日誌

2020年9月の記事一覧

29日 喜び

29日の魔法の日めくりメッセージです。

喜び ~今日1つ、自分も相手も喜べることをしようね~

喜べる行いとは、
どんなことか考えてみましょう。

相手が笑顔になれること。
私も笑顔になれること。
自分で自分を褒めることが出来ること。
その行いで晴れ晴れとした気持ちになれること。
自信を持って出来ること。

自分に自信が持てると、責任感が育まれます。
どんな小さなことでも褒めて認めてあげましょう。
小さなことに気付き喜べることも素敵なことですね。

 2学期7週目、火曜日です。昨日、5年生は稲刈りがあり、上手に稲を刈る子どもたちを見ることができてうれしい気持ちになりました。今日は3年生の算数の公開授業を楽しみにしています。頑張りを期待しているところです。子どもたちには今やるべきことに全力で取り組むことをお願いしています。一日一善と言われていますが、小さなことでもその行為に気付き、褒めて認めることですね。小さな気付きの積み重ねが子どもも大人も良い成長につながるようです。プロセス(過程)の頑張りを褒めて認めていきましょう。

感情はどのようにして育つのか?⑪

11 ネガティヴな感情が社会化されないとき(3)

親の前で「よい子」でいてくれることを強く願っており、叱ることができないでいる場合にも、同様のことが起こるのです。虐待がある場合に、子どもの感情が解離することは、虐待についての研究などで以前より強調されてきていることですが、「叱れない」場合にも同様のことが起こっているということは、これまであまり認識されてきていないと思います。しかし、子どもがダブルバインド状況から逃れて、その環境に適応するために解離するという仮説を設定すると、この現象を理解することができるのです。

親が自分の前で「よい子」でいてくれることを強く願い、親が子どもとの葛藤を避けて、子どもがいつもにこにこしてポジティヴな感情のみでいてくれればよいと、意識的にも無意識的にも望んでいるときには、子どもがネガティヴな感情を表出したとき、親は非言語的に強い不安を表出することになります。葛藤を避ける傾向があるので、言語的に子どものネガティヴな感情を否定しませんが、非言語的には不安や怒りが表出されます。言語的には愛しているというメッセージを受け取り、非言語的には愛せないというメッセージを受け取るという矛盾したダブルバインド状態に陥ります。

小2男子 主訴:暴言や乱暴

小学校2年生のB君は、学校では野獣のごとく手におえない存在として問題児になっていました。ささいなことでかんしゃくをおこし、暴言をはき、注意されるとわけがわからなくなって乱暴をしました。困惑した担任が母にそのことを伝えると母は、驚いて信じることができませんでした。母は7年間B君を育ててきたけれども、そんな姿を一度も見たことがないのです。家では「王子様」であり、思いやりのあるやさしい子だといいます。父も母も一人っ子のB君がかわいくて仕方がありません。大事に育ててきたのです。

相談で母に、毎日B君に次のように言ってあげることをお願いしました。「あなたが学校でいや一な気持ちになるようなことがあったら、お母さんはそのことをすごく知りたいから、教えてね」。同時に、家でも手におえないやんちゃな姿がみられるようになったら、良くなっているサインであるということを母に伝えました。母がB君の「いやな気持ち」に関心を向け受け止めようと努力すると、わずか2週間で、B君はむかつく話を母にするようになりました。そしてその話を共感的に聞いているうちに、母に文句を言うようになったのです。それと並行して学校での問題行動は収まりました。極端な二面性はなくなり、家でも学校でも同じやんちゃな男の子の姿をみせるようになったのです。

ところが、「王子様」が突然母に反乱を始めたことは、母にとっては「理想の子ども」を失うということを意味し、大きな喪失感をもたらすものでした。ある日B君が自分を受け止めきれない母を批判して「母親失格だ」と叫びました。すると母は混乱して泣きつづけたのです。夜おそく帰ってきた父は目を真っ赤にした母に事情をききました。そこで父は、寝ているB君を起こして「お母さんを悲しませてはいけない」ということをこんこんと言ってきかせたのでした。B君がネガティヴな感情を社会化できないできた理由はここにありました。B君は自分の身体からあふれるネガティヴな感情を自然のままに表出すると母を不幸にし、父からも否定されるという関係性の中で育ってきていたのです。

その後、父も母も状況をよく理解し、子どもとしてのB君をありのままで受け入れることができる ようになりました。B君は、ベランダで虫を飼い始めました。これまでB君は虫がきらいと母に言っていましたが、それは母が好まないからであり、本当は虫を飼ってみたかったのです。

そういう本音が出せるようになり、2ヶ月後には何の問題もなくなりました。母は振り返ってこう話しました。「私たちは、子どもを愛していたのだけど、どこかペットのようにしていたのだと思います。私の理想の子どもであってほしかったし、王子様のようにかわいかったのです。今、子どもの人格を尊重するということがわかってきました。」

B君の事例は、大事に育ててきている場合であっても、虐待的関係にある場合と同様の感情の発達をするということを、シンプルな形で教えてくれた事例でした。B君の事例にみられたダブルバインド状態は、やんちゃな男の子であるB君が身体からあふれてくるネガティヴな感情を表出すると、母がたいへん不安になり、父は母を心配して、B君に母に不安な顔をさせるようなことをしてはいけないと制御するという関係から生みだされていました。B君は母にも父にも愛されるためには、身体からあふれてくるネガティヴな感情はないことにしていたと想定されるのです。

感情を解離させるのは、適応のためであり、子どもが親に愛されるためなのだということが重要なところです。家族が避けがたい不条理の中で懸命に生きているときにも、子どもは親に負担をかけないために、自ら感情をコントロールして、よい子になります。たとえば、親がガン告知をうけて手術をしたり、祖父母の病気の看病や介護を抱えていたり、リストラにより失業したり、兄弟姉妹にハンディキャップをもつ子が生まれたり、事故があったり、家族関係に不和があったりなど、親自身が必死に精一杯生きているとき、子どもは自らネガティヴな感情をないことにして、親を癒す子どもでいようとします。子どもは、本当にけなげな存在なのです。大人を助けるために不遇な環境に適応するために、自らの感情を解離させて適応するという感情のコントロールができてしまうのです。

28日 子どもからのメッセージを受け取る

28日の魔法の日めくりメッセージです。

もからのメッセージを受け取る ~背筋を伸ばそう!ビシッといこう!~

背中が丸くなっているということは、
何かのメッセージです。
「背筋を伸ばしなさい」という言葉掛けだけでなく、
どうして、背筋が伸ばせないのかを
見ようとする姿勢を持ちましょう。
背中が丸まっていると呼吸も小さくなり、
行動力も小さくなります。
背筋がいつも伸びていると、目線が上向きになり、
自然にやる気が湧いてきます。

子どもがいつも背筋を伸ばせるように、
私達が子どもからのメッセージを受け取れるようになりましょう!


