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算数が苦手なこのために(大きな数を計算すること)part2

 大きな数の計算が苦手な子のなかで、暗算は得意だが筆算は失敗する子どもたちがいます。例えば、数字を書く桁がズレてしまう子、筆算で百の位に合わせて十の位を書いてしまう子、筆算をしている計算用紙やノートがぐちゃぐちゃになる子、計算用紙でもう既に書いてある式に重ねて計算している子等です。

 このようなことが1つでもある子のつまずきの背景には、空間の中の位置関係を把握する空間認知能力や同時処理能力が弱いことや、目と手の協応の悪さまたは不器用さなどのいずれかが原因になっていると考えられます。

 そのため、筆算では、多数桁の数字をノートに書いて実際に1つひとつの計算手続きを行わなければなりません。空間的な位置関係の混乱が起こると、筆算は困難になります。例えば、12の左の桁は10を表しており、単なる1ではないというように、数字の並び方は位置取り(プレイスメント)によって意味が異なるため、とても重要です。

 そのため、視空間の関係を捉えるのが苦手な同時処理能力の弱い子どもに対しては、マス目のノートを使わせることが重要です。

 マス目のノートを用意するときには、その大きさが子どもに適切かどうかにも留意します。子どもが普段書く数字の大きさはどうなのかを考慮し、マス目1つに数字が1つ書けることを確認しながら、マス目の大きさを選ぶ必要があります。文字の大きさが一定に書けない場合には、大きな数字に合わせてマス目を用意します。

 また、マス目のノートを使わせても、計算式をぎっしりと詰めて書くと混乱します。1枚のページに筆算をいくつ書くようにするのか考え、上下左右、ある程度空間を空けて計算を書けるように指導しています。