日誌

2020年8月の記事一覧

国語がよくわかっていないことを考える②

2 音読がなぜそんなに苦手なの?

 学校では今、国語の授業中に、子どもたちに音読をさせる時間を充分にとってあげられないのが現状です。指導カリキュラムでは、「話す・聞く・書く」ことが重視されているために、「読む」ことに関しては家庭学習で補っていただけるよう、音読の宿題を出すことが以前よりも多くなっています。「読むのが下手」「つっかえてばかりで、聞いていてもどんな内容なのかわからない」ということも聞かれます。

 大人には簡単に思えるかもしれませんが、今まで自分で声に出して読んだ経験のない子どもにとって、音読は相当な難題に感じられます。特に低学年の子どもは、文字を習い始めてから、それほど時間が経っていません。習いたての文字を一つずつ目で追うことも大変な作業です。流れるような音読ができるようになるまでには時間がかかりますし、書かれている内容を理解しながら読むなんて、すぐにできることではありません。たどたどしい音読でも、子どもは一生懸命取り組んでいるはずです。それを「だめだ」「下手だ」と言われてしまうと、音読することが辛くなり、国語嫌いに発展してしまう恐れもあります。

 例年、授業参観などで、ほかの子どもがつっかえることなくスラスラと読んでいるのを目の当たりすると、焦ってしまう保護者の方もおられます。しかし、子どもの成長は一人ひとり違って当たり前ですし、得意不得意や興味の対象もそれぞれです。国語の教科書に載っている内容には興味を持たずいつも上の空なのに、自分の好きな昆虫に関する本なら、難しい生態の説明文をスラスラ読んでしまう子どももいます。音読の練習は、興味のあるジャンルの読み物から始めてみるといいでしょう。

 なぜうまく読むことができないのか、その原因を見つけてあげるのが大人の役目だと思います。文字を追うのが面倒くさい、つっかえたらお母さんに怒られたというケースもあります。登場人物の一人が嫌いだから、読んでいると悲しくなるからという理由で、声に出して読みたくないという子どももいました。どんなケースであれ、子どもの思いをすくいあげることが一番大切です。

 

 音読が好きになるためのヒント

 音読の目的は、声に出しながら頭の中で情景を思い浮かべ、そのお話がどんな内容なのかを読み取れるようにすることです。内容がわかっていれば、スムーズに音読ができるのです。つまり音読によって、子どもがどのくらい内容を理解しているかどうかがある程度わかります。ご家庭でもしっかりと耳を傾けてほしいと思います。

(1)文字の塊(単語)として認識させる

 音読の基本ポイントは、大きな声で読めるか、そして文字ではなく単語としての意味を分かっているかの2点です。初めから、全体の意味を理解するといった高度なレベルを子どもに求めないようにしましょう。

 たとえば、「わ・た・し・の…」のように、もし1音1音区切りながら読んでいるとしたら、「わたしの…」という塊であることと、その意味を教えてあげてください。それでもつっかえるようなら、保護者の方が初めに声に出して読んでみて、その後に真似をさせてもよいでしょう。

(2)意味のある1文として意識させる

 新出漢字の数は年々増えていきます。漢字がたくさん混じった文章を読んでいくわけですから、音読の苦手な子どもにとっては至難の業。まずは、1つの文を休みなく読ませることから始めましょう。

 1文を読み終わったらお母さんの確認と感想を伝えます。例えば、「ちいちゃんは空を見上げました。」と読んだら、「へぇ、ちいちゃんは空を見上げたのね。どんな気持ちだったのかなぁ」と。自分が読んだ文章には「意味がある」と意識することで話のイメージも広がり、興味も深まってくるでしょう。

(3)内容の面白さに気づかせる

 音読を宿題に出すと、子どもの反応もさまざまですが、音読を聞いて確認のハンコを押すお母さんの反応もさまざまでしょう。お母さんが子どもの音読を聞くのを楽しみにしていると、子どもは嬉しくなり、どんどん上手になります。話の内容にも興味を持つようになり、感想を言い合えるレベルにまで発展することもあります。

 もしもお母さんが面倒に思ってしまえば、子どもも面倒くさがるのも当然です。聞き終わった後の感想を伝えられるよう、子どもの音読は話の内容にも興味を持って聞いてあげてください。

30日 チャレンジ精神!

30日の魔法の日めくりメッセージです。

チャレンジ精神! ~初めてのことにチャレンジしてみよう!~

やってみよう!は、どこから生まれるのでしょうか?
「日めくりメッセージ」をめくりはじめ、
30日が経ちました。

教えること、伝えること、育むこと、与えること・・・

安心感、自信、勇気・・・

素敵な自分
自分を理解してくれる人。
認められ、受け入れてもらえ、環境がバッチリ整えば
子どもは巣立っていけます。
すぐでもなくて、あせらず、ゆっくり見守れるあなた、
子どもの力を信じてお任せ出来るあなたがいますか?

 2学期3週目を迎えた日曜日です。新型コロナウイルス感染防止のため、新しい生活様式定着への挑戦が求められています。ストレスを抱えているかもしれませんが、ウィズコロナ時代です。本校のスローガンは「全力」「挑戦」「ありがとう」です。英訳すると、「all one ́s power」「challenge」「thank you」になります。その根底には、見守って理解してくれる人、認めてくれる人が必要になります。家庭で地域で学校でみんなで育んでいきましょう。ご協力をお願いします。

国語がよくわかっていないことを考える①

1 汚いノートでちゃんと勉強できるの?

 通信票(1学期分)を先週末にお渡ししました。2学期の学習が始まったばかりですので、今週は「国語がよくわかっていないことを考える」と題して考えていきたいと思います。
 子どもが使っているノートを時々チェックして、「落書きばかりして、ちゃんと授業をまじめに聞いているのかしら」「ゴチャゴチャして見づらい。こんなノートで復習できない」と、見た目の悪さに嘆いている保護者の方が、多いのではないでしょうか。

 ノートが汚いという場合、2つのパターンが考えられます。1つは文字通り、字が乱雑だったり、落書きが多かったりするノート。特に、下学年の女子の一部や男子の多くに見られます。落書きするのは、授業についていけず、終了の時間をもてあましている証拠です。落書きしたことをとがめるのではなく、勉強の理解度をチェックするのが先決です。また、字のチェックが悪い、字のバランスが悪いのであれば、指先の器用さや見たことと指先の動きの問題ですから、三角鉛筆やグリップを使っての練習によって改善できます。指先の発達は学年が進むにつれて身についていきます。1年生では女子に比べて男子は約2年程度未熟なので、差があるように思われてしまいがちです。

 もう1つは、ページ内のあちこちに記述が散らばっている、書き込みが重なっている、ページを飛ばすといった、記述に統一性のないノートです。せっかく授業中に一生懸命に書いたというのに、復習するときに役に立たなくなってしまいます。もちろん、先生が黒板に板書する際に、子どもたちが書き取りしやすいような工夫を凝らす必要もあるのも事実です。「書くスピードが速すぎて追いつかない」「箇条書きにしてくれると書き写しやすい」という声を耳にしたこともあります。今後の学校での課題ですので、留意していきます。

 ご家庭では、見た目の汚さを批判するのではなく、子どものノートが「どんなふうに汚いのか」を、まず見極めてください。前者なら見やすいノートにするヒントの(1)を、後者なら(2)や(3)の対策を講じることで改善されます。いずれにしても「ノートをいったい何のためにとっているのか」を、子どもにしっかり理解させ、後から見直すときにわかりやすいノート、復習する際に役立つノート作りを目指していきましょう。

 

見やすいノートにするためのヒント

(1)文字の正しいカタチを身につける

 習字を習っている子どもの字がきれいなのは、お手本の正しいカタチをしっかり見ているからです。そして筆先に注意を集中させて、できるだけ同じように書こうとするからです。正しいカタチを知らなければ、正しい文字など書けません。

 実際に字の練習をするときは、鉛筆が正しく持っているか、握る力が強すぎないか、肩に力が入っていないかなどをチェックして、リラックスして書くように助言してあげてください。正しい文字をなぞっていくなぞり書きを、繰り返していくのも効果的です。

 鉛筆を正しく持てない場合、三角形の鉛筆や持ち方のグリップを使うこともお勧めします。

(2)文字の持つパワーを教える

 一見すると、落書きのようにしか見えないノートもあります。これは、ノートに記録することの意味を自覚していない場合があります。ノートをとることは、未来の自分に伝えるという重要な意味があり、文字にはそれくらいの力があることを教えましょう。

 交換ノートをしたり、誰かに宛てて手紙を書いたりすることを勧めてみるのも一案です。こうしたやり取りを通して、「読みやすい文字を使わなければ、相手にきちんと思いを届けることはできないんだ」ということに気づくきっかけになります。

(3)文字を使った手作り作品に挑戦する

 家族を巻き込んで、「家族新聞」の発行をするのがお勧めです。家族それぞれの思い思いのテーマで、1つのエリアを担当するというものです。初めは文字の判読するのも難しかった子どもの記事が、発行を重ねるごとに整然とした読み応えのある記事に変化します。

 これは、人の目に触れるものだということを意識した結果です。お話好きな子どもなら、一緒に絵本を作るのもいいでしょう。読み手を意識することでやりがいを感じ、それがレベルアップにつながっていきます。

29日 喜び

29日の魔法の日めくりメッセージです。

喜び ~今日1つ、自分も相手も喜べることをしようね~

喜べる行いとは、
どんなことか考えてみましょう。

相手が笑顔になれること。
私も笑顔になれること。
自分で自分を褒めることが出来ること。
その行いで晴れ晴れとした気持ちになれること。
自信を持って出来ること。

自分に自信が持てると、責任感が育まれます。
どんな小さなことでも褒めて認めてあげましょう。
小さなことに気付き喜べることも素敵なことですね。

 2学期2週が終わり、残暑の厳しい毎日です。昨日、1学期分の通信票を子どもたちに手渡ししました。2学期の頑張りを期待しているところです。子どもたちには今やるべきことに全力で取り組むことをお願いしています。一日一善と言われていますが、小さなことでもその行為に気付き、褒めて認めることですね。小さな気付きの積み重ねが子どもも大人も良い成長につながるようです。過程の頑張りを褒めて認めていきましょう。

28日 子どもからのメッセージを受け取る

28日の魔法の日めくりメッセージです。

どもからのメッセージを受け取る ~背筋を伸ばそう!ビシッといこう!~

背中が丸くなっているということは、
何かのメッセージです。
「背筋を伸ばしなさい」という言葉掛けだけでなく、
どうして、背筋が伸ばせないのかを
見ようとする姿勢を持ちましょう。
背中が丸まっていると呼吸も小さくなり、
行動力も小さくなります。
背筋がいつも伸びていると、目線が上向きになり、
自然にやる気が湧いてきます。

子どもがいつも背筋を伸ばせるように、
私達が子どもからのメッセージを受け取れるようになりましょう!


