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子どものつまずきを考える⑬ 友だちの輪の中に入れないのはなぜ?

13 友だちの輪の中に入れないのはなぜ?

 小学生に限ったことではないが、もともと社交的で誰にでも気軽に声をかけられるタイプもいれば、誰かが話しかけてくれるまでじっと待っているタイプもいます。輪の中には入れないけれど、楽しそうにおしゃべりしている友だちをニコニコ眺めている子ども、自分のやりたいことに没頭して周囲を気にしない子ども、タイプは千差万別。それぞれの持ち味があってこそ、いろいろな友達関係が成り立っているのだと思います。

 子どもの持ち味は、それぞれのご両親から受け継いでいる部分が多いものです。ですから、お母さんもお父さんも、ご自分が持っている長所を、子どもも持っていると考えればいいと思います。そして、ご自分の小学生時代を思い出して、「自分ならこうする」「あのとき、こうすればよかったと思っている」という話を聞かせてみてはいかがでしょうか。
 おとなしい性格で、なかなか人に馴染めないというケースもあるかと思いますが、その性格を問題視することはありません。無理やり「自分ではない自分」を演じてみても、いつしか心と行動の矛盾に気づいて、本人が辛い思いをすることもあります。自分とは性格が合わない友だちが近づいてきて、いつも緊張し続けなければならなくなるかもしれません。自己主張の激しい子どもが多い中では、おとなしい子どもはとても貴重な存在になります。また、おとなしい子どもほど、一言一言に重みがありますから、やがて一目置かれる存在になるかもしれません。
 友だちができるかどうかは、性格よりも人格のほうが重要です。社交的な性格ですぐに誰とでも親しくなれる子どもでも、人格に問題があれば友だち関係は長続きするはずはありません。持って生まれた性格に劣等感を持つ必要はありません。それでも「友だちができない」「どうやって話しかければいいのかわからない」と子どもが悩んでいたら、次のようにサポートしてみてください。
 まず「クラスの中で誰と仲良くしたいのか」あるいは「どんな子と友だちになりたいの?」と聞いてみてください。この質問に、すんなりとよどみなく答えられるのであれば、具体的にどんなことをしてみればいいのかを話し合ってみましょう。実際に行動を起こしていないだけで、いろいろなアイディアを持っていることが多いものです。中には「誰と仲良くなりたいかもわからない」「自分はどんなタイプと合うのかもわからない」という子どもいるかもしれません。自分に自信を持てないために、自分の考えを言葉にできないのでしょう。
 こういう場合は、自分について、冷静に分析してみてはいかがでしょうか。「自分が楽しいと思うのはどんなときか」「感動したことは何か」「自分が苦手なことは何か」「どんなことがあると悲しいか」など。もし悩みを打ち明けるようならば、一緒に悩んであげましょう。このように自分を分析することで、今まで自分でも気づかなかったことを発見できるかもしれません。ただし、その後どんな行動をしたのかは、自分で判断するように促しましょう。「こうしなさい」ではなく、「こうしたらいいとも思うけど、あなたはどうしたい?」程度に留めておくことがポイントになります。あくまでも決定権は本人に与えることです。
 一方、本当に問題にしなければいけないことは、人格の部分で人を傷つけても平気、自分の言いなりにならないと無視する、人をだます、悪口を言いふらすなど、このような芽が見えるようならば、真剣に問題意識を持ったほうがいいでしょう。