日誌

2020年11月の記事一覧

創造力をつけるためには?❼

❼「アート」に触れる  -気軽にいろんな感想を語る

全米トップの美術大学、ロードアイランド・スクール・オブデザインのジョンマエダ前学長はこういっています。「20世紀の世界経済はサイエンスとテクノロジーが変えたが、21世紀の世界経済はアートとデザインが変える

実際、近年では、固定概念を壊し、自由な発想をもたらすものとして、アートがビジネスの世界でも重視されるようになっています。本物の芸術作品に触れると、その感動から創造力がかきたてられます。コロンビア大学芸術教育センターが行なった調査では、芸術の授業を多く受けている生徒ほど、創造力が高いことがわかっています。東京工芸大学のグラフィックデザイナー、福島治教授は、「アート鑑賞で右脳を刺激されることで、ふだんとは違う発想にもつながっていく」といいます。さらに、自分はどう感じたかを表現したり、他の鑑賞者の解釈を聞いたりすることで、まったく新しい発想を得ることができます。

 

効果的に「アート」に接するにはどうすればいい?

ニューヨーク近代美術館(MoMA)で編み出された「対話型アート鑑賞法」という教育プログラムでは、1520分かけてグループで1つの作品をじっくり鑑賞し、その後、専門の学芸員がリードしながら、作品について感じたこと、考えたことなどを話し合います

このプログラムは、世界各国の教育現場で採用され、とくにアメリカでは、約300の学校および約100の美術博物館で導入されています。家族で出かけるときにも、この鑑賞法を参考にしてみるといいでしよう。

(1)気軽に美術館に行く

特別な準備や、「子どもにはまだ難しいかも」「楽しめないのでは」といった気づかいは不要です。本物を見る機会として気軽に親子で楽しもうという程度の気持ちでふらりと出かけてみます。

(2)お気に入りの作品を選ぶ

作家が誰でどんな技法で、いつの時代に描かれたかなどを知る必要はありません。むしろ、美術に関する知識を介さず、まっさらな状態で作品に向き合い、親子でお気に入りの作品を選びます

(3)親子で対話する

次に、お気に入りの作品と向き合って、想像をふくらまします。「対話型アート鑑賞法」では、3つの問いかけをします。

この作品の中では、どんな出来事が起きているだろう?

作品のどこからそう思ったかな?

他に発見したことはある?

正解はないので、自由な発想で深く掘り下げていくことができます。また、子どもの発言がたどたどしいときには、「〜ということかな」などと言い換えてあげると、子どもが自分の気持ちに気づいたり、語彙を増やすことにもつながります。

(4)多様な意見を受け入れる

福島教授は、「対話型アート鑑賞で多様な意見に出会うと『人はみんな感覚が違う』ということを体番できる」といっています。家族や友人同士で自由に発言して、多様な意見を受け入れる土壤ができてくると、新しいアイデアが生まれやすくなります。

29日 喜び

29日の魔法の日めくりメッセージです。

喜び ~今日1つ、自分も相手も喜べることをしようね~

喜べる行いとは、
どんなことか考えてみましょう。

相手が笑顔になれること。
私も笑顔になれること。
自分で自分を褒めることが出来ること。
その行いで晴れ晴れとした気持ちになれること。
自信を持って出来ること。

自分に自信が持てると、責任感が育まれます。
どんな小さなことでも褒めて認めてあげましょう。
小さなことに気付き喜べることも素敵なことですね。


 2学期16週目、日曜日です。子どもたちには今やるべきことに全力で取り組むことをお願いしています。ご家庭で自分ができることを、誰かのために、できることをしてほしいと願っています。一日一善と言われていますが、小さなことでもその行為に気付き、褒めて認めてもらうとうれしくなります。小さな気付きの積み重ねが子どもも大人も良い成長につながるようです。プロセス(過程)の頑張りを褒めて認めていきましょう。

創造力をつけるためには?❻

❻「肯定表現」で話す  -ネガティブな思考を切り替える

人間はネガティブな感情や思考は忘れにくく、ついそのことばかり考えてしまう傾向にあります。進化の過程で恐怖や不安、怒りや非難といったネガティブな感情を抱くことで生命の危険から身を守ってきた結果、脳がそうしたネガティブな感情のほうが重要だと判断するようになったからです。ネガティブな感情は緊張や疲労感、無気力や自信のなさにつながるので、失敗を恐れず、新しいものに挑戦しようとする気持ちや行動にブレーキをかけてしまいます。