 2学期、10日目です。週末の金曜日。新型コロナウイルス感染症防止のため、ストレスの多い日々かと思います。保護者の皆様もストレスがあるように、子どもたちもありますので、メッセージを受け止めてください。子どものメッセージを受け取るために、ノンバーバル(非言語的)なところが大切になります。しぐさや姿勢、表情、視線など、子どもたちの家庭での様子を確認しながら、子どもたちの話を聞いてあげてください。そのことによって、互いの気づきが生まれます。頑張って、顔晴っていきましょう。

27日 「見えないこと」こそ意味がある

27日の魔法の日めくりメッセージです。

「見えないこと」こそ意味がある ~お友達の素敵なところを3つ見つけよう~

人はすぐ嫌なところに目が向くことが多いですが、
子どもの間に、人や、物事に対して
素敵なところを見つける習慣をつけていると、
いつもプラス思考になることが出来ます。
「人には必ず素敵なところがある!」
表面だけでなく、中味を見つけられることは、
人として誇りになる宝物です。

見えないことこそ、
大きな真実が隠れていることを伝えましょう。


 2学期、9日目です。新型コロナウイルス感染予防に努めていただき、ありがとうございます。いつもとちがう時こそ、いつもと同じことを大切に!子どもの中で良いところや素敵なところ、頑張りを見ようとする、見つけようとすると、人のよさに気付きます。プラス思考にすることです。プラス思考をしないと成長には絶対つながりません。プラスの言葉を言う子どもと大人は必ずよい方向に成長すると言われています。子どもの頑張り、顔晴り(笑顔で晴れやかな姿)をたくさん見ることができるよう支援していきましょう。

26日 笑顔は元気の発信源!

26日の魔法の日めくりメッセージです。

笑顔は元気の発信源! ~一日、にこにこ笑顔~

怖い顔・沈んだ顔はマイナスエネルギーを発信します。

笑顔はプラスのエネルギーを発信しますので、
心も活き活きと元気になります。
顔は、いつも周りから見られていますので、
笑顔を通して周りに元気を発信し、
幸せにする凄い力がありますよ!


今日は一日、笑顔全開でいきましょう!

 2学期、8日目です。週の中日です。家庭において元気な挨拶で始まっていますか?笑顔や笑い声があると、プラスのエネルギーを周りにも発信できます。大人の笑顔が子どもの笑顔になり、子どもの笑顔が大人の笑顔になります。子どもも大人も笑顔でいきましょう!口にストローをくわえていると唇はとがったものになります。一方、口にストローを横にしてくわえると口角があがって笑顔になります。

25日 限りなく我を0に近づける

25日の魔法の日めくりメッセージです。

限りなく我を0に近づける ~まず、「はい」~

今日一日は、まず、「はい」と返事をしてみましょう!
繰り返して21回「はい」と
言えるようになってきた頃には、
素直に行動出来るようになりますよ。

「でも・・・」「だって・・・」と、
考えてばかりいると自分の前に見えない壁が出来、
物事が進まなくなってしまいます。

「はい」は、我と壁を取る練習ですよ!


 2学期、7日目です。いつもとちがう時こそ、いつもと同じことを大切に!「はい」の返事は、素直に考えて行動することができることにつながります。言い訳を言うことは、やる前からできないことにつながります。人の脳は「声に出して言ったことにだまされる」と言われています。「もうだめだ」、「できない」と言っていると絶対にできません。「大丈夫」、「できる」と言う言葉にだまされて出来るようになるのです。プラスの言葉を言うのはそのためです。

24日 自分に出来ること・・・

24日の魔法の日めくりメッセージです。

自分に出来ること・・・ ~使わない電気は消そうね~

自分の行動が
周りに影響力を与えていて、地球とつながっている。

コツコツと続けることによって大きな力になり、
宇宙ともつながっている。

エコ活動で周りにも
目を向けることが出来るようになります。

そして、つながりの中に自分の存在意義を
認められるようになりますよ!


 2学期、6日目です。「部屋にだれもいないときに電気を消すのはなぜなのか?」と質問したとき、お子さんはどのようなことを答えるでしょうか?理由が答えられたら、次に行動に移すことができるかです。毎日の生活の中で、家の手伝いをすることや、食事、洗濯、掃除、健康管理を一緒に行うなどを続けてできたということがあってほしいものです。頑張って、顔晴って子どもたち!

23日 情緒豊かに

23日の魔法の日めくりメッセージです。

情緒豊かに ~旬のものを食べようね!~

日本には、四季があります。
四季を通して、情緒を感じることが出来ます。
大地の恵み、季節に必要なエネルギーを教えてくれ、
情感が得られるのです。

自然が与えてくれるエネルギーを感じ取れる様に
食べ物の旬を味わいましょう!

 2学期、最初の日曜日です。引田下沢の生き物観察会の日です。ストレスの解消の一つに好きなものや季節のものを食べることがあります。身体の中に夏の野菜や果物をたくさん食べて、自然からのエネルギーを受けて欲しいと思います。解消の一つに好きなものや季節のものを食べることがあります。身体の中に夏の野菜や果物をたくさん食べて、自然からのエネルギーを受けて欲しいと思います。

22日 ナンバーワンよりオンリーワン

22日の魔法の日めくりメッセージです。

ナンバーワンよりオンリーワン ~自分の好きなところを3つ見つけよう!~

自分のことをもっと、好きになりましょう!
沢山、素敵なところがありますよ。
親子で素敵なところを
見つけ合いっこしましょう。
素敵なところを発見することに意味があります。
苦手なことを直そうと思うより
素敵な所を深めましょう。

自分を好きになると自信が持て、
もっと可能性が広がり、もっと素敵になりますよ。


 2学期第1週目の土曜日です。新型コロナウイルス感染症によるストレスに適応できるようなってきましたか?!親子で過ごす時間が長くなると、子どもたちの素敵なこと(よさや頑張っていること等)を当たり前と思わずに見つめ直すことが求められています。お子さんの素敵なことをいくつあげることができるでしょうか?苦手なことや課題となるところは見つかりやすいものです。マイナスな言葉がけでは子どもも大人もよくありません。子どものやる気や自信を育むためにも、頑張りの過程をほめたり、認めたりして伸ばしてください。プラスの言葉をかけてください。

21日 会話は子育てのキーワード

21日の魔法の日めくりメッセージです。

会話は子育てのキーワード ~ゆったり、お喋り、楽しもう!~

お喋りは楽しいものです。
その中で、子どもの事をもっと深く知る、
親の事をもっと知ってもらう。
楽しい会話の中で、認め合う関係、
喜びも悲しみも共有できる関係、
相談し合う関係が作れます。

毎日が忙しい日々。
すこし、ゆったり、のんびりと会話を楽しみましょう。

 2学期、5日目です。例年ですと今日から夏休みですが、連日の猛暑の中で子どもたちは登校して頑張って顔晴っています。話を聴いてもらえたという安心感がよりよい関係性を築きます。一緒にお風呂の中での会話はゆったりした中で楽しむことができます。会話の中で大切にしたい言葉は、「ありがとう」と「うれしい」などです。「〇〇のお手伝いをしてくれて、ありがとう!」「お母さんはうれしかったよ!」「お父さんは〇〇したんだって聞いたよ。ありがとう!」子どもにエネルギーを与える言葉です。

20日 すべては一つ

20日の魔法の日めくりメッセージです。

すべては一つ ~トイレへ行ったら①流そう②ふたを閉めよう③手を洗おう~

複数のマナーを守ることが出来るようになると、
あらゆることは繋がっていて、
すべては一つだと分かるようになります。

今日は、20日目、
少し高度なことにチャレンジしてみましょう!


 2学期、4日目です。マスクをしてのあいさつですので、難しいとは思いますが、元気なあいさつでエネルギーをもらうことができます。ご家庭内でのあいさつはできていますか?起きてきてお家の方からあいさつをするのか?子どもからするのか?あいさつができる子は、向社会性があると言えます。あいさつを元気よくできる子は外向的志向があり、心が安定していると思います。学習に向き合う力を持っています。登校時に遠くから元気なあいさつをもらうと、1日の元気をいただきます。家庭や地域においても、元気なあいさつができるように励ましてください。あいさつはすべての活動のエネルギーです。あいさつができる子を育んでいきましょう。

19日 ものには役割がある

19日の魔法の日めくりメッセージです。

ものには役割がある ~ものを大切にしよう~

「ものを大切にする」のは、
それぞれの役割を知ることです。
ものは、必要だから存在するのです。
それを壊れたから捨てる、
すぐに新しいものと取り換えるのではなく、
絵本やおもちゃをどうやって直すか考えたり、
工夫して新しい使い道を生み出していきましょう。


 2学期3日目です。ものを大切にする人は、人を大切にすると言われています。ものを大切にする子どもを育んでいきましょう。ものを大切にするコツはものに名前を付けることです。私も初めて買った車のナンバーが「8」だったので、8番ブーと言ってたことを思い出します。また、1年生の担任をしたことが1度だけあるのですが、教え子の中に物を大事する子がいました。その子には頑張ったので本をプレゼントしました。その子は今、作家になっています。ものに愛着を感じることが人やものを大切にすることにつながります。

18日 その「言葉」で伝わりますか?

18日の魔法の日めくりメッセージです。

その「言葉」で伝わりますか? ~みんなの口からきれいなお花~

「言葉」は、自分の意識そのもので、
意思を伝えるためにあります。
傷つける「言葉」は、とげのある意識が、
嬉しくなる「言葉」は、やさしい意識が働いています。
伝えたい事は伝えるためには、
どんな「言葉」で表現しましょうか?
「言葉」は生きています。
私達から出てくるものは、
全て、意味があり役割があります。
私達大人が、お手本となり、お花が飛び出すような、
楽しくて、嬉しくなるような素敵な「言葉」をつかいましょう!


