日誌

校長室だより

スマイルマーク

12時20分過ぎに東の空にスマイルマークが飛行機によって作られました。飛行機が飛んでいる音が聞こえたので、びっくりしました。コロナ禍で頑張って、顔晴りましょうというメッセージなのでしょうか。力をいただきました。子どもたちにも見せてあげたかったです。

 

 

今日の桜

今日の桜です。0.2分咲きの状況です。穏やかな1日になりそうですので、午後にはもう少し桜が咲いていそうです。

 

 

西小:桜の開花

西小学校の桜も開花したようです。例年よりも早い開花で、0.1分咲きといったところでしょうか。子どもたちの令和2年度をお祝いしているかのようです。

 

 

職員、ワックスがけ

職員は子どもたちが下校したあとに、ワックスがけを行いました。子どもたちを残してワックスがけはできませんので、全職員でのワックがけです。子どもたちのために頑張る職員で、誇りに感じます。その最中に、タブレットを各教室に固定する業者の方が来校され、固定されました。一人1台のタブレットです。来年度からの使用になります。

 

 

 

 

明日の卒業式に向けて

明日の卒業式に向けて午前中から準備をしています。昇降口には6年生の今までの様子が掲示されています。また、1年生から3年生にかけての廊下には、「卒業生の皆さんご卒業おめでとうございます」のカードが飾られています。6年教室には一人一人の写真を飾ってあります。みんなで準備をしています。

 

 

 

 

 

桜の花をいただきました

出勤すると玄関に桜の花びらがありました。あれっと思って入ると、桜がありました。酒野谷の森田さんが家にある桜が開花したので、持ってきてくれました。明日の卒業式がより一層、華やかに祝うことができそうです。ありがとうございました。

 

啓発パネルを掲示していただきました

中学校では卒業式が行われた3月11日(木)に、啓発パネルを掲示していただきました。東大芦地区青少年育成市民会議の役員や事務局の皆様によっての設置です。設置していただいたパネルからは、製作した子どもたちや家族、地域の方々の思いがたくさん詰まっています。どうぞ、学校に来た際にはご覧になってください。東大芦地区青少年育成市民会議の役員や事務局の皆様、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

おすすめの本より㉛

“愛”は「心を受ける」こと

「人は、されたようにするようになる」という言い伝えがあるんだ。上級生や親から暴力を受けると、やがて自分が上級生になった時、親になった時暴力をふるう人になってしまうだろう。これを「負の連鎖」と言うよ。

人にイヤなことをされたら、仕返しをしたくなるよね。人はされたことを無意識に人にしてしまうんだ。でも君も人にイヤなことをしていたら、負の連鎖はとまらないんた。だから、人からイヤなことをされたら、「人にはしないぞ!」という強い理性をもって、負の連鎖を断ち切ってほしい。

そして、人にされた嬉しいことは、どんどん人にしよう。人は愛された経験があるから、人を愛することができるんだよ。

また、「自分が愛した人の価値が、自分の価値となる」とも言うよ。ダメな人を愛すると自分もダメになってしまうし、魅力的な人を愛すると自分も魅力的な人になる。ちょっと大人の話かもしれないけど、やがてわかる時がくるだろう。

おすすめの本より㉚

「二つの時間」を生きる

君は友達と夢中になって遊んでいて、「時間があっと間に経ってしまった!」という経験はあるかな? 逆に、苦手な強化の授業で、「まだこれしか時間が経っていないのか…」と思ったことはあるかな? どちらも“時間”についての話だけど、君は「ふたつの時間」を生きているんだ。

ひとつは「クロノス」。これは“時計の時間”のことで、1秒1秒はだれにも平等に刻まれているよね。文明が発達してから、社会をまとめるための決めごととして作られたものだ。

もうひとつは「カイロス」と言って、これは“感じる時間”だ。この時間は人それぞれ感じ方の違うもので、好きなことに没頭していると時間が過ぎるのはあっと言う間に感じるし、嫌いなことをイヤイヤやっていると時間は長く感じるよね。

時間について考えたアウグスティヌスは、「充実した時間は短い時間でも長い思い出となり、堕落した時間は長い時間でも思い出は短い」と言っているよ。つまり、濃密な時間は短時間でも大切な思い出になるし、ダラダラした時間は思い出にならないんだ。せっかく生きているなら、充実した時間を過ごしたいよね。

おすすめの本より㉙

物事の原因となっているのは、すべて「目に見えない」こと

池の水面がゆらゆらと揺れていると、風が吹いていることがわかるよね。このように、この世の物事の原因は、「目に見えない」んだ。しかし、これはだれでも理解できることではないよ。風が吹いたら水面が揺れるのは当たり前だよね。でも、この当たり前のことを考え、揺れた水面を見て風を知ることが哲学なんだ。

「世界は目に見えないもので動かされている」とも表現できるね。だから君にはいろいろなことを考えて、目に見えないことをたくさん想像してほしいんだ。君はやがて自分なりの生き方を見つけることになるよ。自分にしかできないことを見つけてほしい。そしてゆくゆくは、だれにでもできることをただやるだけの大人になるのではなく、自分にしかできない道を生きよう。

「たくさん踏まれたブドウは美味しいワインになる」と言われるように、いろいろなものを見聞きして考えると、人間味のある魅力的な人になれるよ。「目に見えないこと」を考えていた子どもは、大きな大人になるんだ。

おすすめの本より㉘

人間の祖先は「ホモ・サピエンス」が生き残れたわけ

人間の祖先は「ホモ・サピエンス」といって、今の哺乳類サル目ヒト科で生き残った唯一の種だ。ホモ・サピエンスが生まれたのは20万年前で、また30万年前にはネアンデルタール人が生まれた。ネアンデルタール人の方が脳が大きく、身体も丈夫だったと言われているけど、生き残ったのはホモ・サピエンスだったんだ。狩りをして生きていた時代だから、脳が大きくて身体が丈夫な種の方が生き残りそうだよね。

このホモ・サピエンスは、ほぼ完全な状態の全体の骨が残っていて、埋葬の習慣があったと言われている。さらに歯のない老人の骨が多く残っていたことから、食事を分け与える優しさなどを持っていたのではないかと考えられているよ。もしかすると、ホモ・サピエンスは思いやりや幸せ、喜びを感じることができていたのかもしれないね。つまり「イデア」を持っていたとも考えられる。

また、ホモ・サピエンスはネアンデルタール人よりも複雑な「言葉」を使っていたといわれているよ。

おすすめの本より㉗

Q:人はどうして人を殺すの?

A:「種保存の本能」が働いていない人が人を殺すんだ?

解説:「人間は“種保存の本能"が働いていない動物」

多くの動物のオスは、縄張りやメスの取り合い、権力争いで戦う場がたくさんある。ケンカをして、どちらかが負けを認めて、敗北のサインを出すか、その場から逃げるなどでその戦いは終わる。勝ったオスは、敗北のサインが出たら攻撃をやめて、相手の命を奪うまで攻撃はしないものだ。ボス猿は負かした猿を殺すまでケンカはしないよね。

これを動物行動学者のコンラート・ローレンツは「攻撃の儀式化」と言ったんだけど、人間だけは相手を殺してしまうこともある。「人間は本来あるはずの、種族が絶滅しないための、“種保存の本能"が働いていない動物」だとローレンツは言ったんだ。人間の攻撃性と攻撃性がなくならい限り、戦争はなくならないとローレンツは主張した。本能や感情を理性でコントロールするのが人間のはずなのに、悲しいよね。

おすすめの本より㉖

Q:人は死んだあとどうなるの?

A:人類の永遠の謎だからいろいろな考えがあるよ

解説:「霊魂不滅」

命はひとつしかないもので、一度失ったら再生しないよね。命を失っても魂や精神は残るのか? 命と魂は別物なのか? これは人類の永遠の謎で、昔から人々は死の恐怖を乗り越えるために、さまざまな考えを導き出しているんだよ。

そのひとつが、死んだらすべてが消滅して“無”になるという考え方。魂も心もすべてなくなる…という考え方だね。

ふたつ目の考え方は輪廻転生。死んだ人の魂は“この世”から“あの世”へと向かい、やがては生まれ変わって“この世”に戻ってくるという考え方もあるよ。

みっつ目はプラトンが言った霊魂不滅。肉体が死んだ後も魂はそのまま存在するという考え方だ。もしそうなら、生前に正しい行いをした人は天国に行き、悪い行いをした人が地獄に堕ちるということだね。

おすすめの本より㉕

Q:死ぬのが怖い
A:”死“について考えることが生きる意味にも通じるよ
解説:「人は残された時間を自覚している“死への存在”」
20世紀で最も重要な哲学者のひとりと言われる、マルティン・ハイデガーは、「人は残された時間を自覚している“死への存在”」と言ったんだ。きっと動物や植物は自分が死ぬことを考えることはないよね。人間だけがこれから訪れる“死”について考える存在だと言ったよ。
しかし多くの人々は、いつかかならず訪れる死から目をそむけて生きているだろう。しかし、ハイデガーは死と向き合った時に、自分の生きる意味や使命を確信し、それに向かって進む決意ができると考えたんだ。
人は自分の意思で生まれてくることはできないよね。君は気がついた時にはすでに生きていたはず。これを「投げ出された存在」と言うよ。そして、これから来る死を意識して、自分の使命を感じて生きる決心をする。それこそが人の尊さだよね。命は有限だからこそ偉大なんだよね。

お別れ給食❿

今日が最後のお別れ給食です。6年生を送る会の感想を聞くと、楽しかったという声が3名の子どもたちから聞こえてきました。コロナ禍でなければ、宝探しのようなゲームもしたかったと言う声も。部活動や将来の夢などが話題になりました。楽しい給食を共にすることができたお別れ給食でした。卒業式まであと12日です。

 

樹木、きれいになっています❷

昨日に引き続き、学校に出勤すると、駐車場に軽トラが止まっていました。引田の福田さんが樹木の剪定をしてくださっていました。昨日は学童周辺の木々を、そして今日はツツジの剪定です。午後からの降雨が心配になりますが、卒業式を控えて学校を綺麗にしてくださっています。本当にありがとうございます。

 

樹木、きれいになっています

今日から3月です。今度も残り1か月になりました。学校に出勤すると、学童付近に軽トラが止まっていました。引田の福田さんが樹木の剪定をしてくださっていました。昨日は校庭南側の木々を、そして今日はツバキの剪定です。卒業式を控えて学校を綺麗にしてくださっています。本当にありがとうございます。

 

おすすめの本より㉔

Q:花や木に心はあるの?

A:君はどう思うかな?

解説:「神、天使、人間、生物、鉱物という上下関係がある」

植物にも命はある。しかし神経が通っていないから、植物は痛みを感じないはずだね。木の枝を折っても、木は痛みを感じないだろう。しかし、折った枝はやがて枯れて死んでしまうね。「動物学の祖」とも呼ばれるアリストテレスは、生物を分類したんだ。この世界を、神、天使、人間、生物、鉱物という関係に整理した。植物に命はあるが心はないと考える哲学者が多いけれど、法隆寺の宮大工である西岡常一氏は、「木と話し合いをしないと本当の大工になれない」と言ったよ。

ある実験で、同じ品種の植物をふたつ用意し、ひとつに優しくてポジティブな言葉をかけ続けもうひとつに暗くてネガティブな言葉をかけ続けた。すると、ポジティブな言葉をかけた植物は生き生きと成長したけれど、ネガティブな言葉をかけた植物は元気がなくなってしまったんだ。君は植物には心はあると思うかな?

ポスターパネル製作❸

約3時間余りでポスターをパネルに製作することができました。製作に携わった方々ごとに記念撮影をしました。最後に、東大芦地区健全育成市民会議の福田会長からごあいさつがあり、おみあげのイチゴやお弁当、お菓子などをいただき、閉幕になりました。出来上がったパネルは後日、役員の皆様にお世話になって、スクールバス発着場所付近に掲示されます。どうぞ、お楽しみにしてください。

  

 

 

 

ポスターパネル製作❷

パネル製作が順調に進行しています。市民会議の役員の皆様によるペンキの準備があって、ご希望の色を調合されたものを使っての作業です。PTAや育成会の役員、東大芦コミセンの職員の方々のご支援のもとに行われています。ありがとうございます。




ポスターパネル製作❶

例年、東大芦コミセンで開催されたポスターパネル製作が体育館で行われています。東大芦地区青少年育成市民会議主催による活動で延期になっての今日の開催です。コロナ禍ということがあって、役員の方々によって、本校体育館で体育館を6等分になるよう仕切りもあります。本校の元校長の五反田先生や元教頭先生の青木先生のご指導により、あいさつや説明が行われ、製作がはじまりました。多くの皆さんのご協力による約20年の活動です。誠にありがとうございます。

 

 

 

 

おすすめの本より㉓

Q:心はどこにあるの?
A:身体と心は別にあるという考えは心身二元論というよ
解説:「我思う、故に我あり」
人間の心、理性や感情はどこにあるのか?アリストテレスは“胸(心臓)”にあると言ったよ。確かに緊張すると胸がドキドキするよね。ヒポクラテスは“脳”にあると言った。人間は脳で喜びや悲しみを感じるからだね。
一方、「近代哲学の父」であるルネ・デカルトは身体と心は別々に存在していると考えたよ。身体と心は脳の中央部にある松果体という小さな器官を通して作用し合っていると言った。松果体こそが「魂のありか」だとデカルトは思っていたんだ。
さらに、デカルトは世の中に存在している万物は本当に存在しているのか?と、この世の中のすべてを疑っていったけど、ただひとつだけ存在を疑えないものがあることに気がついた。それは“疑っている自分の意識”。それこそが心だよね。その時にデカルトが表現した言葉が「我思う、故に我あり」なんだ。

おすすめの本より㉒

Q:幸せって何?
A:幸せとは自分で考えて行動することだよ
解説:「人生の目的は人格の完成である」
人によって「幸せ」を感じる瞬間は違うけど、「幸せ」を感じている全員の共通点があるんだ。それは“幸せだと思う自分を認めていること”。そんなの当たり前じゃないか〜、と思うかもしれないけど、実はすごく重要なことなんだよ。自分は幸せだ!と認めることを哲学用語で「自己肯定感」と言うんだけど、「自己 肯定感」が低いと、何をやっても「どうせ自分なんて・・・」という後ろ向きの考え方になってしまう。それでは、いつになっても幸せにはなれないよね。今の世の中では「自己肯定感」が低い人が結構多いんだ。なんだか悲しいよね。
『武士道』を書いた新渡戸稲造は「人生の目的は人格の完成である」と言ったけど、明確な目的を持つが幸せにつながることも多いよね。人生の目的を達成するためには、自分の意思がはっきりしていて、自分で考えて行動することが大切だよね。

おすすめの本より㉑

Q:生きている意味はあるの?
A:生きている意味は自分で見つける
解説:「人間は自由の刑に処せられている」
“命”は与えられたものだけど、安きている意味は人から与えられるものではないんだ。ジャン=ポール・サルトルは「実在は本質に先立つ」と言ったよ。実存とは“ここにある”こと。本質とは、“意味”。つまり、君が生きる“意味”よりも前に、君が“ここにある”んだ。
同時にサルトルは「人間は自由の刑に処せられている」とも言った。君には自由意志があるということなんだ。自由は楽しいことばかりではによ。“自由”と“責任”はセットになっていて、不安も常につきまとう。「刑に処せられている」と怖い表現を使ったサルトルの意図は、責任と不安の刑ということだろうね。
自由は辛いものだけど、君次第で辛い以上に楽しく、充実したものになるよ。人から与えられた生きる意味は本物ではないよ。「こう生きたい!」という強い意志を持って自分で決めてほしい。

 

おすすめの本より⑳

Q:自分の夢を反対された
A:目的の先にある目標を見つけて少しずつ夢に近づこう
解説:「イデア」
人から反対されてやめてしまうくらいなら、もともとそれはダメな夢だよ。その夢は“目標”か、“目的”かということを考えてみよう。
たとえば「有名大学に入りたい」という夢があったとするね。入学した先のことを考えていなければ、「入学すること」が目的で終わってしまう。君にはもっと先にある目標を見つけてほしい。その強い目標があれば、人から反対されたくらいでは心は揺るがなくなるよ。
プラトンは、完全で純粋なものは「イデア」にしかなく、この世にあるものはすべてゆがんでいると言った。イデアは夢や理想と言い換えられる。100%完全な夢を達成するのは難しいことでも、夢に近づくことは大切だよ。たとえばサッカーのJリーガーになりたいという夢があれば、サッカーを続けること、試合に出ることで夢に近づいているんだ。夢に近づいたことが、これからの人生の君の力になるよ。

おすすめの本より⓳

Q:「本をたくさん読みなさい」って言われたけどなぜ?

A:知らないものを知るには本を読みながら考えるといいからだよ

解説:「イドラ」

知らないものを調べるためにインターネットはとても便利だよね。インターネットと本の違いはなんだろう。少し難しいかもしれないけど、インターネットは“情報”で、本は“知識”なんだ。情報は、役に立たなければ意味のないもの。たとえば、君は日本にいて明日の天気を知りたいのに、アメリカの天気予報を見ても役には立たないよね、これが情報。一方、本にアメリカの気候について書いてあってそれを読んで知れば、知識となる。「本をたくさん読みなさい」と言うのは、「たくさんの知識をつけなさい」ということなんだよ。

また、知識を得るためにじゃまなものがあるとフランシス・ベーコンは言ったんだ。それは「イドラ」というもので、思い込みや偏見のこと。この思い込みはせっかくの知識をねじ曲げてしまうものだから、色眼鏡で見ていないか、しっかりと考えてみよう。

おすすめの本より⓲

Q:苦手なことを諦めちゃダメ?

A:まずは続けてみないとダメだね

解説:「人間は感情の生き物」

そうだね、苦手だと簡単に諦めるのはよくないことだね。「諦める」という言葉は「明らめる」という古代語からきているんだ。つまり、諦めるとは、ダメだということを明らかにすること。「もう絶対にダメだ」とわかった時に諦めるものなんだ。

でも、苦手なことがあるということは、その裏に別の得意なことがあるということ。簡単に諦めてしまうのはもったいないね。

また、理屈ではない“本能”も人間には大切だよ。オランダの哲学者、バールーフ・デ・スピノザは「人間は感情の生き物」と言っているよ。自分にどんな役割があるのかを自分で考えることが幸せだと主張したんだ。

頭で考えるだけではなく、楽しい、嬉しい、といった気持ちも大切にしよう。そして自分が「これだ!」と感じたことがあれば、その本能を信じて諦めずに頑張ってほしい。

おすすめの本より⓱

Q:どうして勉強しなければいけないの?

