日誌

「意味がわかって読める」ために(小学校低学年)

 小学校低学年の「意味がわかって読める(読解力)」ために留意することを紹介します。学校や家庭でのかかわりや援助などについてお伝えします。
(低学年)
1.読めても、書くことが難しい子は多い。話すことと異なり、文字(書記言語)は、人類最大の「発明」である。書くことを身につけるのは自然なことではない。小学校1年生の夏休みまでに多くの子が五十音を書けるようになるのだから人間はすごい。
 長く書くことが苦痛にならない持ち方で鉛筆(2BかB)を持ち、マスの中におさまるように丁寧に字が書けているか、見守ってほしい。特に「ば、び・・」などの濁点、「ぱ、ぴ・・」などの半濁点、「きゃ、きゅ・・」などの拗音、「きって、きっと」などの促音、「おかあさん、おにいさん」などの長音、「コーヒー」などの長音符につまずく子(特に男子)は多い。学校ではMIMという特殊音節や語の区切りについて月に1回確認しています。この時期の発達は分散が極めて大きいので、焦らず、諦めずにほどよい距離で見守り、手助ける必要がある。個別学習教室や通級教室の利用も必要で、叱りつけたりドリルをさせすぎたりすると、勉強への苦手意識につながったり自己肯定感が下がるので気をつけたい。
2.「バッタがはねた」とか「カラスが電線にとまった」など、主語と動詞と目的語を使って見たことを短い文で説明できるとよい。これらに形容詞や修飾節をつけられるようになっていくと中学年でスムーズに移行できる。家庭環境の差や幼児期に多様な大人に触れているかで差が生じやすい時期なので、「何がどうした?」遊びなどを通じて、文の基本構造を理解したり、語彙を増やしたりする機会を十分与えたい。