 2学期2日目です。家族の中での言葉はどのように使われていますか?日本では、昔から言葉は言霊と言われています。どのような言葉をつかうかが大切になりますが、プラスの言葉をつかってほしいと思います。悪口やからかう言葉、人が気になる言葉などのマイナスの言葉を使っていると、言われている人が当然嫌な気持ちになります。それだけでなく、言っている人もマイナスの影響が出てきます。一緒に生活するためには相手を思う気持ちを尊重することですね。国語で物語教材を学ぶことは、登場人物の気持ちを想像し、気持ちをつくることの積み重ねによって学んでいきます。夏目漱石の「こころ」の中で、気持ちではなく、心持ちという言葉を使っています。辞書では「心の持ち方。心がけ。気だて。感じていることや思っていること。」と記されています。

17日 「ほこり」の持てる私になる

17日の魔法の日めくりメッセージです。

「ほこり」の持てる私になる ~落ちているゴミを拾いましょう!~

人の役に立つことを、
誰も見ていなくとも勇気を持って、
恥ずかしがらずに、堂々と行動に移す。
自分の意思を貫く。
習慣づくことによって、
自尊心が芽生え、自分に自信が持て、
何でも、「やってみよう」と挑戦できるようになりますよ。
親子で、まず出来ることからやってみましょう。


 今日から2学期です。本校のスローガンは「全力」「挑戦」「ありがとう」です。そのためのベースや原動力になるのは、やる気や自尊心、自信などです。ほめて、認めて、励ましていくことが大切です。情緒的サポートといわれており、ほめるポイントは、結果や能力でなく過程です。過程での頑張りをほめてみてください。小学生のうちに自分のために、みんなのために役立つことができるように育みましょう。例えば、「なぜ、石けんを使って手洗いをするのか?」を子どもと考えたり、調べたりすることもおもしろいのではないでしょうか。親水性と疎水性という、水に付きやすい性質と水をはじきやすい性質、「水と油」とよく言いますが、それをうまくつなげるのが石けんの役割です。界面活性剤という石けんの役割によって、菌が落ちることになります。今だからできることを一緒に考えたり、調べたりして、子どものやる気や自信などを育んでみてください。

子どものつまずきを考える⑯ どうしてそんなに喧嘩っぱやいの?

16 どうしてそんなに喧嘩っぱやいの?
 低学年の子どもは、自分の周りにいるクラスメートのことがとても気になるものです。相手のことをよく知らなくても「どんな子なんだろう」「どんな遊びをしているんだろう」と、常に関心を持って見ているのです。ところが、このくらい年代では、人の気持ちを考えながら行動をするとか、クラスメートとして接するにはどういう言葉遣いがふさわしいか、といった複雑なことを考えるまでには至りません。
 ですから、心の赴くままに思ったことを口にしてしまいます。その結果、相手の機嫌を損ねてしまうこともあります。自分の思いを表現する方法がわからなくても、頭の中が混乱状態に陥ると、つい手を出してしまったり、威嚇して相手を怖がらせたりすることもあります。相手もまた幼い子どもですから、さまざまな行き違いや争いごとが起こってしまうのは仕方のないことです。
 ただし、子ども同士の喧嘩をしたからといって、そのことを深刻に悩むことはないと思うのです。怪我をさせたり、度の過ぎた暴言を吐いたりすることは、即刻注意しなければなりませんが、ただの口喧嘩程度であれば、静観してもいいくらいです。大人の喧嘩は、原因も内容も複雑な場合が多いのですが、子どもの喧嘩は本質的に違います。その場で思いついたことを、ただぶつけ合っているだけです。手段としては決して褒められることではありませんが、本音をぶつけ合えるほどの間柄になったことは、むしろ評価してあげてもいいくらいだと思います。喧嘩した事実を責めないようにしましょう。どちらが悪いのかを裁くようなこともしないでください。大人が注意を払わなくてはならないのは、実は喧嘩の後です。

 喧嘩した相手と、その後仲直りはできたでしょうか?もしできているのなら、そのことをたくさん褒めてあげてください。自分で起こしてしまった問題を、自分の力で解決したのですから、それは大きな大きな成長です。喧嘩しても仲直りができる相手というのは、その後本人にとってもかけがえのない存在になることが多いものです。もし、喧嘩の後に仲直りができなかったとしても、そこに大人が口をはさむ必要はありません。その相手とは気が合わなかっただけなのでしょう。仲直りのできない相手とは、今後おそらく喧嘩になることもないはずです。子どもが「仲直りしたいのにどうしたらいいのかわからない」と訴えてきたのなら、そこで初めて大人の出番です。興奮が落ち着くのを待ってから、子どもの辛い気持ちを共有してあげてください。子どもが、喧嘩の原因や経過、結果を教えてくれても、そこには口をはさまないようにしましょう。ただ黙ってうなずいてあげれば充分です。

 仲直りできるということは、コミュニケーション能力が高いということでもあります。どんなにたくさんの言葉を並べても、そこに気持ちがこもっていなければ、相手の心には届きません。まだ言葉遣いも上手ではない小学生が、相手の怒りを鎮めるという難度の高いコミュニケーションをやってのけたのです。喧嘩の是非はとりあえず棚にあげて、思い切り褒めてあげましょう。


16日 食事のマナーを伝えましょう

16日の魔法の日めくりメッセージです。

食事のマナーを伝えましょう ~お茶碗を持ってごはんを食べよう!~

「ごはんを大切に食べる」という
想いを形で表現できるように、
食事のマナー・仕方に目を向けてみましょう。

お茶碗を持ってごはんを食べる、
お箸をおいてからお茶を飲む、
ご飯とおかずを交互に食べる、
一つひとつを大切にできるように、
マナーを守って楽しく食べる。

一度お子さんと一緒に食事のマナーを考えて下さい。
毎日必ずとる食事は、マナーを伝えられる大切な時間です。


 夏休み最終日です。明日からは給食の日々になりますが、人の食事での食べ方やマナーからその子の様子がわかるとも言われています。私自身は食べるのが早いのですが、職業柄そのようになっているのかもしれません。食事に限らず、そのときどきでマナーを教えてください。家庭で生活するうえで日々やっていること、食事、洗濯、掃除、健康管理というものを子どもと一緒にやって、子どもができるようにする時間として使うことができたかを振り返ってみてください。

子どものつまずきを考える⑮ みんなと仲良くできないの?

15 好き嫌いせずに仲良くできないの?

 大人だって、「好き」と「嫌い」はあるのです。しかし大人は、その感情をストレートに表してしまうと、トラブルを引き起こしたり、人から反感を買ったりするという壁にぶつかってしまうことを知っているので、上手にカモフラージュしていけるだけなのです。それができるのも、これまでに、良いことも悪いことも含めて、多くの経験をしてきたからではないでしょうか?「嫌い」の感情を表すと、相手に不快な思いをさせてしまいます。するとどんな反撃があるかわかりません。だから自分の感情を抑え、自分の身を守るほうを選択することがあるわけです。一方、本来ならばポジティブな感情である「好き」も、あまりあからさまに出さないようにしようとすることがあります。自分は「好き」と思っても、相手が同じくらい「好き」だと思ってくれないと、どこかプライドに触れるからです。この場合は、自分のプライドを守るために、感情を抑えるのです。
 このように、相手の気持ちを考えて自分の振る舞い方を変えたり、取り繕ったりすることを心理学では「展示ルール」と言います。幼児期まではこのルールを使うことができません。少しずつ理解できるようになるのが幼児期の終わりから児童期にかけてですが、低学年のうちはまだ上手に使えるまでには至りません。好き嫌いが、行動にも表情にも表れてしまいます。ただ、自分の感情をはっきりと表現できるのは悪いことではないと思います。むしろ、嫌いだと思っているのにそれを表現することもできず、自分の感情を押し殺してしまうことのほうが問題なのではないでしょうか。

 子どもは未知のものが苦手です。それを「嫌い」と認識して、自分から遠ざけようとするのは、自分を守るためにも必要なことなのです。知らない人を見れば「危険」と思って近づきません。「それでは、新しいことには挑戦できなくなってしまう」と思われるかもしれませんが、安心してください。「嫌い」と表現するくらいですから、実は興味を持っています。ですから、距離をとりながらも遠目からはしっかり観察しています。そして「そんなに嫌いでもないかもしれない」と思えれば少しずつ近づいていき、「いいかもしれない」と認めたときに、「好き」の感情が生まれてくるのです。

 学年が進むにつれて「展示ルール」の使い方もだんだん上手になっていきます。特に女子の場合は、かなり早い時期から使いこなせるようになります。隣の子が「気が合いそうもないな」と感じてもあからさまに不機嫌な表情は見せません。ましてや「あなたなんて嫌い」などとは言わないでしょう。「これからも宜しく。仲良くしてね」と言うはずです。言葉に出さないまでも、笑顔や会釈でその気持ちを伝えてくるでしょう。なぜ、自分の気持ちに反した行動を起こすのでしょうか。それは、学校生活を平穏に楽しく過ごしたいからです。こちらが好意を示せば、相手も同じように応じてくれるものです。こうした知恵を働かせながら、子どもたちは上手に自分の気持ちをコントロールして、いろいろな場面を乗り切っていくのです。

 しかし、高学年になっても、あからさまに好き嫌いを表す場合があります。面と向かって「嫌い」という感情を表すときは、自分に害を与えそうだと判断したときと、または自分に何のメリットもないと判断したときです。通常だと、嫌いだと思ったら適当な距離をとって近づかなければいいのですが、あえて口に出すということは、「嫌われてもいい」という強い気持ちを持って拒否しているのです。ただし、こういうケースでは「いじめ」が潜んでいるかもしれないので、大人が注意して観察し、場合によっては間に入って仲を取り持つ必要があります。

15日 自分を守る、社会のルールを守る

15日、魔法の日めくりメッセージです。

自分を守る、社会のルールを守る ~信号を守ろう!車に気をつけよう!~

子どもが、親と一緒に歩く間に、
自分の身は自分で守ることが出来るよう、
しっかりと交通ルールを教えましょう。

社会のルールである交通ルールを守ることで、
自分も社会の一員であることを
認識できるようになってきます。

まず、大人である私達が社会のルールを守れるように
見本となりましょう。

 夏休み、15日目。残り2日です。新型コロナウイルス感染予防のためには、自分を守ることの大切さを痛感させられます。学校での新しい生活様式が再び始まろうとしています。ルールは何のためにあるのでしょうか。二人以上の生活の中では必ずあります。子どもたちの好きなスポーツにも遊びにもルールがあり、守ることで楽しむことができます。ルールだけでなくマナーも守れる子どもたちを育んでいきましょう。

子どものつまずきを考える⑭ なぜ友だちを怒らせることを言うの?