A:勉強をするとこれからの人生の選択肢が広がるからだよ

解説:「知は力なり」

イギリスで最も有名な哲学者のフランシス・ベーコンは「知は力なり」と言い表しているよ。勉強した知識は自分の力になるんだ。この力があればあるほど、人生の選択肢が増えて、大人になった時に役に立つものなんだ。ゲー厶も手持ちの武器や技が多い方が強いよね。現実も同じで、知識が増えると、人生の選択肢も増え、自分の生き方を自由に選べるようになる。

ベーコンは、正しい知識を身につけるには、経験することが重要だと考えていたんだ。勉強は机の上だけでするものではないと考えた。外に出ていろいろなものを見たり聞いたり、経験することもとても大切な勉強だよ。これを「経験論」と言うよ。

いろいろなことを知っている人を「おもしろい人だな」と感じるよね。今の勉強が役に立つかわからないかもしれないけど、ぜひたくさんの知識を持つ、未来のある人になってほしい。

おすすめの本より⑯

Q:悪いことをしている人には注意したほうがいい?
A:それは悪いことだと気づかせてあげることの方が大切だよ
解説:「鈍感力」
もし悪いことをしている人を見つけたら、注意をした方がいいね。でも、もっと大切なことがあるんだ。それは、悪いことだと気づかせてあげることだよ。 悪いことをしていると気づいていない人には、悪いことだと教えることが必要なんだ。
たとえば君が公園に入っていけないエリアに、知らずに入ってしまったとする。それを頭ごなしに怒られても、なんで怒られているのかわからないよね。
また、注意する人には、「嫌われる覚悟」も必要なんだ。逆ギレや逆恨みをされる可能性もあるからね。小説家で整形外科医でもあった渡辺淳一氏は「鈍感力」という本で、人には鈍感になる力が必要だと言ったよ。たとえ嫌われても鈍感力で「悪いことは悪い」としっかりと指摘してあげることが、結果的には相手のためにもなるからね。

算数授業の授業研究会

 5年生の算数研究授業について、放課後に授業研究会を行いました。円周の長さと直径の関係を学ぶ授業です。授業は用語(円周、直径など)を確認して、子どもたちのつぶやきを拾いながら調べることができるよう、事前の掲示資料や作業資料の準備など工夫されたものです。グループ毎に児童や教師のよかった点、改善点を協議して、全体で共有しました。子どもたちにとって、「わかった」「できた」など喜びを感じる授業で、よりよい授業実践のため、頑張って顔晴っていたスタッフです。誇りに思います。

 

おすすめの本より⑮

Q:どうしていじめはなくならないの?
A:いじめをする人は心の弱い人間なんだよ
解説:「他人に依存する弱い人間の心にある」
 いじめは、いじめられている人よりも、いじめている人の方が、その後の人生で辛い思いをする人が多いんだ。その理由は、いじめている人は、いじめられている人・・・つまり支配している人を失うことによって、自分自身の社会での居場所も失ってしまうんだ。その結果、心も不安定になってしまうんだ。
 いじめは心が弱い人間がすることだよ。社会倫理学者のエーリヒ・フロ厶は、いじめの正体は「他人に依存する弱い人間の心にある」と考えていたんだよ。弱い心があるとリーダーシップのある人について行きたいと思うんだね。リーダーについて行きたいと思う人が増えると集団ができる。集団ができると、最初はリーダーについて行きたい・・・と思っていただけの人たちが、自分よりも弱い人間の攻撃がはじめるんだ。これがいじめの正体だよ。いじめなんかする暗い人生は情けないよね。

体力をつけるためには?⓮

⓮「目」を守る -スマホ時代にケアすべきこと
 文部科学省が行なった「学校保健統計調査 (平成30年度)」によると、「裸眼視力1.0未満」の子の割合は幼稚園26.68%、小学校34.10%で、小学校では過去最高となりました。「裸眼視力0.3未満」だと小学校で1割弱、高校生になると約4割にのぼり、小学校でも高校でも過去最高の割合となっています。近視は遺伝もありますが、子どもたちの外遊びが減り、電子機器を扱う時間が増えたことも大きな要因とされています。電子機器が発するブルーライトは、網膜に到達するほどエネルギーが強く、近くで見るほど浴びる量が多くなります。とくに子どもの目はピントを合わせる調整力が強く、目の中に入る光の量も大人に比べて数倍多いので、電子機器から出るブルーライトの影響を受けやすいのです。
 また、大人は1分間に15〜20回ほどまばたきをしますが、子どもは角膜を覆っている涙の膜がしっかりしているため、2〜3分間まばたきなしで画面を見つづけることができます。しかし、長時間画面に向かっているとやはり目が充血し、乾燥による角膜障害が起きます。小学校でもプログラミングの必修化や電子黒板、タブレットの導入など、パソコンや夕ブレットを使う時間が増えていくことから、目の健康を守るためのケアを行なう必要があります。
「目」を守るにはどうすればいい?
(1)1日30分の外遊びをする
 ブルーライト研究の第一人者である慶應義塾大学医学部の眼科医、綾木雅彦特任准教授は、日光に含まれるバイオレットライトには近視の進行を抑制する効果があるので、外遊びによって日光を浴びることを勧めています。子どもの近視の進行は世界的にも問題になっており、シンガポールでは子どもの目のケアに対する政策として、1日30分の外遊びを推奨しているといいます。
(2)スクリーンから目を離す
 ブルーライトの影響は、目からの距離の二乗に反比例するといわれています。たとえば20センチと2 メートルを比べると、20センチでは2メートルのときの「100倍」も大きな影響を受けます。テレビを見るときはたいていの場合、1メートル以上離れているため影響は少ないのですが、顔から約20センチの距離で使用するスマートフォンや40〜50センチの距離で使用するパソコンでは、ブルーライトの影響 はより大きくなります。
 ノートパソコンやタブレットを長時間使う場合は、モニターにつなぐと、画面との距離を60〜70センチほど空けられるので、ブルーライトの影響を和らげることができます。
(3)20分、画面を見たら目を休ませる
 米国眼科学会は、「20―20―20ルール」を推奨しています。「20分」ごとに「20フィート」(約6メートル)以上離れた場所にあるものを「20秒」以上見るようにして、目を休ませるというルールです。20分間スクリーンを見たら、遠くを見たり、目を閉じたりして、緊張していた目を休ませます。

おすすめの本より⑮

Q:だれも見ていなければ悪いことをしていいの?
A:自分は自分のことを見ているよ。悪いことをすると心が傷つくよ
解説:「ただ生きるのではなく、善く生きる」
 人間の幸せには“徳”がとても大切なんだ。“徳”とは「道徳」の“徳”なんだけど、わかりにくいよね。すごく簡単に言うと“徳”とはいい行い。いい行いをするには、何が善で何が悪なのかを学ばなければならない。そのためには正しい知恵や知識を身につける必要がある。つまり正しい“徳”は、正しい知恵があってこそ生きてくるものなんだ。知恵と徳は同じもの。ソクラテスはこの考えに「知徳合一」と名づけて、自分の弟子たちに教えていたんだよ。
 そしてソクラテスは「ただ生きるのではなく、善く生きる」とも言っているんだよ。もし「だれも見ていなければ悪いことをしてもいい…」と考えている人がいたら、とても悲しいことだよね。それは善く生きていないだけではなく、気がつかない間に自分自身の心を傷つけているよ。だれも見ていなくても、自分は自分のことをしっかりと見ているものだよ。
 

放課後、職員研修

 子どもたちが下校後、職員は学校課題の研修に取り組みました。学校課題は、「主体的に課題に取り組み、協働して解決できる児童の育成 ~国語科の授業改善を中心として~」です。本年度の振り返りをしました。手前味噌ながら、学び合う教師集団になっており、誇りに思います。

 

 

大型モニターの配置

 今日、大型モニター6台の配置がありました。6台は来年度の学級数に合わせての配置で、今後1年教室を除く、2年教室から6年2組教室に設置していきます。65インチというサイズですので、現在ある50インチより一回り大きい印象です。なお、1年教室には次年度6年2組教室のものを移動する予定です。短い期間ですが、6年生も大きい画面で、視聴できるようになります。

 

体力をつけるためには?⓭

⓭「噛む力」をつける 一よく噛むと頭も体も強くなる
いまや、日本は世界でも子どもの虫歯が少ない国です。昭和40年代には9割以上の子どもに虫歯がありましたが、いまは虫歯のない子のほうが多くなり、小学生では45%と過去最低になりました。その一方で、短時間で食べられるやわらかいものが中心の食生活になり、きちんと噛めない子どもが増えているともいわれています。しっかり噛むことで脳の血流も大きく増加するので、脳が活性化されて記憶力が高まるなど、噛むことは学習効果を上げることにもつながります。
子どもの噛む力にくわしい歯科医の増田純一氏によると、噛む力の弱い子は、ロの周囲の筋肉やあごが弱く、ロがポカンと開いているのだそうです。この「お口ポカン」の状態の子どもはロ呼吸になるため、のどの乾燥でウィルスや細菌に感染しやすく、扁桃腺がつねに腫れている状態になり、免疫力が低下し ます。また、くちびるも乾燥するので、ひび割れや出血のほか、歯肉炎や口臭の原因にもなります。
噛む力がつくとロの周囲の筋肉が鍛えられるので、いつでもロを閉じて鼻呼吸をするようになり、風邪をひきにくくなります。噛む力は脳の活性化だけでなく体全体の健康にもつながっているのです。
「噛む力」をつけるにはどうすればいい?
(1)「あいうベ体操」をする
噛むために必要な筋肉を鍛えるため、今井一彰医師が考案した「あいうベ体操」というトレーニング法があります
①「あ一」とロを大きく開ける
②「いー」と口を横に広げる 
③「う一」とくちびるを前に突き出す
④「ベー」と舌を突き出して下に伸ばす
今井医師は、この体操を食前に10回ずつなど、1日30回行なうことを勧めています。声は出しても出さなくてもいいので、「1回ずつゆっくりと行なうことで、ロのまわりや舌の筋肉が鍛えられ、免疫機能アップにつながるといいます。
(2)ロの中をきれいにする
虫歯になり、神経が破壊されると、噛む力が弱まるだけでなく、脳につながる神経も切れた状態になってしまうため、脳の成長にも悪影響を与えます。しっかり噛めるようにするには、虫歯をつくらないようロの中をきれいにすることが欠かせません。ちなみに、虫歯に最もかかりやすいのは寝ているあいだです。就寝前に丁寧に歯みがきをすると、寝ているあいだは歯がきれいな状態になり、虫歯を予防できます。朝起きたときすぐにしっかりとうがいをするのも虫歯予防になります。毎食後の歯みがきが無理な日も、起きてすぐのうがいと、寝る前の丁寧な歯みがきは欠かさないようにします。
(3)ひと口30回噛む
厚生労働省が提唱している「噛ミング30」運動では、噛む力は生活習慣病を予防して、健康にも効果があることをうたい、ひと口30回噛むことを推奨しています。
(4)ガ厶を噛む
増田医師によると、歯科医の指導のもと、子どもが奥歯でガ厶をしっかり噛むトレーニ ングをしたところ、噛む力が2倍になった例 もあるそうです。ガ厶を噛むときには、片方にかたよらず両サイドの奥歯で噛む意識をもたせるようにします。ガ厶は歯科や薬局で売られている、キシリトールが90%以上含まれているものを選ぶようにします。キシリトールは、虫歯になりにくい甘味料です。

おすすめの本より⑬

Q:だれも見ていなければ悪いことをしていいの?
A:自分は自分のことを見ているよ。悪いことをすると心が傷つくよ
解説:「ただ生きるのではなく、善く生きる」
 人間の幸せには“徳”がとても大切なんだ。“徳”とは「道徳」の“徳”なんだけど、わかりにくいよね。すごく簡単に言うと“徳”とはいい行い。いい行いをするには、何が善で何が悪なのかを学ばなければならない。そのためには正しい知恵や知識を身につける必要がある。つまり正しい“徳”は、正しい知恵があってこそ生きてくるものなんだ。知恵と徳は同じもの。ソクラテスはこの考えに「知徳合一」と名づけて、自分の弟子たちに教えていたんだよ。
 そしてソクラテスは「ただ生きるのではなく、善く生きる」とも言っているんだよ。もし「だれも見ていなければ悪いことをしてもいい…」と考えている人がいたら、とても悲しいことだよね。それは善く生きていないだけではなく、気がつかない間に自分自身の心を傷つけているよ。だれも見ていなくても、自分は自分のことをしっかりと見ているものだよ。

体力をつけるためには?⓬

⓬「スポーツ」をする ―マルチな競技をのびのび楽しむ

 外遊びの時間や場所が減り、子どもの体力の低下が叫ばれる一方で、幼いころからスポーツに打ち込み、プロをめざすような子もたくさんいます。最近ではさまざまな競技で、世界を舞台に活躍する日本人選手が増えてきたこともあって、夢をふくらませる子どもも多いでしよう。ところが、同じ動作のくりかえしなどが原因の「オーバーユース」によって、骨や筋肉や靱帯などを痛めてしまう「スポーツ障害」が問題になっています。子どものスポーツ障害にくわしい村瀬正昭医師は、「子どもの骨の強さは70歳、80歳の高齢者と同じ。小学校低学年の筋肉はもっと弱いので、大人より注意が必要」と警鐘を鳴らします。

 成長期の骨には骨を長く成長させるために重要な「成長軟骨」というものがあり、このやわらかい骨の層にハードな練習で負担がくりかえし加わると、障害が出てくるのだそうです。炎症を起こしたり、骨がはがれたり折れたりしてしまうこともあります。適切な治療が遅れるとそのまま固まって元に戻らなくなり、 大人になっても痛みに悩まされる人もいます。とくに身長が伸びている時期は、骨がまだやわらかいため、ケガを予防するには、負担の大きい無理な練習をさせないことが大切です。

うまく「スポーツ」をするにはどうすればいい?

(1)さまざまな競技を楽しむ

 欧米の子どもには、野球、サッカー、バス ケットボールなど、季節ごとに競技を変える「マルチスポーツ」が定着しています。さまざまな種目を体験することで、隠れた可能性を見つける機会を増やすだけでなく、さまざまな体の部位を使うことでバランスのよい体づくりができるからです。メジャーリーグで活躍する大谷翔平選手は、小学校時代に野球だけでなく水泳も習っていたことが、関節の柔軟さにつながっているといわれています。マルチスポーツのメリットには注目が集まっています。

(2)オーバーユースに気をつける

 村瀬医師は、オーバーユースを防ぐために、毎日違うことをするよう勧めています。たとえば野球をしているなら、今日走りこんだら、翌日は素振りをして上半身を使う、違うポジションでやってみる、右打ちも左打ちもやる、といった具合です。

(3)スポーツの前後にストレッチをする

 成長途中のやわらかい骨を守り、筋肉や靱帯などの筋を痛めないためには、スポーツの前後に必ずストレッチをやるようにします。ラジオ体操は、運動前に行なうと筋肉が温まって体がやわらかくなり、血行がよくなります。運動後は疲れた筋肉に乳酸などの疲労物質がたまっているので、深い呼吸とともにストレッチをして、ゆっくりとクールダウンします。

(4)筋肉の炎症にはアイシング

 冷やすことは、筋肉の炎症を抑えて回復を早めるために有効です。炎症やケガのダメージを抑える方法として「RICE」と呼ばれる処置が知られています。まずは安静にし(Rest)、氷で患部を冷やし(Ice)、腫れているときは軽く圧を加えて(Compression)包帯を卷き、20分間ほど患部を心臓より高い位置に上げます(Elevation)。RICEは、捻挫や打撲のときの応急処置としても不可欠です。

おすすめの本より⓬

Q:どうしてルールを守らなくちゃいけないの?

A:ルールは自分以外の人と一緒にいるために必要なんだ

解説:「自然状態では“万人の万人に対する闘争“が起きる」

 ルールは自分以外の人と一緒にいるために必要なものなんだ。世界に人が君一人しかいない場合は、ルールはいらないね。

 政治哲学者として有名なトマス・ホッブズは、「自然状態では“万人の万人に対する闘争“が起きる」と言ったよ。自然状態とはルールのない無法地帯のことで、富や権力を求めて戦い合い、人は人に対して”オオカミ“になると主張した。争いをしないためにも絶対的な権力統治が必要になって、ルールができたんだ。

 ただ、ルールにはかならず従わなければならないというものでもないよ。ルールは他人と一緒に生きるための、“仮のもの”でもある。 集まった人や状況によっては、そのルールは通用しなくなる場合もあるよね。そんな時は「ルールだから守らなきゃダメ!」と押しつけるのではなく、「人と共存するためにはこのルールは必要かな?」と考えることも大切だよ。

雨があがって!

 今日の5時頃、雨があがって東の空に大きな虹を見ることができました。しかも、2重の虹です。職員玄関から職員はスマホでシャッターを押していました。写真からは伝わりにくいかもしれませんが、紹介します。

 

 

体力をつけるためには?⓫

⓫「体」を動かす ーケガをしにくい体をつくる

 小さな段差を飛び降りたら足首を骨折、跳び箱を跳んだらバランスを崩して両手首を骨折……そうしたささいなことで骨折する子どもが増えています。骨を丈夫にするには、骨に圧を加える運動が最適です日本の骨折研究で有名な京都府立医科大学の保田岩夫医師の研究によると、骨に圧力を加えることによる振動でマイナス電気が発生し、この電気がカルシウムを呼び寄せて骨への沈着をうながし、骨の細胞を活発にすることがわかっています。骨に圧を加える運動は、走る・跳ぶ・踏み込むなど、日常の外遊びやスポーツに含まれています。

体全体をバランスよく使う

 その一方で、スポーツに積極的に取り組んでいるタイプの子にも、特定の部位に必要以上の負担をかけることで機能障害が起きることがあります。ひとつのスポーツに特化しすぎると、使われる部位がかたより、体全体の柔軟性やバランスが損なわれてしまうのです。骨の成長期にある子どもには、日常生活の中で動きにバリエーションをもたせ、無理をさせず、かたよりなく全身を使わせることが大切です

 効果的に「体』を動かすにはどうすればいい?

(1)運動は「毎日1時間程度」が最適

 幼児から、小学生、中学生くらいまでは、毎日1時間くらいの外遊びや運動が最適です。もっと運動したい場合でも2時間を限度にし、長く運動した日の翌日はゆっくりと休むようにします。野球で連日投げ続けるなど、骨の成長途中に無理をすると、逆に骨を痛めることになります。

(2)痛みが続いたら専門医に診てもらう

 痛みが1週間以上続くなどの症状があれば、専門医を受診するようにします。早く発見できれば、早く治すことができるからです。

(3)動物ポーズで体操を

 理学療法士集団キッズプロジェクトチー厶が監修した、骨を育てる「骨ほね体操」は、動物になりきって遊びながら骨に圧力を加えることができます。浜脇整形外科リハビリセンター長の村瀬正昭医師は、「動物の真似をしながら筋力や強い骨をつくる骨ほね体操は、全身のストレッチを十分に行うウォー厶アップと、体操後のクールダウンも必ずセットにして行なうことがポイントです。骨ほね体操も含めて、できれば毎日1時間程度体を動かすことが、成長期の子どもにとってはとても重要です」とアドバイスします。

①きりんポーズ

 両足を上にぐんぐん伸ばしながら、首を前後左右にゆらゆら動かす。首をゆるめて動く範囲を広げておく。

②ねこポーズ

 背中のほうにすいこむ気持ちで息を吸いながら、背中を丸めていく。息を吐きながら、背中をそらす。体幹を使う感覚で。

③かえるでピョーン

 体の前にかえるみたいに手をついて、小さくなって力をためる。足の力を使って、ピョーンとできるだけ遠くに跳ぶ。しゃがんだところから、一気に力を爆発させて跳びあがる。着地の衝撃が骨を目覚めさせる。足腰の筋肉、体幹も鍛えられる。

④バンビでスキップ

 両手を腰に当て、右足で前方向にジャンプして右足で着地する。すかさず左足を出して、同じように左足でジャンプして左で着地。また右足でジャンプ、左足でジャンプと、バンビになった気持ちで、交互にリズムよく跳ねて、前に進んでいく。スキップができないときは、その場で片足ずつジャンプするだけでもOK。リズミカルな心地よい衝撃が、全身の骨にいい刺激を与える。

おすすめの本より⓫

Q:人を好きになるってどういうこと?

A:人には“片割れを探すエネルギー”があるんだ

解説:「人間は“ふたりでひとり”だった」

 「好き」という感情を説明するのは難しいね。プラトンは『饗宴』という話の中で、人を好きになる気持ちの起源についての神話を書いているよ。人間はもともとアンドロギュノスという種族で、ふたりの人間が背中合わせに一体となっている形をしていた。この形をした人間は力が強く、あまりにも傲慢だったために、神は困っていた。神はその力を弱めるために、すべての人間を真っ二つに分けたんだ。

 二体に分かれてしまった人間は、お互いに切り離された"片方"を探している…と言われているんだ。人間は“ふたりでひとり”なんだね。

 そして、ギリシア語には「愛」を意味する言葉が「エロス」「フィリア」「アガペー」の3種類あるんだよ。エロスは恋愛。フィリアは友愛という意味で、相手の幸せを願う気持ち。アガペーは損得勘定のない無償の愛情のことだよ。人を好きになる気持ちも奥が深いね。

おすすめの本より❿

Q:グループの中で仲間外れにする子がいる

A:本能に負けない理性を持った人になろう

解説:「人間はポリティカルなアニマ儿である」

 アリストテレスは「人間はポリティカルなアニマ儿である」と言ったんだ。ポリティカルとは「社会的」という意味だよ。簡単に言うと「ルール」や「集団」のことだよね。もちろん学校もポリティカルだよね。つまり人間はひとりで生きていけない「社会的な動物」なんだ。社会的な動物だからこそ「社会」や「集団」のルールから外れた人を仲間はずれする本能があるのもしれないよね。

 学校の仲よしグループの中で、他の人たちと違った行動をすると仲間外れにされてしまうのも、「社会的な動物」である人間の本能かもしれない。でも、本能だから仕方がない…と諦めてしまうのは絶対に違うよね。人間には本能を抑えることができる「理性」がある。友達が誰かを仲間外れにしようとしたら「理性」で止めないといけない。「本能」に負けない「理性」を持った人間になりたいよね。

体力をつけるためには?❿

❿「免疫力」をつける  —病気になりにくい体をつくる

 現代では、除菌・殺菌が行き届き、かつてより衛生環境がよくなりました。親の衛生意識も昔とは段違いに上がり、子どもたちは清潔な環境で安心な暮らしを送れるようになりました。ですが、その反面、子どもたちが雑菌に触れる機会が減っていることが「免疫力」を弱める原因のひとつにもなっています。パソコンやネット環境が進化した結果、運動不足や睡眠不足、ストレスを抱えた子どもも増えており、そうした問題も免疫力を低下させています。免疫力を高めると、風邪などの感染症にかかりにくくなるだけでなく、血行がよくなって脳や体の動きが活発になります

「免疫力」をつけるにはどうすればいい?