そこで、国際ポジティブ心理学会理事のイローナボニウエル博士は、ネガティブな感情を「肩に乗って考え方の癖を吹き込んでくるオウ厶」にたとえ、子どもの感じ方を変えていくプログラ厶を編み出しました(足立啓美他著、イローナボニウエル監修『子どもの「逆境に負けない心」を育てる本』法研)

オウ厶には、「誰かのせいだ」と言う非難オウ厶、「それは正しくない」と言う正義才ウ厶、「自分はみんなより劣っている」と言う敗北者オウ厶、「きっと悪いことが起こる」と思い込む心配オウ厶、「できるわけないよ」と思うあきらめオウ厶、「自分が悪いんだ」と自分を責める罪悪感オウ厶、「自分には関係ないし」と問題から目を背ける無関心オウ厶7種類がいます。子どもがネガティブな思考に陥っていると きは、この中でどのタイプが肩に乗っているのかを一緒に考え、そのオウ厶を追い払う方法を考えます。そして、オウ厶が吹き込む否定的な表現を、肯定的な表現に置き換えていきます。そのようにして気持ちを立て直すことで、ポジティブな気持ちや行動へと子どもを導きます。

 

「肯定表現」で話すにはどうすればいい?

(1)オウ厶の言葉を変えてみる

まずは子どものネガティブな感情に「そうだよね」「わかるよ」と共感したうえで、「少しだけ前向きに言い方を変えてみたらどうなるかな」とうながします。オウ厶の言っているセリフをイメージし、その後に「でも……」と続けて、どんなふうに言葉を続ければ、前向きな行動につなげられるかを考えさせるのです。たとえば「あいつのやったことは悪い」と言う非難オウ厶や正義オウムには、「でも、自分が悪いところもあるかもしれないから直すようにしよう」と続けられます。「うまくいくか不安だ」と言う心配オウ厶には、「でも、やらないよりやったほうがいい経験になるかも」。「自分にできるわけがない」と言うあきらめオウ厶や敗北者オウムには「でも、もう少しだけがんばってみよう」。そんな具合に続けていくと、ネガティブな感情がポジティブな感情に少しずつ変わっていきます。

(2)自分の肩に乗せたいオウ厶を考える

ネガティブな言葉を言ってくるオウ厶ではなく、どんな言葉をかけてくれるオウ厶がいたらいいかを一緒に考えます。「大丈夫!やればできるよ」と言ってくれる励ましオウ厶や、「よくやっているよ。リラックス、リラックス」と言ってくれるリラックスオウ厶など、自分を元気づけてくれたり、安心させてくれるようなオウ厶を、自由な発想でイメージします。

(3)「Yes,and」のマインドを大切にする

夢のような話をするとき、子どもの心はポジティブな感情であふれています。ですが大人はつい現実的に考え、「さすがにそれは無理……」と水を差してしまうことがあります。また、「それは素晴らしいアイデアだね。でも……」といったんは肯定しつつ、実現の可能性が低いなどの理由で結局は否定する言い方(Yes, but)も、子どもの感情をネガティブなほうへと導いてしまいます。

創造力の聖地、シリコンバレーでは、自由な発想やアイデアを遮断しないよう、「Yes, and」の思考が充満しているといわれています。「そうだね、それで……」と、もっとその発想を深めていくような問いかけです。子どもに対しても、「それで、どんなことができるの?」「それはどうしたら実現できるかな?」というポジティブなコミュニケーションをとることで、創造力を前向きに伸ばしていくことができます。

28日 子どもからのメッセージを受け取る

28日の魔法の日めくりメッセージです。

子どもからのメッセージを受け取る ~背筋を伸ばそう!ビシッといこう!~

背中が丸くなっているということは、
何かのメッセージです。
「背筋を伸ばしなさい」という言葉掛けだけでなく、
どうして、背筋が伸ばせないのかを
見ようとする姿勢を持ちましょう。
背中が丸まっていると呼吸も小さくなり、
行動力も小さくなります。
背筋がいつも伸びていると、目線が上向きになり、
自然にやる気が湧いてきます。

子どもがいつも背筋を伸ばせるように、
私達が子どもからのメッセージを受け取れるようになりましょう!

