機能を伸ばすといわれています。例えば、本を30ページ読む、お風呂を洗う、ストレッチをするなどです。

(3)内容は具体的に嚙みくだく

「しゅくだい」や「あそび」ではなく、「けいさん」「かん字」「どくしょ」「友だちとこうえんへ行く」など、具体的に書くようにすると、子どもでも計画を実行しやすくなります。例えば、ふとんをたたむ、かん字ドリルをする、友だちとこうえんへ行くなどです。

(4)実行できそうな内容にする

 とくに子どもは時間の感覚が発達していません。子どもが計画を立てるとき、それぞれの行動にどのくらいの時間がかかりそうか、一緒に考えながら決めていきます。計画を達成できたかどうかについて、ふりかえる時間をとって、達成できたところは思いきりほめてあげると、子どもは達成感を得られます。達成できなかったところは原因を確かめ、次の計画を立てるときに生かせば、子どものやる気を引き出せます。