(1)タンパク質をとって筋肉をつける

 白血球には、免疫を担当する細胞が集まっています。体温が上がると血流がよくなり、白血球が体中をめぐることで、免疫力が発揮されます。体温を上げるには、体内に熱をつくる必要があります。筋肉はつねにエネルギーを代謝して熱をつくってくれます。ですから、タンパク質をしっかりとって筋肉をつけることが大切です。タンパク質は、免疫細胞そのものの材料にもなります。肉や魚、牛乳や豆類をかたよらずに食べるようにします。

(2)いろいろなおかずを食べる

 腸には、体内の免疫細胞の60〜70%が存在しています。発酵食品と食物繊維、オリゴ糖は免疫機能を高めてくれます。発酵食品とは、納豆や味噌、チーズ、ヨーグルトなどです。さらに、腸内環境を整えるだけでなく、免疫細胞を活性化させる必要もあります。免疫細胞を活性化させるには、タンパク質が必要です。ビタミン類も、細胞の免疫機能を助けますし、亜鉛などのミネラル類も、免疫細胞を保護するために必要です。

 このように、免疫力には多くの栄養素が関わっていますが、毎食複雑な栄養計算をしなくても、「主食:主菜:副菜=3:1:2」の割合でいろいろな種類のおかずを食べたり、「旬の食材」を意識したりすることで、自然にバランスがとれます

(3)外で遊ぶ

 紫外線を浴びることで人間がみずから合成できるビタミンが「ビタミンD」です。ビタミンDは、がんや自己免疫疾患、感染症の発症予防に関係しています。東京慈恵会医科大学の浦島充佳教授らの研究によると、インフルエンザがはやりだす前からビタミンDを意識してとっていたら、発症率が半減したといいます。ビタミンD はサバなどの魚類やしいたけなどのキノコ類に含まれるものの、食べ物だけでは不十分です。紫外線=悪とみなされがちですが、紫外線の強い時間帯に肌の極端な露出を避ければ、30分程度の外遊びや散歩をするだけでも多くのビタミンDが合成され、免疫力を高められます

(4)十分な睡眠をとる

 睡眠不足は免疫力を低下させます。早稲田大学人間科学部の前橋明教授によると、たくさん体を動かし、睡眠のリズムが整えば、自律神経の働きがよくなって、低体温などの体温異常が減少するといいます。外で遊ばせると同時に、たっぷりと睡眠をとることで体温が安定し、免疫力が高まります

おすすめの本より❾

Q:ケンカした友だちに「ごめんなさい」が言えない

A:相手との関係を考えてみよう

解説:「人間は関係存在である」

 「ごめんなさい」を英語で言うと、I`m sorry だね。「sorry」には「気の毒だ」という意味もあるから、I`m sorryには「私はあなたを気の毒に思う」という意味がある。自分が謝る立場なのに、相手を「気の毒に思う」とは、少し違和感があるかもしれないね。

 しかしここで大切なのは、気の毒に思う気持ちは、相手への“共感”であること。人間の魅力は、“共感する力”“相手を思う力”があるかどうかで決まるものだよ。哲学者のマルティン・ブーバーは「人間は関係存在である」と言っているよ。人は常に“自分”と“あなた”の関係で存在していると考えたんだ。

 もし「ごめんなさい」が言えないときは、相手との関係を思い浮かべてみよう。相手を大切に思う気持ちはかならずあるはず。大切な家族や兄弟、友だち・・・、相手との関係を修復するための言葉が「ごめんなさい」だよ。

体力をつけるためには?❾

❾「惣菜」を活用する  ―塩分と油に注意して賢く使う

 最近では共働き家庭が全世帯の6割を超えており、食事づくりを毎日休みなく続けるのはかなり大変なことになっています。そこでいま、市場が拡大しているのが「中食」です。 中食とは、惣菜やコンビニ弁当など、出来合いのものを買ってきて家で食べることです。「2018年版惣菜白書」(一般社団法人日本惣菜 協会)によると、2017年の惣菜市場規模は 10兆円を超え、およそ40年前の調査に比べて10倍以上も増えています。中食なら、下ごしらえや後片付けの手間がない分、子どもたちとゆっくり過ごせます。また、ふだん家でつくらないものを選べば、 子どもたちが新しい味を知るよい機会にもなります

「惣菜」を活用するにはどうすればいい?

(1)味つけを薄める

 「人間の体内の塩分濃度は0.8〜0.9%。それと同じ濃度の塩分をとると、いちばん体によく、おいしいと感じやすい」と管理栄養士の牧野氏はいいます。ところが中食では、冷めてもおいしく感じられるよう、これより濃く味付けされていることが多く、塩分のとりすぎに注意する必要があります。とくに小学生までの子どもは、大人よりも低い塩分濃度がWHOによって推奨されており、中食は子どもにとって濃い味付けになりがちだと牧野氏は忠告します。人間の味覚は濃い味に慣れると、さらに濃い味を求めます。子どもには「ソースやドレッシングの量を半分にする」「家にある野菜と和える」などで薄味にするとよいそうです。

(2)油に気をつける

 中食では、どうしても油の多いものが重なってしまいがちです。揚げ物にはサラダを組み合わせたくなりますが、中食のサラダには多くの場合、ドレッシングがたっぷりかかっています。牧野氏によると、ドレッシングには油が多く含まれているので、揚げ物で油をとってしまう場合には、おひたしや酢の物を組み合わせるなど、油脂が多くなりすぎないように気をつけます。油脂が多いと、高カロリーであるだけでなく、消化にも時間がかかるため、疲れが取れにくくなります。

 「子どもの簡単な食事やお弁当をコンビニなどで買う場合は、揚げ物よりも、サケやたらこ、鶏そぼろなどタンパク質のおかずが入ったおにぎりを2つと、野菜の惣菜を1つ買うといった組み合わせのほうが、栄養のバランスが整いやすくなります。子どもが人でコンビニなどを利用するときも、これを目安として教えておくとよいでしょう」と牧野氏はアドバイスしています。

(3)添加物には神経質になりすぎなくていい

 子どもに食べさせる際、中食でどうしても 気になるのが添加物です。食品表示を確認する癖をつけておき、できるだけ添加物の少ないものを選びます。とはいえ、日本の安全基準は厳しく、とくに大手のコンビニやスーパー、デパートでは厳重に品質管理を行ない、食品の安全性には気を配っています。「食品添加物の安全性は量で決まるので、毎日同じようなコンビニ食や惣菜ばかり大量に食べ続けなければ、過度に心配する必要はありません」と牧野氏はいっています。

おすすめの本より❽

Q:友だちが他の子と仲よくしているとムカムカしてしまう
A:嫉妬は独占欲 人のことを考えられる人間になろう
解説:『光の子と闇の子』
 厶力厶力の正体は「嫉妬」だよね。嫉妬は言葉を換えれば「独占欲」。つまり、自分が得をすることばかりを考えてしまうこと。自分が得をすることしか考えていないのに、なぜか厶力ムカして不愉快になってしまう。それが「嫉妬」なんだよね。
 神学者のラインホルド・ニーバーは『光の子と闇の子』という本の中で、人間を「光の子」と「闇の子」に分けたんだ。「光の子」は自分のことよりも他人のことを考えて行動ができる人。「闇の手」は自分の利益ばかりを考えて行動する人。嫉妬深くなってしまうのは「闇の孑」の考え方なんだ。そして自分の利益ばかりを考えてしまう人は、結果的にイライラすることが多くなってしまうんだよ。嫉妬して厶力厶力しないためには「光の子」になって、他の人の利益と気持ちを尊重することが大切だよ。そうすると自然と厶力厶力しなくなるよ。

体力をつけるためには?❽

❽「旬」を生かす  ー自然のサイクルを食事にとりこむ
 野菜や果物の「旬」は、いちばんおいしくて栄養価が高い時期です。いまは旬に関係なく、一年中売っているものもありますが、その多くはハウス栽培や外国から輸入されたものです。暑い夏には体を冷やすキュウリやナス、寒い冬には鍋で煮込む大根や白菜、風邪の予防になるビタミンCを多く含むミカンなど、 旬の食材は季節に合わせて私たちの体調を整えてくれます。とくに和食は伝統的に、旬の食材をおいしく食べるように考えられており、 ハレの日(祭りなど特別な日)の行事食にも、旬の食材が多く使われています。子どもが旬の食材を知り、食べることは、栄養面のメリットがあるだけでなく、五感で四季を感じ、日本の伝統を知るための身近で手軽な方法です

食べ物の「旬」を生かすにはどうすればいい?
(1)旬を知り、子どもに教える
 旬の食材は、その食材にとって最も快適な時期に育つので、元気に育ちやすく、たくさん収穫できます。そのため栄養価が高いだけでなく、安く手に入ります。たとえば露地もののホウレンソウは、旬の冬に採れたものだと、ビタミンCが夏採りのものの3倍も含まれ、トマトなら、夏採りのものはベータカロテンが他の季節に採れたものの2倍にもなります。サンマやイワシは、秋には脂がのっておいしくなるだけでなく、脳の活性化や生活習慣病の予防に役立つとされるDHAやEPAが春や夏のものの2〜3倍あるといわれています。私たちの体は季節に合わせて、暑いときには「体を冷やすもの」、寒いときには「体を温めるもの」をほしがり、旬の食材はそんな体のニーズに合っているため、おいしいと感じます。親自身、旬の情報を仕入れ、毎日の食事に取り入れて、子どもたちに旬について教えてあげるようにします。

四季の旬の食べ物の例

春:イチゴ、菜の花、アスパラガス、タケノコ、アサリ(新陳代謝が落ちる冬の間、体内にためこまれた老廃物を出すのを助けてくれる

夏:トマト、キュウリ、ナス、スイカ、アジ(水分やカリウムが多くふくまれ、利尿作用があり、体を冷やす

秋:さつまいも、さといも、キノコ、栗、梨、柿、サンマ、イワシ(夏の日差しをたっぷり受けて栄養を蓄えており、冬の寒さに負けない体をつくる

冬:ホウレンソウ、白菜、大根、ミカン、ブリ(体調を整えるビタミンCが多く含まれ、風邪を予防する 

おすすめの本より❼

Q:友だちが少ない
A:友だちは多くいるからいいというわけではないんだよ
解説:『我と汝』
 マルティン・ブーバーは『我と汝』という本で自分と他人の関係について説明してくれているよ。その本の中で「会う」という言葉が出てくるけど、その言葉の中に、友だちとの関係を教えてくれるヒントが隠されているんだよ。「会う」という言葉は正確に言うと「会う (meet)」 と「出会う(encounter)があって、このふたつの言葉の意味はまるで違うんだ。
 マルティン・ブーバーは「出会う」という言葉を「私とあなた(I and You)」と表現している。 一方、「会う」という言葉は「私とその他(I and It)と表現している。少し難しい話だけど、「私とあなた」の関係性こそが友だちで、「私とその他」は単なるクラスメイトや知り合いのことなんだ。つまり、友だちの価値は人数では決まらない…ということだよね。だから友だちの数で悩まずに「私とあなた」になれる深い友だちを大切にしようね。

体力をつけるためには?❼

❼ 「お弁当」をつくる  ー愛情をこめつつ、手間は少なく
 子どもたちはお弁当の時間、つくってくれた家族の話をすることが多いといいます。お弁当は、一緒に食卓を囲めないときの家族の絆。子どもはそれをお弁当を食べながら感じているのです。とはいえ、忙しい朝のお弁当づくりは負担に感じるもの。愛情はこめながらも、できるだけ負担なくつくりたいところです。そのためには、お弁当のパターンを決めておくと便利です
賢く「お弁当」をつくるにはどうすればいい?
(1)ちょうどいい量をバランスよく詰める
 管理栄養士の牧野氏は、「詰める割合は、表面積を主食:主菜:副菜=2 :1:1にするのが基本」だといいます。弁当箱は、幼児は300〜400ml、小学校低学年なら500〜600ml、高学年なら600〜700mlの容量のものを勧めています。弁当箱のサイズが1ml分大きくなると、入るお弁当のエネルギーも約1kcal増えるので、弁当箱のサイズ(ml)は必要なカロリーの量(kcal)とほぼ同じです主食はパンでもよいのですが、ごはんはパンに比べて脂質が少なく塩分がないため、よりヘルシーです。できればごはんを詰めることを基本にします。
(2)彩りは5色を目安に
 小さな子どもほど「目で食べる」といい、色は子どもの食欲を剌激します。5色というとハードルが高そうですが、卵焼きやゆでたサツマイモ(黄)、ブロッコリーや枝豆(緑)、プチトマトや梅干し(赤)で3色。あとは肉(茶)を焼いて、ごはん(白)があれば5色になります。
(3)「調理法と味の掛け合わせ」でバランスを整える
 どうしてもパターンが限られてしまうといった「おかずのマンネリ化」を解消するには、「調理法と味の掛け合わせ」で工夫ができます。「調理法と味付けをさまざまに組み合わせると、エネルギー、塩分のバランスを整えやすい」と牧野氏は次のように具体的な掛け合わせを勧めています。
(4)冷凍食品を使う
 冷凍食品も便利に活用できます。お弁当づくりで最も重要なのは、手づくりにこだわることよりも、主食、主菜、副菜のバランスです。おかずがそろわないときやつくる時間がないときは、冷凍食品を取り入れてバランスを整えます。冷凍食品を買うときは、いつも同じものではなく、メーカーを変えたり、いろいろなおかずを選ぶようにします。「いったん解凍されると霜がついて味が落ちるので、一度開封したら賞味期限にかかわらず早めに使い切ってしまうこと。使い切らないときはすぐに冷凍庫にしまいます。ブロッコリーや青菜は、自分でゆでて冷凍するより、冷凍食品のほうがおいしく食べられます」(牧野氏)
(5)自家製冷凍食品をつくりおきする
 牧野氏によると、晩ごはんにつくるしょうが焼きや焼き魚、ハンバーグなどは、多めにつくってお弁当用に冷凍しておくと便利だそうです(『冷凍・冷蔵がよくわかる食材保存の大事典』 池田番店)。全部味付けをし、火を通してから冷凍し、使うときは電子レンジで再加熱します。冷凍のまま加熱してもいいですが、前の晩から冷蔵庫でゆっくり解凍しておくと、朝温めやすくなります
(6)汁物は保温ジャーを活用する
 カレーやシチュー、おでん、麻婆豆腐、豚汁などは、朝温めなおして保温ジャーに入れておくと、お昼にはちょうど食べごろになっています。ただし、「一度開けると中の温度が下がり、菌が繁殖しやすくなるので、開けたらすぐに食べきるように子どもに伝えておきます」 (牧野氏)
(7)汁気のあるものは容器を分ける
 牧野氏によると、お弁当が傷む原因は「高上にのせるようにします。お弁当に定番の副菜であるプチトマトやブロッコリーも、キッチンペーパーで水分をふきとってから入れます。卵は半熟ではなく、しっかりと火を通します。丼として食べたいときには、汁気を含む具は別容器に入れておき、食べるときにごはんの上にのせるようにします。お弁当の定番の副菜であるプチトマトやブロッコリーも、キッチンペーパーで水分をふき取ってから入れます。卵は半熟ではなく、しっかり火を通すそうです。
(8)冷凍デザートで保冷する
 保冷対策が必要なのは夏だけではありません。外が寒い時期でも室内は暖かく、とくに暖房近くでは温度が高くなり、菌が繁殖しやすくなります。牧野氏は「デザート用にゼリーや果物を他の容器に入れて凍らせておくと、保冷剤代わりに使える」とアドバイスします。冷凍する果物としてはグレープフルーツな どのかんきつ類(皮は取り除く)、皮付きで食べられるぶどうや、缶詰の果物も使えます。
 

今年度、体育館用のパイプ椅子をリニューアル

 先日、教育委員会から体育館用のパイプ椅子を購入していただき、春に購入していただいたのと合わせて80脚程度、リニューアルになっています。今まで使用しているものは、東大芦小学校時代のものですので、50年前のものになります。古くなったものの中でまだ使えるものは、校庭での使用に体育小屋に片付けました。処分するものは、来週中に古くて歪んでいる台車もふくめてお願いしてあります。新規のパイプ椅子台車をPTAの予算で3台ほど購入させていただきました。新しいパイプ椅子で卒業式を迎えられそうです。

 

おすすめの本より⑥

Q:“自分らしさ”って何?
A:はっきりした“自分らしさ”はわからないものなんだ
解説:「人は考える葦である」
 フランスの哲学者、ブレ-ズ・パスカルは「人は考える葦である」と言い残しているよ。葦とはススキに似ている、川辺や湖の岸などに生えるイネ科の植物だ。風が吹くと頼りなくゆらゆらと揺れる様子を見て、人は葦と同じように頼りない存在だと表現したんだ。
 科学やコンピュー夕―が発達して、人間は万能な存在であるかのように錯覚してしまうけれど、一番身近な自分らしさを考えても、答えはなかなか見つからないよね。人の多くは感情によって言動が変化するもの。優しい気持ちの時もあれば、抑えきれない怒りがわき上がる時もある。そして、集団や相手によっても変わる。家族、友達、好きな子、先生に見せている君の顔は、それぞれ少しずつでも違うよね。それは 相手によって持つ感情が違うからなんだ
 人は感情によって揺れ動く存在で、言うなれば君の感じたすべてが"自分らしさ"だよ。

6年2組公開授業の振り返り

 6年2組で道徳の公開授業がありました。「本当の自由」をテーマに、「大空に飛び立つ鳥」という教材を通して、考えていきました。小職は出張で公開授業を参観することができませんでしたが、放課後の授業研究会に多くの先生方が参加でき、誇りに感じました。

 授業者は学級の実態を考慮して、子ども自身の意見が出やすいように自分の考えをノートに書くようにしたとのことでした。参観者からは今回の授業でのよさを感じる意見が多く出され、よりよい授業実践のための感想が述べられていました。子どもたちの成長を感じることができた授業だったようで、嬉しくなりました。今後もよりよい授業実践をお願いしますね。

 

体力をつけるためには?❻

❻一緒に「料理」をする  -五感を育む刺激的な体験
 自分が子どもだったころに比べて、親子の会話時間が短くなったと感じる親が増えています。江崎グリコの調査では、仕事に家事にと忙しいうえ、子どもと向き合って会話するよりもスマホを利用している時間が長いという親が多くなっているようです。こうした中で、親子で一緒に料理をするのは貴重なコミュニケーションの機会になります。東京ガス都市生活研究所の調査によると、親子で料理をしている頻度が高いほど家族の仲がよく、幸福感が高い傾向にあります。

一緒に「料理」をするにはどうすればいい?
(1)キッチンで五感を養う
 料理をしていると、味見によって「味覚」が、材料を扱うことによって「触覚」が、調理中の変化を見ることで「視覚」が、野菜を切ったりぐつぐつ煮たり焼いたりすることで「聴覚」が、食材そのものや調理中に漂う香りから「嗅覚」が育まれていきます。材料を洗ったり、鍋をかき混ぜたり、味見をしたり、簡単な作業を手伝うだけでも、十分に五感が剌激されます。
(2)基本のスキルを身につける
 料理のスキルは、生きていくうえで欠かせない力です。「焼く・蒸す・煮る・炒める」という基本を身につけておけば、世界中どこへ行っても生き抜くことができます。子どもたちが生きる未来には、日本は人口 が減り、市場が縮小していきます。そうなれば、これまで以上に国外へと勉強や仕事の場を求める人が増えていくかもしれません。
 そんなとき、食べ慣れた味を簡単につくれるようにしておくことは、子どもの将来の大きな支えになります。まずはこの「4つの基本」で、塩やコショウのシンプルな味付けでもおいしい料理ができることを一緒に体験します。
(3)知識の「実感」を育む
 教育現場では、「いまの子どもは、知識はたくさん身についていても、実感的な知恵は乏しい」と嘆かれることがあります。たとえば「100グラ厶はどれくらい重い?」「15mlってだいたいどれくらいの分 量?」「大きなペットボトルにはどのくらい水が入る?」といったことが実感としてわからない子どもが多いといいます。料理で材料などを計測すると、体積や重さが感覚で理解できるようになります。
 こうした感覚が身につくと、算数や理科の勉強で非現実的な数字に出くわしたときにも「あれ、これはおかしいぞ。計算がどこか間違っているのかも」という直感が働くようにもなるようです。
(4)まかせて達成感を梅かせる
 料理は子どもが達成感を得やすい作業です。達成感を覚えると、子どもはやる気になります。子どものペースに合わせて料理をするのは時間や手間がかかりますが、親は極力手を貸さずプロセスにも結果にもあれこれ言わないようにします。
 「カレーにチョコレートを入れてみる?」「牛乳を豆乳に替えてみる?」などと話しながら、試行錯誤のきっかけをつくってあげるのも創造力が育ち、子どもの自信につながります。
(5)レシピを一緒に眺める
 「野菜を切る」「衣をつける」「団子のかたちにまるめる」といった、部分的な作業を子どもにまかせるときも、レシピ全体を一緒に眺めます。そして、その作業が全体の中でどんな役割なのかを考えます。なぜ野菜を細かく切るのか、なぜ衣をつける順番が決まっているのかなど、「なぜ?」を一緒に考えることが、子どもの能力を伸ばします。料理は客観的に自分自身の思考や行動を眺める「メタ認知能力」を育みます。「自分には何が足りないのか?」「どうすべきか?」を考える問題解決能力です。メタ認知能力は、幼児期後半から徐々に発達し始め、小学3年生くらいからしっかりと働くようになり、学力、そして将来の仕事の能力にも直結するといわれています。

