日誌

コミュニケーション力をつけるためには?❹

❹「ごっこ遊び」をする

 発達心理学の権威、レフ・ヴィゴツキーは、ごっこ遊びを「認知・情緒・社会的発達を促す高度な遊び」と捉えています。ごっこ遊びをする子どもたちは、キャラクターやヒーローなどになりきることで、集中力や記憶力、自分の能力に対する自信を養います

 また、自分たちで話をつくりあげていくので、計画性や創造力も育まれます。さらに、さまざまに考えを出し合いながら自分たちで役割分担をするなどコミュニケーションが活発になるので、協調性や自制心も身につきます。

 ヴァンダービルト大学の言語学者、デヴィッド・ディッキンソン教授によると、ごっこ遊びをより多くした子どものほうが1年後の言語力が高いこともわかっています。

 それでは、親子で「ごっこ遊び」を楽しむ方法を紹介します。

 

(1)小道具やスペースを準備する

 おままごとやお医者さんごっこ、お店屋さんごっこなどに使える小道具やスペースをあらかじめ準備しておくと、ごっこ遊びの世界に入りやすくなります。年齢が上がるにつれて、空き箱や布、ひもなどの手近な材料を使って自分で小道具をつくることも始めていくと、ますます創造力が養われます。

(2)大人も一緒に「なりきる」

一緒に遊んでいる大人が楽しんでいれば、子どもも楽しくなってきます。大人のほうからすすんで役になりきって、食べるふりをしては「今度は〇〇ちゃんがどうぞ」と言って真似をさせるなど、最初は手伝ってあげるといいでしょう。お医者さんごっこなら患者、お店屋さんごっこなら客という感じで、大人が脇役にまわると、子どもがお芝居をリードし、自分から話をふくらましやすくなります

(3)子どもの想像力をさまたげない

 子どもの世界観は、大人の想像するものとは異なることがあります。無理に正そうとはせず、子どもの世界観につきあうようにします。親が家事などで途中で抜けるときには「ご飯、作らなきゃいけないからここまでね」とは言わず、「ちょっと出かけてくるけど、(ぬいぐるみの)お友だちと仲良くお料理を作っててね」といった表現で子どもの世界観を壊さないようにすると、子どもは集中が途切れずに楽しく遊べます。

(4)さまざまな光景を「観察」する

 ごっこ遊びには、毎日の生活の中で目にするさまざまなことや実体験をそのまま生かすことができます。お医者さんに行ったら「聴診器ってどんなふうに使うのかな?」と注目したり、スーパーではレジの様子を眺めたり、会話で子どもの好奇心をくすぐりながら日々の暮らしに一緒に注目していると、観察力も養われていきます。