西小学校のスローガンは、「 全力・挑戦・ありがとう」 です。
2020年9月の記事一覧
算数がわからないことを考える②
2 小数や分数でつまずいたときは?
「1、2、 3、4、5…」という自然数は、子どもたちにとっても、文字通り自然に感じられる数です。日常的にも関わりの深い数字なので、理解するのも難しくありません。たとえ数値が変わっても、同じ質の数が変化するだけですから、頭の中でイメージできるのです。ところが、小数や分数は、数の構成自体がまるで異質ですから、簡単には理解できません。初めて目にしたときに戸惑う子どもも少なくありません。
また、分数が難しいのは、複数の意味や捉え方があるからです。例えば「3分の2」というのは、「1を3つに分けたうちの2つ分」であり、「3分の1と3分の1を足した数」であり、「2に3分の1をかけた数」でもあるわけです。
分数でつまずくと、人によっては成人になるまで引きずってしまうこともあります。たとえ分数が理解できないままでも、日常生活ではあまり不自由を感じない、また分数を理解していないからといって恥をかく場面があまりないために、なかなか『分数音痴』は露見しないのです。ですから、授業で出てきた時点でしっかりと理解しておかないと、本当の苦手意識を持ってしまうことになりかねません。小数も同様です。しかし小数も分数も、本当の意味や構造的なことはわかっていなくても、日常のいろいろな場面で、なんとなく耳にはしているのです。
例えば、体温を測って「36. 5度ね」と言われたとき、「その、テン5ってなぁに」と疑問を持ち、その疑問に対して、大人が答えてくれた経験を持つ子どももいるはずです。もしそのときには理解できなかったとしても、学校で小数を習つたとき、「あぁ、あのことだ」と、頭の中で結びつくわけです。
よく「1年生は何も知らない、何もない状態だから何でも1から教えなくてはならない」と思っておられる人もいますが、実はそれは誤りです。1年生の学習をするのにふさわしい下地はみんな持っています。その中でも、今までにいろいろなことを見て聞いて、たくさんの体験をしている子どもほど、算数を理解するのは早いです。
「そういうことだったんだ」と気づくことが、学校での学びなのです。日常生活の中での具体的なことが、学校で勉強することによって抽象化し、結びついていく、それは、子どもにとつては大きな喜びです。そしてそれが、次の学びへの原動力になるのです。
小数と分数を理解するヒント
小数や分数は、本当に理解できるまでには時間がかかるもの。たとえ意味はわからなくても、ルールに従って正しく計算し、短時間で答えを出せる子もいます。ただし、そのときに数式は解けたとしても、文章題や応用問題でつまずいてしまうこともあります。子どもには、具体的なことと結びつけて理解できるように促してあげましょう。
(1)実際に分数の操作を経験させる
分数の本質は実際に目で確かめることが可能なので、ご家庭でのお手伝いなどを通して、分数を意識するような体験をさせてあげるといいでしよう。「牛乳をコップの3分の1まで入れておいてね」 「今日は大根を使った料理を作るから、この大根を5等分してくれる?」など。もし迷っているようならば手を貸してあげて、子ども自身が「これが3分の1なんだ」「5等分って、5分の1ずつに分けることなんだ」と納得できることが大事です。実体験に勝る教材はありませんから、キッチンでどんどんトライさせてください。
(2)基になるものを明確にする
分数も小数も、「基になるものがあり、それを『1』とする」という基本があって成り立つことを理解させます。この点を曖昧にしたままだと、混乱するばかりです。「牛乳が半分しか残っていないね」の牛乳の量を『1』としていると意識させます。「青い色鉛筆の長さは、黄色の色鉛筆の3分の1くらいだね」というときには、黄色の色鉛筆を『1』とするという見 方ができるようにします。小数も同様のやり方をすることで、理解させるようにしましょう。
(3)小数は、実際の大きさや量を意識させる
小数を実体験させるには、例えば靴を買いに出かけて試着したときがチャンスです。「20cmだと小さいし、21cmだとちょっと大きいね。20.5cmの靴にしようね」といったときに、0.5cmが5であることを教えてあげてください。 子どもなら、おそらく難なく理解できるでしょう。また、体重計に乗って「21.7 kgだった」というときには、「あと0.3kg増えれば、22 kgになるね」と、毎日の暮らしの中で小数を意識させるようなやり取りをしてみてください。
算数がわからないことを考える①
今週は算数でつまずかないようにするための留意することを考えていきます。
1 かけ算でつまずくのはなぜ?
