日誌

自己肯定感をつけるには?❺

❺「感謝の心」を育てる -心を豊かにする感謝のスキル

カリフォルニア大学デービス校のポジティブ心理学者、ロバートエモンズ教授は「感謝の心をもっていると、妬み、憤り、後悔や落ち込みといった、私たちを幸福から遠ざける有害な感情を抱かなくなる」といっています。感謝の心は毎日のちょっとした“練習”で、生涯にわたってポジティブで幸せに生きられる強みになります。

筑波大の社会心理学者、相川充教授らの研究では、子どもに感謝のスキルを教えると、感謝の心が後から育ってくることがわかっています。「(学校や家庭では)目に見えない感謝の心を教えることが推奨されるが、目に見える感謝のスキルを教えるほうがいい」と相川教授は勧めています。

 

「感謝の心」を育てるにはどうすればいい?

(1)1週間に一度は感謝の時間を

相川教授は、1週間に一度くらいでも感謝すべきできごとを思い浮かべると、幸福感がアップするといっています。とくに日本人は、「感謝すべきことがあっても、むしろ「すまないな」「申し訳ない」といった気持ちが先に立ってしまう傾向があります。だからこそ意識して、「あのことで自分はいま、こんなによくなった」とか「おかげで自分はいま、こんなに幸せなんだ」と、よい状態になった結果に目を向けるようにするとよいそうです。

子どもとふりかえるときには、こんなフレーズが便利です。

「〇〇が××してくれた」ことにありがとう

「〇〇がおいしかった」ことにありがとう

「大好きな〇〇がそばにいてくれた」ことにありがとう

(2)親が手本になる

子どもは身近な存在を手本にして、同じような動作や行動をします。子どもが「ありがとう」を言えないとき、「ありがとうは?」と無理強いするのではなく、親が一緒に言ったり、ふだんからまわりに「ありがとう」と伝えたりすることを習慣にし、お手本になります

(3)感謝される経験をする

お手伝いなどを通じて「ありがとう」「助かったよ」と感謝されると、子どもは自分が役に立てたことに喜びを感じます。東邦大学医学部の生理学者、有田秀穂名誉教授によると、感謝されることで感じる温かい気持ちは、オキシトシンの分泌によって生まれています。先に「愛情ホルモン」として紹介したオキシトシンですが、このホルモンが分泌されると、ポジティブな気持ちになる効果もあります

(4)感謝の気持ちを書いて伝える

ポジティブ心理学では、感謝の手紙を書くことで、手紙を受け取る側だけでなく、送る側の幸福感も高まることがわかっています。言葉で「ありがとう」と言いにくいときには書くことでも感謝を伝えられることを教えます。

(5)感謝のビンをつくる

空きビンを使って「感謝のビン」とラベルを貼り、誰かに感謝したいことが起こるたび、折り紙などカラフルな紙にそれを書き込み、ビンに入れていきます。大晦日や誕生日などの節目にビンを開け、中のメッセージを読んでふりかえります。