 2学期7週目、月曜日で5年生は稲刈り体験が行われ、その後わらでっぽうを作る予定です。新型コロナウイルス感染症防止のため、ストレスの多い日々かと思います。保護者の皆様もストレスがあるように、子どもたちもありますので、メッセージを受け止めてください。子どものメッセージを受け取るために、ノンバーバル(非言語的)なところが大切になります。しぐさや姿勢、表情、視線など、子どもたちの家庭での様子を確認しながら、子どもたちの話を聞いてあげてください。そのことによって、互いの気づきが生まれます。頑張って、顔晴っていきましょう。

感情はどのようにして育つのか?⑩

10 ネガティヴな感情が社会化されないとき(2)

子どもの適応スタイルとしての解離様式を、親子のコミュニケーションの視点から考えています。子どもの感情の発達途上において、身体と認知の間における解離現象というものが、きわめて顕著に見られています。親子のコミュニケーションの改善が、子どもの解離様式を無効化して、感情の統合を促します。

A君の暴発

A君の父は、厳しくしつけなければならないとの信念をもち、厳しい体罰を加えました。母の心の 中には、赤ちゃんを殴るような子どもはどうしても愛せないという拒絶の気持ちがわいてきていました。3歳になったA君は見違えるほどよい子になり、弟をかわいがるようになりました。それからあきらはとてもやさしいおだやかなお兄ちゃんになり、弟が生まれたときにあれほど激しい子どもだったことは両親も忘れてしまうほどでした。ところが、小学校入学後、おだやかにしているかと思うと、突然に友だちを突き飛ばしたり、殴りかかったりするようになりました。家では大変おだやかで、弟をよくかわいがり、母の手伝いをするやさしいお兄ちゃんなので、両親は学校での様子を理解することができません。

このような感情の状態にある子どもは、身体と認知(頭)との間で解離していますので、身体で感じているネガティヴな感情が非言語的に表情などに表出されないという特徴をもちます。家では、にこにこおだやかで、感情的になることもなく、困っていることは何もないという子どもの姿です。それはまさに親が求めている理想の子どもの姿かもしれません。ところが、解離させていたネガティヴな感情は、学校でのちょっとしたトラブルや不安を喚乱状態に陥ったのです。おうちモードと学校モードが壁で隔てられているような状態になっているので、おうちでの様子と学校での様子がまったく異なるのです。

表情というものは、意識でコントロールしたくてもできないという性質をもつものです。勝手に顔が赤くなってしまったり、元気のない顔や不安な顔になってしまったり、あるいは「何かいいことあったの?」と隠しておきたいこともばれてしまったりするものです。身体と認知がつながりをもっている状態にあるときには、感情はおのずと表情に非言語的に表出されます。ところが、のイメージで示したような感情の育ちをしている子どもは、感情が非言語的に表出されないのです。すごく困っているのに、元気な顔をしていて、いじめられているのに、へらへらしていて、つらいことを明るく話し、葛藤を抱えるということができないのです。つらいことを明るく話すので、つらさを理解してもらえず、ますますネガティヴな感情を承認される機会を失うという悪循環にはまつていきます。

A君の例は、弟が生まれれば当然に生じる嫉妬の感情を、親から「当然」のことと承認してもらえな いところから派生して、しつけの行きすぎや叱りすぎが生じ、ネガティヴな感情の社会化が妨げられるという例でした。このように、しつけをあせり、きちんとよい子にしなければと思うあまり、叱りすぎることによって体罰も生じ、虐待的関係に陥ってしまうという例が、ひとつの典型です。

感情はどのようにして育つのか?⑨

9 ネガティヴな感情が社会化されないとき(1)

身体の中を流れるエネルギーとして体験されている感情が大人に察知されて、ことばで適切に名づけてもらうという過程を経て、感情は社会化されていきます。ところが、実際の子育ての中では、これはそれほど簡単なことではないのです。

A君の哀しみ

2歳のA君の下に弟が生まれました。A君は、お母さんが弟を抱っこしている姿をみると、身体の中から不快なエネルギーがあふれてくるのを感じます。A君はそのエネルギーに突き動かされて、お母さんの胸に抱かれる弟に乱暴なことをしてしまいます。お母さんは、生まれたばかりの赤ちゃんが怪我をするのではないかと気が気ではありません。必死に「ことば」でA君に教えます。「赤ちゃんは弱いのだから、絶対にたたいてはいけません」「あなたはお兄ちゃんだからやさしくしてあげてね」両親が何度話して聞かせても、A君の弟への攻撃はやみませんでした。

最初は「ことば」により「ものわかり」を促そうとするのが、一般的なかかわりでしょう。理屈でわからせて行動を制御することを求めるかかわりです。A君の身体の中を流れているエネルギーに即したことばではないので、感情の社会化に必要な過程は起こりません。A君には頭ではいけないこととわかっていても、弟がお母さんの胸に抱かれていると、身体からネガティヴな感情があふれてきてしまうのです。ネガティヴな感情を持っていると、親に愛されないということも明らかです。このような状況においては、容易にダブルバインド状態が生じます。