14 なぜ友だちを怒らせるようなことばかり言うの?
 言葉は最初、家族の会話から学んでいきます。しかし、日常の言葉の使い方、幼い頃からの友だちづきあいの中で自然に身についていくものです。成長に伴って関わり合いをも変化していくわけですから、子どもたちは子どもたちと接することで互いに学び合っていることになります。もし、子ども同士で遊ぶ機会が少なかったり、大人の中で大人の会話しか聞かないまま育ってきたりしたら、友だちづきあいをするのにふさわしい言葉を上手に使えないこともあります。
 しかし集団生活や学校生活は、言葉の使い方や選び方を学ぶためには、最高の環境にあります。積極的に会話をすることでだんだんに磨かれていくからです。とはいっても、子ども同士のことですから、友だちとの争いごとが起こってしまったり、本人が意図的ではないにしろ友だちを怒らせたり傷つけたりすることもあるかもしれません。だからといって関わり合いを控えるのではなく、いろいろなシチュエーションの中で会話の経験を積んでいくべきだと思います。
 例えば、子ども同士でトラブルが発生したとします。どちらかに最初の非があるにしても、双方にはそれぞれ言い分があります。どちらかが100%責任を負わなければならないということはありません。ところが、互いに自分を正当化するために相手に非があると主張するため、二人の言い争いは過熱していくのです。クラスメートが周囲にいますが、当初二人には目に入りませんが、やがてどこからか声が聞こえてきます。「もうそのへんでやめておいたら?」「二人とも熱くなりすぎだよ」「原因は何だったの?」と。二人はそこでいったん冷静になり、ギャラリーたちの忠告や分析によって、何が相手を怒らせてしまったのか、自分は相手の何に対して怒ったのかが、だんだんわかってきます。トラブルを起こした二人だけではなく、教室の子どもたちはこの経験によって、いろいろなことを学ぶことができます。

 誰かにお願いするときに、「これやっといて」「できるでしょ?」「よろしくね。頼んだわよ」と、相手の都合や気持ちを無視して押しつけてくる大人もいます。友だちとの触れ合い、悩み、争い、和解し、親睦を深めるといった経験を積み学んできたなら、このような言い方はできないはずです。子どもたちには、学校生活や家庭において、こういうことを学んで大人になって欲しいと思っています。

14日 躍動するわくわく感!

14日の魔法の日めくりメッセージです。

躍動するわくわく感! ~絵本はわくドキ~

絵本は、自分自身でページを進める事も、
戻る事も、止める事もできます。
主導権が自分にあり、探究心、やる気、
自発的な行動を促します。
又、想像力も培われます。
いくつになっても、絵本にふれることで、
冒険心を持ち、何かやってみたくなるような
わくわく感が湧いてきますよ。

一番は何より一緒に絵本を開くこと。
「あなたと一緒に」開く絵本が子どもには格別なものなのです。
さあ、14日目です。絵本の国へ出発しましょう。


 夏休み、14日目。夏休みも今日を含めて3日間です。地域の人や大人との会話から学ぶことが多くあります。親戚の人との会話からも多くの学びがあるはずです。ミクロとマクロの視点から考えることが大切です。可能でしたら、親子読書や家読に取り組んでみてはいかがでしょうか。非認知能力を育てるのにも読書は大変有効です。学力は「学ぶ力」です。本校の教育目標「自ら学ぶ子」と同じように文字を読んで考える力(読解力)を育てることです。

子どものつまずきを考える⑬ 友だちの輪の中に入れないのはなぜ?

13 友だちの輪の中に入れないのはなぜ?

 小学生に限ったことではないが、もともと社交的で誰にでも気軽に声をかけられるタイプもいれば、誰かが話しかけてくれるまでじっと待っているタイプもいます。輪の中には入れないけれど、楽しそうにおしゃべりしている友だちをニコニコ眺めている子ども、自分のやりたいことに没頭して周囲を気にしない子ども、タイプは千差万別。それぞれの持ち味があってこそ、いろいろな友達関係が成り立っているのだと思います。

 子どもの持ち味は、それぞれのご両親から受け継いでいる部分が多いものです。ですから、お母さんもお父さんも、ご自分が持っている長所を、子どもも持っていると考えればいいと思います。そして、ご自分の小学生時代を思い出して、「自分ならこうする」「あのとき、こうすればよかったと思っている」という話を聞かせてみてはいかがでしょうか。
 おとなしい性格で、なかなか人に馴染めないというケースもあるかと思いますが、その性格を問題視することはありません。無理やり「自分ではない自分」を演じてみても、いつしか心と行動の矛盾に気づいて、本人が辛い思いをすることもあります。自分とは性格が合わない友だちが近づいてきて、いつも緊張し続けなければならなくなるかもしれません。自己主張の激しい子どもが多い中では、おとなしい子どもはとても貴重な存在になります。また、おとなしい子どもほど、一言一言に重みがありますから、やがて一目置かれる存在になるかもしれません。
 友だちができるかどうかは、性格よりも人格のほうが重要です。社交的な性格ですぐに誰とでも親しくなれる子どもでも、人格に問題があれば友だち関係は長続きするはずはありません。持って生まれた性格に劣等感を持つ必要はありません。それでも「友だちができない」「どうやって話しかければいいのかわからない」と子どもが悩んでいたら、次のようにサポートしてみてください。
 まず「クラスの中で誰と仲良くしたいのか」あるいは「どんな子と友だちになりたいの?」と聞いてみてください。この質問に、すんなりとよどみなく答えられるのであれば、具体的にどんなことをしてみればいいのかを話し合ってみましょう。実際に行動を起こしていないだけで、いろいろなアイディアを持っていることが多いものです。中には「誰と仲良くなりたいかもわからない」「自分はどんなタイプと合うのかもわからない」という子どもいるかもしれません。自分に自信を持てないために、自分の考えを言葉にできないのでしょう。
 こういう場合は、自分について、冷静に分析してみてはいかがでしょうか。「自分が楽しいと思うのはどんなときか」「感動したことは何か」「自分が苦手なことは何か」「どんなことがあると悲しいか」など。もし悩みを打ち明けるようならば、一緒に悩んであげましょう。このように自分を分析することで、今まで自分でも気づかなかったことを発見できるかもしれません。ただし、その後どんな行動をしたのかは、自分で判断するように促しましょう。「こうしなさい」ではなく、「こうしたらいいとも思うけど、あなたはどうしたい?」程度に留めておくことがポイントになります。あくまでも決定権は本人に与えることです。
 一方、本当に問題にしなければいけないことは、人格の部分で人を傷つけても平気、自分の言いなりにならないと無視する、人をだます、悪口を言いふらすなど、このような芽が見えるようならば、真剣に問題意識を持ったほうがいいでしょう。

13日 けじめとルールを伝える第1歩

13日の魔法の日めくりメッセージです。

けじめとルールを伝える第1歩 ~靴をそろえようね~

1度しゃがんで靴をそろえるのは、
けじめをつけ、それぞれ物事には
ルールがあることを認識する動作です。
例えば、園で靴をそろえると、園のルールを、
「さあ、今から守るぞ!」と認識できるのです。
友達の家には友達の家のルール、
自分の家には自分の家のルールがあり、
社会には社会のルールがある。

靴をそろえることで、けじめがつき、
ルールを守ろうという意識が向けられますよ。

 夏休み、13日目です。今日から学校閉庁日になります。一人で遊ぶときには、ルールは相手任せ(ゲームならゲームのルールのもとに)になりますが、二人以上の遊びにはルールがあり、スポーツにはスポーツのルールがあります。学校には学校のルールがあります。ルールが守られ、定着している土台の上にリレーション(関係性、つながり)ができます。保護者の皆様が職員を信頼していることも土台になっています。これらに基づいて、学校では「守られていることによる心地よさ」を感じさせるように職員一丸となって取り組んでいます。どうぞ、みんな(家庭、地域、職員)で子どもたちを育んでいきましょう。

子どものつまずきを考える⑫ どうしてすぐにバレるような嘘をつくの?

12 どうしてすぐにバレるような嘘をつくの?
 小学生の間は、「悪意の嘘」をつくことはほとんどありません。というよりもそういう嘘がつけないのです。例えば、大人から「嘘をついたでしょう」と言われたとしても、「これが嘘なんだ」認識できるようになるのは5歳後半くらいです。プラン能力も出てくるので嘘をつくこともありますが、嘘をつくための認知技能は未成熟なので、上手に嘘をつくことはできません。ついたとしてもすぐに発覚してしまいます。
 子どもが嘘をついたとしたら、まずその理由を理解してあげることが大切です。幼い子どもの場合、空想世界の嘘をつくことがあります。幼稚園の年長組の頃には、空想と現実の境界線が曖昧で、現実ではあり得ないことを本当にあったと思い込んでしまうことがあります。「くまさんが、朝起こしてくれたんだよ」というようなかわいい噓です。
 「こうだったらいいのにな」という思いが高じてつく嘘もあります。例えば、テレビに子犬が映ったとき、お母さんが「かわいいね。こんなワンちゃんいるといいね」などをつぶやいたとします。すると子どもは学校で「今度、家でワンチャンを飼うんだ」と口にしてしまうことがあります。これは、願望から出た嘘ですが、ほんにんは「嘘をついた」という認識はありません。
 少なくとも9歳頃までは、意図的な偽りはないのです。出来事を思い起こしていくうちに、意図的に付け加えるわけではなく、話全体の筋道を変えるしまうような新しい結びつきを付け加えてしまうのです。それを理解せずに、周囲から「嘘ついたでしょ」「あなたは嘘つき」と詰め寄られると、本当の嘘つきになってしまうかもしれません。だから、「嘘つきはいない」「我が子は噓なんてつかない」と、性善説で子どもを育てたいものです。高学年になり年齢が上がっていくにつれて、「これは嘘だ」とわかっていながら嘘をつくことがあります。お母さんに叱られるのが嫌で、自分を守るために嘘をついて、その場を取り繕うとするのです。これは、「避難するため」の嘘です。「嫌われたくない」「悲しませたくない」、つまり、お母さんにずっと好きでいてほしいから、それが結果的に嘘をついてしまうことがあります。意識せずとも、都合よく再構成してしまうのでしょう。

 子どもが自分では嘘をついているとは思っていないのに、なぜ結果的に嘘をついたことになってしまうのかというと、思い出すという行為が、入れた記憶がそのまま出てくるわけはないからです。私たちの認識のメカニズムとして、いったん入れた情報は、思い出す文脈に合わせて再構成されるのです。伝言ゲームを思い出してみても、誰も嘘を伝えるつもりがなくても正確には伝わらないものです。情報を受け入れるときは、自分の枠組みに合わせて変容させるという改変も起きてしまうものです。悪意を持って使って使ったときには、嘘になってしまうのです。小学生の嘘は、「悪意の嘘」ではなく、無意識に再構築されてしまった嘘であることを理解してあげましょう。

12日 丸ごとドーン!と受けとめる

12日の魔法の日めくりメッセージです。

丸ごとドーン!と受けとめる ~「お帰り」「ただいま」~

子どもは毎日、
新しい出来事の中で精一杯過ごしてきます。
この想いを誰かに受け止めて欲しい!
と、帰ってきます。

しっかりと心を抱きしめてあげるためにも、
目を見て笑顔で迎え入れて下さい。

「お帰り」「ただいま」という言葉で、
嫌なことも、すべてリセットされやすくなり、

次への行動が起こしやすくなりますよ。


 夏休み、12日目で残り5日間です。丸ごと受け止めてもらえることは、子どもたちにとって安心することになります。秩父神社に「親の心得」があります。「赤子には肌を離すな 幼児には手を離すな 子供には眼を離すな 若者には心離すな」です。小学生には子ども同士の仲間関係を大切にしつつ、必要なときに助けてあげてほしいということです。よく斜めの関係になることで受け止めやすくなります。例えば、祖父母の方々は受け止めやすい存在です。子どもから目を離さずに守ってください。どうぞ宜しくお願いします。

子どものつまずきを考える⑪ 集中できないときは?