算数を勉強していくにあたっては、幾度とない関門が待ち構えています。第一の関門は『繰り上がり』です。今までは10本の指で数えることができたのに、それができなくなることの衝撃はとても大きいのです。自分のまわりでは10という数を超えるものを目にする機会があまりありません。手や足は2本、家族は4人、おやつの飴は5個といった具合です。ですから見慣れない数字に戸惑ってしまいます。大人は「12」と言われると、「10+2」と理解できますが、習いたての子どもは、「10」の次は「11」という数、「11」の次が「12」という捉え方をします。わかりやすく図解しながら理解を深めていくといいでしょう。
そして第二の関門が『かけ算』です。子どもたちの生活の中では、数を加法的に捉えることがほとんどです。例えば、「イチゴをもう1つちょうだい(+1)」、あるいは「お姉ちゃんのお小遣いは、僕より100円多い(+100)」のように、数は増えていくもの、時には減っていくものなのです。あるとき突然現れる『かけ算』は、記号のカタチは似ているのに、同じやり方で計算すると答えが間違ってしまう。「よくわからない」から「わかるようになりたい」と思えれば成功なのですが、「よくわからない」はやがて「つまらない」、そして「算数なんて嫌い」とつながっていくこともあります。
また、『かけ算』のなんたるかを理解していないうちに『九九』を暗記させられることが、子どもたちの負担になっている場合もあるでしょう。実際に「こんなにたくさん覚えきれない」と、初めから投げ出してしまう子どももいます。なかなか覚えないからといって、急がせたり、責めたりするのはタブー。『かけ算』を「苦手なもの」「嫌いなもの」にさせないようにしましょう。
「2を5回足していくよりも『2×5』を覚えれば、あっという間に答えが出る」というように、かけ算を使えば便利になることを話してあげるといいですね。また、『九九』の練習を勉強としてではなく、リズム遊びとして楽しんだり、2の段を言い終わるまでのスピードを計ったりと、遊びとして親子一緒に楽しむのも、『九九』に興味を持つきっかけになるでしょう。
かけ算を覚えるためのヒント
「やらされている」と感じるとき、人はモチベーションが下がります。それは子どもでも大人でも同じです。家庭では、学校のようにきちんと椅子に座って勉強の態勢を作るのではなく、ある程度の準備をしてあげるだけで充分です。子どもが自分から「やってみたい」という気持ちにさせるのがコツです。
(1)日常生活の中で、かけ算にできそうなものを見つける
日常生活の中では、かけ算を使うチャンスがたくさんあります。例えば、休日に家族4人で公園に出かけるとします。お母さんはみんなのおにぎりを作ります。こんなときは「1人3個ずつね。お母さんはいくつ作ればいいと思う? 「1,2,3…」と数え始めても、それをさえぎらずに最後まで数えさせます。「わかった!12個だよ」と答えたら、「正解!」と褒めてあげて、それから「もっと簡単に数えられる方法があるんだよ」と、かけ算の便利さを教えてあげましよう。
(2)数の多いものは「2とび、5とび、10とび」で数える
数の多いものを数えるときには、2個ずつ、あるいは5個ずつ分けながら数えていく方法があります。これを、目の前でやってみせると、興味字持つようになります。貯金箱に集まった10円玉をテーブルの上に広げて、「全部でいくらになるか数えてみようか」と誘い、5個ずつ分けてきます。「5個の塊が7つできたから、全部で350円だね」と言ったとき、「どうしてすぐにわかったの?」と聞いてくればしめたもの。「これがかけ算の魔法だよ」と、ちょっと自慢してみてください。
(3)九九バージョンのカードゲー厶で遊ぶ
手作りの九九カードを一緒に作って、遊びながら覚えていく方法もあります。かけ算の式と答えを、表と裏に書いたカードを作ります。まず、式が書かれた側を上に向けてすべてのカードを広げます。読み役の人が答えを言い、その数が答えになる式のカードを取る。これが『かけ算カルタ』です。同じようにカードを広げ、裏に書いてある答えが同じになるものを取っていく『かけ算神経衰弱』という遊びもあります。取った数を家族で競うことで、自然に『九九』が身につく遊びです。
6日 役立つ事の「喜び」を知ること
役立つ事の「喜び」を知ること ~お手伝い出来るかな?~
どんな小さなお手伝いでも、
沢山の「有難う」のシャワーを浴びせて、
褒めて認めてあげましょう!
