日誌

自己肯定感をつけるには?❾

❾習い事をする②  -スケジュールをゆったり組む

最近では共働き世帯が増え、放課後の居場所代わりに習い事や塾に通わせるケースも見られます。親にとっては安心できる預け先が確保できるうえに、子どもの能力も伸ばしてもらえて「一石二鳥」の気分ですが、子どもにとってはぼうっとしたり、自由気ままに遊べる時間が減ったりするので、心身ともにそれなりの負担がかかってしまうことになります。遊びの研究の第一人者である精神科医、スチュアートブラウン博士は、大人が用意した習い事ではなく、子どもが「ただ遊ぶJことの重要性を指摘しています。自由な遊びは、感情を整え、思い通りに行かないときにも苛立ったりせず、まわりの人の話に耳を傾け、前向きな気持ちになれるといったスキルを身につけられ、自己肯定感の土台になります。子どもが習い事をする際には、自由に遊べる時間を確保し、適正なスケジュールを考えることが必要です。

 

習い事の「スケジュール」、どう組めばいい?

(1)過密スケジュールを防ぐ

カリフォルニア大学ロサンゼルス校の精神科医、ダニエル.J .シーゲル教授らは、子どもが習い事による過密スケジュールに陥るのを防ぐため、次のようなポイントを意識することを提唱しています(『自己肯定感を高める子育て』)

・子どもが自由に使える時間がある

子どもが、きょうだいや友だちと気ままに楽しく過ごせる時間、ぼうつとしたり何かに没頭できたりする時間が十分にあるかどうかを意識します。

・十分な陲眠がとれている

習い事が多過ぎて睡眠時間が削られていないか注意します。

・子どもにストレスがたまっていない

子どもが疲れやすかったり、不機嫌だったりしていないか、不安や緊張などを感じているそぶりを見せていないか、注意深く見るようにします。

・家族で夕食を食べられる

毎日は難しいかもしれませんが、家族が一緒に食卓を囲む時間がまったくないほど忙しいのは心が落ち着きません。

・スケジュールに親がイライラしない

子どもの過密スケジュールで親自身も忙しくなってしまい、ストレスがたまってくると、子どもとの対話でもイライラしやすくなります。親子で過密スケジュールにふりまわされて体が疲れていないか、精神的にもつらくなっていないか意識するようにします。

・頻繁に急かさない

「早く」「急いで」という言葉を頻繁にロにしていないか、改めてふりかえってみます。

そうした言葉が出るのは、スケジュールが過密なせいだけでなく、子どもの体が疲れてしまっていて、動きが鈍くなっている可能性もあります。

(2)早くから始めなくてもいい

以上に加えて、スケジュールを考えるうえで知っておきたいのは、習い事は必ずしも早く始める必要はないということです。山梨大学大学院の教育学者、中村和彦教授がオリンピックのさまざまな競技のメダリス卜40人を調査した結果、そのスポーツしか体験したことがないという人は2人しかいなかったといい、その9割は、小学校時代12時間以上遊んでいました

音楽や英語についても、日常的に親が楽しんで聴いたり学んだりしている環境があれば、子どもには良質な音が自然と耳に入り、センスが身につくことにつながるようです。