日誌

算数の苦手な子のために(計算すること)part2

 今回は小さな数の計算が苦手な子について考えてみます。

 例えば、いつまでも指を使って計算している子や、計算に時間がかかる子、4+3や5+1がすぐにできない子、2+3はできているのに、3+2は指を使っている子などがいます。
 このようなことが1つでもある子の
つまずきの背景は、【計算する】ことの発達段階のうち、具体物に依存して数えたす・数えひくという方略の段階にあると考えられます。子どもは次第に計算の式と答えのパターンを数的事実として記憶し、式を見ると答えが記憶の中から素早く出てくるという自動化の段階に進みます。この段階に移行する年齢は、個人差が大きく、1年生で見つけることは難しいと言われています。しかし、よく観察していると、「〇+1」のような簡単な計算にも指を使っているという特徴があります。

 このような計算の前段階での指導では、子どもが具体物を数というシンボルに結びつけるために、具体物から半具体物への変換、半具体物から数への変換を行う必要があります。ゾウが5頭もアリが5匹も同じドットの5であるという変換を行います。

 10までの数は、とにかく具体的な物に結びつきやすいです。指で計算すると、1から10までを指に対応させて操作するという具合です。これでは、数という抽象的なシンボル操作にたどりつかない状況です。計算を指導する前に、数を頭の中でイメージして操作できるように、半具体物の表象を作っておかなければなりません。