日誌

子どものつまずきを考える② 中学年の壁にぶつかる理由

2 中学年の壁にぶつかる理由

 子どもたちは「具体的操作」から「形式的操作」の段階に入ります。記号や数式を使って、頭の中で考えることができるようになるのです。その成長段階と歩調を合わせるように、学校の勉強も急に難しくなります。

 ただし、遊びや生活を通して、いろいろな場所に行き、いろいろなものを見聞きし、たくさんの体験を積んでいれば、具体的体験と抽象的思考を結びつけて考えることは、それほど困難ではないのです。五官を使った体験が多ければ多いほど、その後の伸びしろが大きくなっていきます。大事なのは家族と一緒に体験し、たくさん会話し、大いに楽しむことです。

 中学年の壁の前で子どもが立ち往生していることに気づいたら、大人のサポートも必要になってきます。小学校に入学するときには、子どもだけでなく親のほうも不安だらけなので、とても熱心に子どものことを見守ります。だから、小さな変化にも気づきやすいのです。ところが、我が子が学校生活に慣れると、すっかり安心しきってしまいがちです。

 何かにつまずくと、子どもたちは忘れ物が増えたり、何を勉強しているのか教えてくれなかったり、怒りっぽくなったり・・・といった変化が出てくるものです。その変化を敏感に感じ取れるのは、家族、特に親御さんしかいません。学校でも中学年の壁を乗り越えさせるために、しっかりとサポート体制をとっています。中学年を担任する先生には、「3,4年生でしっかり指導ができれば、5,6年生は放っておいても育ってくれるから大丈夫。それくらい3,4年生はとても大事な時期なのです」と繰り返し指導しています。また、子どもと上手にかかわることができる若手の先生で、出授業には教務主任や教頭先生にも関わってもらっています。算数ではTTの授業やコース別の授業ができるようにしています。(つづく)