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2021年1月の記事一覧
学力をつけるためには?⓳
⓳「サポート」する ―過干渉にならない支え方
ハーバード大学子ども発達センターでは、子どもにとって、周囲の大人の適切なサポー卜は、記憶力や集中力、自制心などをつかさどる脳の機能の発達にとても重要だとしています。ただし最近では、不必要なまでに親が手を貸してしまう「過干渉」が問題になっています。過干渉な子育てでは、子どもが困ったり失敗したりしないよう、親が先回りして障害物をすべて取り除こうとします。親が子どものまわりをいつもブンブンと巡回しているので「ヘリコプターペアレント」、あるいは「カーリング育児」などとも表現されます。アメリカでは、ヘリコプターペアレントに育てられた大学生に、高いレベルでうつ病の発症が見られるという調査結果もあります。
京都大学の心理学者、河合隼雄名誉教授は「昔の親はお金がなく、子どもに最低限の衣食住ですら十分なことができなかったため、何をしてやろうかと考えた。けれどいまの親の愛情は『何をしないか』を考えなければならない」という言葉を残しています(『私が語り伝えたかったこと』河出文庫)。少子化が進むなかにあって、そのさじ加減は難しいところです。
うまく「サポート」するにはどうすればいい?
(1)3分類で片づける
脳は散らかった机を前にしているだけでも、注意が奪われ、余計に疲れてしまいます。子どもが片づけを苦手とするなら、親が一緒に手伝ってあげます。近藤麻理恵氏に師事した片づけコンサルタントの安藤貢氏は、モノを分類するときは「3分類」までにしておくと、子どもでも簡単に仕分けられるといいます。どのように分類するかは親子で相談して決めます。長く使わないものは思い切って捨てるか、衣装ケースなどにまとめてしまいます。
(2)ルーティンワークを決めておく
子どもは予定を立てるのが苦手です。やらなければいけない宿題や家庭学習については、毎日のルーティンワークとし、何をいつやるかを親子であらかじめ決めておきます。
(3)どうやるかは子どもに選ばせる
ただし、一から十までお膳立てをしてしまうと、子どもは自分で何をすべきか、何をやりたいかが決められなくなってしまいます。何をやりたいか、どっちを先にやりたいかなど、意思決定は子どもにまかせます。子どもがすぐに決められなくても、自分で決めるまで待ちます。子どもの決定を尊重し、大人の都合を優先しないように気をつけます。
(4)邪魔をしない。手を貸さない
運動でも勉強でも、子どもが途中で手こずったり、気を抜いてぼ一っとしていたりしても、見守るのが基本です。もちろん、命に関わるようなケガをしそうだったり、誰かを傷つけてしまいそうなときは手を貸さなければいけませんが、大人の都合で子どもの邪魔をしたり、過剰に手を貸して、子どもの達成感まで奪ってしまうのは本末転倒です。
(5)勇気づける
子どもにとっては「ここは助けてほしい」と思う場面があるでしょう。とはいえ、親がすぐに手伝ってあげていては、子どもは安易に大人を頼るようになってしまいます。心理学者のアドラーは、親のサポートとは、子ども自身が自分の課題を自分の力で解決しなくてはいけないと思えるよう、子どもに「どうしたらいいと思う?」と問いながら勇気づけていくことだといっています。
学力をつけるためには?⓲
⓲「音読」する -間違ってもいいから「楽しく」読む
本を読むとき音読をすると、脳内で「読む」「話す」「聞く」という作業を同時に行なうことになるため、とくに、前頭葉という部分が刺激を受けます。前頭葉は、記憶、意欲、自制心をコントロールするところです。つまり、音読によって前頭葉を刺激すると、記憶力、集中力、注意力などが鍛えられます。また、音読をすると、脳内に「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンが多く分泌されるようになり、精神が安定するともいわれています。
うまく「音読」をするにはどうすればいい?