つまり、親は当然A君を愛しています。弟を乱暴しないよい子になってもらいたいと願うこと自体、愛しているということを意味しています。しかし、子どもの身体からあふれてくる不快な感情がある限り、A君は親から愛されない。A君は親から非言語的には愛しているといったメッセージを受け取り、言語的には愛さないというメッセージを受け取るという矛盾した状態に陥ります。このようなダブルバインド状態にさらされていると、子どもは親から愛されるために、親に承認してもらえないネガティヴな感情をないことにするという防衛が働いて、その家族の状況に適応するのではないかと想定できます。それは、解離の防衛という反応です。

子どもが感情の発達の途上において、身体からあふれてくるネガティヴな感情を持っていると、親を不幸にし、自分が愛されないというような状況におかれたとします。すると、あたかも身体(非言語領域)と認知(頭・言語領域)との間に壁ができているかのような状態に陥ります。解離様式を身につけた状態と言えます。

人は耐え難くつらい感情が喚起されるような状況にさらされると、その感情を感じないように防衛することができます。生き延びるための適応の手段です。虐待を受けて育った子どもが、解離の防衛を用いて生き延び、のちにその後遺症として解離性障害を呈することはよく知られています。解離には、正常反応としての解離から、解離性同一性障害(多重人格)という病理の進行した状態までがあり、解離現象は幅広いスペクトラムで捉えられると言われています。子どもの解離現象は、非常に一般的にみられるものであるため、解離として認識されることはまれです。子どもたちは、自分の解離反応について苦痛や不満を訴えることがないと言われています。解離による離人症状などを不快なものと感じることができるためには、「感情面や認知面での一定の成熟度が必要だ」とし、思春期や成人期ほど自己を意識していない子どもは、解離していること自体への認識ももっていません。そして「解離現象はそれ自体が病理的なものであるわけではなく、解離の存在が適応的な変化を妨げるようになってはじめて、解離現象は病理的なものとなる」と説明されています。

27日 「見えないこと」こそ意味がある

27日の魔法の日めくりメッセージです。

「見えないこと」こそ意味がある ~お友達の素敵なところを3つ見つけよう~

人はすぐ嫌なところに目が向くことが多いですが、
子どもの間に、人や、物事に対して
素敵なところを見つける習慣をつけていると、
いつもプラス思考になることが出来ます。
「人には必ず素敵なところがある!」
表面だけでなく、中味を見つけられることは、
人として誇りになる宝物です。

見えないことこそ、
大きな真実が隠れていることを伝えましょう。


 2学期7週目、日曜日です。新型コロナウイルス感染予防に努めていただき、ありがとうございます。いつもとちがう時こそ、いつもと同じことを大切に!子どもの中で良いところや素敵なところ、頑張りを見ようとする、見つけようとすると、人のよさに気付きます。プラス思考にすることです。プラス思考をしないと成長には絶対つながりません。プラスの言葉を言う子どもと大人は必ずよい方向に成長すると言われています。子どもの頑張り、顔晴り(笑顔で晴れやかな姿)をたくさん見ることができるよう支援していきましょう。

26日 笑顔は元気の発信源!

26日の魔法の日めくりメッセージです。

笑顔は元気の発信源! ~一日、にこにこ笑顔~

怖い顔・沈んだ顔はマイナスエネルギーを発信します。

笑顔はプラスのエネルギーを発信しますので、
心も活き活きと元気になります。
顔は、いつも周りから見られていますので、
笑顔を通して周りに元気を発信し、
幸せにする凄い力がありますよ!

今日は一日、笑顔全開でいきましょう!


 2学期6週目の週末、土曜日です。家庭において元気な挨拶で始まっていますか?笑顔や笑い声があると、プラスのエネルギーを周りにも発信できます。大人の笑顔が子どもの笑顔になり、子どもの笑顔が大人の笑顔になります。子どもも大人も笑顔でいきましょう!口にストローをくわえていると唇はとがったものになります。一方、口にストローを横にしてくわえると口角があがって笑顔になります。

25日 限りなく我を0に近づける

25日の魔法の日めくりメッセージです。

限りなく我を0に近づける ~まず、「はい」~

今日一日は、まず、「はい」と返事をしてみましょう!
繰り返して21回「はい」と
言えるようになってきた頃には、
素直に行動出来るようになりますよ。

「でも・・・」「だって・・・」と、
考えてばかりいると自分の前に見えない壁が出来、
物事が進まなくなってしまいます。

「はい」は、我と壁を取る練習ですよ!


 2学期、6週目の週末です。2年生は子ども科学館への遠足です。室内ですが、外遊びができるかどうか心配です。いつもとちがう時こそ、いつもと同じことを大切に!「はい」の返事は、素直に考えて行動することができることにつながります。言い訳を言うことは、やる前からできないことにつながります。人の脳は「声に出して言ったことにだまされる」と言われています。「もうだめだ」、「できない」と言っていると絶対にできません。「大丈夫」、「できる」と言う言葉にだまされて出来るようになるのです。プラスの言葉を言うのはそのためです。

24日 自分に出来ること

24日の魔法の日めくりメッセージです。

自分に出来ること・・・ ~使わない電気は消そうね~

自分の行動が
周りに影響力を与えていて、地球とつながっている。

コツコツと続けることによって大きな力になり、
宇宙ともつながっている。

エコ活動で周りにも
目を向けることが出来るようになります。

そして、つながりの中に自分の存在意義を
認められるようになりますよ!


 2学期、6週目木曜日です。「部屋にだれもいないときに電気を消すのはなぜなのか?」と質問したとき、お子さんはどのようなことを答えるでしょうか?理由が答えられたら、次に行動に移すことができるかです。毎日の生活の中で、家の手伝いをすることや、食事、洗濯、掃除、健康管理を一緒に行うなどを続けてできたということがあってほしいものです。頑張って、顔晴って子どもたち!

23日 情緒豊かに

23日の魔法の日めくりメッセージです。

情緒豊かに ~旬のものを食べようね!~

日本には、四季があります。
四季を通して、情緒を感じることが出来ます。
大地の恵み、季節に必要なエネルギーを教えてくれ、
情感が得られるのです。

自然が与えてくれるエネルギーを感じ取れる様に
食べ物の旬を味わいましょう!

