西小学校のスローガンは、「 全力・挑戦・ありがとう」 です。
自己肯定感をつけるには?❷
❷「多様な視点」を手に入れる -ひとつの正解だけをめざさない
日本の子どもは、年齢が上がるにつれて自尊感情が低下し、高校生になると非常に低くなります。その原因のひとつは「受験で多く見られるような『閉じた問い(解答範囲が制限された問い)』とそれに基づく評価が挙げられるのではないか」と、小児科医でお茶の水女子大学名誉教授の榊原洋一氏は指摘します。「たったひとつの正しい解を追い求める行為をくりかえしていると、子どもは自分のできないことにばかり目が向くようになる」といいます。
シドニー大学の神経科学者、アラン•スナイダー教授の研究では、世界中のスポーツ選手、政治家などを調べた結果、どの分野においてもトップに立つ人は、多面的な方法で物事を見ようとしていることがわかりました。子どもたちを「正解はひとつだ」というとらわれから解放し、柔軟に考える自由を示してあげる必要があります。
「多様な視点」を手に入れるにはどうすればいい?
(1)「安心して発言できる場所」をつくる
家庭を子どもにとって安心できる場所にします。安心とは、自分の意見を躊躇なく言える状態のことです。子どもが「間違うのではないか」「ばかにされるのではないか」「否定されるのではないか」と感じることなく、自由に発言したり、気楽に質問や反論したりできる雰囲気をつくります。
(2)たくさんの「答え」がある体験をする
たとえば料理をすれば、「正解はひとつではない」という体験ができます。レシピを検索すると、同じ献立でもさまざまなつくり方があり、味の濃淡や風味のちがいがあることがわかります。また、料理では想定外のハプニングが起きることもあるので、そのつど柔軟に対応し、試行錯誤する経験にもなります。野菜や植物を育てたり、生き物を飼ったりすることも、こうした経験につながることでしよう。読書や映画.芸術鑑賞、日常のニュースなども、家族でとらえ方の違いを共有することで、たくさんの視点があることを実感できます。
(3)さまざまな人の生き方を知る
親子でさまざまな人と出会う機会をもっと、人生の楽しみ方、仕事のやりがい、失敗の経験やその乗り越え方など、多様な人生観に触れられます。伝記を一緒に読むのもよい方法です。歴史に名を残すような人は、それまでの常識を疑い、たくさん失敗したり、周りから理解されず白い目で見られたりしながら、偉大な発明や発見をしています。こうした人々のたどった道を知ることで考え方が柔軟になり、正解か不正解かで評価されない広い世界が見えてきます。
(4)親も常識妄アップデートする
親も、自分が正しいと思っていることが本当に正しいかどうかについて、少し冷静になって考えてみるといいかもしれません。科学や歴史の世界で昔は常識だったことが、いまでは間違いだったとされていることもあります。ネットを通じてあらゆる情報が手に入るいま、子どものほうが新常識にくわしいということも珍しくありません。親自身、新聞や本を読んで勉強し、自分たちの思い込みやこだわりをアップデートすることが大切です。
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