人のために行動することに喜びを実感すると、
将来、社会に貢献でき、
思いやりや責任感が育まれ、
志の持てる子になりますよ。
2学期4週目の日曜日です。PTA奉仕作業ありがとうございます。奉仕作業に協力する子どもたちもいるのではないかと楽しみにしています。誰かのために役立つことができるようになるためには、褒められた、認められたということを実感したり、自覚したりすることが必要になります。「だれかのために、みんなのために」行ったことが承認される経験が多いお子さんに育ててることが大切だと「エミール(ルソー)」でも述べられています。「自分のために生き、みんなのために生きる」そんな子どもたちを育んでいきましょう。
国語がよくわかっていないことを考える⑧
8 なぜ国語のテストで点数がとれないの?
学校で行なわれる国語のテストは、学んできたことを確認するためですから、特別難しい問題が出題されるわけではありません。そのテストで点がとれない原因として考えられるのは、まず「漢字や言葉が理解できていない、覚えていない」こと。小学校で習う漢字は1006字と、とても数が多いので、新出漢字は出てきたときにしか教えられません。前に習った漢字を復習する時間がないのです。しかし漢字や言葉は、「習って、知って、使って」を繰り返さなければ、身につけることができません。普段から、目につくものや動作を、「これは漢字になるのかな」「なるとしたらどんな漢字を使うんだろう」と考えるような習慣をつけてあげましょう。続けていくうちに、「調べるにはどの辞書を使えばいいんだろう」という疑問が出てきて、国語辞典をよく使うようになります。ある子どもが、「先生、漢字を調べるのは漢字辞典だと思っていたけど、知りたい漢字を探すのは国語辞典なんだね」と、嬉しそうに報告してきてくれたこともあります。
点がとれない原因の二つ目は、「学習したことが定着していない」こと。学習内容をどこまで理解できているかを確認するには、音読や視写を繰り返して、文章自体に馴染むことが大事です。音読についてはお話ししましたが、『視写』というのは「視て、書き写す」ことです。自分で「ここは大事だ」と思った文章や、気に入った文、気になる文をノートに書き出します。目で字を追うよりも、自分の手を使うほうが、内容はしっかりと定着します。
また『視写』には、書く速度を身につけるという利点もあります。字を書くスピードが遅くて、黒板に書かれたことを先生と同じ速度で書き写すことができないまま、どんどん遅れていく子どももいます。こういうことが何度も続くと、ノー卜をとることが苦痛になったり、無気力になったりすることさえあります。ある程度のスピードで文章が書けるというスキルが身につけば、国語以外の教科でも生きてきます。
三つ目の原因は、「何が問われているのか理解できない」こと。テストの問題には、当然答えが用意されています。質問文を理解できなければ答えを導き出すことができません。対策として、身のまわりのものや出来寧などに疑問を持ったときに、人に頼らず、自分で答えを見つけ出そうと行動を起こさせるようにするといいでしょう。
理解度を上げるヒント
テストの点数に一喜一憂することはないのですが、子どもの理解度を知る上で、点数は参考にしていただいてよいと思います。しかし点数に対する評価だけで終わるのではなく、家庭では、子どもとしっかり向き合って、なぜこんな間違いをしてしまったのか、基本的なことが理解できているかどうかを話し合ってみてください。
(1)漢字や語句は文章で覚える
教科書の文章を全部ひらがなにして、「漢字に直せるところを直しなさい」という問題を出すことがあります。これは、習った漢字を使う機会を増やすために行います。習っていなくても、知っている漢字は書いてもいいということにしています。ひらがなだけの文章を漢字に直すには、文脈が読み取れていないとできません。このようなやり方をすると、漢字だけでなく、読み取る力も同時につけられます。ご家庭でも、手作りの問題を作り、子どもに挑戦させてみてはどうでしょうか。家族で一緒にすると、楽しみながらできます。
(2)自問自答の習慣をつける
授業の内容は理解しているし、ノートもキチンと取っているから、授業がつまらないわけでもないらしい。にもかかわらずテストでは答えに空欄が多いという場合は、問題文の意味を理解していない場合があります。こういうケースは、日常生活で恵まれた環境、例えば困っていたらすぐに手助けしてもらえる、わからないことは質問する前に答えが用意されているという状況下にいる子どもによく見られます。普段から自問自答する習慣をつけて、わからないところは悩み、自分でまず行動を起こさせるようにすることが大切です。
(3)ノートを見ながら教科書を読む
学校のテストは、「学校で学んだことだけが出題される」、これが基本です。ですから、まずは毎日ノートを開くことを促してください。これだけでもその日学習したことを思い出しますから、立派な復習になります。テスト前にも、ノートを大いに活用させてください。テスト問題には、授業で繰り返しふれたところや、特に力を入れた箇所が出題されます。教科書を読むだけではなかなか集中できないときも、ノートと照らし合わせながら進めていくことで、出題されそうな問題を、ある程度予測できるようになります。
国語がよくわかっていないことを考える⑦
7 何が主語で、どれが述語?