 2学期6週目になりました。50周年記念行事の表彰や空撮を予定していましたが、爆破予告による臨時休業になってしまいました。迷惑極まりないことです。ストレスの解消の一つに好きなものや季節のものを食べることがあります。身体の中に秋の野菜や果物をたくさん食べて、自然からのエネルギーを受けて欲しいと思います。解消の一つに好きなものや季節のものを食べることがあります。身体の中に秋の野菜や果物をたくさん食べて、自然からのエネルギーを受けて欲しいと思います。

感情はどのようにして育つのか?⑧

8 子ども自身が本当の意味で「よい子」に育つことを願うには

子育てには、逆説的なむずかしさがあります。例えば、「怒りをロントロールできる子になるためには、どうすればいいのか」ということについての理想的な育て方があるとします。「攻撃的なテレビやビデオは見せない、ゲームはせいぜい30分でやめさせる、食事は自然食でジャンクフードは食べさせない、早寝早起き、睡眠は十分にとる、夫婦は仲良く、父親も子育てに参加する」など。これらのひとつひとつはそのとおり大事な努力目標です。ところが、このように完璧に子どもを育てようと思ったとたんに、それはここまで述べてきたような「理想的な子どもを求める子育て」になってしまうという逆説に陥ってしまうのです。これらを完璧にこなして、親の言うとおりに子どもが従って育ったとしたら、子どもの感情の発達は支障をきたすことになってしまいます。理想を求めて子育てをするときに起こってくる問題は、「子どもの顔」を見ていないということです。

「子どもの顔」には、身体の中を流れる感情のエネルギーが表出されています。子どもの身体からあふれてくる感情の非言語的表出を見ていれば、おのずと親の理想どおりにことは進まなくなります。私たちが子どもの顔、子どもの身体からあふれてくるものをしっかりと見て、それに応じて親として感じる動物的な勘のようなものに自信をもってかかわっていくことができれば、子育てはそれほど困難なものではないはずです。

子どもは「自己愛」を映し出す存在であり、子どもを育てるということは「自分を愛する」という大きな課題をつきつけてくるプロセスでもあると言われています。ですから、「自分を愛する」ということについて大きな不安を抱えている場合や、自分の中に切り捨ててしまいたいくらい嫌だと思っている部分があるような場合には、子どものネガティヴな感情にふれると、不快な感情がひっぱり出されてきてしまいます。自分の中の弱さやだめなところも含めて自分を受け入れている感じ(いわゆる自己受容感)を確かなものとして持てていると、子どもが自分の理想を満たしてくれる存在ではなかったとしても、子どもと自分との距離を適度にたもつことができます。ある意味、子育ては理想を上手にあきらめていくプロセスでもあるわけです。親が上手にあきらめられたとき、子どもは親の理想を実現する存在という条件づきではない、ありのままの存在として認められることになるわけです。

子どもの頃から、他者との比較、評価の中で育てられてきた現代の親世代は、大人になっても、他者からの評価におびえ、根底に自己否定的な思いを抱えており、その不全感を子どもで埋めようとする傾向が強い時代にあると言えます。大切な子どもだから、よい子、理想の子に育てたいという願いをもつことは、当然のことなのですが、その願いの方向が、自分の満たされざる不全感を埋めることに向いているとき、子育ては苦痛の源になってしまいます。子育ては「ほどほど」が一番であり、「よい親」を求めない社会の雰囲気が「ほどほど」を育てていきます。だれもが苦労しながら、子どもを育ててきたということに共感するやさしい社会が、親世代にゆとりを与えてくれるのです。

22日 ナンバーワンよりオンリーワン

22日の魔法の日めくりメッセージです。

ナンバーワンよりオンリーワン ~自分の好きなところを3つ見つけよう!~

自分のことをもっと、好きになりましょう!
沢山、素敵なところがありますよ。
親子で素敵なところを
見つけ合いっこしましょう。
素敵なところを発見することに意味があります。
苦手なことを直そうと思うより
素敵な所を深めましょう。

自分を好きになると自信が持て、
もっと可能性が広がり、もっと素敵になりますよ。


 4連休の最終日です。新型コロナウイルス感染症によるストレスに適応できるようなってきましたか?!親子で過ごす時間が長くなると、子どもたちの素敵なこと(よさや頑張っていること等)を当たり前と思わずに見つめ直すことが求められています。お子さんの素敵なことをいくつあげることができるでしょうか?苦手なことや課題となるところは見つかりやすいものです。マイナスな言葉がけでは子どもも大人もよくありません。子どものやる気や自信を育むためにも、頑張りの過程をほめたり、認めたりして伸ばしてください。プラスの言葉をかけてください。

感情はどのようにして育つのか?⑦

7 親に対して「よい子」であることを強く願うとき

親に対して「よい子」であることを願う場合というのは、反対にこわくて叱れない、叱りたくないという状況を生み出します。この場合、自分自身の前で子どもが「よい子」の顔を見せてくれていれば、子育てはとても楽しいのですが、自分の目の前で子どもが泣いたり、ぐずぐずしたり、言うことをきかなかったりすると、とても大きな不安が喚起されます。無意識的にですが、子どもが自分の言うことをきかないと、自分自身を否定されているような不安におそわれるのです。ですから、子どもがぐずぐず言わないように、「いつもにこにこ明るい子」でいてくれるように、子どもの機嫌をとりがちになります。子どもとの葛藤を恐れているのです。一見、とても民主的で対等な友だち親子であるようにうつります。親の前で「いつもにこにこ明るい子」である子どもは、親を癒す役割を担うことによって、愛されるという立場におかれることになります。子どもは親を大好きですから、親が不安にならないように、親を満足させることのできる自分を演出するようになります。