11 ほかのことが気になって、集中できないときは?

 気になることがあれば、目の前のことに集中できないのは大人も同じです。特に小さい子どもの場合は、注意を向けられる範囲が限られているため、同時に複数の物事に気を配ることができないのです。9歳頃からは、少しずつ範囲も広がっていきますが、まだまだ大人のレベルには及びません。気になることがあれば、気をとられてしまうのも仕方のないことなのです。ただ、保護者の立場から考えれば、勉強に集中してほしいのに気が散って困る、いつまでもつまらないことを気にしすぎてイライラする、という状況なのです。しかし、ここは、子どもの立場に立って対処してほしいと思います。
 まず、気になることが近くにあるときは、できるだけ視界に入らないようにします。買ったばかりの漫画やゲームソフトは、とりあえず勉強が終わるまでは袋から出さず、見えないところにしまいます。それでも気になるのであれば、場所を変えるという方法もあります。誘惑する物がたくさんある家の中では集中できないのであれば、兄弟姉妹がいれば、お互いの部屋を勉強するときだけ借りるのも一つの方法です。
 また、自分でスケジュールを作らせて、「自分のことは自分で管理する」という習慣をつけるのも効果的です。1日単位でもいいし、1週間単位でもいいと思います。もちろん勉強時間だけではなく、友だちと過ごす時間や、家族と一緒にテレビを見る時間、食事時間やバスタイムなどもしっかりと組み入れて、本人が納得できるようなスケジュール表を完成させてみてください。出来上がったら、余計な助言は控えて、完成させたことを素直に褒めてあげてください。
 完成させるまでには、子どもは頭の中でさまざまなイメージを描きながら、シミュレーションを繰り返します。こうして自分で完成させたスケジュールは、いわば自分との約束事ですから、できるだけ守ろうと努めます。どうしても決めたはずのスケジュールが守れないようならば、状況に応じていつでも作り直せるように指導しましょう。
 子どもによっては、集中力が長く続かないこともあります。その場合は、スケジュールを、例えば15分といった短めの単位で組むようにしてみます。そして、タイマーをセットして取りかかるようにすると、集中力がアップすることがあります。おそらく時間との競争が楽しくなってくるでしょう。タイマーは、だらだらと長引いてしまいそうなゲーム時間などに警告をするときにも役立ちます。メリハリのある生活ができるようになれば、頭の切り替えも上手になるでしょう。
 大事なことは、本来やるべきことをしっかり行うことです。もし何か他のことに気が散ってしまっても、大事なことさえ忘れなければ、それほど神経質になることはありません。ですからご家庭では、子どものことをよく見守り、子どもの状況や気持ちをよく把握しておくようにしたいものです。

11日 聴くことは宝箱

11日の魔法の日めくりメッセージです。

聴くことは宝箱 ~お話は最後まで・・・~

相手の話が終わるまでしっかり聴くことで、
自分より相手を優先することが出来、
注意深く聴き取る力、集中力が身に付き、
よく知ることが出来ます。
習慣化すると、人をまとめる力、
リーダーシップ力にもつながります。

まず、お母さんが子どもの話に
「あいづち」をうちながら、最後まで聴くことで、
子どもに満足感が得られ、
自然に最後まで話を聴ける子に育ちますよ。

 夏休み、11日目です。話を聴くことには様々なよさがあります。話を普段聴くことができない場合、一緒にお風呂に入ることで可能になります。また、絵本などを読み聞かせすることも効果的です。聴くときにはうなずいたり、相づちを打ったりすると、聴いてもらっているという気持ちが高まります。出来事や事実を聴きながら、流れている気持ちや思いを併せて聴いてください。「◯◯だったので、・・・と言う気持ち(感じ)なんだね」と、フィードバックするとより有効になります。

子どものつまずきを考える⑩ 好きなことしかしたがらないのはなぜ?

10 好きなことしかしたがらないのはなぜ?

 「好きなことをしていたい」と思うのは、大人も同じではないでしょうか。それでも、自分の気持ちを奮い立たせて、たとえ面倒なことや気の進まないことでもやっているのは、それぞれに理由があるはずです。「人の役に立つことだから」「本当にやりたいことのために必要だから」「子どもに頑張っているところを見せたいから」など。折を見て、そんな気持ちを子どもに伝えてみてはいかがでしょうか。

「好きなことしかしたがらない」のが問題なのではなく、むしろ「好きなことをしたがらない」「好きなことがない」というほうが問題だと思います。子どもたち一人一人には、個性があります。興味を持つジャンルや方向、得意分野もそれぞれです。学校は、そんな子どもたちの集まりです。「自分の知らなかったことを、隣りの友だちが教えてくれた」「◯◯くんが発表していた内容がすごく面白くて、自分もやってみたくなった」といった声が毎日のように聞かれています。まずは「好きなことしかしたがらない」「自分の子はこんなことしかできない」と嘆くのではなく、「自分の子は、こんなことができる」と考えてあげることです。自分の子をそういう目で見てみると、「おや、うちの子、なかなかイケているかもしれない」と、子どもの良さを発見できるものです。

好きなことだけやっていればそれでいいのかと言えば、そうではありません。一部の親御さんの中には「ゲームをやっているときは、すごく集中しています。興味を持ってくれれば勉強にも集中できると思うんです」と考えておられる方もいます。この考え方は、すこし改めてください。ゲームというのは、始めのうちこそ試行錯誤することがあるかもしれませんが、繰り返しやっているうちに、何も考えることがなくボタン操作を行えるようになります。このような単純作業に慣れてしまう状況が続くと、自分で考えることが面倒になり、思考力がサビつく可能性もあります。

勉強は、自分の頭でしっかり考えていかなければ身につきません。覚えた知識を応用しながら次の段階に進んでいきます。そして、その判断をするのは、内蔵されたコンピュータではなく、自分自身です。算数の計算や漢字練習などは繰り返し行うものですが、その途中で考えたり確認したりしなければならないことが出てきます。また、本を読むときには文章からイメージを描くことが大切なのですが、ゲームの画面に依存しすぎているためか、文章だけでは内容を理解できない子どもが増えています。つまり「思考する力」は、ゲームなどでは養えないということです。

勉強というのは、ただ単純作業を繰り返すだけでは身につきません。小学生のうちに思考力を働かせることを怠っていると、進級するにつれて、本来求められている学力に追いつかなくなってしまいます。勉強は、ただ漠然とやっているだけでは、なかなか成績は上がらないものです。成績の良い子どもには、「目標」があります。それも自分のためになる目標、目指すのが楽しくなるような目標です。

10日 自己責任力

10日の魔法の日めくりメッセージです。

自己責任力 ~脱いだ服、片付けられるかな?~

脱いだ服は、ついつい、親が片付けてしまいますが、
ここではぐっと堪えて自分で片付けられるように
導きましょう。

自分の行動に最後まで責任を持つ。

伝えたい大切な「自己責任能力」を
毎日の繰り返しの中で身に付けさせてあげましょう。


 夏休み、10日目で来週の今日には2学期が始まります。子どもたちはどのように過ごしていますか?自分のことは自分でできるように見守って、声をかけたり教えたりして励ましていきましょう。コーチングの考えが必要になります。その場その場での成長を促すかかわりが大切です。目をかけ、手をかけ、声をかけるなど宜しくお願いします。
 ペップトークをご存じですか。試合
前に、指導者が選手に対してポジティブな言葉を投げかけるというもの。たとえば、試合を控えた選手に対して「絶対勝て!」などとプレッシャーをかけるのではなく、「練習どおりにやれば大丈夫だよ」と前向きな言葉を投げかけます。あるいは、ミスをした選手を叱るのはなく、「次はうまくいくはずだ」と励ますといった手法です。多民族国家であるアメリカのチームスポーツが特に強いのは、コーチが選手たちにペップトークを使うことで士気を高めているからだと言われてます。ポジティブな言葉は、チーム全体に一体感をもたらす効果があるのです。

子どものつまずきを考える⑨ どうして「疲れた~」ばかり口にするの?

9 どうして「疲れた~」ばかり口にするの?

 子どもが「疲れた~」という言葉を口にするとき、そこにはいくつかの違う意味があることを知っておきましょう。「子どものくせに」と言って退けるのではなく、「疲れた~」という意味と、そこに込められた気持ちを読み取って、適切に対応してあげたいものです。

 例えば、スポーツ少年団を終えて帰ってきたときに、それほど疲れている様子もないのに「あー疲れた」と言うときは、「自分は頑張ったよ。疲れるほど一生懸命やったよ」と自慢をしているのです。つまり、親に褒められたいのです。こういうときは「お疲れ様、頑張ったね」と褒めてあげましょう。「さっさとお風呂に入っちゃいな」と聞き流したり、「そんなに疲れるのならやめればいいのに」などと身も蓋もないことを口走ったりして、子どもをがっかりさせないようにしたいものです。

 勉強の途中で「疲れた~」と言うときには、「疲れるけど、頑張るぞ」という自分を鼓舞しているのです。言葉だけでなく、その表情を読み取ってあげれば、本音がわかるはずです。活き活きしていれば、「頑張っているね!」と励ましてあげるだけで充分でしょう。疲れて見えたなら、「少し休憩しよう」とリビングに誘ってあげてもいいですね。

 また、朝から「疲れた」と連発するときには、お母さんに甘えてみたいのかもしれません。あるいは、何か気になることがあって学校に行きたくない場合も考えられます。子どもの目を見て、何かを訴えているようであれば、少し時間を作って話を聞いてあげましょう。「朝から、うるさいわね」と突き放して、子どもの心を折るようなことだけはしたくないものです。

 いずれにしても、「疲れた」の言葉を額面通りに受け取るのではなく、そこに込められた気持ちを読み取ってあげることが先決です。本当に疲れているようであれば、「何に疲れているのか」「なぜ疲れているのか」を上手に聞き取ってあげましょう。心の疲れであれば、まずは子どもの話を聞いてあげること、体の疲れであれば、充分な睡眠をとれるようにスケジューリングして美味しい食事を準備してあげることです。

 ただ、緊張状態があまりにも長く続いているために、神経が極度に疲労している場合もあります。「疲れた~」があまり続くようであれば、それはストレスのサインの場合もあります。新しい環境に慣れていなかったり、親の期待があまりに高すぎて一時も気を抜けない毎日を送ったり・・・・・。もし思い当たるようなことがあれば、リラックスさせてあげるように心がけましょう。

 大人ならばストレスを自分なりに消化したり、解消する方法を持っていたりするものですが、子どもにはまだそのような知恵はないものです。食欲がなくなったり、急激に成績が下がったり、あまり笑わなくなったりと、普段とは明らかに違う様子が見て取れるようであれば、それはストレスのサインと考えられます。ストレスをこれ以上肥大させないような取組が必要になってくるでしょう。

9日 家族の輪は会話から!