おすすめの本より⑤

Q:自分のいいところがわからない
A:だれでも自分のことはわからないものなんだ
解説:「自分の顔を見ることはできない」
 人のいいところは、自分が当たり前だと思っているところにあるものだから、自分ではわからないんだよ。もし、人から褒められようと思ってやっているなら、それは“いいところ" とは言えないよね。
 フランスの哲学者、エマニュエル・レヴィナス(1906~1995)が「自分の顔を見ることはできない」と言っ ているように、自分のいいところはわからないものなんだ。「自分は嫌われていないか」「人からどう思われているか」と不安な時もあるだろう。でも“無意識の中"に君のいいところはかならずあるから、心配することはないよ。また、レヴィナスは「自分の顔は他人が1番よく知っていて、他人の顔は自分が1番よく 知っている」とも言っているんだ。自分がどう思われているかを不安に思うよりも、友達のいいところを探してみよう。今よりも友達関係がよくなるはずだよ。

おすすめの本より④

Q:奇麗になりたい

A:”品“を忘れないようにしよう

解説:「我らは美を愛すれど簡素さを失わず、知を愛すれど柔弱に陥らない」

古代アテナイの政治家で哲学者でもあるペリクレス(BC495頃~BC429)は「我らは美を愛すれど簡素さを失わず、知を愛すれど柔弱に陥らない」という演説をしたことがあるんだよ。この演説の意味は、美しいけれどもゴテゴテになりすぎない、知識をつけても弱々しくならない、ということなんだよ。

綺麗になりたい!オシャレをしたい!と思うのは自然なことだけど、そのことばかりに気を取られてしまうと、人間としての本来の美しさのバランスが崩れてしまうことがあるから注意しようね。

何事も、やりすぎは“品"をなくしてしまうからね…。ペリクレスは演説の中で本当の美しさには”品"が大切だということを教えてくれたんだよね。

“品"を忘れないためには、見た目だけの美しさにとらわれることなく、人間としての内面の美しさにも磨きをかけることが大切だよ。

体力をつけるためには?❺

❺「好き嫌い」をなくす  -苦手があるのは自然なこと

 味覚に関する研究の世界的権威である理学博士のジャック・ピュイゼ氏は、「誰一人として同じ味に対する同じ反応はない」といっています。4、5歳から7歳(長い場合は9歳くらい)まで、子どもは新しい食べ物を危険なものととらえます。とくに、苦昧や酸味については、「腐った異物」だとして、本能的に受けつけません。たとえば、小学生が嫌いな食べ物の上位を占めるゴーヤ、セロリ、ピーマンなどは、大人にとっては香りや食感を楽しめる食材ですが、多くの子どもにとっては危険な異物として受けとめられます。食べ物の好き嫌いは生まれもった本能的な反応であり、子どものときほど敏感で個人差が大きいのは自然なことです。

「好き嫌い」をなくすにはどうすればいい?

(1)無理強いはしないがあきらめない

 好き嫌いのような本能的な反応には無理に逆らおうとせず、見ただけで嫌がるようなら強制する必要はありません。とくに苦味に対する味覚が育つのはかなり遅いので、子どもが苦い食べ物を嫌うのは自然な反応です。ただし、だからといって食べさせるのをやめるのではなく、2〜3日あけてから、少し味や調理の仕方を変えてもう一度試します。 子どもの味覚を育むには、新しい食べ物に親しむことが重要だからです。ただし、毎回、無理に食べさせようとはせず、食べなくても気にしないで、淡々とくりかえします。生理学的に味覚が変わり始める10歳あたりになると、コショウや塩、野菜も好むようになってきます。苦味の強い野菜には甘めの昧付けをするなどの工夫で、少しずつ昧覚の幅を広げていきます。

(2)味の刺激で脳の発達をうながす

 食べ物の味は、舌の表面にある味蕾という器官でキャッチされ、神経細胞を通して脳に伝えられます。味蕾は8歳から急速に増え、12歳をピークに減っていってしまいます。味蕾が味をキャッチするたびに送られる信号は脳を刺激し、脳の発達をうながします。 脳の発達は、小脳が8歳ごろ、大脳は12歳ごろで完成するといわれています。いろいろな味を経験することで脳が刺激を受けると、「視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚」の五感が研ぎすまされていきます。食べることは、たんなる生存のためだけでなく、脳の発達にもつながっているのです。ジャック・ピュイゼ氏は「刺激が乏しくてつまらない食べものは言葉を眠らせ、言語を衰遇させる」といっています。また、12歳までに基本の味をきちんと体験していない子どもは、成長してから問題行動を起こしやすいという研究結果もあります。とくに味蕾がキヤッチできるのは、食材そのものの自然の昧です。自然の味から基本の「甘味・塩味・酸味・苦味・うま味」の5つの味を見分けるごとに味蕾の数が増え、味覚力が鍛えられていきます。

(3)大人がおいしそうに食べるのを見せる

 栄養のことだけでいうと、嫌いな特定の食ベ物を食べなくてもほかの食べ物で代替できるので、好きなものだけでお腹を満たしていても、子どもは十分に育ちます。とはいえ、味覚は脳の発達にもつながっているので、その意味では子どもがさまざまな味を経験するのは大切なことです。大人ができるだけいろいろな食材に挑戦し、おいしそうに食べているところを見せると、子どもも新しい食べ物に興味を覚え、チャレンジしてみようという意欲がわきます。家庭では、親が好きでないものは食卓に上りにくい傾向にありますが、子どもに機会を与えるために、大人もさまざまな味に挑戦します。

(4)好き嫌いを克服するための工夫

 みじん切りにして、ハンバーグやカレーなどに入れてしまう、子どもの好きなキャラクターのぬいぐるみや人形を使って応援する、ゆでて苦味を減らすなどがあります。また、苦味や酸味のある食べ物には、甘味や塩味をつける(ホウレンソウにゴマだれ、マーマレードにハチミツ、ゆで卵に塩など)こともよいようです。

体力をつけるためには?❹

❹「朝ごはん」を食べる  -シンプルなパターンをつくる

 人は寝ているあいだもエネルギーを少しずつ消費するので、朝起きたときにはエネルギーが不足しています。寝ているあいだは体温も低下し、体は省エネモードになっています。そこで、朝ごはんを食べて体温を上昇させ、全身にエネルギーを満たすことによって、脳も体も活動的になれるのです。
 脳を使うには、ブドウ糖がエネルギー源として必要です。朝ごはんではブドウ糖を補い、血糖値を上げて脳にエネルギーを届けることで、脳をしっかりと目覚めさせます。また、嚙むことによって「幸せホルモン」、セロトニンが分泌されます。セロトニンは精神を落ち着かせる神経伝達物質で、これが不足すると気分が落ち込んだり、寝つきが悪くなったりします。セロトニンがつくられるのは起きているあいだだけ。朝ごはんをしっかり嚙んで食べれば、脳内で「幸せホルモン」の分泌が活性化します。

きちんと「朝ごはん」を食べるにはどうすればいい?
(1)余裕を持って起こす
 「小学生の6人に1人が朝ごはんを食べていないという残念なデータがあります。子どもはまだ消化管が十分に発達しておらず一度にたくさん食べることができないので、3食しっかり食べることで大事な栄養を摂取する必要があります。
また、エネルギー不足のまま学校へ行くと、授業に集中できず頭がぼ一っとしたり、体が思うように動かず、ケガをしやすくなったりします。起きてから家を出るまでに必ず朝ごはんを食べられるよう、余裕を持って起こすようにします。
(2)パターンを決める
 朝ごはんも「主食:主菜:副菜=3:1:2」でとるのが基本です。とはいえ、忙しい朝にそこまで手をかけるのも大変なので、「朝はパターンを決めておくと楽」と管理栄養士の牧野氏は次のように勧めます。「ごはんが主食なら主菜は卵や納豆、副菜は前日の味噌汁にする。パンが主食ならロールパンのように焼かずに食べられるパンを選び、チーズやゆで卵などを主菜にすると簡単に済みます。副菜はミニトマトやゆで置きのブロッコリーを常備しておくと便利ですが、 時間がないときは野菜ジュースでも補えます」

体力をつけるためには?❸

❸「外食」を楽しむ  一親子でリラックスできる貴重な機会
 子どもたちが大好きな外食。親にとっても準備と片づけのいらない貴重な気分転換です。一方で、コロナ禍にありますので十分に留意する必要も生じています。特に、緊急事態宣言中ですので、ステイホームです。ご家庭での食事を楽しんでください。安心できる状況でしたら以下のこともいかがでしょうか。
 平日だと親の帰りが遅くなったり、習い事があってきようだいでも食事の時間がばらばらだったりしますが、週末の外食なら家族そろって、テレビをつけることもなく、ワイワイとみんなでおしゃべりをしながら、ゆっくり楽しく食べられます。

「外食』を上手に生かすにはどうすればいい?
(1)珍しい料理を体験する
 「子連れでも気楽なところJと考えると、ついファミレスに足が向きがちです。でもせっかくなら、家では食べないようなものを体験してみると、子どもの味覚を広げる貴重な機会になります。グローバル化がますます進み、将来わが子が日本以外のどこかで働くことになるかもしれません。さまざまな食文化を受け入れられるようにしておくことも、親としてできることのひとつです。同じカレーでも、家で食べるカレーライスではなくナンを使って食べる「インドカレー」、タイの定番の屋台料理である「ガパオごはん」うどんに似ているベトナ厶の国民料理「フォー」など、辛くなくしてもらえば子どもでも食べやすいエスニック料理はたくさんあります。
(2)週に一度くらいならファストフードもOK
 おまけのおもちゃに釣られて子どもが行きたがるのはファストフードのお店です。最近のファストフードチェーンは品質や安全性が非常に厳しく管理されており、過剰に神経質になる必要はありません。ただ、高脂質、高カロリーのメニューが多いので、ファストフードを食べた日は、脂っこいものを控えて野菜をたっぷりとらせるなど、1日3食のトータルの栄養バランスを考えることは大切です。
 また、それは、ラーメンや牛丼などを好んで食べる大人にも当てはまること。ファストフードを食べるときは、頻繁に食べるのは健康に悪いということを意識付けするようにします。
(3)スマホやゲー厶はかばんにしまう
 家族みんなで出かける外食は親子のコミュニケーションの貴重な時間です。せっかくの機会に、それぞれがスマホを見たり、ゲー厶をしてたりしていてはもったいないです。
 食事中の会話が多ければ、子どものコミュニケーション能力が高くなるともいわれています。また、家族間でのリラックスした会話を通じて、自己肯定感も育まれていきます。会話をはさみながら食事をすると、ゆっくり食べることができ、肥満の防止にもつながります。食事を通じた家族団欒にはたくさんの効用があります。

挑戦!「漢検の日」

 9時から漢検が始まりました。2年生の教室で10級から8級に、5年教室で7級から準2級に挑戦です。昇降口で消毒をし、教室前で検温して決められた席に着きました。試験の説明がそれぞれで行われました。漢字に挑戦、頑張って顔晴ってください。

 

 

体力をつけるためには?❷

❷「おやつ」をあげる  一糖質より脂質に気をつける

 子どもは活動量が多いため、間食をほしがります。管理栄養士の牧野氏によると、おやつは「食べる時間と量を決めることが大事」とのこと。そうしないと際限なく食べてしまい、晩ごはんが食べられなくなってしまうからです。おやつは昼ごはんと晩ごはんの中間くらいの時間に、1食分をお皿にのせて渡します。
 1日に必要なエネルギー量の10%くらい、小学生なら約200キロカロリーが目安になります。これは板チョコでいうと1枚の半分、あんぱんなら1つ、ポテトチップスなら小袋1袋程度です。
 おやつ選びのポイントは、糖質より脂質をチェックすること。脂質が多いと消化のためのエネルギーが多く必要になるため、だるくなったり、眠くなったりすることがあります。

「いいおやつ」ってどういうもの?
(1)脂質が少ないおやつを選ぶ
 安心なのは和菓子です。「どら焼きやみたらし団子をはじめ、和菓子だと脂質が少なく、あずきには日本人に不足しがちな食物繊維も含まれます。ほかに脂質が少ないおやつは、おにぎり、あんまん、あんぱん、ジャムパン、ぶどうパンなど。バナナ、ゼリー、ヨーグル卜もオススメです」と牧野氏はいいます。
 一方で、脂質の多いおやつとは、ケーキ、ホットドック、カップラーメン、唐揚げ、ハンバーガー、フライドポテト、カレーパン、アイスクリー厶などです。どれも子どもの大好物ですが、カロリーも高いので、毎日のように食べるのは控えたほうがよさそうです。スナック菓子に含まれるトランス脂肪酸は、悪玉コレステロールを増やして老化や生活習慣病を招くおそれもあります。
(2)甘い飲み物に注意する
 小学生なら、1日に1リットルくらいの水分が必要です。のどが渇いたときは、コップ1杯の牛乳を飲むと、カルシウム不足が補えます。また、しっかりと水分補給をするには水、もしくはお茶がベストです。子どもが大好きなスポーツドリンクは、おやつとしてコップ1杯程度ならOKですが、のどが渇くたびにスポーツドリンクを飲んでいると、すぐに力ロリーオーバーになります。
 500ミリリットルの清涼飲料水には、砂糖などによる糖質が50グラ厶近くも含まれていることがあります。糖質は子どもの成長にとって欠かせない重要な栄養素ですが、毎日何度もジュースを飲んでいたら、いつのまにか飲み物だけで砂糖を過剰に摂取してしまうことになるので注意が必要です。
(3)運動の後はエネルギー補給をする
 習い事などで運動する場合、始まるまでに時間があるときは、「おにぎりやあんまんなど、糖質の中でもゆっくり消化・吸収されるでんぷん質の多いものを食べると長い時間エネルギーになり、体の動きがよくなります」(牧野氏)
 運動の後は、速やかな疲労回復と筋肉の修復のために、あまり時間を置かずに「果汁100%のオレンジジュース、ビタミンCやクエン酸入りのスポーツドリンクを飲むか、小さなおにぎりや牛乳、バナナなどをとるのが効果的。そのうえで、夕食でしっかりタンパク質を補うことが大事」だと牧野氏はいっています。

おすすめの本より③

Q:自分の言葉で上手く話せない
A:自分のことをよく知ると自分の言葉で話せるようになるよ
解説:
最も困難なことは自分自身を知ることであり、最も容易なことは他人に忠告することである
自分の意見をスラスラと言っているがいたらかしこくてかっこよく見えるよね。でも、話している内容をしっかりと聞いてみよう。
ギリシア七賢人のひとりであるタレスは「最も困難なことは自分自身を知ることであり、最も容易なことは他人に忠告することである」と言っているんだ。
他人を批判したり、他人に忠告したりするのは簡単なことで、だれにでもできるよね。でも、そうした言葉は、人に対して意見を押しつけているだけで、本当の意味での自分の言葉ではないよね。自分の言葉で話すために大切なのは、自分自身のことを知っていることだよ。だから、「自分の言葉で話せない!」と悩んでいる人は、自分の長所はなんだろうか?自分の短所はなんだろうか?と自分のことについて、よく考えてみることからはじめるといい。そうすると自然と自分の言葉で話せるようになるよ。

おすすめの本より②

Q:他人と自分を比べて劣等感をもってしまう

A:劣等感を上手く使えば向上心につながるよ

解説:

 精神科医で心理学者のアルフレッド・アドラーは「劣等感を友達にしろ」と言った。劣等感は、だれもが持っている感情のひとつ。でもこの劣等感を上手く使えば、向上心を持つきっかけになるんだよ。
 一方で悪い劣等感もあって、それは「他人」との比較で生まれたものだ。「自分はあの人よりもサッカーが下手」などと比べるのはよくないよ。たとえ頑張って練習をしてその人を超えることができても、また違う人と比べてしまうんだ。大切なのは他人と自分を比べてしまうクセをやめること。悪い劣等感を持っていると、 考え方が卑屈になってしまうよ。
 よい劣等感とは、“理想の自分”との比較で生まれるものだ。大切なのは“目標”を持つことだね。その目標にどれだけ近づいているか、冷静に今の自分を見ることができれば完璧だ。たとえ苦手なことでも、かならず上達するよ。

おすすめの本より①

 2020年から21年にかけて、鬼滅の刃のブームです。冬休みに23巻を読みましたが、ブームになるだけのことはありました。キーワードは、「家族愛・兄弟愛」「頑張る長男の炭治郎(たんじろう)と、愛されキャラの禰豆子(ねずこ)」「シリアスとユーモアの絶妙」「個性の濃いキャラクター」などがある中で、「折れない心(レジリエンス)」ではないかと思いました。正に折れない心を作る教科書のようなものでした。

 今回、「10歳の君に贈る、心を強くする26の言葉」という本から26の言葉を紹介します。お子さんに伝えてみてください。Q&Aの形式になっていて、その解説を哲学者が答えてくれるようになっています。

Q:「勉強ができない」
A:「できないこと 知らないことを 知っているからこそ 先に進めるんだ」
解説:
ソクラテスの有名な言葉に「無知の知」がある。ある日ソクラテスは知り合いの賢者たちに善と正義の意味を聞いて回った。賢者たちはみんな、善と正義の意味なら「もちろん知っているさ…」と言ったが、ソクラテスと深い問答を繰り返すうちに、誰もその意味を答えられなくなってしまった。その時にソクラテスは気がついたんだ。みんなは自分が知っていると思い込んでいるだけで、実は何も知らない人が多い一.
本当は知らないのに、自分が知っていると思い込んでいる人たちは、その先に進むことができない。それよりも「自分は何も知らない」ということを知っている人の方が本当は賢いのではないか?という考えにたどり着いたんだ。
自分は勉強ができない!ということを知っているということは、その先に進めるということだよ。「できない」と知っているからこそ努力ができる。これはすごいことなんだよ。

 

体力をつけるためには?❶

 今日から子育てベスト100に載っている「体力をつけるためには?」を紹介していきます。

❶バランスよく「栄養」をとる  -よい食事のシンプルな本質
 管理栄養士で子どもの栄養指導にもくわしい牧野直子氏は、子どもの食事で最も大事にすべきことは「全体のバランスを整える」ことだといいます。バランスを整えるには、主食•主菜•副菜をそろえるということが基本です。牧野氏によると、「主食3:主菜1:副菜2」の割合がベストのバランスだそうです。