この関係は、たとえが悪いですがある意味、ペットとの関係に似ています。ペットは飼い主を癒す役割をもつものとして愛されます。飼い主の前でどのような顔を見せれば愛されるかをペットも学習していくわけですが、人間の子どももこのような関係の中では、同じことが起こります。子どもは身体的な存在ですから、身体からあふれてくるエネルギーをぶつけて、ぐずり、泣き、すねて、反抗します。そのようなネガティヴな感情をぶつけられると、親自身もとても不快な気持ちになります。他者からみて「よい子」であることを願っている場合には、叱りすぎてしまうのですが、親の前で「よい子」でいてほしいと強く願う親の場合には、不安や不快な気持ちにさせられること自体を避けようとします。

子育てによって生じる自分自身の不安や不快を回避することが親にとっては常に重要なので、子どもにトラブルが起こったときには、苦情を言う傾向が強くなります。「宿題を出さないでください」「あの子と席を離してください」「〇〇係にはさせないでください」などという学校への要求は、そのことをめぐって、子どもが家でネガティヴな感情を表出し、それにより親が不安や不快を感じ、その結果、自分自身の不安や不快を回避するためには、先生にお願いしようという発想になっている場合が多くあります。親の心の中にわきあがってくる不安や不快な感情を、親自身が受け止めることができないのは、叱りすぎる場合と同様に、親自身が育ってきたプロセスと関係があります。

子どもが親の理想を満たしてくれているうちは、親子ともに特に問題を感じないかもしれません。ところが、親の前で「よい子」でいてくれることのみをきわめて強く願っている場合には、成長とともに子どもが親を癒す役割をとれなくなったときに、精神的に捨てられてしまうということも起こります。親に不快な気持ちを引き起こす子どもは、かかわりをもたないという形で捨てられ、情緒的に一線をひかれてしまうということが起こります。援助交際やプチ家出などの問題に見られる民主的に放任された親子の関係は、まさにそのことを意味しています。子どもたちは居場所をもとめてさまよい続けます。

21日 会話は子育てのキーワード

21日の魔法の日めくりメッセージです。

会話は子育てのキーワード ~ゆったり、お喋り、楽しもう!~

お喋りは楽しいものです。
その中で、子どもの事をもっと深く知る、
親の事をもっと知ってもらう。
楽しい会話の中で、認め合う関係、
喜びも悲しみも共有できる関係、
相談し合う関係が作れます。

毎日が忙しい日々。
すこし、ゆったり、のんびりと会話を楽しみましょう。

 4連休の3日目です。話を聴いてもらえたという安心感がよりよい関係性を築きます。一緒にお風呂の中での会話はゆったりした中で楽しむことができます。会話の中で大切にしたい言葉は、「ありがとう」と「うれしい」などです。「〇〇のお手伝いをしてくれて、ありがとう!」「お母さんはうれしかったよ!」「お父さんは〇〇したんだって聞いたよ。ありがとう!」子どもにエネルギーを与える言葉です。

感情はどのようにして育つのか?⑥

6 他者から見て「よい子」であることを強く願うとき

他者から見て「よい子」であることを強く願っている場合、それが実現できないときに、親自身にとっても大きな不安が喚起され、どうしても「叱らずにはいられない」という状態に陥ってしまいます。子どもが「みんなと同じ」「よい子」でないと、親の中にとてつもなく大きな不安が喚起され、その不安は、自分が子どもを愛することができなくなるのではないかという不安に通じていきます。なんらかの理由で子どもが「みんなと同じ」ではなくなったとき、必死で叱ることを通して子どもに「みんなと同じ」であることを要求してしまいます。「みんなと同じ」でなければ、他者からそれなりに「よい子」と見てもらえず、「だめな親」という自分に対する評価として返ってくることへの怖れが、子どもを叱るという行為に突き動かしてしまいます。親の愛情の裏返しとして、虐待的関係に陥ってしまうと言われています。

たとえば、子どもが幼稚園や保育園で、順番を守って並ぶとか、食事の時間が終わるまで席についているとか、きちんとした子どもなら「ふつうに」できることができないということで、幼稚園や保育園の先生から、「お宅のお子さんはみんなと同じようにできない」ということを伝えられると、他者から見て「よい子」であることを願っている親はとてつもない不安におそわれ、子どもを必死に叱り、早くきちんとしつけなければとあせることになります。朝、親からスムーズに離れられず、ぐずぐず泣くということが毎日続くと、他の子どものようにどうして「ふつうに」できないのだろうと、子どもに対して怒りの気持ちがわいてきてしまいます。

また、自分を基準にして「ふつう」と思っていると、子どもが「ふつうではない」と思いこんだときに、他者から見て「よい子」には見えないような気がして、不安におそわれます。そして早くきちんとしつけなくてはとあせり、叱ることが日常になってしまいます。「ふつうお兄ちゃんだったら、弟にゆずることができるでしょう!」「ふつう、二年生にもなれば、ひとりでお留守番できるでしょう!」

 「みんなと同じ」や「ふつう」についての認識は、多くの場合、私たち親の世代が自分の親からできてあたりまえと求められ、必死に実現しようとがんばってきたことなのです。他者から見て「よい子」であることを強く願う親は、自分自身も幼いころから、ずっと他者から見て「よい子」として育ってきていることが多いものです。他者から見て「よい子」であるということは、親自身も他者から見て「よい親」だと見られるということと直結しています。子育てに困難が伴うのは、常にパラレルに自分がどう育てられたかという記憶がよみがえり、子どものときの自分自身の辛さが再現されてしまうからなのです。

20日 すべては一つ

20日の魔法の日めくりメッセージです。

すべては一つ ~トイレへ行ったら①流そう②ふたを閉めよう③手を洗おう~

複数のマナーを守ることが出来るようになると、
あらゆることは繋がっていて、
すべては一つだと分かるようになります。

今日は、20日目、
少し高度なことにチャレンジしてみましょう!