9日の魔法の日めくりメッセージです。

家族の輪は会話から! ~楽しくみんなでごはんを食べよう!~

「お喋りしながら楽しく食べる。」
毎日必ずとる食事の時間は、
家族の大切なコミュニケーションの場で、
会話のキャッチボールが出来る場、唯一の家族共通の場です。

会話で心が通い合うと、
何でも話し合える仲になり家族関係が上手くいきます。

テレビを見ながら食事を摂ると集中力がなくなり、

味覚も分からず無関心な子になりますよ。


 夏休み、9日目で折り返しています。新型コロナによるストレスに上手に付き合いながら、新しい生活様式が求められています。一緒に食事をすることには、大きな意味があります。衣食住の「食」を司っており、その場での楽しい会話によって「つながり」や「絆」が深まっていきます。朝食や夕食のいずれか一つは、一緒に楽しい場になるようにしていきましょう。大人の世界でも今ではない懇親会があったり、ランチをしたりすることは、同じものを一緒に食べて会話することで輪や和が広がったり深まったりします。同じことですね。残念なことですが、給食では会話しないでの食事になっていましたが、ご家庭では会話をしながらの楽しい食事をすすめてください。

子どものつまずきを考える⑧ 落ち着きがないのはどうして?

8 落ち着きがないのはどうして?

 小学生になれば、年々、口も達者になり、交友関係も行動範囲も広がっていきますから、保護者からみると、子どもが一気に成長したような感覚を抱きます。しかし、よく考えてみれば、生まれてからまだ10歳前後しか経っていないわけで、初めて目にするもの、初めて耳にするもの、初めて心を動かされることも多いはずです。未知のものに出合ったとき、そしてそれがとても魅力的だったとしたら、興味を抱かないわけがありません。子どもは好奇心の塊なのです。

 こっちに興味あるものがあれば見てみたい、あっちでおもしろそうなことをやっていれば、行ってみたいと思うのは当然のことです。このように、子どもが一箇所にとどまらず、あちこちに興味を移しているのを見て、おそらく「落ち着きがない」と思ってしまいます。行動のリズムは、子どもによって違います。特に男子は、まわりからは落ち着きがないように見えても、本人にそのリズムが合っているならば、他人に迷惑をかけていないかどうか、また自分の安全が確保できているかどうかを注意しながら、見守ってあげるほうがよいでしょう。

 しかし中学年から高学年ともなれば、好奇心の赴くままにあちこち目移りしてしまうのは、見過ごせないことでしょう。特に「最後までやりきる習慣」が身に付いていないと心配になります。夏休みですので「最後までやりきる習慣」を身につけるには、とてもよい時期です。そのためには普段から「やりきった」と満足できるような体験をさせてあげるようにしましょう。例えば、料理を一品、最初から最後まで任せて作らせてみます。そして家族が「美味しいね」と言って喜んで食べてくれたという「結果」が出れば、最後までやりきることの喜びを体験できます。また、子どもが興味を持ちそうな本を一冊勧めてみます。読み切った後に、家族と一緒に感想発表会を開くのもいいでしょう。自分が感動した場合に、誰かが同意してくれたり感心してくれたりすれば、それは満足感という「結果」につながります。そして「最後まで読み切ってよかった!」と思うことでしょう。

 最後までやりきる習慣を身につけるためには、3つのポイントがあります。「こんなことをやったら思い白いだろうな」という好奇心。「これをやるといいことがあるかもしれない」という期待感。そして「期待通りの結果が出た」という達成感。そのためには、家庭でも目標を持つように導いていってあげることです。結果が短時間で現れるとやる気を持続させやすいので、大きな目標ではなく、少しだけ頑張れば手の届きそうな目標を掲げてみることです。

 勉強に関しても同様です。「算数の問題5問を10分でやる」「15分間で漢字練習をどこまでやれるかやってみる」など。見事に達成したときには、さりげなく褒めてあげてください。

8日 自分は大切な存在!

8日の魔法の日めくりメッセージです。

自分は大切な存在! ~手洗いうがいは大切だよ~

手洗い・うがいを通して、
自分の体を大切にする習慣を身に付けましょう。
手を洗うとは、表裏、爪の間まで気を付けること。
うがいは、喉の奥の見えない汚れを取ること。
見えていることだけにとらわれないで、
自分を大切にしましょう。

すぐに結果が見えないことでも習慣化することで、
自分というものは、外見だけでなく、
”中身も大切なんだ”と分かります。

自分を大切に出来ているようになると、
他の人・ものも大切にする事が出来るようになりますよ。


 夏休み、8日目です。新型コロナウイルス感染予防のための新しい生活様式の中心は、こまめな石けんを使った手洗いやマスクをつけた生活です。また、毎朝の検温を行っていただいています。自分を守ることは、みんなを守ることです。自分のことを守るためには、まず自分自身が意識や自覚をもとにした行動になります。行動化につながるためには、子どもに理由を伝えていくことが大切になります。引き続き、宜しくお願いします。

子どものつまずきを考える⑦ 集中力や気力に個人差があるのはなぜ?

7 集中力や気力に個人差があるのはなぜ?

 「◯◯さんは、いつも集中して話が聞けるのに、なぜうちの子はできないのか」と、悩んでいる保護者がおられます。しかし、集中力があるかないかは、身体的な発達に大きく関わっていることがあります。例えば、同じ中学年でも、中学年の学習内容を理解し興味を持って学べるだけの力が備わっていない、あるいは追いついていない子どもいるのです。「集中力がない」の一言で判断してはいけません。

 「集中する」ということは、本当はとても難しいことです。人間の集中力は、通常連続して15分、息抜きを交えながらでも45分が限界だと言われています。大人でも同じで、1時間何かを継続しようと思っても、1時間集中し続けることはできません。まして、あまり興味の持てない内容であれば、なおさら苦痛を感じてしまうでしょう。それでも、すべての子どもにそれを期待することは酷なことです。

 授業中や話の途中に、眠くなったり、あくびが出でしまったりする子どももいます。上体をふらふらさせたり、きちんと姿勢を保てなかったりする子どももいます。この子どもたちが全員集中できないわけではなく、長時間の勉強の体力が追いついていないことが考えられます。

 教師を長年やっていると、「教えたことが100%全員に伝わるものではない」ことに気付きます。教えたことを100とすると、伝わるのは、Aさんは30%、Bさんは20%、Cさんは15%・・・くらいのものです。しかも、教えたとおりのことをそのまま受け止めているわけではなく、子どものフィルターを通しますので、通っていく間に変容して入っていくこともあります。その変容して入った内容が、次に変容して出てくるものですから、かなり違ったことを発言したり、記述したりすることがよくあることです。

 特に小学校の低学年期は、体も心も発展途上の段階です。体力が十分にある子どもであれば、同じ姿勢で長時間座り続けたり、同じことを反復したりすることができるかもしれません。まだ十分に備わっていない子どもの場合は、途中であきらめざるを得ないこともあります。個人差があるのは当然で、「飽きっぽい」と決めつけて、子どものやる気をそぐことは避けたいものです。

 学年が進むに従って学習内容も増えていきますから、高学年にもなれば相当のスピードが求められます。しかしその頃になれば、体力がなかった子も体力もついてきて、周囲との差も縮まってくるのでそれほど心配することはありません。ただ、男子は女子に比べて遅くなりますので、特に低学年での縮まるスピードには気をつけておいてください。

 子どもの集中力は決して低いわけではなく、むしろ大人よりも高いくらいなのです。興味のあることを見つけたときや、自分の好きなことに熱中しているときの子どもの集中力は驚くほどです。大人は、子どもが何に興味を持っているか、どういう方面を目指しているのかをしっかり見極めたいものです。

7日 無償の愛を満タンに!

7日の魔法の日めくりメッセージです。

無償の愛を満タンに! ~ぎゅ~っと抱きしめ合おうね♡~

無条件に抱きしめましょう。
心を抱きしめることで、
きっと、強がりや意地っ張りな心がほぐれ、
素直な心が戻ってきますよ!
”下の子が生まれた!”
”喧嘩した!”
”叱った!”
そんな時には特に、しっかり抱きしめて愛を伝え、
安心させあげましょう。

今日は7日目、子どもをしっかり抱きしめましょう♡

 夏休み、7日目です。家族からの愛情によって、学校生活のエネルギーを蓄えられるようになります。そのエネルギーをお手伝いに使って欲しいと願っています。
 子どもの心のエネルギーが空になると、やる気や意欲はでません。もちろん大人も同じです。心のネルギーを貯める器が子どもによって大きかったり、小さかったりします。器が大きくなった子はときどきで大丈夫ですが、まだ小さい子には沢山のエネルギーを貯め続けることができるようにお願いします。一緒に楽しく食事をする、一緒にお風呂に入る、女の子なら髪の毛をとかす、楽しくコミュニケーションするなど、一緒に何かをすることでエネルギーが満ちてきます。そのときに、頑張って顔晴っていることを伝えていきましょう。

子どものつまずきを考える⑥ 集中力は女子より男子の方がある?

6 集中力は女子より男子の方がある?

