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子どものつまずきを考える⑨ どうして「疲れた~」ばかり口にするの?

9 どうして「疲れた~」ばかり口にするの?

 子どもが「疲れた~」という言葉を口にするとき、そこにはいくつかの違う意味があることを知っておきましょう。「子どものくせに」と言って退けるのではなく、「疲れた~」という意味と、そこに込められた気持ちを読み取って、適切に対応してあげたいものです。

 例えば、スポーツ少年団を終えて帰ってきたときに、それほど疲れている様子もないのに「あー疲れた」と言うときは、「自分は頑張ったよ。疲れるほど一生懸命やったよ」と自慢をしているのです。つまり、親に褒められたいのです。こういうときは「お疲れ様、頑張ったね」と褒めてあげましょう。「さっさとお風呂に入っちゃいな」と聞き流したり、「そんなに疲れるのならやめればいいのに」などと身も蓋もないことを口走ったりして、子どもをがっかりさせないようにしたいものです。

 勉強の途中で「疲れた~」と言うときには、「疲れるけど、頑張るぞ」という自分を鼓舞しているのです。言葉だけでなく、その表情を読み取ってあげれば、本音がわかるはずです。活き活きしていれば、「頑張っているね!」と励ましてあげるだけで充分でしょう。疲れて見えたなら、「少し休憩しよう」とリビングに誘ってあげてもいいですね。

 また、朝から「疲れた」と連発するときには、お母さんに甘えてみたいのかもしれません。あるいは、何か気になることがあって学校に行きたくない場合も考えられます。子どもの目を見て、何かを訴えているようであれば、少し時間を作って話を聞いてあげましょう。「朝から、うるさいわね」と突き放して、子どもの心を折るようなことだけはしたくないものです。

 いずれにしても、「疲れた」の言葉を額面通りに受け取るのではなく、そこに込められた気持ちを読み取ってあげることが先決です。本当に疲れているようであれば、「何に疲れているのか」「なぜ疲れているのか」を上手に聞き取ってあげましょう。心の疲れであれば、まずは子どもの話を聞いてあげること、体の疲れであれば、充分な睡眠をとれるようにスケジューリングして美味しい食事を準備してあげることです。

 ただ、緊張状態があまりにも長く続いているために、神経が極度に疲労している場合もあります。「疲れた~」があまり続くようであれば、それはストレスのサインの場合もあります。新しい環境に慣れていなかったり、親の期待があまりに高すぎて一時も気を抜けない毎日を送ったり・・・・・。もし思い当たるようなことがあれば、リラックスさせてあげるように心がけましょう。

 大人ならばストレスを自分なりに消化したり、解消する方法を持っていたりするものですが、子どもにはまだそのような知恵はないものです。食欲がなくなったり、急激に成績が下がったり、あまり笑わなくなったりと、普段とは明らかに違う様子が見て取れるようであれば、それはストレスのサインと考えられます。ストレスをこれ以上肥大させないような取組が必要になってくるでしょう。