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体力をつけるためには?⓭

⓭「噛む力」をつける 一よく噛むと頭も体も強くなる
いまや、日本は世界でも子どもの虫歯が少ない国です。昭和40年代には9割以上の子どもに虫歯がありましたが、いまは虫歯のない子のほうが多くなり、小学生では45%と過去最低になりました。その一方で、短時間で食べられるやわらかいものが中心の食生活になり、きちんと噛めない子どもが増えているともいわれています。しっかり噛むことで脳の血流も大きく増加するので、脳が活性化されて記憶力が高まるなど、噛むことは学習効果を上げることにもつながります。
子どもの噛む力にくわしい歯科医の増田純一氏によると、噛む力の弱い子は、ロの周囲の筋肉やあごが弱く、ロがポカンと開いているのだそうです。この「お口ポカン」の状態の子どもはロ呼吸になるため、のどの乾燥でウィルスや細菌に感染しやすく、扁桃腺がつねに腫れている状態になり、免疫力が低下し ます。また、くちびるも乾燥するので、ひび割れや出血のほか、歯肉炎や口臭の原因にもなります。
噛む力がつくとロの周囲の筋肉が鍛えられるので、いつでもロを閉じて鼻呼吸をするようになり、風邪をひきにくくなります。噛む力は脳の活性化だけでなく体全体の健康にもつながっているのです。
「噛む力」をつけるにはどうすればいい?
(1)「あいうベ体操」をする
噛むために必要な筋肉を鍛えるため、今井一彰医師が考案した「あいうベ体操」というトレーニング法があります
①「あ一」とロを大きく開ける
②「いー」と口を横に広げる 
③「う一」とくちびるを前に突き出す
④「ベー」と舌を突き出して下に伸ばす
今井医師は、この体操を食前に10回ずつなど、1日30回行なうことを勧めています。声は出しても出さなくてもいいので、「1回ずつゆっくりと行なうことで、ロのまわりや舌の筋肉が鍛えられ、免疫機能アップにつながるといいます。
(2)ロの中をきれいにする
虫歯になり、神経が破壊されると、噛む力が弱まるだけでなく、脳につながる神経も切れた状態になってしまうため、脳の成長にも悪影響を与えます。しっかり噛めるようにするには、虫歯をつくらないようロの中をきれいにすることが欠かせません。ちなみに、虫歯に最もかかりやすいのは寝ているあいだです。就寝前に丁寧に歯みがきをすると、寝ているあいだは歯がきれいな状態になり、虫歯を予防できます。朝起きたときすぐにしっかりとうがいをするのも虫歯予防になります。毎食後の歯みがきが無理な日も、起きてすぐのうがいと、寝る前の丁寧な歯みがきは欠かさないようにします。
(3)ひと口30回噛む
厚生労働省が提唱している「噛ミング30」運動では、噛む力は生活習慣病を予防して、健康にも効果があることをうたい、ひと口30回噛むことを推奨しています。
(4)ガ厶を噛む
増田医師によると、歯科医の指導のもと、子どもが奥歯でガ厶をしっかり噛むトレーニ ングをしたところ、噛む力が2倍になった例 もあるそうです。ガ厶を噛むときには、片方にかたよらず両サイドの奥歯で噛む意識をもたせるようにします。ガ厶は歯科や薬局で売られている、キシリトールが90%以上含まれているものを選ぶようにします。キシリトールは、虫歯になりにくい甘味料です。