バランスよく「栄養」をとるにはどうすればいい?
(1)「主食•主菜•副菜」をワンセットにする
 「主食」は、ごはんやパンなど糖質が中心です。糖質は脳と体を動かすエネルギー源になります。糖質制限がブームですが、牧野氏は「糖質が不足すると代わりにタンパク質が使われ、体が大きくなるために必要な栄養素を使ってしまうことになり、骨や筋肉の成長をさまたげます」と忠告します。一度の食事でおにぎり2つ程度、しっかりと糖質をとることが大切です。「主菜』は肉や魚、卵、大豆製品などタンパク質を多く含む食材でつくります。主菜は筋肉や血液などをつくる基になります。とくにスポーツをしている子どもは、筋肉の疲労回復のために、タンパク質をしっかりととることが必要です。
 「副菜」は野菜やきのこ類、海藻、こんにゃくなど、ビタミンやミネラル、食物繊維が多く含まれるおかずです。副菜は体の調子を整えます。「副菜」は1食に2品以上が理想ですが、たとえば具だくさんの味噌汁なら1品で栄養満点。また、主菜にもたっぷり野菜を加えれば、主菜と副菜を兼ねられます。味付けは、主菜が濃いめなら副菜は薄味に、主菜が塩味なら副菜は甘みのあるものにして、全体でバランスをとると、飽きずにおいしく食べられます」(牧野氏)
(2)毎日2杯の「牛乳」を飲む
 これらのほか、子どもの成長期に欠かせない栄養素は、カルシウムです。カルシウムの大半が蓄積されるのは成長期まで。大人になって骨粗鬆症や生活習慣病にならないよう、この時期にしっかり摂取しておくことが大切です。牛乳なら毎日コップに約2杯。小学校の給食で出される牛乳、約2本分です。給食のあるときは、朝ごはんやおやつをコップ1杯の牛乳と一緒にとるようにします。
 ただ、これだけではまだ足りず他の食品からも補う必要があります。ヨーグルトやチーズなど、牛乳以外の乳製品にも多くの力ルシウ厶が含まれています。青菜類(小松菜)、海藻類(ひじき)、大豆食品(木綿豆腐や納豆)、小魚や桜えび(殻、骨ごと食べられるもの)などからもとることができます。
日本人は大人でもカルシウムが不足しているといわれています。子どもの場合、「給食のない週末や長期休みのあいだはとくに気をつけて、家族みんなで積極的に乳製品などをとるように心がけて」と牧野氏はいいます。
(3)1人分ずつ取り分ける
 子どもの肥満が増えていますが、牧野氏によると、盛りつけは1人分ずつ取り分けたほうが、偏食や食べすぎを防ぐとのことです。子どもにはお子さまランチのようにワンプレートミールで盛りつけると、いろいろなおかずが一皿にのってカラフルになります。赤やオレンジ'、黄色の暖色系の器を使うと、食 欲をそそるようです。
(4)夕食が遅くなるなら「2回」に分ける
 最近では、親の帰宅時間や子どもの塾•習い事の関係で、食事の時間が遅くなりがちな家庭が多いかもしれません。そんなときは 「2回に分けて食べさせればいい」と牧野氏はアドバイスします。1回目は、夕方にパンやおにぎりなど主食系のものを先に食べさせておきます。肉まんやおにぎりに含まれる豚肉やサケ、たらこなどのビタミンB,は、主食の糖質と一緒にとると脳の働きがよくなります。
 2回目には、普段の食事より1〜2割少なめの主菜と副菜を食べさせます。ただし2回目のおかずは、揚げ物など消化に時間がかかるものは避けたほうがベターです。睡眠が浅くなったり、翌朝食欲がわかず朝食を食べられなくなったりします。
(5)食べない子には? 食べすぎる子には?
 食の細い子には、高カロリーな揚げ物にすると、少量でもしっかりとエネルギーがとれます。逆に食べすぎてしまう子には、早食いにならないよう、噛みごたえのあるものを出し、よく噛んでゆっくり食べるようにうながします。「噛みごたえを出すには、パスタなら、ペンネのような短いパスタにすると嚙むのに時間がかかります。野菜も固めにゆでたり、繊維に沿って切ったりすることで嚙みごたえを残せます。たとえば千切りキャベツは、繊維に逆らうように切るとふわふわで口当たりが柔らかくなり、繊維に沿って切るとシャキシャキとした噛みごたえが出ます」 (牧野氏)

学力をつけるためには?㉒

㉒「集中力」をつける  一集中できるのはせいぜい15分
カリフォルニア大学アーバイン校の情報科学者、グロリア•マーク教授によれば、人が集中した状態で知的な活動を行なっている際、 邪魔が入ると、ふたたび集中した状態に戻るまでに「23分」もかかるそうです。また、アメリカのブルッキングス研究所は、頻繁に邪魔が入ると、子どもの脳の実行機能が阻害されることを明らかにしています。
子どもたちのまわりは、楽しい刺激に満ちあふれています。そのため、頭の中は雑念に占拠されやすくなっています。現代は、子どもたちの脳がひとつのことに集中しにくい環境であり、効率的な学習や脳の発達には決してよいとはいえないようです。

「集中力」をつけるにはどうすればいい?
(1)机の上には「いまやること」だけを置く
勉強するときにはまず視界に無駄なものが入ってこない環境をつくります。脳はそうした無駄なものからも自動的に情報を取り込み、エネルギーを消費して疲労します。子どもの脳に余計なエネルギーを消耗させないためには、机の上から関係ないものを片づける、あるいは無地の布をかけて隠してしまうのも効果的です。やるべきことに集中できるよう、いまやるものだけを目の前に置きます。
片づけコンサルタントの安藤貢氏は、机の上に常備しておく文房具も、子どもが気に入っていて使いやすいものだけに厳選することを勧めています。
(2)「ルーティン」を決める
ルーティンとは、いつも決まってやる動作など「儀式」のようなものです。ラグビーの五郎丸選手がキックの前に行う、拝むようなポーズが有名ですが、多くのスポーツ選手が、ふだんの練習からルーティンを取り入れ、「集中のスイッチ」にしています。
これは心理学的にも効果があることが明らかになっており、勉強にも活用できます。子どもが勉強を始める際、「決まった位置に文房具を並べる」「机をきれいにふく」「親子で決まった言葉をかけ合う」など、毎日楽しく続けられそうなルーティンを一緒に考えます。
(3)「小分け」にして時間を計る
子どもが集中できる時間は、未就学児〜小学校低学年の場合は「年齢プラス1分」程度、高学年から中学生でも「15分」程度といわれています。子どもは長時間集中することができないので、やるべきことは5分から10分くらいでできそうな分量に小分けにするのがコツです。そしてゲー厶っぽく、ストップウォッチを使って「ヨーイドン」と始めます。
かかった時間や正答率をゲームのスコアに見立て、ゲー厶のステージをクリアしていくような感覚だと、子どものやる気がアップします。「5〜10分x 2〜3セット」で行なうと達成感を得やすく、集中力だけでなく時間の感覚も身につきます。
(4)「休憩」をとる
イタリア出身のコンサルタント、フランチェスコ・シリロ氏は、仕事や勉強、家事などを25分間続けた後に5分の休憩をとり、そのサイクルを最大4回続けるという時間管理術「ポモドーロ・テクニック」を編み出 しました。シリロは、この「25分+5分」が人間にとって最大限の生産性と効率性を引き出せるベストなバランスだといっています。
子どもの場合、一気に25分集中するのは難しいですが、勉強したら休憩を入れて脳を休めることは、学習効率や集中カアップにつながります。
(5)「水」を飲む
イースト・ロンドン大学とウェストミンスター大学の合同研究によると、勉強の前にコップ1杯の水を飲んだ子どもには、集中力と記憶力の向上が見られました。脳の80%は水でできており、脳の働きを高めるために水分を補うことは大切だということです。

学力をつけるためには?㉑

㉑「早寝早起き」をする  -脳のために十分な睡眠をとる
 カリフォルニア大学バークレー校の脳科学者、マシュー•ウォーカー教授によると、学習の後に十分な睡眠をとると、睡眠をとらなかった場合に比べて記憶の定着がよいことがわかりました。ハーバード大学医学部の研究によれば、学習した後の最初の30時間が重要で、この期間の睡眠が足りないと、30時 間よりも後にひと晩ぐっすり眠ったとしても効果がなくなってしまうそうです。
こうした睡眠と学習に関するさまざまな研究から、睡眠は前日に勉強したことやテクニックをより深く記憶にとどめさせるだけでなく、理解を深めることもわかっています。脳は寝ているあいだも、起きているときに行なうさまざまな情報処理や、起きているときの処理を補完するようなことまで行なっています。
 「寝る間を惜しんで勉強する」という表現がありますが、最新の研究によれば正しいとはいえません。また、文部科学省によると、早寝早起きをしている朝型の人と、遅寝遅起きをしている夜型の人の勉強やスポーツの成績を比較したところ、いずれの成績も朝型の人のほうが夜型の人よりもよい傾向にあったという研究報告があります。アメリカでも高校生の学業成績で同じような結果が出ており、早寝早起きでしっかりと睡眠をとることが、学習の定着にはとても重要だといえそうです。

「早寝早起き」をするにはどうすればいい?
(1)小学生は21時には寝る
 小児科医でもある文教大学教育学部の成田奈緒子教授によると、小学生ならできれば21時には就寝したほうがよいということです。成長ホルモンを効率的に働かせるためには、22時には「熟睡」しているのがベストだからです。
塾やスポーツなどの習い事があって帰宅が遅くなる場合には、習い事の前におにぎりなどを食べさせてしまうとよいでしょう。帰宅後は軽めの食事で済ませて、寝るのが遅くなりすぎないように気をつけます。

(2)15時以降の昼寝は避ける
 15時以降に昼寝をしてしまうと、夜遅くまで寝つけなくなることがあります。寝る時間が遅くならないように、昼寝をするなら15時より前に、30分から1時間程度にとどめておきます。
(3)寝る1時間前はブルーライトを避ける
 スマホやゲー厶の液晶画面から出ているブルーライトは、睡眠ホルモン「メラトニン」の大敵です。また、部屋の照明に使われる白色LED照明機器にも、ブルーライトが多く含まれています。
江戸川大学睡眠研究所の福田一彦教授は「子どもの眼は水晶体が澄んでいて瞳孔も大きいため、ブルーライトの影響を受けやすい」といいます。スムーズに眠りにつくためには、少なくとも寝る1時間前からはブルーライトに触れないように気をつけ、部屋の照明も明るくしすぎないよう工夫します。
(4)朝に「子どもの仕事」をつくる
 子どもの寝つきが悪く、朝なかなか起きられないときには、「洗濯物を干す」「朝ごはんのおはしやコップを並べる」「ペットの餌を準備する」など、朝早く起きてやる家事を子どもにもまかせます。朝早く起きるリズムができると、夜は自然と早く眠りにつけるようになります。

学力をつけるためには?⓴

⓴「やる気」をつくる  —「自分からやる」意欲を引き出す

 どうやったら自分からすすんで勉強するようになるのか。やる気にさせるにはどうすればいいのでしょうか。心理学では、人をやる気にさせることを「動機付け」といいます。動機付けはアメと厶チ(ごほうびと罰)のように自分以外から影響を受ける「外発的」なものと、自分自身の中にある関心や興味、意欲による「内発的」なものに分けられます。
 外発的な動機付けは親がコントロールしやすく、すぐに効果が出ますが、長くは続きません。たとえば子どもが「悪い成績をとると怒られる」という理由で勉強すると、怒られるのを避けることが目的になってしまい、自発的に勉強しようとする意欲が低くなってしまうからです。効果が出るまでに時間はかかるものの、やる気を継続させるには、「内発的な動機付け」が必要といえます。

「やる気」をつくるにはどうすればいい?
(1)成功体験」を与える
 ロチェスター大学のエドワード・デシ教授は、「自分はやればできるという有能感があるとやる気が高まり、自分は何をやってもできないのだと思うほど、やる気が下がる」と指摘しています。ベネッセ教育総合研究所「小中学生の学びに関する実態調査報告書」(2014)の調査でも、自分はできるという気持ちが強い子どもほど内発的動機付けで学習に取り組み、成績もよい傾向にあることがわかっています。
 では、自分はできるという気持ちが弱いために子どもにやる気が出ない場合はどうすればよいでしょうか。法政大学の発達心理学者、渡辺弥生教授は、「成功体験」を与えることが重要だといっています。そのためには、「子どもが成功することができるよう、がんばれば必ず到達できるような目標や狙いを具体的に設定してやり、到達すれば『やったね』と達成感を与え、また次に成功できそうな目標を立ててやるといった、『スモー儿ステップ』を設定するやり方に効果がある」といいます。達成感を得やすくすると、段階的に自信がつき、学習意欲につながります。
(2)自分で選ばせる
 やることを自分の意思で自由に選択することができれば、内発的動機付けが高まります。デシ教授による実験では、ひとつのグループには「どのパズルを解くか、そのパズルにどのくらいの時間をかけるか」を自分で選択させ、もうひとつのグループには、最初のグループが選んだのと同じパズルを渡し、同じ 時間内に解くように伝えました。すると、選択の機会を与えられた前者のグループは、後者のグループにくらべて意欲が高くなりました。何をいつ、どこで、どの順番でやるかなど、自分で自由に選択できることが、やる気をアップさせるのです。
(3)頼り、ほめ、励ます
 また、デシ教授は、最初は外発的動機から始めたことでも、のちに内発的動機が大きくなってくることがあるといいます。最初は好きで始めたわけではなくても、まわりの誰かに頼りにされたり、ほめられたり、 失敗しても温かく見守られていたりという経験をすると、楽しい、もっと知りたいという興昧や関心に変化していくというのです。とりわけまだ意欲が低い段階だと「一緒にがんばれる存在」がモチベーションをアップさせます。学習に対して消極的な子には、大人がそばで励ましながら勉強を見てあげたり、年下の 弟や妹など、ほかの子に教えさせたりすることが意欲引き出すきっかけになります。
(4)好きなことを主体的に学ぶ
 オックスフォード大学の心理学者であり、教育学者だったジェロー厶・ブルーナー教授は、好きなことを学ぶときに感じる楽しさや好奇心は、内発的動機付けの重要な源だといっています。好奇心を生かすには、子どもの好きなことを深掘りさせて、「知りたい」という気持ちを刺激し、親子で一緒に楽しむことです。主体的に取り組む姿勢が、学ぶ意欲を引き出します。

学力をつけるためには?⓳

⓳「サポート」する  ―過干渉にならない支え方
 ーバード大学子ども発達センターでは、子どもにとって、周囲の大人の適切なサポー卜は、記憶力や集中力、自制心などをつかさどる脳の機能の発達にとても重要だとしています。ただし最近では、不必要なまでに親が手を貸してしまう「過干渉」が問題になっています。過干渉な子育てでは、子どもが困ったり失敗したりしないよう、親が先回りして障害物をすべて取り除こうとします。親が子どものまわりをいつもブンブンと巡回しているので「ヘリコプターペアレント」、あるいは「カーリング育児」などとも表現されます。アメリカでは、ヘリコプターペアレントに育てられた大学生に、高いレベルでうつ病の発症が見られるという調査結果もあります。
 京都大学の心理学者、河合隼雄名誉教授は「昔の親はお金がなく、子どもに最低限の衣食住ですら十分なことができなかったため、何をしてやろうかと考えた。けれどいまの親の愛情は『何をしないか』を考えなければならない」という言葉を残しています(『私が語り伝えたかったこと』河出文庫)。少子化が進むなかにあって、そのさじ加減は難しいところです。
うまく「サポート」するにはどうすればいい?
(1)3分類で片づける
 脳は散らかった机を前にしているだけでも、注意が奪われ、余計に疲れてしまいます。子どもが片づけを苦手とするなら、親が一緒に手伝ってあげます。近藤麻理恵氏に師事した片づけコンサルタントの安藤貢氏は、モノを分類するときは「3分類」までにしておくと、子どもでも簡単に仕分けられるといいます。どのように分類するかは親子で相談して決めます。長く使わないものは思い切って捨てるか、衣装ケースなどにまとめてしまいます。
(2)ルーティンワークを決めておく
 子どもは予定を立てるのが苦手です。やらなければいけない宿題や家庭学習については、毎日のルーティンワークとし、何をいつやるかを親子であらかじめ決めておきます。
(3)どうやるかは子どもに選ばせる
 ただし、一から十までお膳立てをしてしまうと、子どもは自分で何をすべきか、何をやりたいかが決められなくなってしまいます。何をやりたいか、どっちを先にやりたいかなど、意思決定は子どもにまかせます。子どもがすぐに決められなくても、自分で決めるまで待ちます。子どもの決定を尊重し、大人の都合を優先しないように気をつけます。
(4)邪魔をしない。手を貸さない
 運動でも勉強でも、子どもが途中で手こずったり、気を抜いてぼ一っとしていたりしても、見守るのが基本です。もちろん、命に関わるようなケガをしそうだったり、誰かを傷つけてしまいそうなときは手を貸さなければいけませんが、大人の都合で子どもの邪魔をしたり、過剰に手を貸して、子どもの達成感まで奪ってしまうのは本末転倒です。
(5)勇気づける
 子どもにとっては「ここは助けてほしい」と思う場面があるでしょう。とはいえ、親がすぐに手伝ってあげていては、子どもは安易に大人を頼るようになってしまいます。心理学者のアドラーは、親のサポートとは、子ども自身が自分の課題を自分の力で解決しなくてはいけないと思えるよう、子どもに「どうしたらいいと思う?」と問いながら勇気づけていくことだといっています。

学力をつけるためには?⓲

⓲「音読」する  -間違ってもいいから「楽しく」読む
 本を読むとき音読をすると、脳内で「読む」「話す」「聞く」という作業を同時に行なうことになるため、とくに、前頭葉という部分が刺激を受けます。前頭葉は、記憶、意欲、自制心をコントロールするところです。つまり、音読によって前頭葉を刺激すると、記憶力、集中力、注意力などが鍛えられます。また、音読をすると、脳内に「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンが多く分泌されるようになり、精神が安定するともいわれています。

うまく「音読」をするにはどうすればいい?
(1)手を止めて聞いてあげる
 子どもが音読をするときは、「ながら聞き」はNG。親は手を止めて聞いてあげます。
(2)すぐにほめる
 読み終わったらすぐに「ちゃんと読めたね」「えらいね」とほめます。脳科学者の川島隆太教授によると、親がすぐにほめると、それだけで子どもの脳は活性化し、やる気がアップするといいます。
(3)「勉強前」が効果的
 すぐにほめることで脳が活性化し、やる気もアップするため、音読は勉強前のウォーミングアップに最適です。川島教授の研究によれば、音読をすると「記憶」の容量が2〜3割ほど増えるそうです。とくに子どもの場合は脳の器が大きくなり、記憶力だけでなく、創造力や論理的な思考力、自制心なども伸びていくと川島教授はいっています。
(4)間違えてもその場で訂正しない
 30年にわたり、小学生〜高校生の作文指導に携わっている「言葉の森」の代表、中根克明氏によると、子どもが低学年のうちは、言葉の読み方や区切り方を間違えたとしても、 その場で訂正せずに最後まで聞いてあげるべきだといいます。もし、つっかえてしまったところで音読を中断させて間違いを指摘すると、子どもはその後緊張して読むようになります。これでは子どもが「読むことが苦痛になり長続きしなくなる」と中根氏は指摘します。
 中根氏によると、子どもが間違ったところを指摘する代わりに、子どもが読んだ後に親が同じところを音読し、子どもに聞いてもらうとよいそうです。親も最後まで楽しく、そして正しく読めていれば、自然と子どもも間違いを正すようになるといいます。
少々間違えたくらいで文章全体の意味が大きくくずれることはないので、「まずはほめてあげること」 「なによりも子どもが楽しく取り組めること」が最優先だと中根氏はアドバイスしています。
(5)くりかえし、スピードを上げる
 川島教授によると、読むスピードを上げることで頭の回転速度が上がるそうです。脳に負荷をかけると前頭葉がますます活性化し、文章を理解するスピードがアップします。目から文字情報を入れて、声に出して読む、つまりインプットとアウトプットをすばやくくりかえすことで、目で読んだ記憶と声に出して読んだ記憶がつながりやすく、記憶力も高まっていきます。

学力をつけるためには?⓱

⓱「優先順位」をつける  一やることリストで行動を整理する
私たちはつい、やりたいことを優先し、やるべきことを後回しにしてしまいます。子どもならなおのこと「やりたいことが最優先!」に決まっています。そもそも子どもは「優先順位」とは何かさえわかっていません。そこで、鳥取大学の応用行動分析学者である井上雅彦教授は、毎日やることを「ふせん」を使って整理し、見える化することで、 優先順位がつけやすくなるとアドバイスしています。

「優先順位」をつけるにはどうすればいい?
(1)時間帯ごとに区切る
まず、時間帯を「朝・昼・夜」に区切って考えます。それぞれの時間帯に子ども自身がやりたいこと、やったほうがいいと思っていることをすべてふせんに書き出していきます。
(2)「必ずやること」と「やりたいこと」に分ける
1つのふせんには1つの行動を書きます。 洗顔、歯みがき、食事、入浴、宿題、計算、漢字ドリルなど、「毎日必ずやること」と、友だちと遊ぶ、ゲー厶をする、本を読む、テレビを見るなど、「時間があればやりたいこと」を色で分けます(例:必ずやることはピンク色、やりたいことは緑色、など)。
(3)「必ずやること」ばかりで埋めない
学年が上がるにつれ、習い事が増えて帰宅時間が遅くなり、さらに家でもいろいろなことをやらせようとすると、子どもが「やりたいこと」をする時間がなくなってしまいます。
スタンフォード大学教育学大学院の上級講師で若者の成功や動機付けが専門のデニス・ポープ氏は、「幼い子どもは、毎日放課後の決まった時間に『遊びの時間』が1時間必要だ」と語っています。遊びが脳を活性化し、子どもの創造力や共感力も高めることはすでに実証されています。あれもこれもやらせよ うとする前に、優先的に自由な時間を確保することが大切です。
(4)マグネットシートを使って達成感を
毎日のリズ厶が整ってきたら、ふせんではなく、両面が磁石になっているマグネットシートで、子どもと一緒に「やることリス卜」をつくってみます。100円シヨップでは、カラフルなマグネットシートが売られています。マグネットシートもふせんと同じように「必ずやること」と「やりたいこと」を色で分け、ふせん の内容をそのまま書き込みます。
マグネットシートは裏も使えるので、裏には「やったね!」「できた!」といった言葉やニコニコマークなどを描いておき、1つ終わるたびにひっくり返すようにすると達成感を覚えやすくなります。こうした子ども向けの「やることリスト」は、多くの親御さんが工夫を凝らして実践されているようで、インターネットで「子ども計画ボード」などと検索すると、たくさんのアイデアが公開されていて参考になります。

学力をつけるためには?⓰

⓰「フィードバック」する   -ポジティブに課題を伝える

子どもの勉強やお手伝いなどをほめることは、「やればできる」という気持ちを育むためにはとても大切です。ですが、現実にはほめてばかりというわけにはいかず改善してほしいこともあれこれと出てきます。

ではどうやったら改善すべき点を効果的に伝えることができるのでしょう。カギとなるのは「フィードバック」です。フィードバックとは、どんな行動をしてどんな結果がもたらされたのかを具体的に伝え、ふりかえってもらうアドバイスです。

 

うまく「フィードバック」するにはどうすればいい?

