日誌

学力をつけるためには?❺

❺書く②  -「日記」をつける

文章を書く練習をするにあたって、「日記」は子どもにとって毎日の習慣にしやすい方法です。日記を通して「書く」作業は2つの効果をもたらします。

 

 「語彙」を増やす

文章の中で感情表現をする際、子どもは「うれしかった」「たのしかった」「かなしかった」など、ごくシンプルな言葉を使います。ですが、たとえば子どもが「かなしかった」と表現した場合でも、実際にはそこにはさまざまな種類の感情が含まれています。

東京大学大学院教育学研究科の遠藤利彦教授によると、そうした表現に対してまわりの大人は、「その悲しい気持ちは『心配だ』ってことだと思うよ」などと、子どもの気持ちをより細やかに言葉にしてあげるとよいそうです。それは「子どもの気持ちに『ラベル』を貼ってあげるようなイメージ」だと遠藤教授はいっています。親のそんな助言を聞きながら、子どもは自分の気持ちを表すさまざまな表現を身につけていきます。

 「気持ち」を整える

日記を書くことで、楽しかったこと、うれしかったこと、つらかったことなど、自分自身をふりかえり、気持ちを整える力が身につきます。ペンシルベニア大学の心理学者マーティンセリグマン教授は、「毎晩寝る前に、 よかったことを3つ書く」ことを1週間継続するだけで、その後半年間にわたって、幸福度が上がるといっています。

 

「日記」をつけるにはどうすればいい?

(1)書く時間を決める

セリグマン教授は上記のように、「毎晩寝る前に書く」ことを勧めています。親子で一日をふりかえることで、子どもとのコミュニケーションを深めることもできます。

(2)「3行の日記」を習慣にする

「楽しかったこと」「うれしかったこと」「おもしろかったこと」など、ポジティブな出来事を3つ思い出して書きます。3行であれば時間もかかりません。もっと書けそうなときは、それぞれの理由も書きます。書くことによって、脳がよい思い出を追体験することになり、幸福度が高まります。

(3)言葉選びを手伝う

子どもの気持ちや様子を表す言葉で、ほかにぴったりな表現があるかどうかを一緒に考えてあげます。といっても、親もすぐにいい表現が見つけられるとは限らないので、『気持ちを表すことば』(光村教育図書)といった本や、ネット上の類語辞典など、語彙を増やすための情報源をうまく活用すると便利です。

 

・たのしい:おもしろい?/きもちいい?/まちきれない?

・はずかしい:てれくさい?/きまりがわるい?/かおから火が出る?

・うれしい:ワクワク?/メロメロ?/にこにこ?

・こわい:ハラハラ?/ドキドキ?/ビクビク?