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学力をつけるためには?㉒

㉒「集中力」をつける  一集中できるのはせいぜい15分
カリフォルニア大学アーバイン校の情報科学者、グロリア•マーク教授によれば、人が集中した状態で知的な活動を行なっている際、 邪魔が入ると、ふたたび集中した状態に戻るまでに「23分」もかかるそうです。また、アメリカのブルッキングス研究所は、頻繁に邪魔が入ると、子どもの脳の実行機能が阻害されることを明らかにしています。
子どもたちのまわりは、楽しい刺激に満ちあふれています。そのため、頭の中は雑念に占拠されやすくなっています。現代は、子どもたちの脳がひとつのことに集中しにくい環境であり、効率的な学習や脳の発達には決してよいとはいえないようです。

「集中力」をつけるにはどうすればいい?
(1)机の上には「いまやること」だけを置く
勉強するときにはまず視界に無駄なものが入ってこない環境をつくります。脳はそうした無駄なものからも自動的に情報を取り込み、エネルギーを消費して疲労します。子どもの脳に余計なエネルギーを消耗させないためには、机の上から関係ないものを片づける、あるいは無地の布をかけて隠してしまうのも効果的です。やるべきことに集中できるよう、いまやるものだけを目の前に置きます。
片づけコンサルタントの安藤貢氏は、机の上に常備しておく文房具も、子どもが気に入っていて使いやすいものだけに厳選することを勧めています。
(2)「ルーティン」を決める
ルーティンとは、いつも決まってやる動作など「儀式」のようなものです。ラグビーの五郎丸選手がキックの前に行う、拝むようなポーズが有名ですが、多くのスポーツ選手が、ふだんの練習からルーティンを取り入れ、「集中のスイッチ」にしています。
これは心理学的にも効果があることが明らかになっており、勉強にも活用できます。子どもが勉強を始める際、「決まった位置に文房具を並べる」「机をきれいにふく」「親子で決まった言葉をかけ合う」など、毎日楽しく続けられそうなルーティンを一緒に考えます。
(3)「小分け」にして時間を計る
子どもが集中できる時間は、未就学児〜小学校低学年の場合は「年齢プラス1分」程度、高学年から中学生でも「15分」程度といわれています。子どもは長時間集中することができないので、やるべきことは5分から10分くらいでできそうな分量に小分けにするのがコツです。そしてゲー厶っぽく、ストップウォッチを使って「ヨーイドン」と始めます。
かかった時間や正答率をゲームのスコアに見立て、ゲー厶のステージをクリアしていくような感覚だと、子どものやる気がアップします。「5〜10分x 2〜3セット」で行なうと達成感を得やすく、集中力だけでなく時間の感覚も身につきます。
(4)「休憩」をとる
イタリア出身のコンサルタント、フランチェスコ・シリロ氏は、仕事や勉強、家事などを25分間続けた後に5分の休憩をとり、そのサイクルを最大4回続けるという時間管理術「ポモドーロ・テクニック」を編み出 しました。シリロは、この「25分+5分」が人間にとって最大限の生産性と効率性を引き出せるベストなバランスだといっています。
子どもの場合、一気に25分集中するのは難しいですが、勉強したら休憩を入れて脳を休めることは、学習効率や集中カアップにつながります。
(5)「水」を飲む
イースト・ロンドン大学とウェストミンスター大学の合同研究によると、勉強の前にコップ1杯の水を飲んだ子どもには、集中力と記憶力の向上が見られました。脳の80%は水でできており、脳の働きを高めるために水分を補うことは大切だということです。