(1)手を止めて聞いてあげる
子どもが音読をするときは、「ながら聞き」はNG。親は手を止めて聞いてあげます。
(2)すぐにほめる
読み終わったらすぐに「ちゃんと読めたね」「えらいね」とほめます。脳科学者の川島隆太教授によると、親がすぐにほめると、それだけで子どもの脳は活性化し、やる気がアップするといいます。
(3)「勉強前」が効果的
すぐにほめることで脳が活性化し、やる気もアップするため、音読は勉強前のウォーミングアップに最適です。川島教授の研究によれば、音読をすると「記憶」の容量が2〜3割ほど増えるそうです。とくに子どもの場合は脳の器が大きくなり、記憶力だけでなく、創造力や論理的な思考力、自制心なども伸びていくと川島教授はいっています。
(4)間違えてもその場で訂正しない
30年にわたり、小学生〜高校生の作文指導に携わっている「言葉の森」の代表、中根克明氏によると、子どもが低学年のうちは、言葉の読み方や区切り方を間違えたとしても、 その場で訂正せずに最後まで聞いてあげるべきだといいます。もし、つっかえてしまったところで音読を中断させて間違いを指摘すると、子どもはその後緊張して読むようになります。これでは子どもが「読むことが苦痛になり長続きしなくなる」と中根氏は指摘します。
中根氏によると、子どもが間違ったところを指摘する代わりに、子どもが読んだ後に親が同じところを音読し、子どもに聞いてもらうとよいそうです。親も最後まで楽しく、そして正しく読めていれば、自然と子どもも間違いを正すようになるといいます。
少々間違えたくらいで文章全体の意味が大きくくずれることはないので、「まずはほめてあげること」 「なによりも子どもが楽しく取り組めること」が最優先だと中根氏はアドバイスしています。
(5)くりかえし、スピードを上げる
川島教授によると、読むスピードを上げることで頭の回転速度が上がるそうです。脳に負荷をかけると前頭葉がますます活性化し、文章を理解するスピードがアップします。目から文字情報を入れて、声に出して読む、つまりインプットとアウトプットをすばやくくりかえすことで、目で読んだ記憶と声に出して読んだ記憶がつながりやすく、記憶力も高まっていきます。
学力をつけるためには?⓱
⓱「優先順位」をつける 一やることリストで行動を整理する
私たちはつい、やりたいことを優先し、やるべきことを後回しにしてしまいます。子どもならなおのこと「やりたいことが最優先!」に決まっています。そもそも子どもは「優先順位」とは何かさえわかっていません。そこで、鳥取大学の応用行動分析学者である井上雅彦教授は、毎日やることを「ふせん」を使って整理し、見える化することで、 優先順位がつけやすくなるとアドバイスしています。
「優先順位」をつけるにはどうすればいい?
(1)時間帯ごとに区切る
まず、時間帯を「朝・昼・夜」に区切って考えます。それぞれの時間帯に子ども自身がやりたいこと、やったほうがいいと思っていることをすべてふせんに書き出していきます。
(2)「必ずやること」と「やりたいこと」に分ける
1つのふせんには1つの行動を書きます。 洗顔、歯みがき、食事、入浴、宿題、計算、漢字ドリルなど、「毎日必ずやること」と、友だちと遊ぶ、ゲー厶をする、本を読む、テレビを見るなど、「時間があればやりたいこと」を色で分けます(例:必ずやることはピンク色、やりたいことは緑色、など)。
(3)「必ずやること」ばかりで埋めない
学年が上がるにつれ、習い事が増えて帰宅時間が遅くなり、さらに家でもいろいろなことをやらせようとすると、子どもが「やりたいこと」をする時間がなくなってしまいます。
スタンフォード大学教育学大学院の上級講師で若者の成功や動機付けが専門のデニス・ポープ氏は、「幼い子どもは、毎日放課後の決まった時間に『遊びの時間』が1時間必要だ」と語っています。遊びが脳を活性化し、子どもの創造力や共感力も高めることはすでに実証されています。あれもこれもやらせよ うとする前に、優先的に自由な時間を確保することが大切です。
(4)マグネットシートを使って達成感を
毎日のリズ厶が整ってきたら、ふせんではなく、両面が磁石になっているマグネットシートで、子どもと一緒に「やることリス卜」をつくってみます。100円シヨップでは、カラフルなマグネットシートが売られています。マグネットシートもふせんと同じように「必ずやること」と「やりたいこと」を色で分け、ふせん の内容をそのまま書き込みます。
マグネットシートは裏も使えるので、裏には「やったね!」「できた!」といった言葉やニコニコマークなどを描いておき、1つ終わるたびにひっくり返すようにすると達成感を覚えやすくなります。こうした子ども向けの「やることリスト」は、多くの親御さんが工夫を凝らして実践されているようで、インターネットで「子ども計画ボード」などと検索すると、たくさんのアイデアが公開されていて参考になります。
学力をつけるためには?⓰
⓰「フィードバック」する -ポジティブに課題を伝える
子どもの勉強やお手伝いなどをほめることは、「やればできる」という気持ちを育むためにはとても大切です。ですが、現実にはほめてばかりというわけにはいかず改善してほしいこともあれこれと出てきます。
ではどうやったら改善すべき点を効果的に伝えることができるのでしょう。カギとなるのは「フィードバック」です。フィードバックとは、どんな行動をしてどんな結果がもたらされたのかを具体的に伝え、ふりかえってもらうアドバイスです。
うまく「フィードバック」するにはどうすればいい?