(1)「ほめる→要改善点→ほめる」のサンドイッチにする

フィードバックの手法で、PNP (ポジティブ・ネガティブ・ポジティブ)法というものがあります。これは、ポジティブなフィードバックのあいだにネガティブなフィードバックをはさむので、サンドイッチ法ともいわれています。

最初は「ほめること」から始めます。具体的にどこがよかったかをほめます。その次に、「改善できそうなこと」を伝えます。ここがとても大切な部分です。そしてふたたび、最初に挙げた「ほめポイント」をくりかえす、場合によってはそこに新しいほめポイントを加えて、気持ちよく締めくくります。

(2)「How」と「What」を明確にする

いうまでもなく、このフィードバックで大切なのは、サンドイッチの「具」(つまり「子どもがこれから改善できそうなこと」です。ポイントは、どんな方法で(How)何をすればいいか(What)を具体的がわからせてあげること。一方的に押しつけるのではなく、問いかけながら、子どもが自分なりの結論を導き出せるまでつきあいます。

(3)「でも」より「だから」を使う

フィードバックは、子どもの成長のチャンスです。まわりの言葉の使い方ひとつで子どもの行動は変わります。フィードバックをする際、「でも」「だけど」といった逆接の接続詞を使うと、子どものやる気をくじいてしまいます。フィードバックをするときは、意識的に 「だから」や「……ならどうかな」といった表現を使うようにすると、子どもは前向きに受け止めることができ、モチベーションが高まります。

(4)フォローも忘れずに

フィードバックしっぱなしではなく、少しでも改善が見られればすぐにほめるようにします。

学力をつけるためには?⓯

⓯ほめる  ―何をほめるかで大きく変わる
 人はほめられると脳の神経が刺激され、 ドーパミンが放出されることで強い幸福感に包まれます。また、1960年代、ハーバード大学の教育心理学者、ロバート・ローゼンタール教授は、教師が『君ならやればできるよ』と言うと実際に学習者の成績が伸びることを実験で明らかにし、これを「ピグマリオン効果」と名づけました。
「ほめ方」しだいで効果が変わる
 一方で、慶應義塾大学の教育経済学者、中室牧子教授は、アメリカの大学で近年行なわれたいくつかの研究結果をもとに、「むやみ に子どもをほめると、実力の伴わないナルシストを育てることになりかねない」といっています(『「学力」の経済学』ディスカヴァー・トゥエンテイワン)。ただし、ほめることに効果がないわけではなく、大事なのはその「ほめ方」だといいます。

効果的に「ほめる」にはどうすればいい?
(1)すぐにほめる
 行動主義心理学の学習へのアプローチで 「即時確認の原理」という考え方があります。 ほめるにしても注意するにしても「即時」が大事だということです。やったことがすぐに認められるとうれしいのは、意識がいま、そこにあるからです。
(2)能力より、努力をほめる
 コロンビア大学の心理学者、クラウディア・ミューラー教授とキャロル・ドゥェック教授は、「ほめ方」に関して、小学5年生 400人を対象に実験を行いました。それによると、テストの結果がよかったときに「あなたは頭がいいのね」と言われたグループはその後の成績が下がり、「あなたはよくがんばったわね」と言われたグループは 成績を伸ばす傾向がありました。
 また、「努力」より「能力」をほめられた子は、難題に直面したときにすぐにあきらめる傾向があり、成績へのプレッシャーから自分の成績に関してウソをつく傾向も高いことがわかりました。一方、努力をほめられた子は、悪い成績をとっても自分の能力のせいではなく「努力が足りないからだ」と思い、難題に挑戦し続けるということもわかりました。
(3)過去と現在をくらべる
 東大合格者数日本一の開成中学・高校の柳沢幸雄前校長は、「子どもの成長を過去と現在で比較すれば、いくらでもほめるポイントが見つかる」といい、これを「垂直比較」と呼んでいます。自己肯定感を高めるためにも、その子自身の成長を垂直比較することが大切だといっています。

学力をつけるためには?⓮

⓮時間をあけて「復習」する  ― 覚える科目に最適の方法

 ワシントン大学の心理学者、ヘンリー・ローディガー教授は、一気に詰め込む勉強を習慣にしていると、 次の学期に成績がガタ落ちする可能性があるといいます。いわゆる「一夜漬け」は、切羽詰まった状況にはそれなりに効き目があるものの、そうして覚えた知識は、長く記憶にとどまってくれません。覚える量は同じでも、勉強時間を分散したほうが、知識が脳にとどまる時間がはるかに長くなります。

 では、学んだことをより長く記憶にとどめ ておくには、どのタイミングでもう一度触れ るのが最適なのでしようか。2008年、ヨーク大学(カナダ)の心理学者メロディ・ワイズハート氏は、カリフォルニア大学の心理学者ハ口ルド・パシュラー氏とともに、幅広い年齢層の1354人を対象にした大がかりな実験を行ないました。その結果、 以下のように試験までの期間に応じて、復習の間隔を変えたほうがよいことがわかりました(『脳が認める勉強法』)。

 

「復習」はどのタイミングでするのがいい?

(1)「復習までの間隔」は次第に広げる

 仮に試験が1週間後で、それまでに「90分」の時間を使えるとするなら、今日90分勉強するよりも、今日30分勉強し、2回目は翌日(もしくは明後日)に30分、試験前日に30分、同じことを勉強したほうが、その記憶はしっかりと頭に残ります。

 試験が1か月後の場合、今日勉強して、復習は1週間後にやり、3回目の勉強は試験前日にやるのが最適だということがわかりました。また、目先の試験とは関係なく、長く知識を定着させたいのであれば、ポーランドの研究者ピョートル・ウォズニアックの研究が参考になります。ウォズニアック氏は、今日勉強したなら、1〜2日後に復習し、その次は1週間後、その次は1か月後(その次はさらに先)という形で、次第に間隔をあけて復習することが、記憶を強力に脳に刻むのに効果的だと示しています。

 脳医学の分野でも、東京都医学総合研究所 が2018年にアメリカの科学雑誌『セル・リポーツ』に掲載した研究結果で「間隔をあけて反復学習を行なうと記憶が長い期間、定着するjという脳内の働きが明らかにされています。

(2)間隔をあけた学習は「暗記」に効果的

 間隔をあけた学習は、覚えたことを記憶に とどめるための効果的なやり方です。多くのことを長く覚えていられると理解力も深まるため、この方法は理系科目でも研究が進められています。ただし、いまのところはっきりしているのは、語学や用語、知識の暗記に適しているということのようです。

学力をつけるためには?⓭

⓭子どもに教わる  -人に教えると「知識」が頭に入る


 「教えることは、二度学ぶことである」というフランスの思想家ジュベールの言葉にあるように、私たちは人に教えることで、自分の理解不足に気づいたり、あらためて理解を深めたりします。人に教えるときには「話す」「書く」という動作をともないますが、これは「読む」「聞く」といった動作にくらべ、脳に記憶を定着しやすくするといわれています。ワシントン大学の心理脳科学者、ジョン・ ネストイコ博士は、教えるという「心がまえ」があるだけで、学習効率がよくなるといっています。彼の実験では、被験者を2つのグループに分け、第1グループには「後で、覚えた情報をテストする」と伝え、第2グループには「後で、覚えたことを別の人に教えてもらう」と伝え、同じ学習をさせました。
 実際には、両方のグループが同じテストを受けたのですが、結果は第2グループのほうが良い成績でした。私たちは「自分が学んだことを誰かに教えなければならない」と自覚すると、新しい情報を吸収する能力が高くなります。つまり、子どもも人に教えることを習慣にすれば、学習効率がアップし、知識の定着が期待できるのです。

うまく子どもに教えてもらうにはどうすればいい?
(1)子どもに質問する
 子どもが取り組んでいる問題を一緒に見ながら、「これってどうやって解くの?」と聞いてみます。答えを聞いても、ちょっとわからないふりをして、さらにくわしく質問してみるのも効果的です。なぜそうなのかが説明できているかどうかに注意しながら、質問を重ねていきます。わからないふりをして、子どもに教えてもらう。
(2)間違っていても指摘しない
 子どもの説明が間違っていることもあるでしょう。しかしそこで説明をさえぎって、親が教える側にまわっては意味がありません。子どもの指示にそのまましたがって、つまずいたところで「これで合っているかなあ?」などと質問してみます。子どもはそこで間違いに気づくと、自分で解決しようとします。できるだけ手を貸さず自分で考えさせるようにします。
 「脳が認める勉強法」(ダイヤモンド社)の著者、ベネディクト・キャリーは、「人に教えることによって、混乱している部分、忘れていたことが、あっというまに明らかになる。これは非常に効果の高い学習だ」と述べています。
 さらに、カリフォルニア大学ロサンゼルス校の心理学者、ロバート&エリザベス・ビョーク教授夫妻によると、あやふやになっていたり忘れてしまっている脳の記憶を掘り起こす作業が大変であるほど学習の力が高まるそうです。人に教える際はあいまいさが許されないので、この意味でも高い学習効果が期待できます。
(3)感謝を伝える
 子どもに教えてもらった後には「よくわかった。わかりやすく教えてくれてありがとう」と感謝を伝えます。これは子どもにとっては「親の役に立てた」という成功体験になります。脳は一度この快感を得ると、同じ状況を再現しようとし、子どもは「また教えてあげたい」と思えるようになります。

学力をつけるためには?⓬

⓬「英語」を身につける  -英語を「遊び道具」にしてしまう
 

 英語を習得するにあたって、子どもには大人より優れた力があります。いいかえれば、こうした力は成長とともに失われていくものです。児童英語教育と第二言語習得にくわしい上智大学短期大学部の狩野晶子教授によると、子どもが大人より優れている力は主に次の4つだといいます。
①音声を敏感に聞き取る力
 子どもは音への感受性が豊かです。小さいうちのほうが聞く力に長けており、動物や虫の鳴き声を真似たり、アニメのキャラクターのモノマネをしたりするのも上手です。
②音のかたまりを丸ごと処理する力
 落語の「じゅげむじゅげむ……」や、ひたすらポケモンのキャラクターの名前を151匹唱え続ける「ポケモン言えるかな?」の歌など、子どもは意味がよくわからないものでも音のかたまりとして覚えてしまいます。
③くりかえしに耐える力
 いつも同じ絵本を読みたがったり、気に入った動画を何度も見たり、子どもは同じことをくりかえしてやりたがります。
④あいまいさに耐える力
 子どもはすべてを理解できなくても平気です。あいまいな理解でも、相手の表情やまわりの状況から自分なりに文脈や意味を想像しながらやりとりを進めていくことができます。

 この4つの力のうち、児童期にとくに伸ばすべきは、英語を「聞く」力です。小学校のあいだは読み書きをかっちりさせるのではなく、意味のある英語を楽しくたくさん聞くことで英語の音に慣れさせることが大事です。英語の歌や絵本のオーディオブックを使うのもいいですし、ユーチューブやネットフリックスにも子ども向けの英語番組があります。Eテレにも、副音声で英語を聞ける子ども向け番組があります。

「英語」を身につけるにはどうしたらいい?
(1)毎日、英語に楽しく触れさせる
 個人差は大きいですが、2000から4000時間聞くと、ある程度英語で意味が取れる聞き取りの力が育つといわれています。 ところが学校で週に1回1時間程度、英語に触れても年間で35時間。3500時間聞くには約100年もかかってしまう計算になります。学校や英語教室だけに頼るよりも、毎日少しずつでも、家庭で英語を聞く機会をつくってあげることが効果的です。
 ただ、ここで気をつけたいのは、子どもが楽しんでいることが重要で、正確に聞き取れているかどうかは気にしないことです。子どもが自由に想像したり、類推したり、真似をしたりしながら、英語という言葉で遊ぶ体験することが大切です。
(2)正解に導こうとしない
 「間違えたらどうしよう」というプレッシャーのある状態だと、英語を使ってみようという気持ちが起こりにくく、上達をさまたげてしまいます。学校で習ったやりとりが正しく言えるか、きちんと理解できているかにこだわる必要はありません。むしろ、間違っていても正さないことが大事です。「言えた!」「通じた!」という成功体験が「もしかして英語できるかも!?」という自信につながり、英語を話すことへの不安感を下げていくのです。南カリフォルニア大学の言語学者、スティーヴン、クラッシェン名誉教授は「不安感が低いほど言語の習得は進む」といっています。
 赤ちゃんが母語を覚える過程でも、間違った言いまわしをすることがよくありますが、成長とともに自然と正しくなっていきます。英語を覚えるときもこれと同じです。親はあせらず、期待しすぎず、長い目でおおらかに見守ることが大切です。
(3)好きなことを英語で掘り下げる
 狩野教授は、子どもが野球好きなら野球のポジションやルール、メジャーリーグの選手の名前など、プリンセスやハリー・ポッター好きならお城についてなど、子どもが興味をもつ世界を英語ではどう表現するのか、一緒に調べてみることを勧めています。ほかにも、魚、虫、恐竜、花など、子どもが好きなことはたくさんあります。
 たとえばグーグルで「恐竜 名前 英語」と検索すれば、さまざまな恐竜の英語名や単語カードなどが見つかります。一見、何の役に立つのかわからないような虫の名前やお城の備品の単語も、好きな子どもにとっては最高に興味深い知識です。好奇心をもって調べた知識は記憶に長くとどまります。そんな知識が、子どもの英語への関心の入り口になります。
(4)親がコミュニケーションを楽しむ
 親ができることで最も手っ取り早くて効果的なのは、コミュニケーションを楽しむ「お手本」になることだと狩野教授はいいます。たとえ苦手でも、たどたどしくても、コミューションを楽しむ姿勢を見せるのです。
 たとえば道で困っている外国人がいたら、日本語まじりでもいいので「お手伝いしましょうか」と話しかけてみます。言葉が違う相手にもコミュニケーションの意欲を示すことに大きな教育効果があるのだそうです。子どもは「間違ってもいい、伝わればいいんだ」と知ることで、「英語を使ってみようかな」という次のステップに進んでいけます。

3学期始業式の話

 3学期の始業式は、コロナウイルス感染予防や寒さを考慮して、各教室で放送によるものになりました。以下のような話をしましたので紹介します。

・児童のみなさん、新しい年が始まって一週間が経ちました。
 今年もよろしくお願いします。
・穏やかな天気の日が多い冬休みでした。大けがや事故が無く過ごせたこと を何よりも喜んでいます。

・丑年の牛は、昔から食料としてだけでなく、農作業や物を運ぶときの労働力として、人間の生活に欠かせない動物でした。勤勉によく働く姿を表して います。また「紐」という漢字に「丑」の字が使われおり、「結ぶ」や「つかむ」などの意味を込めたとも考えられています。勤勉に働き、願いをつかむ年です。

・さて、今日から3学期です。どう過ごそうとしていますか?。
 6年生は47日、5年生以下は51日が学校に来る日です。

教育目標の「自ら学ぶ子 心豊かな子 健やかな子」になるために、「全力 挑戦 ありがとう」のスローガンのもと頑張って、顔晴ってください

・栃木県ではコロナウイルス感染症予防のレベルが「特定警戒」に引き上げられました。感染者が増え続けて、病院が足らなくなるかもしれない状況です。そのため、手洗い、マスクの着用、三密を防ぐことの徹底が今まで以上に必要です。

・まず、2週間後の学力テストを目指して頑張りましょう。頑張るというのは、学校でだけではなく家でも意識して取り組んで欲しいということです。

・6年生は、卒業式までのカウントダウンが始まりますが、中学校生活スタートのカウントダウンも始まります。中学1年の0学期だと思ってみてください。「まとめ」と「準備」の二つを意識して欲しいと思います。

・5年生以下の皆さんは、進級に向けてこの時期にやらなければならないことを、勉強面と生活面で、1年間自分が成長したところとまだ物足りないところを良く振り返って、担任の先生のお話を良く聞いてしっかりやって欲しいと思います。

・最後に、①皆さんが病気や怪我をしないような生活を送ること、②机に向かうこと(授業)を大切にすること、③ありがとうという感謝の気持ちをもって生活することです。
 3学期も皆さんの頑張って、顔晴る姿を大いに期待しています。

17日 「ほこり」の持てる私になる

17日の魔法の日めくりメッセージです。

 

「ほこり」の持てる私になる ~落ちているゴミを拾いましょう!~

 

人の役に立つことを、


誰も見ていなくとも勇気を持って、


恥ずかしがらずに、堂々と行動に移す。


自分の意思を貫く。


習慣づくことによって、


自尊心が芽生え、自分に自信が持て、


何でも、「やってみよう」と挑戦できるようになりますよ。


親子で、まず出来ることからやってみましょう。

 

 2学期も残り少なくなりました。日めくりカレンダーも今日までになります。1月11日まで更新は休止になります。
 本校のスローガンは「全力」「挑戦」「ありがとう」です。そのためのベースや原動力になるのは、やる気や自尊心、自信などです。ほめて、認めて、励ましていくことが大切です。情緒的サポートといわれており、ほめるポイントは、結果や能力でなく過程です。過程での頑張りをほめてみてください。小学生のうちに自分のために、みんなのために役立つことができるように育みましょう。例えば、「なぜ、石けんを使って手洗いをするのか?」を子どもと考えたり、調べたりすることもおもしろいのではないでしょうか。親水性と疎水性という、水に付きやすい性質と水をはじきやすい性質、「水と油」とよく言いますが、それをうまくつなげるのが石けんの役割です。界面活性剤という石けんの役割によって、菌が落ちることになります。今だからできることを一緒に考えたり、調べたりして、子どものやる気や自信などを育んでみてください。

16日 食事のマナーを伝えましょう

16日の魔法の日めくりメッセージです。

 

食事のマナーを伝えましょう ~お茶碗を持ってごはんを食べよう!~

 

「ごはんを大切に食べる」という


想いを形で表現できるように、


食事のマナー・仕方に目を向けてみましょう。

 

お茶碗を持ってごはんを食べる、


お箸をおいてからお茶を飲む、


ご飯とおかずを交互に食べる、


一つひとつを大切にできるように、


マナーを守って楽しく食べる。

 

一度お子さんと一緒に食事のマナーを考えて下さい。


毎日必ずとる食事は、マナーを伝えられる大切な時間です。

 

 2学期も残り少なくなり、水曜日です。一斉下校になります。
 食事での食べ方やマナーからその子の様子がわかるとも言われています。私自身は食べるのが早いのですが、職業柄そのようになっているのかもしれません。食事に限らず、そのときどきでマナーを教えてください。家庭で生活するうえで日々やっていること、食事、洗濯、掃除、健康管理というものを子どもと一緒にやって、子どもができるようにする時間として使うことができたかを振り返ってみてください。

学力をつけるためには?⓫

⓫「無駄」を削る  -勉強を合理化して「余裕」をつくる

学校での一斉授業では、教師は全生徒の理解度をひとりずつ考慮することはできません。そのため生徒はそれぞれ、すでに知っていること、あるいは逆にまったくわからないことを聞いていなければいけない時間があります。つまり、学校での授業時間の何割かは、無駄な時間になっているともいえます。いま、AIを活用して、こうした無駄な時間をなくし、一人ひとりの理解度進度に合わせた学習法を実現しようという動きがあります。そのような個別最適化された学習は、「アクティブラーニング」と呼ばれています。

 子どもがどこでつまずくかはさまざまです。算数の計算ミスでも、計算の順序が正しく覚えられていないのか、分数の割り算がわかっていないのか、子どもによって間違うポイン卜は異なります。その複雑なプロセスをAI が解析し、一人ひとりの理解度に合った問題を選んでくれるため、弱点に特化した学習で 効率的に理解を深めることができるのです。

 

勉強の「無駄」を削るにはどうすればいい?

