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自己肯定感をつけるには?❽

❽習い事をする①  -習い事を選ぶ

習い事は、子どもが好きなことを見つけ、自信をつけるきっかけになります。ところで、いまの小学生はいったいどんな習い事をしているのでしよう。20198月に学研教育総合研究所が小学16年生の親子1200組を対象に行なった調査によると、いま小学生がしている習い事は、1位が「水泳」、2位が「受験のための塾学校の補習のための塾」でした。3位は「通信教育」、4位「音楽教室」、5位「英語塾(読み書き中心)英会話教室Jと続いています。

同研究所が20189月に調査した、保護者が子どもに習わせたい習い事は、1位「英語塾英会話教室」、2位「水泳」、3位「そろばん」で、小学1年生の保護者では男女ともに「そろばん」が1位と人気です。2017年の調査では8位だった「プログラミングjは6位に上昇しており、2020年度からのプログラミングの必修化で注目が集まっているようです。ベネッセ教育総合研究所の「学校外教育活動に関する調査2017」でも、「運動やスポーツをするよりももっと勉強をしてほし い」かを問う質問に対して、4割に近い保護者が「とてもそう思う」「まあそう思う」と答えており、2009年の調査に比べて13%も増加しています。その傾向はとくに低年齢で顕著で、未就学児の保護者では14.4%から27.4%と、2倍近くになっています。その傾向はとくに低年齢で顕著で、未就学児の保護者では14.4%から27.4%と、2倍近くになっています。

  子どもの習い事ランキング

1位 水泳28.4

2位 受験のための塾学校の補習のための塾16.7

3位 通信教育14.26

4位 音楽教室(歌や楽器など)14.0

5位 英番塾(読み番き中心)英会話教室13.6

6位 そろばん7.5

7位 書道7.5

8位 サッカーフットサル6.9

9位 武遂(柔道、空手、剣道など)5.6

10位 体操教室5.5

 こうした調査結果からは、保護者の「勉強重視」の傾向が強まっていることがわかります。2020年度以降、大学入試はこれまでのような学力試験いっぺんとうではなく、思考力判断力表現力や主体性といった多面的な評価への変革を掲げていますが、変革の中身がいまだ見えにくく、不安に思う保護者が増えているのかもしれません。

 

習い事を「賢く選ぶ」にはどうすればいい?

(1)子どもの「やりたい!」を最優先に

教育学者の白梅学園大学汐見稔幸名誉学長は、子どもの習い事で親子の意見が衝突したときには、必ず子どもの「好き」を優先してあげてほしいといいます。「これが好き」「上手になりたい」という強い意志が大切で、とくに小さい子は、やっていて「面白い」と思えることがないと続きません。

(2)子どもにぴったりの指導者指導法を探す

汐見学長は「親の目から見て『子どもをやる気にさせるのが上手』『自分が子どもだったら教えてもらいたい』と思える先生がいたら、そこに入れてみること」を勧めています。習い事の種類で決めるよりも、「この指導者やこの教え方なら、子どもが好きになりそう」という視点で選ぶほうがいいといいます。

(3)最初に「目標」を決める

教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏は、習い事を始める際は、最初に目標を決めておくことを勧めています。たとえば水泳なら、「25メートル、クロールで泳ぎ切れるようになること」など。が付く習い事ならどの級までがんばるか、目標を立てます。

あるいは、「途中でしんどくなっても半年間は続ける」「〇年生の発表会までがんばる」などと、期間を目標にすることもできます。目標を達成できたら、さらに続けるかやめるかを、改めて子ども自身に決めさせます。受験と重なるなど、一時的に続けるのが難しくなる時期もありますが、子どもがやめたいと言わないかぎりは、細く長くでも続けたほうがいいと汐見学長はいいます。人生 100年の時代には、その習い事が長い人生を豊かにする生涯の趣味になるかもしれません。

(4)最後は「ポジティブ」に終える

もし、子どもが自分からやめたいと言ってきたなら、そのときも最初に決めた目標がきりのよい「やめどき」になります。おおた氏は、「習い事はやめどきが肝心」だとし、「区切りまで到達してやめると『よくここまでがんばったね』『よく目標を達成したね』と、ポジティブなかたちで幕を閉じることができる」といっています。