 男女の性差をさまざまな場面で感じることがあります。幼児の頃の興味や遊びにも現れ、車や電車のおもちゃに興味を持つ男の子と、人形遊びに興味を持つ女の子という印象があります。なぜ、このような違いが現れるのでしょうか?脳の成熟のスピードに違いがあると言われています。ヒトの脳は左脳と右脳での機能が異なります。左脳は理性の脳と言われ、言語や計算を担当します。一方、右脳は感性の脳と言われ、地図や立体を読み取ったり、音楽を知覚したりするときに活躍します。

 この左脳と右脳は、脳梁(のうりょう)という左右の脳の連絡と制御を担う神経線維の束でつながれています。女子の脳梁は男子よりも厚みがあり、そのため右脳と左脳とがスムーズに連絡を取り合えるので、女子は何かに集中しているときも周囲に気を配ることができます。人からアドバイスをもらえば、集中しても手を止めてそのアドバイスに耳を傾けることができると言われています。男子はいったん何かに集中すると、自分の世界に入り込んで、周囲をシャットアウトしてしまう傾向があります。

 男子が車や電車のおもちゃや虫などに興味を示すのは、ものに興味があるからで「図鑑型」「同時処理型」と言われています。興味の対象をみつけると、夢中になり時間を忘れてしまうし、「何時までに帰ってくること」とか「これが終わったら宿題をしなさい」といった保護者との約束まで忘れてしまうのです。

 一方、女子が人形遊びを好むのは、人形そのものよりも、人形を人に見立てて、いろいろな物語を作っていく過程に魅力を感じているのでしょう。男子の「図鑑型」「同時処理型」に対して、「物語型」「継次処理型」と呼ばれています。このタイプの子どもは、赤ちゃんや小動物に興味を示したり、困っている人には進んで手を貸してあげたりと、人や生き物とのつながりを大事にします。

 もちろん、乗り物やロボットなどに興味を持つ「図鑑型」「同時処理型」の女子もいるでしょうし、「物語型」「継次処理型」の男子がいないわけではありません。しかし、あくまでも少数であり、多数は、男子は「図鑑型」「同時処理型」、女子は「物語型」「継次処理型」の気質を持っていることが多いようで、脳の成熟の差によるものではないかと推測されています。

 集中力に関しても、性差があるように思われます。男子は一つのことにわき目も振らずに長時間やり続けられますが、自分が興味を持ったものに限られます。「やらなければならないこと」があっても、「やりたいこと」を優先するのです。女子は一心不乱に没頭するよりも、状況に応じてフレキシブルに対応する力が備わっているように思います。「やらなければならないこと」があれば、できるだけ優先しなければならないと考えられますし、「やりたいこと」を少しセーブしたり、時間を決めてコントロールしたりできます。自分以外の人や状況に目を向けることができるからです。同年代の場合、女子は男子よりも大人っぽいと言われるのは、このせいでしょう。特に小学生のうちは、その傾向がより顕著にみられます。

 ただし、個性の核となる気質は、お父さんやお母さんから多く受け継がれます。親子が同じジャンルのスポーツや音楽を好んだり、親子揃ってアウトドア派であったりするのは個のためです。子どもに対して、「集中力がない」とか「やる気がない」と思われたら、「もし自分が集中できない場合は、どうやってその状況を乗り切るだろうか」を考えてみましょう。解決のヒントが見えてくるかもしれません。

6日 役立つ事の「喜び」を知ること

6日の魔法の日めくりメッセージです。

役立つ事の「喜び」を知ること ~お手伝い出来るかな?~

どんな小さなお手伝いでも、
沢山の「有難う」のシャワーを浴びせて、
褒めて認めてあげましょう!

人のために行動することに喜びを実感すると、
将来、社会に貢献でき、
思いやりや責任感が育まれ、
志の持てる子になりますよ。


 夏休み、6日目です。新しい生活様式の中で、学校や家庭、地域で過ごすことを求められるようになりました。夏休みにお手伝いができているでしょうか。誰かのために役立つことができるようになるためには、褒められた、認められたということを実感したり、自覚したりすることが必要になります。「だれかのために、みんなのために」行ったことが承認される経験が多いお子さんに育ててることが大切だと「エミール(ルソー)」でも述べられています。「自分のために生き、みんなのために生きる」そんな子どもたちを育んでいきましょう。

子どものつまずきを考える⑤ つまずくのは中学年だけではない

5 つまずくのは中学年だけではありません

 1年生が学校に適応するまでに時間がかかります。一番の大きな壁は、「会話のスタイル」の違いです。入学する前は、個人的な「1対1」の対話でした。幼稚園や保育園では、「ねぇ、せんせい」と話しかければ、「◯◯ちゃん、なぁに?」と自分だけに個別の返事が返ってきました。小学校では、先生一人とクラス全員、つまり「1対多」のコミュニケーションスタイルが主になります。

 学校では、子どもたち一人ひとりと笑い合える関係を築くまで、1対1の関係を作ることに力を注ぎます。朝登校してくると、子どもたち一人ひとりに「おはよう」「今日は何を食べた?」「今日は何をしたい?」などと声をかけます。こうしたことを繰り返して1対1の関係を作り、アイコンタクトがとれるようになってから、1対多の関係が進んでいくことになります。この段階を踏んでいく中で、子ども同士のネットワークができてきます。教員対子どもの関係だけでなく、子ども対子どもの関係ができたところで、教員は少しずつ距離をとるようにしていきます。

 1年生を見ていると、家庭での話の中に友だちの名前が出てくるようになります。友だちとのネットワークができてくる頃には、自分はクラスという「つながり」の中にいるのだという自覚が出てきます。この「つながり」の中にいる自分を自覚し始める頃から、先生が「みなさん」と言えば、教室の中のみんなのことで、自分もその一人(ワン・オブ・ゼム one of them 仲間の一人)だと自覚できるようになります。

 成長の階段を目の前にして、簡単に第一歩を踏み出せる子どもがいれば、どうしてもつまずいてしまう子どももいます。大事なのは、つまずいても立ち上がる力(レジリエンス)を持っているかどうかということです。

5日 安心感は、勇気と行動力の源!

5日の魔法の日めくりメッセージです。

安心感は、勇気と行動力の源! ~ずーっと、ずっと「いってらっしゃい」「いってきます」~

子どもは毎日、
新しいことに出合うために出発します。
しっかり、姿が見えなくなるまで
見送ってもらうことで、安心して旅立てるのです。
安心感が得られないと、不安で、
何事にも消極的になります。
安心感が得られると、エネルギーが充満して、
自分らしさが発揮できます。

「いってらっしゃい」「いってきます」の掛け合いで、
1歩前へ進めるのです!

 夏休み、5日目です。約2か月の学校生活から家庭生活へ移行し、家庭での新しい生活様式の中での生活ですが、ご家庭での子どもたちの変化はいかがでしょうか。子どもの中に安心感が得られているかどうかがポイントです。安心感が得られるときには、実際にはいなくても心の中に「いつでも見守られている」という感覚が育つことです。「愛着の形成」ということになります。小学校入学前に「愛着の形成」がなされないと、学校生活で困難な場面が生じます。お子さんによっては、十分に獲得されないこともあります。小学生の子どもたちに安心感が育つように、褒めて、認めて、励ましましょう。

子どものつまずきを考える④ 心や体の成長過程に立ちはだかる壁

4 心や体の成長過程に立ちはだかる壁

 3,4年生は思春期前期。心も体も急激に発達し、大人への大きな一歩を踏み出す時期です。急激な変化に戸惑い、心と体のバランスを崩してしまうこともあります。大きく成長していく姿が見られる楽しみな時期ですが、その一方、心身共に不安定な状態であることを忘れてはならないのです。

 自分の中で起こる変化を受け入れて、上手に自分と付き合っていける子どももいます。しかし中には、感情を上手くコントロールできない子や、相手の気持ちを考えず自分勝手な行動を繰り返す子どももいます。いわゆる困った子どもたちは、もがいているだけです。どうにかして乗り越えようとするのですが、上手くいかない。だから余計に困った行動を起こしてしまう・・・、という悪循環を繰り返してしまいます。

 このような子どもに対して、大人ができる最もふさわしい行動は“寄り添うこと”です。子どもと会話するとき、たいていの家庭では、テーブルをはさんで向かい合っている状態だと思います。向かい合うというのは、意思をはっきり伝える場合や、理論的に説明する場合、あるいは議論を戦わせる場合にはふさわしいのですが、そこには緊張感が伴います。

 相手の気持ちを理解したい、自分の気持ちを伝えたい、お互いの気持ちを通い合わせたいと思うときには、寄り添うこと、つまりいつまでも手を伸ばせば離れることのできる距離を保ち、並んでいる状態でいることがとても大事なのです。

 子どもと一緒に並んで歩く機会を増やすのもとてもよいのです。子どもにとって、何よりの安心感につながります。花を見て「あぁ、きれいね」と話しかけたり、時にはお母さんの悩みを子どもに聞いてもらったりするのもいいかもしれません。意識的に感情を表す言葉を使いながら話しかけていくと、子どものほうも自分の感情を言葉にしようとします。すぐそばに寄り添っているからできることなのです。

 また、体の変化をもてあまし、上手くコントロールできない子どももよく目にします。特に、しなやかな動きができない子どもが目につきます。転んだときに体のバランスがとれない、とっさに手でかばえば危険な状況を避けるためにしがんだりジャンプしたりする判断ができないなど。自分の身を守るすべが身についていないのです。これは幼少期から今に至るまで、体を充分に動かしていなかったからなのかもしれません。

 最も効果的なのが、走ることです。走って体力をつけることから始まればいいと思います。実際に、「走る」ということを本校でも持久走として取り入れています。子どもの遊びの「鬼ごっこ」もとても効果的です。鬼ごっこには、まわりに目配り気配りしながら、ダッシュしたり、ゆっくり走ったり、いきなりストップしたり・・・と、不規則な動きの連続です。

 心と体をバランスよく鍛えるためには、積極的に家でお手伝いをさせてほしいと思います。「お手伝いをさせる時間はない。そんな時間があったら勉強してほしい」と思われるかもしれません。経験豊かな指導者(お父さんやお母さん)から、直接アドバイスをもらいながらの作業ができるので、こんな質の高い学習は他にはありません。料理を手伝いながら旬の野菜を覚えたり、部屋の模様替えを手伝いながら、重いものを持つときの力のバランスを学習したり、体力をつけたり・・・。手伝いをすることは、生きるための知恵を身に付けることでもあります。

4日 「あいさつ」は人とのつながり・結びつき

4日の魔法の日めくりメッセージです。

「あいさつ」は人とのつながり・結びつき ~目を見て「あいさつ」してるかな?

目を見ることは相手を認め、
信頼関係を結ぶ第1歩になります。
朝1番の「おはよう」は、
1日の清々しいスタートがきれますよ!

