日誌

国語がよくわかっていないことを考える①

1 汚いノートでちゃんと勉強できるの?

 通信票(1学期分)を先週末にお渡ししました。2学期の学習が始まったばかりですので、今週は「国語がよくわかっていないことを考える」と題して考えていきたいと思います。
 子どもが使っているノートを時々チェックして、「落書きばかりして、ちゃんと授業をまじめに聞いているのかしら」「ゴチャゴチャして見づらい。こんなノートで復習できない」と、見た目の悪さに嘆いている保護者の方が、多いのではないでしょうか。

 ノートが汚いという場合、2つのパターンが考えられます。1つは文字通り、字が乱雑だったり、落書きが多かったりするノート。特に、下学年の女子の一部や男子の多くに見られます。落書きするのは、授業についていけず、終了の時間をもてあましている証拠です。落書きしたことをとがめるのではなく、勉強の理解度をチェックするのが先決です。また、字のチェックが悪い、字のバランスが悪いのであれば、指先の器用さや見たことと指先の動きの問題ですから、三角鉛筆やグリップを使っての練習によって改善できます。指先の発達は学年が進むにつれて身についていきます。1年生では女子に比べて男子は約2年程度未熟なので、差があるように思われてしまいがちです。

 もう1つは、ページ内のあちこちに記述が散らばっている、書き込みが重なっている、ページを飛ばすといった、記述に統一性のないノートです。せっかく授業中に一生懸命に書いたというのに、復習するときに役に立たなくなってしまいます。もちろん、先生が黒板に板書する際に、子どもたちが書き取りしやすいような工夫を凝らす必要もあるのも事実です。「書くスピードが速すぎて追いつかない」「箇条書きにしてくれると書き写しやすい」という声を耳にしたこともあります。今後の学校での課題ですので、留意していきます。

 ご家庭では、見た目の汚さを批判するのではなく、子どものノートが「どんなふうに汚いのか」を、まず見極めてください。前者なら見やすいノートにするヒントの(1)を、後者なら(2)や(3)の対策を講じることで改善されます。いずれにしても「ノートをいったい何のためにとっているのか」を、子どもにしっかり理解させ、後から見直すときにわかりやすいノート、復習する際に役立つノート作りを目指していきましょう。

 

見やすいノートにするためのヒント

(1)文字の正しいカタチを身につける

 習字を習っている子どもの字がきれいなのは、お手本の正しいカタチをしっかり見ているからです。そして筆先に注意を集中させて、できるだけ同じように書こうとするからです。正しいカタチを知らなければ、正しい文字など書けません。

 実際に字の練習をするときは、鉛筆が正しく持っているか、握る力が強すぎないか、肩に力が入っていないかなどをチェックして、リラックスして書くように助言してあげてください。正しい文字をなぞっていくなぞり書きを、繰り返していくのも効果的です。

 鉛筆を正しく持てない場合、三角形の鉛筆や持ち方のグリップを使うこともお勧めします。

(2)文字の持つパワーを教える

 一見すると、落書きのようにしか見えないノートもあります。これは、ノートに記録することの意味を自覚していない場合があります。ノートをとることは、未来の自分に伝えるという重要な意味があり、文字にはそれくらいの力があることを教えましょう。

 交換ノートをしたり、誰かに宛てて手紙を書いたりすることを勧めてみるのも一案です。こうしたやり取りを通して、「読みやすい文字を使わなければ、相手にきちんと思いを届けることはできないんだ」ということに気づくきっかけになります。

(3)文字を使った手作り作品に挑戦する

 家族を巻き込んで、「家族新聞」の発行をするのがお勧めです。家族それぞれの思い思いのテーマで、1つのエリアを担当するというものです。初めは文字の判読するのも難しかった子どもの記事が、発行を重ねるごとに整然とした読み応えのある記事に変化します。

 これは、人の目に触れるものだということを意識した結果です。お話好きな子どもなら、一緒に絵本を作るのもいいでしょう。読み手を意識することでやりがいを感じ、それがレベルアップにつながっていきます。