 4連休の2日目です。元気なあいさつでエネルギーをもらうことができます。ご家庭内でのあいさつはできていますか?起きてきてお家の方からあいさつをするのか?子どもからするのか?あいさつができる子は、向社会性があると言えます。あいさつを元気よくできる子は外向的志向があり、心が安定していると思います。学習に向き合う力を持っています。登校時に遠くから元気なあいさつをもらうと、1日の元気をいただきます。家庭や地域においても、元気なあいさつができるように励ましてください。あいさつはすべての活動のエネルギーです。あいさつができる子を育んでいきましょう。

19日 ものには役割がある

19日の魔法の日めくりメッセージです。

ものには役割がある ~ものを大切にしよう~

「ものを大切にする」のは、
それぞれの役割を知ることです。
ものは、必要だから存在するのです。
それを壊れたから捨てる、
すぐに新しいものと取り換えるのではなく、
絵本やおもちゃをどうやって直すか考えたり、
工夫して新しい使い道を生み出していきましょう。


 4連休の初日です。ものを大切にする人は、人を大切にすると言われています。ものを大切にする子どもを育んでいきましょう。ものを大切にするコツはものに名前を付けることです。私も初めて買った車のナンバーが「8」だったので、8番ブーと言ってたことを思い出します。また、1年生の担任をしたことが1度だけあるのですが、教え子の中に物を大事する子がいました。その子には頑張ったので本をプレゼントしました。その子は今、作家になっています。ものに愛着を感じることが人やものを大切にすることにつながります。

感情はどのようにして育つのか?⑤

5 理想的な子どもを求める子育て

今日、「子どもを生む」という選択をした場合、私たちは無意識に「子どもをもつことによって幸せになること」を求めています。親が子どもをもって幸せを感じることができるためには、「子どもが親の期待に応える理想的な子どもである必要がある」という状況にはまりやすい傾向にあります。子どもの感情の発達が困難になっている背景には、「理想的な子どもを求める子育て」があるのではないでしょうか。

親が子どもを「よい子」に育てたいと願うのは、当然のことです。子どもは親にとっての夢であり、希望であり、生きる意味として存在します。大切な子どもに健やかに育ってもらいたいと願う気持ちは、当然愛情であるわけです。ところが、わが子を「よい子」に育てたいと願う願い方には、子ども自身が本当の意味で『よい子』に育つことを願う。他者から見て『よい子』であることを願う。③親に対して『よい子』であることを願う」という3つの方向性があるのです。「①子ども自身が本当の意味で『よい子』に育つことを願う」はある意味当然のことですが、これは「②他者からみて『よい子』であることを願う」「③親に対して『よい子』であることを願う」と両立する願いではないのです。本当の意味で「よい子」に育つということは、他者からみたら「よい子」と評価されなかったり、親に対してはうんざりする子どもであったりすることを意味しています。「②他者からみて『よい子』であることを願う」「③親に対して『よい子』であることを願う」を優先させているときには、子ども自身が本当の意味で「よい子」に育つことよりも、親の理想を優先させているという事態が起こっていることになります。

どちらが「よい子?」でしょうか。5歳のAちゃんとBちゃんが公園の砂場で楽しそうに遊んでいます。たくさん、お山や川をつくって、水を運んで、全身でダイナミックに夢中になって遊んでいました。4時になって、お母さんがお迎えにきました。2人ともスイミングスクールの時間なのです。「時間だから手を洗ってらっしゃい」と2人のお母さんが声をかけました。Aちゃんは、「は一い」とすぐに遊ぶのをやめて水道で手を洗い、お母さんといっしょにスイミングスクールに行きました。ところがBちゃんは、「いやだ一。もっと砂場する一。ママ、みて、これすごいでしょう。スイミング? いい…きょうは、行かない」と言って、砂遊びからもどってきません。

さて、私たちは、AちゃんとBちゃんのどちらの子どもを好ましいと思うでしょうか? 多くの人 が、Aちゃんのように振る舞う子どもを求めています。きちんと言うことをきける子どもで、すぐに切り替えのきく子どもで、動作の早い子どもです。Bちゃんのお母さんは悩みます。「どうしてうちの子はAちゃんのようにできないのかしら!」

しかし、感情の育ちという点から考えると、Bちゃんのほうが望ましい子どもです。砂場で夢中に なって遊んでいて、AちゃんもBちゃんも身体でわくわく楽しみを体験していました。このような全身の五感を通して身体と想像力を使って遊ぶことは、子どもの発達にとってきわめて望ましいことです。

楽しみのエネルギーが全身を流れているときに、それをストップするお母さんの声が聞こえてきます。その声を聞くと、子どもの身体はどのように反応するでしょうか?楽しみのエネルギーが逆流したようになり、「いやだ一、もっともっと遊びたい!」という感情があふれてくるのは、当然のなりゆきといえるでしょう。ですから、そこでBちゃんが「いやだ一」と叫んだのは、子どもらしい自然な感情の流れなのです。むしろ心配なのは、Aちゃんです。Aちゃんは、それまで自分の身体の中を流れていた楽しみのエネルギーを、お母さんの声を聞いただけで、ぴたっと止めることができてしまっているのです。身体からあふれてくるエネルギーの流れをぴたっと止めて、お母さんの指示に従うことができるということは、感情の育ちを考えたときに、むしろとても心配です。

幼いうちから「よい子」でありすぎると、思春期になってからさまざまな心の問題が生じてくることはよく知られてきていますが、「よい子」の問題とは、このような身体からあふれてくるエネルギーを大人の指示にあわせてぴたっと止められるように感情が発達してきているということなのです。このように、子どもの身体の「自然」が止められてしまっていることが、のちのち問題となってあらわれてくることがあります。

つまり、「①子ども自身が本当の意味で『よい子』に育つことを願う」ことと、「②他者から見て『よい子』であることを願う」「③親に対して『よい子』であることを願う」という願いは残念ながら、両立しないものであるということなのです。

私たちは、子どもに理想を求めるあまり、早熟に完璧な完成した子ども像を求めすぎる傾向があり、それが子どもの感情の社会化を困難にしてしまいます。

18日 その「言葉」で伝わりますか?