沢山の「あいさつ」を探して声に出してみましょう!
きっと、新しいつながりや、お友達と出合えますよ。

 夏休み、4日目です。人と人があいさつを交わすことが改めて、重要視されています。ご家庭での「あいさつ」はいかでしょうか。元気な「あいさつ」ができる子は自分に自信があったり、エネルギーがあったりすると感じています。普段、私も負けなぐらいに「あいさつ」をしてエネルギーを与えていますが、学校が再開して子どもたちの姿が学校にある当たり前の光景になってきました。互いがつながり、結ばれていることを実感しながら、ご家庭での「おはよう」「いただきます」「おやすみなさい」などのあいさつをすすめてください。人とのつながりは向社会性の育成につながります。

子どものつまずきを考える③ 学習面での壁を考えてみると

3 学習面での壁を考えてみると

 3年生の前半までは、手で数えたり、自分の手で触ったりできる範囲で学習できます。具体性のある学習ですから、子どもも理解しやすいので「具体的操作」と言います。3年生の後半からは、一段階上の「形式的操作」が必要な学習に入っていきます。

 例えば、4年生では「億」の単位が出てきます。「ゼロ」が増えていくことは分かっても、それは理屈でしかないわけです。「十億とはどのくらいの数でしょう」と言われても、子どもたちは実感がわきません。実際の生活で何となく目にする数ですが、実際にはどれくらいなのか具体的なイメージが描けません。

 それを教えるときには、例えばこういうやり方をします。「1ミリを1としてごらん。10は1cm、100は10cm、1000は1m。では、1億なら10万m=100km、10億なら1000km。だいたい東京から韓国のソウルが10億を少し超えるくらいの距離。つまり億とは、そのくらいの数です。

 漢字についても同様です。1年生で習う漢字は、それ自体、単独で意味を持っている「花」「木」「水」「火」というような、具体的でわかりやすく、画数も少ないものばかりです。2年生では、学校や家庭で実際によく使う漢字を習います。「国語」「算数」「理科」「社会」といった教科の漢字が出てくるのもこの頃です。12年生は生活のための言語、つまり「生活言語」が中心です。

 34年生になると、だんだん抽象的な概念を担う漢字が出てきます。単体ではあまり具体的な意味がわからないけれど、「世界」や「理由」のように熟語になってやっと意味がわかる漢字が出てきます。「談」「説」「訓」のように部首「言」(ごんべん)だと言葉に関係があるというように、知っている知識で応用できる漢字が増え、画数も多くなっていきます。学習のための言語、つまり「学習言語」へと移行します。

 56年生になると、普段なかなか使うことのない漢字が急に増えていきます。例えば、「宇宙」という漢字。「宇」とか「宙」などは、めったに使う漢字ではありません。普通の日常ではなかなか出会うことができないので、意識的に読んだり、書いたりしなければ定着しにくいという特徴があります。

 普段からいろいろなジャンルの書物を読んだり、芸術に触れたり、疑問があれば自分で答えを探す行動を起こしたりすることで、語彙を増やす下地はできていきます。また、家庭で会話をするときに言葉を正しく使う習慣をつければ、語彙も増えていきます。そうすれば、新しく出てきた難解そうに見える漢字も、しっかりと自分のものにできるようになるのです。本も読まない、日記も書かない・・・。家庭でも「お母さん、ご飯!」「そこ!」「早く!」というような単語レベルの会話では語彙も育たず、漢字の習得にも苦労するかもしれません。

 小学校中学年から高学年の時期は、子どもたちが教科の土台を作る時期です。「自分で勉強したい」「こんな人になりたい」という将来の目標を見つける時期でもあります。この時期に見つけたものや出会った人が目標になり、その後の大きな成長につながっていくことが多いのです。(つづく)

3日 食を通じて宇宙とつながる

3日の魔法の日めくりメッセージです。

食を通じて宇宙とつながる ~「いただきます。」「ごちそうさま。」~

手を合わせて言う動作は、
自分と食事に関わる全ての事柄が
つながり合わさることを意味します。

親指にはご先祖様・お父さんなどと言う意味があるので、
親指を見て言うことで、
周りの方への感謝の心が育まれます。

食べ物への感謝の気持ちと共に、
人とのつながり、世界とのつながり、
宇宙とのつながりの中で
自分が生きていることを感謝出来るのです。


 夏休み、3日目です。きゅうりやミニトマトは自宅のものを、なすなどを産直で購入して食べていますが、旬を感じて大変おいしいです。旬をいただくことができる幸せを感じています。食べ物に感謝する気持ちで「(生き物の命を)いただきます。」「(生き物の命を)ごちそうさまでした。」と言うのだと祖父母から教えられたことを思い出します。生き物の命を大切にすることは、人間が生きるために必要な分だけ、命をいただくことなんですね。季節を感じつつ、食べ物を感謝してほしいものです。

子どものつまずきを考える② 中学年の壁にぶつかる理由

2 中学年の壁にぶつかる理由

 子どもたちは「具体的操作」から「形式的操作」の段階に入ります。記号や数式を使って、頭の中で考えることができるようになるのです。その成長段階と歩調を合わせるように、学校の勉強も急に難しくなります。

 ただし、遊びや生活を通して、いろいろな場所に行き、いろいろなものを見聞きし、たくさんの体験を積んでいれば、具体的体験と抽象的思考を結びつけて考えることは、それほど困難ではないのです。五官を使った体験が多ければ多いほど、その後の伸びしろが大きくなっていきます。大事なのは家族と一緒に体験し、たくさん会話し、大いに楽しむことです。

 中学年の壁の前で子どもが立ち往生していることに気づいたら、大人のサポートも必要になってきます。小学校に入学するときには、子どもだけでなく親のほうも不安だらけなので、とても熱心に子どものことを見守ります。だから、小さな変化にも気づきやすいのです。ところが、我が子が学校生活に慣れると、すっかり安心しきってしまいがちです。

 何かにつまずくと、子どもたちは忘れ物が増えたり、何を勉強しているのか教えてくれなかったり、怒りっぽくなったり・・・といった変化が出てくるものです。その変化を敏感に感じ取れるのは、家族、特に親御さんしかいません。学校でも中学年の壁を乗り越えさせるために、しっかりとサポート体制をとっています。中学年を担任する先生には、「3,4年生でしっかり指導ができれば、5,6年生は放っておいても育ってくれるから大丈夫。それくらい3,4年生はとても大事な時期なのです」と繰り返し指導しています。また、子どもと上手にかかわることができる若手の先生で、出授業には教務主任や教頭先生にも関わってもらっています。算数ではTTの授業やコース別の授業ができるようにしています。(つづく)

2日 物事が、うまくいく!

2日の魔法の日めくりメッセージです。

物事が、うまくいく! ~一緒にお部屋を片付けようね~

部屋の乱れは、心の乱れにつながります。
片付けをする事で、空間が整い、心も整理出来るので、
良いエネルギーが部屋に充満します。
部屋の片付けは、心が落ち着き、物事がうまくいきますよ。

ぬいぐるみ、ボール、積み木、
どこに何を片付けるのかを、
はっきり分かるように分類する工夫をしましょう。

一緒に片付けをすることが、習慣化する秘訣です!


 夏休み、2日目です。幼児へのメッセージですが、小学生に向けたメッセージといっても不思議ではありません。きれいにすることは、場所を整え、次の行動へ切り替えることの準備になります。切り替えることや後片付け、計画的に行うことなどを「実行機能」と言います。この実行機能を上手くできるようにすることが小学生に重要なことと言われています。自分だけではできない子どもの場合、大人が一緒にかかわることで習慣化につながります。「段取り八分」とも言われているように、計画的に行えるようにすることが大人になって役に立ちます。子どもによい習慣を。

子どものつまずきを考える① 中学年の壁

 7月28日(火)に開催された家庭教育学級の資料を紹介します。子どものつまずきを考えるものです。夏休みに入りましたので、つまずきを越えらるようにしていきたいと思いますので、考えていただき機会にしたいと思います。その中で、特に中学年の壁を紹介いたします。

1 中学年の壁

生まれてから小学校を卒業するまでに、3つの壁があると言われています。小学校では、中学年の壁で9歳の壁や10歳の壁と言われ、なぜ、この時期の子どもたちの前に壁が立ちふさがってしまうのか、あるいはそう感じてしまうのか?認知発達の上で、大きな変化が起きています。

1つ目は、生後10カ月から1歳頃で、乳児は目や、耳、鼻、舌、皮膚の五官を使って、外の世界を知ろうとします。頭の中で「イメージ」と「記憶」が誕生し、想像力を働かせてイメージを作り出し、いわゆる「ごっこ遊び」や「見立て遊び」ができるようになります。

2つ目は、5歳後半から6歳頃にプランの力や因果推論の能力、さらに自分の中にもう一人の自分が出現するメタ認知の働きが連携協働するようになります。想像力を働かせてイメージを作り出し、現実的なモデルを構成できるようになるということです。今までの「ごっこ遊び」とは大きく変化して、「ごっこ遊び」の世界と現実の世界を常に行きつ戻りつするようになります。子どもは「ごっこ遊び」をしながら、もう一人の自分が心の中に出現して「ここはこうしたほうがいい」といった調整ができるようになります。

このような中で、子どもたちは小学校入学を迎えます。学校生活に無理なく適応できるように、本校でも非常勤講師を置いて、なめらかに学校生活に慣れさせていくことに力を尽くします。

そして、3つ目の中学年の壁(9歳の壁、10歳の壁)が立ちはだかります。学校での学習内容も一気に難しくなります。自分の五官を使い、実際に体験した具体性のある範囲の学習でしたが、この頃から「抽象的思考」という新たな考え方が求められます。例えば算数なら、「今までの学習は両手の指を使えば何とか数えることができたのに、どうもそれだけではいけないらしい」「九九を唱えるだけでなく、「位取り」とか「分数」とか「割合」とか、初めて聞くことばかりだ」「今までとはちょっと違う。何か別のやり方を利用しなければ解くことができなみいたい」と気づくのです。具体的な体験と抽象的思考がうまく結びついて、早いうちに理解できることもあります。しかし中には、どうしても結びつけることに苦戦して、脚踏みしてしまう子どももいるのです。(つづく)

1日 何事も基本から

1日の魔法の日めくりメッセージです。

何事も基本から ~朝、歯を磨こう!顔を洗おう!~

さあ、1日の始まりです!
自らの身を整えることが出来ると、
気持ちがシャキッとし、
清々しくなり、気合いが入ります。

エネルギー全開でスタート出来る習慣を付けましょう!


 今日から夏休みです。夏休みでの新しい生活様式が始まりです。改めて基本を考えてみてください。朝起きたらすぐにトイレに行き、歯を磨くことの習慣を身につけさせることが体の健康につながる始まりでもあります。顔を洗って着替えて朝ご飯です。この一連の動作が身についているか、「おはようございます、おはよう」のあいさつも含めて、始めてみましょう。あいさつができる子は、学習に向き合う準備ができている証拠です。また、人とつながり合うための基本です。充実した夏休みを過ごしてください。