 2学期15週目、週末の土曜日です。個人懇談へのご協力ありがとございます。新型コロナウイルス感染症防止のため、ストレスの多い日々かと思います。保護者の皆様もストレスがあるように、子どもたちもありますので、メッセージを受け止めてください。子どものメッセージを受け取るために、ノンバーバル(非言語的)なところが大切になります。しぐさや姿勢、表情、視線など、子どもたちの家庭での様子を確認しながら、子どもたちの話を聞いてあげてください。そのことによって、互いの気づきが生まれます。頑張って、顔晴っていきましょう。

創造力をつけるためには?❺

❺「好奇心」を伸ばす  一親自身が「ワクワク」を追求する

好奇心は創造力の源です。「感動することをやめた人は、生きていないのと同じ」というアインシュタインの言葉がありますが、ワクワクした気持ちは人を意欲的にし、行動にかりたてます。2012年のOECD (経済協力開発機構)による成人(1665)を対象とした調査では、日本の学力は数的思考力などで世界トップクラスである一方、新しいことを学ぼうという意欲は低いことがわかりました。なんと日本の20歳の好奇心は、スウェーデンの65歳並みだそうです。いまはテクノロジーが発達し、なんでもその場で「ググる」ことで知りたい情報がすぐに手に入るようになりました。

一方で、その手軽さや便利さがあだとなり、知らないものをあえて積極的に深掘りしていこうとする好奇心が弱まっているとの指摘もあります。子どもたちには「新しいことを知りたい」「知らないことを学ぶことは楽しい」というワクワクした気持ちを育むための感動体験が必要です。

 

「好奇心」を伸ばすにはどうすればいい?

(1)すぐに教えない

インターネットで調べるとすぐに知りたいことがわかり、さらに関連するリンクを次々とクリックしていけば、どんどん情報が流れてきます。親は子どもの疑問に対して、そうして答えを与えると、問題を解決したような気分になりますが、簡単に答えだけを知ったところで記憶にとどまらないことも多いものです。むしろ「どういうことかな?」「知りたい!」というモヤモヤした気持ちを抱えたまま、自分で図書館に行って調べるなど、あえて時間をかけて確かめるほうが好奇心が深まります。親は、子どもが自分で調べる方法を教えてあげるかたちでサポートするとよいでしょう。

(2)図鑑を置く

東北大学の脳科学者、瀧靖之教授は、恐竜、宇宙、昆虫、動物、魚、植物、人体、岩石など、さまざまな図鑑を子どもがいつでもさわれる場所に置くことを勧めています(『「賢い子」は図鑑で育てる』講談社)。最初は親が一緒に読み、「仲間にはほかにどんなものがいるかな?」などと声をかけながら楽しく誘導します。最近の図鑑に付いているDVDは画質もよいうえにリアル感にあふれているので、ますます好奇心が刺激されます。

(3)好きなことにハマらせる

子どもがポケモンのキャラクターや戦隊ヒーローにしか興味をもたない場合でも、とことんハマらせます。ひとつのことに夢中になる経験は、好奇心を追求する力の源泉になります

さらに、戦隊ヒーローやキャラクターには基になっているモチーフがある場合が多いので、宇宙や星座、恐竜などへの興味につなげていくこともできると、瀧教授はいっています。

(4)親もワクワクする

一方的に図鑑を与えて「読みなさい」と命令しておきながら、親が何も関心を示さなければ、子どもが好奇心を感じることはありません。親も自分の好奇心を追求し、わからないことがあれば調べる習慣や、新しい知識を人に伝える喜びをワクワクしながら示すことで、子どもは新しく学んでいく意欲を感じられるようになります。

(5)外に連れ出す

図鑑で知識を得たなら、知識をさらに深めるために、外の自然や博物館などに子どもと出かけてみます。机上で知識を得て、五感を使って本物を体験することをくりかえすと、脳の広範囲が刺激され、好奇心の土台ができあがっていきます