(1)「できないこと」にフォーカスする

時間は有限です。勉強する際は、すでにできることをくりかえすより、できないところに集中的に時間を使ったほうが効果的です。そうすれば子どもが、21世紀型スキルともいわれる創造力や思考力、コミュニケーションカといった力を育む意味でも、遊びや好きなことに夢中になれたり、ぼんやりと考えにふけったりと、自由な時間を多く使うことができるようになります。

(2)遊び時間は「無駄」ではない

算数教育にくわしいワンダーラボの川島慶代表は、算数の力の土台になる想像力や推理力、空間認識力、それを支える知的好奇心などは、遊びの体験を通じて身につくといっています。親にしてみれば、学年が上がるにしたがってできるだけ多くのことを勉強してほしいと思ってしまいがちですが、あえて先に自由に遊べる時間を確保するぐらいのほうが、長い目で見れば子どもの成長にプラスになるといえそうです。

(3)「AI教材」を活用する

できることをくりかえさず、できないところを重点的に補強するという効率的な学習は、AIが実現してくれます。タブレット学習は大半の親にとっては未経験の学び方ですが、子どもたちは大人の想像以上の速さで操作を覚え、楽しく解き進めていきます。勉強嫌いな子どもも、苦手なところを効率よく埔強でき、学ぶ楽しさに目覚めるきっかけにもなるようです。

自分を守る、社会のルールを守る

15日、魔法の日めくりメッセージです。

自分を守る、社会のルールを守る ~信号を守ろう!車に気をつけよう!~

子どもが、親と一緒に歩く間に、
自分の身は自分で守ることが出来るよう、
しっかりと交通ルールを教えましょう。

社会のルールである交通ルールを守ることで、
自分も社会の一員であることを
認識できるようになってきます。

まず、大人である私達が社会のルールを守れるように
見本となりましょう。

 2学期、学校に来る日もあと9日になり、火曜日です。新型コロナウイルス感染予防のためには、自分を守ることの大切さを痛感させられます。学校での新しい生活様式が慣れてきましたが再確認が必要です。ルールは何のためにあるのでしょうか。二人以上の生活の中では必ずあります。子どもたちの好きなスポーツにも遊びにもルールがあり、守ることで楽しむことができます。ルールだけでなくマナーも守れる子どもたちを育んでいきましょう。

学力をつけるためには?❿

❿「語彙」を増やす  -いろんな理解をラクにする基本の力

国立情報学研究所の新井紀子教授らの研究チー厶が、全国約25000人の中高生を対象に読解力の調査をしたところ、その多くが教科書レベルの文章を理解できていないことがわかりました。新井教授が考える原因のひとつは、基本的な語彙力の不足です。子どもにとって、知っている言葉の数が豊富だと、文章を読むときの負担が少なく、内容理解もスムーズになります。また、教えられたことがしっかりと理解でき、自信を感じられます。さらに語彙力は、コミュニケーションカ、表現力、そして創造力へもつながっていく大切な力です。

「語彙」を増やすにはどうしたらいい?

(1)大人とたくさん会話する

東北大学の川島隆太教授らの研究によれば、親子でさまざまな内容の会話を多くもっていると、子どもの言語機能に関わる脳の領域が良好に発達することがわかってきました。また、ベネッセコーポレーシヨンが2016 年に行なった語彙調査では、高校生、大学生、社会人とも、身近な人と「話す」頻度が高いほど、語彙力が高い傾向が見られました。

とくに親、祖父母や親戚、学校の先生といった年齢差のある人と話す頻度が高いほど、語彙力が高くなっています。世代を超えた会話は、子ども同士では出合うことのない新しい語彙を増やし、表現力を伸ばします。

(2)親はすぐに返事をする

子どもの言語獲得に詳しい玉川大学の佐藤久美子名誉教授が、小学校入学直前の年長児約200人を対象に語彙力を調査したところ、応答のタイミングが早い親の子どもは語彙力が高く、発話量が多くなることがわかりました。

(3)親は聞き役になる

佐藤氏の調査では、親の話す時間が短いほど、子どもが話す機会が増えることもわかりました。つまり、親が「聞き役」になるということです。子どもの言葉に対して親が長い返事を返してしまうと、子どもは次の一言が出にくくなります。短い返事をたくさん返せば、子どもはたくさん話すようになります

(4)ゆっくり、はっきり話しかける

小さい子どもは、親の話を聞いて真似をすることで言葉の音を覚えていきます。子どもが聞き取りやすいように、ゆっくり、はっきり話しかけることで、子どもは言葉の獲得がスムーズになります。

(5)本、新聞、マンガに触れる

語彙を増やすには「書く」ことも効果的ですが、オランダ・ライデン大学のスザンナ・モル准教授らが、未就学児(3歳〜)から大学院生までの読書量と語彙力の関係について調べたところ、読書量が多いほど語彙力が高いことがわかったといいます。語彙量がいちばん多いメディアが本や新聞、次に雑誌、マンガです。家族が集まる食卓やリビングに、新聞や雑誌、本を置いておき、目に入る語彙を増やします。

(6)リビングに辞書を置く

ベネッセの調査によると、高校生、大学生とも「わからない言葉に出合ったら、そのままにせずに調べようとする」と回答した人は、語彙力が高い傾向が見られました。「〇〇ってどういう意味?」と聞かれるごとに、「調べてみようか」と言って親子で一緒に調べることで、辞書を引く習慣をつけます。いつも手近なところに辞書があれば、調べる習慣が身につきやすくなります。

14日 躍動するわくわく感!

14日の魔法の日めくりメッセージです。

躍動するわくわく感! ~絵本はわくドキ~

絵本は、自分自身でページを進める事も、
戻る事も、止める事もできます。
主導権が自分にあり、探究心、やる気、
自発的な行動を促します。
又、想像力も培われます。
いくつになっても、絵本にふれることで、
冒険心を持ち、何かやってみたくなるような
わくわく感が湧いてきますよ。

一番は何より一緒に絵本を開くこと。
「あなたと一緒に」開く絵本が子どもには格別なものなのです。
さあ、14日目です。絵本の国へ出発しましょう。


 2学期も残り2週間となりました。週初めの月曜日です。KLVの方からのお話し会があります。本という共通のものを通じて、地域の人や大人との会話から学ぶことが多くあります。親戚の人との会話からも多くの学びがあるはずです。ミクロとマクロの視点から考えることが大切です。可能でしたら、親子読書や家読に取り組んでみてはいかがでしょうか。非認知能力を育てるのにも読書は大変有効です。学力は「学ぶ力」です。本校の教育目標「自ら学ぶ子」と同じように文字を読んで考える力(読解力)を育てることです。ぜひ、本を読んでみてください。

学力をつけるためには?❾

❾くりかえす  -変化と負荷を上手に繰り返す

私たちはよく、勉強だけでなく、スポーツや楽器などでも、「何度もくりかえしてコツコツ努力すれば、できるようになるよ」と子どもを励まします。世界的ベストセラーとなったマルコムグラッドウエルの著書『天才!成功する人々の法則』(講談社)では、どんな分野でも約1万時間取り組めば、その分野の一流になれるという「1万時間の法則」が有名になりました。

ところが心理学の研究によると、ただやみくもにくりかえせばいいわけではないことがわかってきました。くりかえしによって習得するという学習法には、いくつか注意すべき点があることが明らかになっています。

 

うまく「くりかえし」を生かすにはどうすればいい?

(1)単調な反復は効果なし

問題集を何度もくりかえして勉強したはずなのに、なぜかテストで大失敗……。そんな経験はないでしょうか?じつはこれが、単純な反復学習の落とし穴です。心理学では「流暢性の罠」と呼ばれるものに引っかかった状態です

「流暢性」とは、情報を適切にすばやく処理し、アウトプットする能力です。ところがこの「解き方がすぐに思い出せるくらいやりこんだから大丈夫」との思い込みが、かえって脳を油断させ、記憶したことをすぐに思い出せないという状況に陥らせてしまうのです。

(2)変化を織りまぜる

アメリカのウィリアムズ大学の心理学者、ネイトコーネル准教授らの研究では、反復練習に少し変化を加えた課題を混ぜると学習能力がアップし、記憶が長期的に定着することがわかりました。日々の学習に過去に学習した単元なども混ぜると良いということです。

子どもは問題に応じて解き方を考えなければならなくなるので、一見すると非効率に思えるのですが、トロント大学の心理学者、マイケルインズリット教授は「秩序を乱す何か、その場にそぐわない何かを目にすることが、事実上、脳を目覚めさせる」と指摘しています。

問題にバリエーションを加えた学習法で、 それぞれの「違い」を意識しながら理解すると、特徴をはっきりとつかめるようになるほか、本番での思わぬアクシデントにも強くなるそうです。

(3)少しだけレベルアップさせる

フロリダ州立大学の心理学者、アンダースエリクソン教授は、あらゆる分野の超一流の人々は、「自分にとって居心地のいい領域(コンフォートゾーン)から飛び出し、少しだけ限界を超える負荷をかけつづけている」という「限界的練習」理論を唱えています。

世界中の超一流の人々を30年以上にわたって研究してきたエリクソン教授は、「私たちは誰でも、この『限界的練習』をくりかえすことによって、まわりの人から見れば『生まれつきの才能』にしか思えないほどの、並外れた能力を獲得することができる」といっています。

もちろん、新しい単元やテクニックを学ぶには、くりかえしの練習によって慣れていくことは欠かせませんが、そこに変化を混ぜること、少しの負荷を加えてやることが重要だということです。

13日 けじめとルールを伝える第1歩

13日の魔法の日めくりメッセージです。

けじめとルールを伝える第1歩 ~靴をそろえようね~

1度しゃがんで靴をそろえるのは、
けじめをつけ、それぞれ物事には
ルールがあることを認識する動作です。
例えば、園で靴をそろえると、園のルールを、
「さあ、今から守るぞ!」と認識できるのです。
友達の家には友達の家のルール、
自分の家には自分の家のルールがあり、
社会には社会のルールがある。

靴をそろえることで、けじめがつき、
ルールを守ろうという意識が向けられますよ。

 2学期も残り2週間となりました。日曜日です。一人で遊ぶときには、ルールは相手任せ(ゲームならゲームのルールのもとに)になりますが、二人以上の遊びにはルールがあり、スポーツにはスポーツのルールがあります。学校には学校のルールがあります。ルールが守られ、定着している土台の上にリレーション(関係性、つながり)ができます。保護者の皆様が職員を信頼していることも土台になっています。これらに基づいて、学校では「守られていることによる心地よさ」を感じさせるように職員一丸となって取り組んでいます。どうぞ、みんな(家庭、地域、職員)で子どもたちを育んでいきましょう。

学力をつけるためには?❽

❽「プログラミング」を学ぶ  -試行錯誤で頭を鍛える

2020年から小学校でプログラミングが必修化されます。プログラミングは、プログラミング言語という"言葉"を使ってコンピュータに指示を出し、人間の思い描いた動きをさせるものです。誤解されやすいのですが、必修化の目的は、子どもたちにプログラミングのスキルを身につけさせることではありません。「言いたいことを正確に伝えるには、細かく段階を踏んで説明しなければ伝わらない」という論理的な考え方を、プログラミング言語を使って学ぶことが目的です。

プログラミングのいちばんの面白さは、自分でルールをつくれることです。ルールをつくるときには、ふだんは意識していないようなことにも意識を向ける必要があります。たとえばロボットを動かすときは「止まる」という動作もプログラムしないと、ロボットは永遠に止まることができません。世の中には、こうした「思考の盲点」に意識を向けることで、新しいアイデアが浮かんだり、考えが深まったりすることがたくさんあります。プログラミングは試行錯誤をくりかえしながら、このようなきめ細かい思考を体験して学べる機会でもあります。

 

効果的に「プログラミング」を学ぶにはどうすればいい?

(1)プログラミングが何を実現しているかを知る

プログラミングは、ふだんはその存在を意識することはほとんどないものの、いまや日常生活のあらゆる部分に深く関わっています。いつも遊んでいるゲー厶はもちろん、章、家電製品、ロボット、信号、そして音楽やアートまで、さまざまなものにプログラミングが生かされています。

プログラミングを学ぶ前に、プログラミングが身のまわりのどんなものとつながっているのかを知ると、技術が身近になり、手ごたえ感をもって学ぶことができます。

(2)パソコンに慣れる

日本では教育現場のIT普及が遅れているものの、今年度、小学校からプログラミングが導入されることもあり、中学や髙校でも、パソコンを使う機会は間違いなく増えます。いずれ入試や資格試験も、パソコンで受ける形式が主流になるでしょう。

パソコンは「習うより慣れろ」です。「有害なサイトを見てしまうのでは」「ゲー厶ばかりしてしまわないか」といった心配もあると思いますが、フィルタリングを利用する、親のいるところで使わせる、時間を決めるなど、使える環境はコントロールできます。むやみに遠ざけるのではなく、「子どもにとっては学びの道具」と意識を変えたほうがいいかもしれません。

(3)始めるのは4年生からで十分

低学年だと集中力がなく、「遊ぶ」感覚が先行してしまうので、落ち着いて論理的思考ができるようになる4年生あたりから始めるとよいでしょう。小学1、2年生だと、プログラミングの「条件分岐」といった概念がそもそも脳の構造的にまだなじまないという研究結果もあるようです。

低学年のあいだはむしろ、運動することで体の感覚を養ったり、遊びを通じて「実体験」を積んだりするほうが、後からプログラミングにもっと興味をもって取り組むことができます。

(4)親ができる必要はない

必ずしも親がプログラミングをできる必要はありません。子どもの話を聞いてあげるだけで十分です。プログラミングを通じての試行錯誤、主体性を育みます。むしろ、親のほうから「教えて」とお願いして、子どもから教えてもらうことで、子どものコミュニケーシヨンカや自信を伸ばすきっかけにもなるでしょう。

(5)手軽に始められる教材は?

子どもは目に見えてわかりやすいことと、楽しさを優先します。低学年までに始めるなら、「スクラッチ」やロボットがなじみやすく、親子で楽しめます。

◯インターネット上で使えるもの

アワーオブコード(Hour of Code):Code.orgが世界的に主唱するプログラミング教育活動が「アワーオブコード」です。このサイトでは、プログラミング学習のできるさまざまな教材をそろえています。対象年齢は「4歳から104歳まで」とうたっています。https://code.org/learn

スクラッチ:プログラミングでアニメやゲー厶、音楽などがつくれるサイトです。https://scratch. mit.edu

◯ものを動かす体験ができる手軽なキット

マイクロビット(BBC micro:bit):片手に収まる大きさのマイクロコンピュータ。ロボットから楽器まで、プログラミングでいろいろなものがつくれます。

スフィロ (Sphero):プログラミングで動かせるボール型のロボット。まずはスフイロ・ミ二(SpheroMini)が手軽で遊びやすいようです。

12日 丸ごとドーン!と受けとめる

12日の魔法の日めくりメッセージです。

丸ごとドーン!と受けとめる ~「お帰り」「ただいま」~

子どもは毎日、
新しい出来事の中で精一杯過ごしてきます。
この想いを誰かに受け止めて欲しい!
と、帰ってきます。

しっかりと心を抱きしめてあげるためにも、
目を見て笑顔で迎え入れて下さい。

「お帰り」「ただいま」という言葉で、
嫌なことも、すべてリセットされやすくなり、

次への行動が起こしやすくなりますよ。


 今日は土曜日です。2学期も残り2週間余りとなりました。
 丸ごと受け止めてもらえることは、子どもたちにとって安心することになります。秩父神社に「親の心得」があります。「赤子には肌を離すな 幼児には手を離すな 子供には眼を離すな 若者には心離すな」です。小学生には子ども同士の仲間関係を大切にしつつ、必要なときに助けてあげてほしいということです。よく斜めの関係になることで受け止めやすくなります。例えば、祖父母の方々は受け止めやすい存在です。子どもから目を離さずに守ってください。どうぞ宜しくお願いします。

学力をつけるためには?❼

勉強を「習慣」にする  ―無理なく楽しく続ける方法

2006年にデューク大学の研究チー厶が発表した論文によると、日常の行動の45%は「その場の決定」ではなく「習慣」だといいます。アメリカの教育改革者、ホーレスマンは「習慣は太い縄のようなものだ。毎日本ずつ糸を為り続けると、やがてそれは断ち切れないほどのものになる」との言葉を残しています。

また、京都造形芸術大学副学長で、コーチングやアクティブラーニングの第一人者である本間正人氏は、これからは「最終学歴」ではなく、誰もが「最新学習歴」を更新していく社会になるといっています。寿命が延び、一生学び続ける時代の到来。歯磨きや食事、入浴などと同じように、勉強を毎日の習慣に組み込むことは大きな強みになるでしょう。

 

勉強を「習慣」にするにはどうすればいい?

(1)時間を決めて「スモールステップ」でやる

たとえば宿題をするとき、「宿題をやる」とざっくり考えると気が重いものです。しかし「音読」「漢字」「計算」などと細かく分けてしまえば、負担感が少なく感じます。また、それぞれのステップに「何時から何時まで」と細かく時間を決めると、「何時になったらやる時間だ」と気持ちを準備できるので、手をつけやすくなります。さらに、実行する「場所」も決めておくと、時間になったらそこに行ってスパッと切り替えて勉強を始めることができます。

(2)遊ぶ時間も確保する

やるべき勉強を子どもが手早く終わらせたとき、「じゃあついでにこれもやってみよう」 と追加の課題を与えるのはNGあらかじめ、お楽しみの時間はしっかりと確保しておき、満喫させます。フィンランドで行なわれた学力についての調査から、休み時間を与えられた子どもたちのほうが、座っている時間が長い子どもたちより学力が高くなることがわかっています。アメリカの保健福祉省のレポートからも、体を使った活動によって脳の血流が増加し、酸素が増え、脳の働きに役立つことが明らかになっています。メリハリをつけて勉強したほうが、子どもの集中力はアップするようです。

(3)ゲームにしてしまう

行動分析学者の奥田健次氏は、ごはん前に宿題が終わらなかった子どもに対して「明日はきちんと約束を守るのよ」と言っても、子どもにとっての「明日」、つまり24時間先は時間的に遠すぎて、効果がないと指摘します(『世界に1つだけの子育ての教科書』ダイヤモンド社)。奥田氏は、なかなか宿題を始めない子には、 まずはゲー厶っぽく「お母さんがいまから2階に行って帰ってくるまでに宿題を始められるかな。3分ですぐに帰ってくるからね。あ、まだやったらダメよ。お母さんがこの部屋を出てからスタートね!」などと伝えることが効果的だといっています。

もし子どもが3分後もまだ遊んでいたら、3分という感覚が見積もれていないということなので、次からは1分、30秒とさらに短くします。戻ってきた親が、宿題を始めたことを思いきりほめると、子どもは大きな達成感を感じることができると奥田氏はいっています。

(4)親も習慣にする

子どもがやらないことにイライラするより、テレビを消し、食卓を片付け、親自身が机に向かうほうが手っ取り早いかもしれません。親が自分から楽しそうに本を読んだり何かを書いたりしている姿を見ると、子どもも自然と自分から机に向かうようになります。

11日 聴くことは宝箱

11日の魔法の日めくりメッセージです。

聴くことは宝箱 ~お話は最後まで・・・~

相手の話が終わるまでしっかり聴くことで、
自分より相手を優先することが出来、
注意深く聴き取る力、集中力が身に付き、
よく知ることが出来ます。
習慣化すると、人をまとめる力、
リーダーシップ力にもつながります。

まず、お母さんが子どもの話に
「あいづち」をうちながら、最後まで聴くことで、
子どもに満足感が得られ、
自然に最後まで話を聴ける子に育ちますよ。

 今日は金曜日です。話を聴くことには様々なよさがあります。話を普段聴くことができない場合、一緒にお風呂に入ることで可能になります。また、絵本などを読み聞かせすることも効果的です。聴くときにはうなずいたり、相づちを打ったりすると、聴いてもらっているという気持ちが高まります。出来事や事実を聴きながら、流れている気持ちや思いを併せて聴いてください。「◯◯だったので、・・・と言う気持ち(感じ)なんだね」と、フィードバックするとより有効になります。子どもたちの話に耳を傾けていただけると幸いです。

学力をつけるためには?❻

❻書く③  -「文章の型」を知る

文章を書く力は、受験や就職、そして社会に出てからもプレゼンテーシヨンの作成やスピーチなどに役立つ強力な武器になります。ところが、日本とアメリカの小学校で作文指導の比較を行なった名古屋大学の渡辺雅子教授によると、日本の国語の教科書には作文の方法を扱った章はなく、教師へのインタビューでも「特定の文章の書き方を正式に教えることはない」との回答だったそうです (『納得の構造』東洋館出版社)。親は原稿用紙に向かう子どもに向かって「好きなことを書けばいい」と言いがちですが、そもそも子どもたちは「どう書くか」を知らないのです。

一方、アメリカでは、渡辺教授の調査に協力した教師全員が、国語を教えるいちばんの目的は「書く技術と能力を高めること」だとロをそろえて答えたそうです。立命館小学校国語教育アドバイザーで、名進研小学校国語科の顧問も務める岩下修氏は「吸収した言語をいかにアウトプットするか、その能力が固まるのは8歳前後」と述べ、「それまでにきちんとした作文指導を受けて構成力や表現力を身につけておけば、その後もスムーズに作文を書くことができる」といっています(『書けない子をゼロにする作文指導の型と技』明治図書)

 

「作文」を書けるようになるにはどうすればいい?