18日の魔法の日めくりメッセージです。

その「言葉」で伝わりますか? ~みんなの口からきれいなお花~

「言葉」は、自分の意識そのもので、
意思を伝えるためにあります。
傷つける「言葉」は、とげのある意識が、
嬉しくなる「言葉」は、やさしい意識が働いています。
伝えたい事は伝えるためには、
どんな「言葉」で表現しましょうか?
「言葉」は生きています。
私達から出てくるものは、
全て、意味があり役割があります。
私達大人が、お手本となり、お花が飛び出すような、
楽しくて、嬉しくなるような素敵な「言葉」をつかいましょう!


 2学期5週目金曜日です。家族の中での言葉はどのように使われていますか?日本では、昔から言葉は言霊と言われています。どのような言葉をつかうかが大切になりますが、プラスの言葉をつかってほしいと思います。悪口やからかう言葉、人が気になる言葉などのマイナスの言葉を使っていると、言われている人が当然嫌な気持ちになります。それだけでなく、言っている人もマイナスの影響が出てきます。一緒に生活するためには相手を思う気持ちを尊重することですね。国語で物語教材を学ぶことは、登場人物の気持ちを想像し、気持ちをつくることの積み重ねによって学んでいきます。夏目漱石の「こころ」の中で、気持ちではなく、心持ちという言葉を使っています。辞書では「心の持ち方。心がけ。気だて。感じていることや思っていること。」と記されています。

17日 「ほこり」の持てる私になる

17日の魔法の日めくりメッセージです。

「ほこり」の持てる私になる ~落ちているゴミを拾いましょう!~

人の役に立つことを、
誰も見ていなくとも勇気を持って、
恥ずかしがらずに、堂々と行動に移す。
自分の意思を貫く。
習慣づくことによって、
自尊心が芽生え、自分に自信が持て、
何でも、「やってみよう」と挑戦できるようになりますよ。
親子で、まず出来ることからやってみましょう。

 2学期5週目も後半の木曜日です。3,4校時に「にじ色のさかな」という活動を行います。本校のスローガンは「全力」「挑戦」「ありがとう」です。そのためのベースや原動力になるのは、やる気や自尊心、自信などです。ほめて、認めて、励ましていくことが大切です。情緒的サポートといわれており、ほめるポイントは、結果や能力でなく過程です。過程での頑張りをほめてみてください。小学生のうちに自分のために、みんなのために役立つことができるように育みましょう。例えば、「なぜ、石けんを使って手洗いをするのか?」を子どもと考えたり、調べたりすることもおもしろいのではないでしょうか。親水性と疎水性という、水に付きやすい性質と水をはじきやすい性質、「水と油」とよく言いますが、それをうまくつなげるのが石けんの役割です。界面活性剤という石けんの役割によって、菌が落ちることになります。今だからできることを一緒に考えたり、調べたりして、子どものやる気や自信などを育んでみてください。

感情はどのようにして育つのか?④

4 「思いやり」という感情を育てるには?

「うれしい」「たのしい」「かなしい」「怒っている」「うらやましい」など、個人が感じる基本的な感情が育つプロセスを、感情の社会化ということでした。個人の基本的感情を重視すると、「わがまま」になり、自分の感情しか考えない「自己チュー」になるのではないかと思われています。しかしそれは「錯覚」です。個人の基本的感情(特に怒りや悲しみなどのネガティヴな感情)を重視することが「思いやり」のある子どもに育つために重要です。なぜそれが「錯覚」なのかについて、確認しておきたいと思います。

感情の発達は階層構造になっていると考えてみましょう。「うれしい」「たのしい」「かなしい」「怒っている」「うらやましい」という個人の基本的感情がしっかり獲得されることが、第1段階です。「思いやり」「かわいそう」「助けてあげたい」などの他者に対する感情は、その上で発達する2段階目の感情なのです。1段階目が獲得されていない子どもは土台がないので、2段階目は構築されていきません。

「うれれしい」「たのしい」「かなしい」「怒っている」「うらやましい」という個人の基本的感情を、ことばによって表現することを獲得してきている子どもは、大人から自分の身体を流れるエネルギーの非言語的表出を正しく(共感的に)くみとってもらってきた子どもです。自分がわけわからずにかんしゃくをおこしていらだっているときに、「怒っているのね」と、怒っていることを承認されてことばにしてもらってきた子どもは、他者の非言語的表出をくみとるという能力も開発されています。自分が悲しい顔をしているときに、「悲しいんだね」と応じてもらうことができてきた子どもは、悲しそうな表情をしている友だちを見たら、その子が「悲しい」のだということがわかります。そして自分の「悲しい」という経験と照合することができます。そこであらたに「かわいそう」といった感情を身体的に経験するということが起こります。そこに「思いやり」が生じるという関係が生まれるのです。

同情や共感といった他者に対する感情を身体的に経験するには、その源になる個人の基本的感情がしっかりと承認されて育つ必要があるわけです。個人の基本的感情が社会化されていないと、他者の非言語的表出を読み取ることができないのです。そのようなとき、「思いやり」ということばは、身体的なエネルギーとしてのアナログ的な(量的な)感情をともなわず、単にデジタルな記号にすぎなくなります。だから、子どもたちの感情を育てるためには、子ども個人の基本的感惰を重視していくことが重要なのです。

16日 食事のマナーを伝えましょう

16日の魔法の日めくりメッセージです。

食事のマナーを伝えましょう ~お茶碗を持ってごはんを食べよう!~

「ごはんを大切に食べる」という
想いを形で表現できるように、
食事のマナー・仕方に目を向けてみましょう。

お茶碗を持ってごはんを食べる、
お箸をおいてからお茶を飲む、
ご飯とおかずを交互に食べる、
一つひとつを大切にできるように、
マナーを守って楽しく食べる。

一度お子さんと一緒に食事のマナーを考えて下さい。
毎日必ずとる食事は、マナーを伝えられる大切な時間です。


 食事での食べ方やマナーからその子の様子がわかるとも言われています。私自身は食べるのが早いのですが、職業柄そのようになっているのかもしれません。食事に限らず、そのときどきでマナーを教えてください。家庭で生活するうえで日々やっていること、食事、洗濯、掃除、健康管理というものを子どもと一緒にやって、子どもができるようにする時間として使うことができたかを振り返ってみてください。

