日誌

校長室だより

おすすめの本より㉘

人間の祖先は「ホモ・サピエンス」が生き残れたわけ

人間の祖先は「ホモ・サピエンス」といって、今の哺乳類サル目ヒト科で生き残った唯一の種だ。ホモ・サピエンスが生まれたのは20万年前で、また30万年前にはネアンデルタール人が生まれた。ネアンデルタール人の方が脳が大きく、身体も丈夫だったと言われているけど、生き残ったのはホモ・サピエンスだったんだ。狩りをして生きていた時代だから、脳が大きくて身体が丈夫な種の方が生き残りそうだよね。

このホモ・サピエンスは、ほぼ完全な状態の全体の骨が残っていて、埋葬の習慣があったと言われている。さらに歯のない老人の骨が多く残っていたことから、食事を分け与える優しさなどを持っていたのではないかと考えられているよ。もしかすると、ホモ・サピエンスは思いやりや幸せ、喜びを感じることができていたのかもしれないね。つまり「イデア」を持っていたとも考えられる。

また、ホモ・サピエンスはネアンデルタール人よりも複雑な「言葉」を使っていたといわれているよ。

おすすめの本より㉗

Q:人はどうして人を殺すの?

A:「種保存の本能」が働いていない人が人を殺すんだ?

解説:「人間は“種保存の本能"が働いていない動物」

多くの動物のオスは、縄張りやメスの取り合い、権力争いで戦う場がたくさんある。ケンカをして、どちらかが負けを認めて、敗北のサインを出すか、その場から逃げるなどでその戦いは終わる。勝ったオスは、敗北のサインが出たら攻撃をやめて、相手の命を奪うまで攻撃はしないものだ。ボス猿は負かした猿を殺すまでケンカはしないよね。

これを動物行動学者のコンラート・ローレンツは「攻撃の儀式化」と言ったんだけど、人間だけは相手を殺してしまうこともある。「人間は本来あるはずの、種族が絶滅しないための、“種保存の本能"が働いていない動物」だとローレンツは言ったんだ。人間の攻撃性と攻撃性がなくならい限り、戦争はなくならないとローレンツは主張した。本能や感情を理性でコントロールするのが人間のはずなのに、悲しいよね。

おすすめの本より㉖

Q:人は死んだあとどうなるの?

A:人類の永遠の謎だからいろいろな考えがあるよ

解説:「霊魂不滅」

命はひとつしかないもので、一度失ったら再生しないよね。命を失っても魂や精神は残るのか? 命と魂は別物なのか? これは人類の永遠の謎で、昔から人々は死の恐怖を乗り越えるために、さまざまな考えを導き出しているんだよ。

そのひとつが、死んだらすべてが消滅して“無”になるという考え方。魂も心もすべてなくなる…という考え方だね。

ふたつ目の考え方は輪廻転生。死んだ人の魂は“この世”から“あの世”へと向かい、やがては生まれ変わって“この世”に戻ってくるという考え方もあるよ。

みっつ目はプラトンが言った霊魂不滅。肉体が死んだ後も魂はそのまま存在するという考え方だ。もしそうなら、生前に正しい行いをした人は天国に行き、悪い行いをした人が地獄に堕ちるということだね。

おすすめの本より㉕

Q:死ぬのが怖い
A:”死“について考えることが生きる意味にも通じるよ
解説:「人は残された時間を自覚している“死への存在”」
20世紀で最も重要な哲学者のひとりと言われる、マルティン・ハイデガーは、「人は残された時間を自覚している“死への存在”」と言ったんだ。きっと動物や植物は自分が死ぬことを考えることはないよね。人間だけがこれから訪れる“死”について考える存在だと言ったよ。
しかし多くの人々は、いつかかならず訪れる死から目をそむけて生きているだろう。しかし、ハイデガーは死と向き合った時に、自分の生きる意味や使命を確信し、それに向かって進む決意ができると考えたんだ。
人は自分の意思で生まれてくることはできないよね。君は気がついた時にはすでに生きていたはず。これを「投げ出された存在」と言うよ。そして、これから来る死を意識して、自分の使命を感じて生きる決心をする。それこそが人の尊さだよね。命は有限だからこそ偉大なんだよね。

お別れ給食❿

今日が最後のお別れ給食です。6年生を送る会の感想を聞くと、楽しかったという声が3名の子どもたちから聞こえてきました。コロナ禍でなければ、宝探しのようなゲームもしたかったと言う声も。部活動や将来の夢などが話題になりました。楽しい給食を共にすることができたお別れ給食でした。卒業式まであと12日です。