(1)「ほめる→要改善点→ほめる」のサンドイッチにする
フィードバックの手法で、PNP (ポジティブ・ネガティブ・ポジティブ)法というものがあります。これは、ポジティブなフィードバックのあいだにネガティブなフィードバックをはさむので、サンドイッチ法ともいわれています。
最初は「ほめること」から始めます。具体的にどこがよかったかをほめます。その次に、「改善できそうなこと」を伝えます。ここがとても大切な部分です。そしてふたたび、最初に挙げた「ほめポイント」をくりかえす、場合によってはそこに新しいほめポイントを加えて、気持ちよく締めくくります。
(2)「How」と「What」を明確にする
いうまでもなく、このフィードバックで大切なのは、サンドイッチの「具」(つまり「子どもがこれから改善できそうなこと」です。ポイントは、どんな方法で(How)何をすればいいか(What)を具体的がわからせてあげること。一方的に押しつけるのではなく、問いかけながら、子どもが自分なりの結論を導き出せるまでつきあいます。
(3)「でも」より「だから」を使う
フィードバックは、子どもの成長のチャンスです。まわりの言葉の使い方ひとつで子どもの行動は変わります。フィードバックをする際、「でも」「だけど」といった逆接の接続詞を使うと、子どものやる気をくじいてしまいます。フィードバックをするときは、意識的に 「だから」や「……ならどうかな」といった表現を使うようにすると、子どもは前向きに受け止めることができ、モチベーションが高まります。
(4)フォローも忘れずに
フィードバックしっぱなしではなく、少しでも改善が見られればすぐにほめるようにします。
学力をつけるためには?⓯
⓯ほめる ―何をほめるかで大きく変わる
人はほめられると脳の神経が刺激され、 ドーパミンが放出されることで強い幸福感に包まれます。また、1960年代、ハーバード大学の教育心理学者、ロバート・ローゼンタール教授は、教師が『君ならやればできるよ』と言うと実際に学習者の成績が伸びることを実験で明らかにし、これを「ピグマリオン効果」と名づけました。
「ほめ方」しだいで効果が変わる
一方で、慶應義塾大学の教育経済学者、中室牧子教授は、アメリカの大学で近年行なわれたいくつかの研究結果をもとに、「むやみ に子どもをほめると、実力の伴わないナルシストを育てることになりかねない」といっています(『「学力」の経済学』ディスカヴァー・トゥエンテイワン)。ただし、ほめることに効果がないわけではなく、大事なのはその「ほめ方」だといいます。
効果的に「ほめる」にはどうすればいい?
(1)すぐにほめる
行動主義心理学の学習へのアプローチで 「即時確認の原理」という考え方があります。 ほめるにしても注意するにしても「即時」が大事だということです。やったことがすぐに認められるとうれしいのは、意識がいま、そこにあるからです。
(2)能力より、努力をほめる
コロンビア大学の心理学者、クラウディア・ミューラー教授とキャロル・ドゥェック教授は、「ほめ方」に関して、小学5年生 400人を対象に実験を行いました。それによると、テストの結果がよかったときに「あなたは頭がいいのね」と言われたグループはその後の成績が下がり、「あなたはよくがんばったわね」と言われたグループは 成績を伸ばす傾向がありました。
また、「努力」より「能力」をほめられた子は、難題に直面したときにすぐにあきらめる傾向があり、成績へのプレッシャーから自分の成績に関してウソをつく傾向も高いことがわかりました。一方、努力をほめられた子は、悪い成績をとっても自分の能力のせいではなく「努力が足りないからだ」と思い、難題に挑戦し続けるということもわかりました。
(3)過去と現在をくらべる
東大合格者数日本一の開成中学・高校の柳沢幸雄前校長は、「子どもの成長を過去と現在で比較すれば、いくらでもほめるポイントが見つかる」といい、これを「垂直比較」と呼んでいます。自己肯定感を高めるためにも、その子自身の成長を垂直比較することが大切だといっています。
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