(1)型を使う

渡辺教授によると、アメリカではとくに説明文のような文章では、早いうちから明確な三部構造を教えるといいます。

①「はじめ」の段落:「まずこの作文で何をいうのか?」をはっきりさせる。例えば、自分の言いたいこと「ぼくはイヌよりネコがすきです。」を書く。

②「なか」の段落:「はじめ」の主張を支える理由を3つ挙げる。例えば、理由❶「抱っこするとワクワクしてやさしくしてくれる」、理由❷「さんぽに行かなくていいからラクチン」、理由❸「イヌよりなき声がかわいい」を書く。

③「まとめ」の段落:「はじめ」での主張を少し表現を変えてくりかえし、結論とする。例えば、「やっぱりネコはさいこうです」を書く。

 小学生への作文指導経験が豊富な岩下氏も、説明や報告、記録、論説を書くときは、「はじめ」→「なか」(2つ書く)→「まとめ」を基本の型にするように教えると、子どもたちは理解しやすいといっています。

「はじめ」には「何について書くか」を書き、「まとめ」には「なか1」と「なか2」を書いて気づいたこと、わかったことを書くように指導しているそうです。

たとえば「学校で好きな場所」をテーマにした場合、以下のような構成で考えることができます。

「はじめ」:わたし(ぼく)の好きな場所を紹介します。

「なか1」:一番好きな場所は……

「なか2」:二番目に好きな場所は……

「まとめ」:どちらも広い場所です/どちらも自分が落ち着ける場所です(「なかl」と「なか2」の共通点からまとめる)

 

(2)「観点」を決める

岩下氏は、「低学年の作文指導は、したことや見たことを『時系列』で書かせる方法が一般的だが、『観点』を決めて書かせたら、1年生でもスラスラ書けた」と指摘しています。たとえば、「校内探検」がテーマとすると、「おもしろかった」という観点から2つ選ばせて書かせると、子どもたちにとって書きやすかったそうです。

「はじめ」:がっこうをたんけんしました。

「なかl:いちばんおもしろかったのは〇〇です。

「なか2:つぎにおもしろかったのは××です。

「まとめ」:がっこうたんけんはおもしろかったです。

 

渡辺教授の調査でも、日本の子どもの作文は「〜して、〜して」というように、出来事を起こった順番に書く場合が93%と圧倒的に多かったのに対し、アメリカの子どもたちは3分の1以上が、最初に全体をまとめる文を書いてから具体的な事例に触れ、ふたたび最後に全体をまとめるというサンドイッチ型でした。こうした作文の「型」を知っておくことは、論理的思考力のベースにもなります。これは将来グローバルな場面でもとても役に立ちます。英語のライティングはもちろん、スピーキングやプレゼンテーションでもこの「型」を応用できます。

10日 自己責任力

10日の魔法の日めくりメッセージです。

自己責任力 ~脱いだ服、片付けられるかな?~

脱いだ服は、ついつい、親が片付けてしまいますが、
ここではぐっと堪えて自分で片付けられるように
導きましょう。

自分の行動に最後まで責任を持つ。

伝えたい大切な「自己責任能力」を
毎日の繰り返しの中で身に付けさせてあげましょう。


 自分のことは自分でできるように見守って、声をかけたり教えたりして励ましていきましょう。コーチングの考えが必要になります。その場その場での成長を促すかかわりが大切です。目をかけ、手をかけ、声をかけるなど宜しくお願いします。
 ペップトークをご存じですか。試合
前に、指導者が選手に対してポジティブな言葉を投げかけるというもの。たとえば、試合を控えた選手に対して「絶対勝て!」などとプレッシャーをかけるのではなく、「練習どおりにやれば大丈夫だよ」と前向きな言葉を投げかけます。あるいは、ミスをした選手を叱るのはなく、「次はうまくいくはずだ」と励ますといった手法です。多民族国家であるアメリカのチームスポーツが特に強いのは、コーチが選手たちにペップトークを使うことで士気を高めているからだと言われてます。ポジティブな言葉は、チーム全体に一体感をもたらす効果があるのです。

階段の修繕

 今日、教育委員会の施設修繕担当の方が来校していただき、体育館へつながる階段の修繕をしてくださいました。防水用のシートが劣化していましたので、穴の空いた部分にシートを張っていただきました。ありがとうございました。
 

学力をつけるためには?❺

❺書く②  -「日記」をつける

文章を書く練習をするにあたって、「日記」は子どもにとって毎日の習慣にしやすい方法です。日記を通して「書く」作業は2つの効果をもたらします。

 

 「語彙」を増やす

文章の中で感情表現をする際、子どもは「うれしかった」「たのしかった」「かなしかった」など、ごくシンプルな言葉を使います。ですが、たとえば子どもが「かなしかった」と表現した場合でも、実際にはそこにはさまざまな種類の感情が含まれています。

東京大学大学院教育学研究科の遠藤利彦教授によると、そうした表現に対してまわりの大人は、「その悲しい気持ちは『心配だ』ってことだと思うよ」などと、子どもの気持ちをより細やかに言葉にしてあげるとよいそうです。それは「子どもの気持ちに『ラベル』を貼ってあげるようなイメージ」だと遠藤教授はいっています。親のそんな助言を聞きながら、子どもは自分の気持ちを表すさまざまな表現を身につけていきます。

 「気持ち」を整える

日記を書くことで、楽しかったこと、うれしかったこと、つらかったことなど、自分自身をふりかえり、気持ちを整える力が身につきます。ペンシルベニア大学の心理学者マーティンセリグマン教授は、「毎晩寝る前に、 よかったことを3つ書く」ことを1週間継続するだけで、その後半年間にわたって、幸福度が上がるといっています。

 

「日記」をつけるにはどうすればいい?

(1)書く時間を決める

セリグマン教授は上記のように、「毎晩寝る前に書く」ことを勧めています。親子で一日をふりかえることで、子どもとのコミュニケーションを深めることもできます。

(2)「3行の日記」を習慣にする

「楽しかったこと」「うれしかったこと」「おもしろかったこと」など、ポジティブな出来事を3つ思い出して書きます。3行であれば時間もかかりません。もっと書けそうなときは、それぞれの理由も書きます。書くことによって、脳がよい思い出を追体験することになり、幸福度が高まります。

(3)言葉選びを手伝う

子どもの気持ちや様子を表す言葉で、ほかにぴったりな表現があるかどうかを一緒に考えてあげます。といっても、親もすぐにいい表現が見つけられるとは限らないので、『気持ちを表すことば』(光村教育図書)といった本や、ネット上の類語辞典など、語彙を増やすための情報源をうまく活用すると便利です。

 

・たのしい:おもしろい?/きもちいい?/まちきれない?

・はずかしい:てれくさい?/きまりがわるい?/かおから火が出る?

・うれしい:ワクワク?/メロメロ?/にこにこ?

・こわい:ハラハラ?/ドキドキ?/ビクビク?

9日 家族の輪は会話から!

9日の魔法の日めくりメッセージです。

家族の輪は会話から! ~楽しくみんなでごはんを食べよう!~

「お喋りしながら楽しく食べる。」
毎日必ずとる食事の時間は、
家族の大切なコミュニケーションの場で、
会話のキャッチボールが出来る場、唯一の家族共通の場です。

会話で心が通い合うと、
何でも話し合える仲になり家族関係が上手くいきます。

テレビを見ながら食事を摂ると集中力がなくなり、

味覚も分からず無関心な子になりますよ。


 2学期17週目の水曜日です。2学期も残り2週と3日になっています。新型コロナによるストレスに上手に付き合いながら、新しい生活様式が求められています。一緒に食事をすることには、大きな意味があります。衣食住の「食」を司っており、その場での楽しい会話によって「つながり」や「絆」が深まっていきます。朝食や夕食のいずれか一つは、一緒に楽しい場になるようにしていきましょう。大人の世界でも今ではない懇親会があったり、ランチをしたりする(今はできにくい状況ですが)ことは、同じものを一緒に食べて会話することで輪や和が広がったり深まったりします。同じことですね。残念なことですが、給食では会話しないでの食事になっていましたが、ご家庭では会話をしながらの楽しい食事をすすめてください。

学力をつけるためには?❹

書く①  -「書く」ことを好きになる

まだ脳が発達段階にある子どもにとって、「書くことが脳の働きに重要な影響を与える」という研究が進んでいます。インディアナ大学の脳科学者、カリンジェームズ教授は、乱雑であっても文字を書くことそのものが脳内のネットワークを活性化し、子どもたちが学ぶうえで役に立つといっています。また近年、SNSの普及で「いつでもどこでもすばやく」メッセージがやりとりされるようになり、日常的にやりとりされる文章がどんどん短くなっています。文章を書くこと自体に苦手意識を感じている子も少なくありません。だからこそ小さなころから、文字を書くこと、文章を書くことの楽しさ、喜びを知ることが大切です。

 

書くことを『好き』になるにはどうすればいい?

(1)ていねいに書く

自分が書いている言葉や文章に気持ちが向かうよう、字をていねいに書く習慣をつけます。幼児教育専門のフロリダ国際大学のローラダインハード准教授によれば、文字がうまく書けるようになることと、学カアップには相関関係があるそうです。字がうまいと先生が答案を読みやすいという理由もあります が、字がうまく書けない子は、文字を書くこと自体に意識が集中してしまい、自分が書く内容に注意が向かないからだといいます。

(2)何か書けたらまずほめる

子どもが文章を書いたときに、「こんな文章じゃ何を言っているのかわからないよ」「もうちょっと何か書いたら?」など、ネガティブな声かけをすると、書くことが苦痛になってしまいます。「よく書けたね」「すごいね」「こんな言葉知っていたの」など、いいところを認めてあげると、「もっと書いてみたい」という意欲が湧いてきます。

(3)書けないときは聞いてあげる

宿題で作文が出ても、何を書いていいかわからない。そんなときは、テーマに関連した質問を大人が投げかけることで、発想を広げてあげます。

いちばん楽しかった/うれしかった/おもしろかった/感動した/悔しかったことはなに?

〇〇のときはどんな気持ちだった?

どうしてうまくいったと思う?

なぜ〇〇のときにがんばれたのかな?

次はどんなことがやりたい?

上記のような問いを投げかけて、子どもの答えをメモしてあげると、キーワードが見つかって書きやすくなります。

8日 自分は大切な存在!

8日の魔法の日めくりメッセージです。

自分は大切な存在! ~手洗いうがいは大切だよ~

手洗い・うがいを通して、
自分の体を大切にする習慣を身に付けましょう。
手を洗うとは、表裏、爪の間まで気を付けること。
うがいは、喉の奥の見えない汚れを取ること。
見えていることだけにとらわれないで、
自分を大切にしましょう。

すぐに結果が見えないことでも習慣化することで、
自分というものは、外見だけでなく、
”中身も大切なんだ”と分かります。

自分を大切に出来ているようになると、
他の人・ものも大切にする事が出来るようになりますよ。


 2学期17週目の火曜日です。新型コロナウイルス感染予防のための新しい生活様式の中心は、こまめな石けんを使った手洗いやマスクをつけた生活です。また、毎朝の検温を行っていただいています。自分を守ることは、みんなを守ることです。自分のことを守るためには、まず自分自身が意識や自覚をもとにした行動になります。行動化につながるためには、子どもに理由を伝えていくことが大切になります。引き続き、宜しくお願いします。

学力をつけるためには?❸

❸一緒に「計画」を立てる  -計画立案で実行機能を伸ばす

ベネッセ教育総合研究所の「小中学生の学びに関する実態調査(2014)」の結果では、計画を立てて勉強する人は、そうでない人に比べると成績上位者が多いことがわかりました。一方、小学4年生で約半分、中学生になっても4割の子どもは計画を立てていないこともわかりました。「放っておいても、いつか一人でできるようになるだろう」というわけにもいかないようです。

 

■「実行機能」は訓練で伸びる

計画を立てる力は、行動や思考、感情を制御する、脳の「実行機能」と呼ばれるものの一部です。実行機能は生まれもった能力ではなく、幼少期から思春期にかけて訓練すれば、どんどん伸びるといわれています。アメリカでは、ハーバード大学子ども発達センターが『子どもの実行機能を育むのは、社会の最も大切な責任である』と表明しているほど、実行機能は教育においてとても重要視されています。そして、実行機能を育むには、大人が「足場」をつくってやることが大事だとしています。計画を立てる力も、最初は大人が少し手を貸すことによって伸ばすことができるのです。

 

一緒に「計画』を立てるにはどうすればいい?

(1)今日1日の計画からはじめる

子どもに、朝起きてから学校へ行くまで、そして学校から帰ってきたら寝るまでに何をするか、前日の夜か当日の朝ごはんの時間に、思いつくことをメモに書き出してもらいます

(2)親も自分の計画を立てる

親も1日のあいだに自分がやるべきことを書き出します。親が計画を実行していく様子を見せることが、子どもの実行機能を伸ばすといわれています。例えば、本を30ページ読む、お風呂を洗う、ストレッチをするなどです。

(3)内容は具体的に嚙みくだく

「しゅくだい」や「あそび」ではなく、「けいさん」「かん字」「どくしょ」「友だちとこうえんへ行く」など、具体的に書くようにすると、子どもでも計画を実行しやすくなります。例えば、ふとんをたたむ、かん字ドリルをする、友だちとこうえんへ行くなどです。

(4)実行できそうな内容にする

 とくに子どもは時間の感覚が発達していません。子どもが計画を立てるとき、それぞれの行動にどのくらいの時間がかかりそうか、一緒に考えながら決めていきます。計画を達成できたかどうかについて、ふりかえる時間をとって、達成できたところは思いきりほめてあげると、子どもは達成感を得られます。達成できなかったところは原因を確かめ、次の計画を立てるときに生かせば、子どものやる気を引き出せます。

7日 無償の愛を満タンに!

7日の魔法の日めくりメッセージです。

無償の愛を満タンに! ~ぎゅ~っと抱きしめ合おうね♡~

無条件に抱きしめましょう。
心を抱きしめることで、
きっと、強がりや意地っ張りな心がほぐれ、
素直な心が戻ってきますよ!
”下の子が生まれた!”
”喧嘩した!”
”叱った!”
そんな時には特に、しっかり抱きしめて愛を伝え、
安心させあげましょう。

今日は7日目、子どもをしっかり抱きしめましょう♡


 2学期も残り3週間になっています。子どもの心のエネルギーが空になると、やる気や意欲はでません。もちろん大人も同じです。心のネルギーを貯める器が子どもによって大きかったり、小さかったりします。器が大きくなった子はときどきで大丈夫ですが、まだ小さい子には沢山のエネルギーを貯め続けることができるようにお願いします。一緒に楽しく食事をする、一緒にお風呂に入る、女の子なら髪の毛をとかす、楽しくコミュニケーションするなど、一緒に何かをすることでエネルギーが満ちてきます。そのときに、頑張って顔晴っていることを伝えていきましょう。

学力をつけるためには?❷

❷「算数力」をつける  -楽しみながら数字を身近にする

算数が得意になるには、地道にドリルをコツコツ解くしかない——そんな思い込みをくつがえす最新の研究結果があります。子どもの感性で思考力を伸ばすアプリ教材やSTEAM教育教材を開発しているワンダーラボ(旧:花まるラボ)が行なった実証実験では、子どもたちに思考センスを育てるアプリ「シ ンクシンク」を毎日15分プレイしてもらうと、3か月後、学力が本当にアップするという結果が出ました。

※国際協力機構(JICA)とカンボジア政府の協力のもと、カンポジアの小学34年生1500人を対象に行なった実証実験。算数の授業の中で、思考センス育成アプリ「シンクシンク(Think!Think!)」を使うグループと使わないグループに分け、始める時点と3か月後の学力を比較調査した。調査方法は、カンボジア国内の学カテスト・国際学カテスト(TIMSS)IQテストの3つの学力試験の結果を慶應義塾大学の中室牧子研究室が分析したところ、偏差値にして6.0〜9.0ポイントの効果が確認された。また、思考力だけでなく、カンボジア国内の学カテストで多く出題される計算や文章題といったオーソドックスな問題でも学力の向上が見られた。

注目したいのは、子どもたちにとってはまるで遊びとしか思わない15分で、教科害で学ぶ計算力や文章題までもが以前よりできるようになったことです。「算数力を伸ばすには、子どもたちが意欲(=ワクワク)を感じられることが大事」とワンダーラボ代表の川島慶氏はいっています。入り口が『遊び』だと、子どもたちはワクワクします。ワクワクは思考力や想像力を伸ばすだけでなく、計算のようなスキルの吸収力、理解力も高める効果があるのです。

いまやコンピュータがすべて正確に計算してくれる時代ですが、物事の「大小や多い少ない」の感覚を直感的につかむためにも、算数力は重要です。たとえば「1000キロメートルの散歩に行く」「鍋にしょうゆを15リットル入れる」といった数字に自然に違和感を感じることができるか。

計算にアレルギーをもたず、数を自由にあやつれるようになることによって、「数の正しいスケール感を体験的に身につけておく必要がある」と川島氏はいっています。

 

「算数力」をつけるにはどうすればいい?

(1)115分、ワクワクの土台をつくる

算数力を伸ばす原動力は「ワクワク感」です。幼いころからやりたいことを我慢させてドリル学習ばかりさせても、ワクワク感の土台がないと意欲や学力は高学年で頭打ちになると川島氏は指摘します。学校の宿題と一緒に、楽しんで思考力を育てられるような問題を1日15分程度続けることで、算数が楽しくなるワクワクの土台をつくれます。

(2)物事をさまざまな視点からとらえる

算数の思考力は、低学年ほど遊びを通じて身につけることができます。問題集を買ってきてたくさん解かせるよりも、学校の教科書や計算ドリルの問題で、同じ答えになる式を探したり、順番を入れかえて計算の工夫を考えたり、ただ機械的に作業をするのではなく、想像力をかきたてるような作業をうながすと、柔軟な発想力が生まれてきます。

(3)身近な数字で「足し算、引き算」をする

頭の中で歩数を数えたり、街で見かける車のナンバープレートを使ったり、身のまわりにある数字を足したり引いたりして、数字に興味をもてるようになると、算数がおもしろくなってきます。子ども向けのナンプレやそろばんを習うのも、頭の中で自由自在に数をあやつれるようになる「暗算力」を育てます。そろばんは、数という抽象的な概念を受け入れにくい小さな子どもにとっては、数が珠で実際に見えるという点で、算数を学ぶためによい足場になります。

6日 役立つ事の「喜び」を知ること

6日の魔法の日めくりメッセージです。

役立つ事の「喜び」を知ること ~お手伝い出来るかな?~

どんな小さなお手伝いでも、
沢山の「有難う」のシャワーを浴びせて、
褒めて認めてあげましょう!

人のために行動することに喜びを実感すると、
将来、社会に貢献でき、
思いやりや責任感が育まれ、
志の持てる子になりますよ。


 2学期17週目の休日、日曜日です。誰かのために役立つことができるようになるためには、褒められた、認められたということを実感したり、自覚したりすることが必要になります。「だれかのために、みんなのために」行ったことが承認される経験が多いお子さんに育ててることが大切だと「エミール(ルソー)」でも述べられています。「自分のために生き、みんなのために生きる」そんな子どもたちを育んでいきましょう。