日常で使う会話のほとんどは、主語と述語が明確になっていません。省略することで、親しみやすさを表したり、会話をテンポよく進められたりするという利点があるからでしょう。日本語というのは、シチュエーションの中で成り立つ言語なのです。例えば、「妹は男です」という一文。誰が見てもおかしいと思います。ところが、ある状況下の会話の中で出てきたのであれば、間違ってはいないのです。
ある2人の女性が会話をしているとしましよう。
女性A「お子さんが生まれたんですって?」
女性B「はい。女の子です」
女性A「妹さんも、確か今年出産されたのよね」
女性B「はい。妹は男です」
いかがでしようか。正しくは、「妹は男の子を産みました」ですが、話の流れの中では、「妹は男です」という一文は間違いではありません。このように、シチュエーションの流れの中で理解していく言語なので、絶対に主語や述語がなくてはならないわけではないのです。国語の教科書でも、物語文では主語、述語が抜けることが多いです。ですから、子どもが書いた文章を見て、「この文章には述語が抜けているわね」とか「主語は何?しっかり書きなさい」といった指導は、子どもにとってはとても窮屈なことで、痩せた文章しか書けなくなってしまうことがあります。それが日本語の特徴です。
とはいつても、学年が進むにつれて、論理的な文章を読んだり、説明的な文章を書くようになったときは、「何が」「どうであるか」を正確に読み取ったり、書き示したりすることが求められます。そのときのために、主語、述語についての認識を深めていく準備は必要です。
日常の会話の中で、子どもが「ジュース!」といった単語だけだったり、「はい、これ」というような主語述語抜きの短文ばかりを話したりするのであれば、その都度、「誰が?」「何を?」「どうしたの?」と聞いてあげればいいでしょう。ただ、あまりしつこく追及すると話すことが面倒になってしまうので、深追いしないこと。子どもによっては言葉が出てこなくなってしまうこともありますから、この点は注意が必要です。
主語、述語を見失わないためのヒント
長い文章を短く表現する言葉として、東北地方の方言「どさ(あなたはどこへ行くの)」「ゆさ(私はこれからお風呂に行くところです)」が有名ですが、状況で理解したり察したりする能力を磨くことも大切です。主語、述語にこだわり過ぎては文章が回りくどくなることもあります。主語、述語は必要に応じて意識させるようにしましましょう。
(1)述語からスタートする
実際にあったことを正確に伝えたいときは、「今、何について説明しているのか」「何についてわかってほしいのか」を、明確にしなければなりません。そのためには主語から始まり述語で締めくくるという、王道の文章を構成していく必要があります。事実を正確に伝えることを職業とするアナウンサーのトレーニングは、まず述語から始めるといいます。「〜しました。」「誰が?」「どのように?」「どうして?」と下から上に戻ることで、必要な情報を取りこぼすリスクを減らしているのだそうです。
(2)指示語を理解しているかどうかを確認する
説明的な文章では、「これは」とか「このように」という指示言語がよく使われます。基本的には同じ言葉の繰り返しを避けるために使われることが多いので、直前の文を見直せば対応できます。こういった学習によって、文章の構成や内容が理解しやすくなります。また物語の文中でも、「あれ」「それ」が使われることがありますが、話の流れをしっかりとイメージできれば、何を指しているのかは理解できます。会話の中で頻繁に「あれ」「それ」が出てきて、言いたいことが伝わらないならば、一つひとつていねいに聞き取ってあげるといいでしょう。
(3)子どもが話したくなる空気づくリをする
言葉は、日常で使うことによって身につくものです。家族間で会話をする時間は、言葉を学ぶための、最も有意義で効果の高い学習タイムといえるでしょう。子どものロから「面白いことがあったよ」という言葉が出たときには、「何があったの?」「どう面白かったの?」「誰と一緒だったの?」と、興味を持って聞いてあげてください。質問に答えようとするときに、子どもは一生懸命に考えます。そこには「伝えたい」という思いがあるからです。家族が一堂に揃ったときは、お互いに質問したり出来事を伝えあったりできる雰囲気や空気を作りましょう。
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