感情はどのようにして育つのか?③

3 親子のコミュニケーションと感情の発達

鯨岡は、乳幼児期の親子の原初的コミュニケーションのありようを2つのパターンに分類しています。養育者が子どもの感情の側に入り込み、子どもに合わせる状態を「成り込み」と言い、逆に養育者が子どもの感情を大人の願う方向に向かって調整することを「巻き込み」と言いました。「成り込み」は「おのれを相手に重ね合わせて、相手を生きようとする様態」であり、「巻き込み」には「養育者自身の身体のもつ力動感を調節し、そこに子どもを浸し込むことによって子どもの気持ちを調節する」側面があるといいます。乳幼児は未熟な存在ですから、親が子どもの感情に成りきって合わせる「成り込み」だけでは子どもは育たず、子どもの感情を大人が願う方向に巻き込んでひっぱる「巻き込み」も必要なわけです。大事なのはこの「成り込み」と「巻き込み」のバランスだと言えます。乳幼児期における養育者の無意識的なコミュニケーションスタイルである「成り込み」と「巻き込み」という概念は、幼児期以降は「受容」と「しつけ」という形に姿をかえて、子育ての重要テーマになり、親自身の子育ての悩みの種にもなっていくわけです。

感情の社会化のプロセスには、この「成り込み」と「巻き込み」の両方の要素がバランスよく含まれています。子どもの身体からあふれている非言語的な表現を「正しく」察知するときには、親が子どもの感情の側に入り込むという「成り込み」がなされることが必要であり、それをことばにより名づけるときには、大人の願う方向に向かって調整するという「巻き込み」がなされていきます。つまり、親のほうは子どもの感情を察知して「怒っているんだね」と言いながらも親自身は怒っているわけではなく、落ち着いている状態にあります。興奮して真っ赤になって足をばたつかせている子どもを、落ち着いた親の身体的状態に「巻き込み」、子どもを落ち着かせるわけです。

コミュニケーションは、言語的な(デジタル)レベルで伝達するものと、非言語的な(アナログ)レベルで伝達するものという、異なる2つのメッセージによって成り立っています。親と子の感情の境界がない共生関係にある乳幼児期のコミュニケーションにおいては、これらは互いに混ざり合いながらコミュニケー卜されています。つまり、ことばをまだ持たず身体で怒っている子どもに対して共感し(成り込み)、子どもの身体の状態をかわりに親がことばで表現し、落ち着いている親の身体の状態が伝える落ち着きや安全・安心という状態に巻き込み、子どもの身体が落ち着くというコミュニケーションです。そこでは子どもの感情と親の感情が言語・非言語で混じり合っています。そのような状態にあるとき子どもは、怒りなどのネガティヴな感情が身体を流れても、世界は安全であるという感覚を育てることができるのです。そして、それが怒りなどのネガティヴな感情を安全なものとして抱えていられる安定した大人になるために必要なことなのです。

興奮して泣いている子どもを前にして、親が「落ち着きなさい!泣き止みなさい!」と興奮して叫んでいる場合には、子どもは「ことば」の指示とは反対に親の非言語に反応して、いっそう興奮してしまうわけです。怒りや悲しみや恐怖などのネガティヴな感情にさらされているときというのは、幼い子どもにとっては危機的状況です。そのときに大人とのかかわりの中で安全・安心を獲得できないと、ネガティヴな感情が身体の中を流れること自体が大変危険でおそろしい体験になってしまいます。

15日 自分を守る、社会のルールを守る

15日、魔法の日めくりメッセージです。

自分を守る、社会のルールを守る ~信号を守ろう!車に気をつけよう!~

子どもが、親と一緒に歩く間に、
自分の身は自分で守ることが出来るよう、
しっかりと交通ルールを教えましょう。

社会のルールである交通ルールを守ることで、
自分も社会の一員であることを
認識できるようになってきます。

まず、大人である私達が社会のルールを守れるように
見本となりましょう。


 2学期5週目の火曜日です。新型コロナウイルス感染予防のためには、自分を守ることの大切さを痛感させられます。学校での新しい生活様式が始まっています。ルールは何のためにあるのでしょうか。二人以上の生活の中では必ずあります。子どもたちの好きなスポーツにも遊びにもルールがあり、守ることで楽しむことができます。ルールだけでなくマナーも守れる子どもたちを育んでいきましょう。

感情はどのようにして育つのか?②

2 感情はどのようにして社会化されるのか?

私たちはどのようにして、感情を獲得してきたのでしょうか?どのように育てれば、「思いやり」は育つのでしょうか?子どもの感情が親子のコミュニケーシヨンを通して社会化されていくという視点から、考えていきます。

赤ちゃんは感情をどのように表現するのでしょうか?おなかがすいたとき、暑いとき、寒いとき、おむつが汚れて不快なときなどに泣きます。「火がついたように泣く」という表現があるように、おなかがすいている赤ちゃんが泣くときの必死さには、生きようとするエネルギーが満ちています。私たちは、おっぱいやミルクを飲ませたり、おむつをきれいにしたり、ほどよくあたたかくしてやります。赤ちゃんは「泣く」という動作によって、自分の身体が「不快」であることを親に伝えます。そしてその「不快」が「快」に変化することを通して、外界が安全なものであることを、日々体験していきます。このとき、赤ちゃんは「安心感・安全感」という感情の基本となる基本的信頼感を得ています。外界は安全で、助けを求めれば助けてくれて、身体が安心だと感じることができるということです。この時期の発達課題である「基本的信頼の獲得」は、このような親子の相互作用の中で獲得されていくわけです。

このように、赤ちゃんが最初に獲得する感情は安心感・安全感であり、それは身体で感じているものです。この身体で体験している安心感や安全感が、感情が育っていくための重要な礎になります。育児において「スキンシップが大事」と言われてきたことはそういうことを意味しており、大事なのはスキンシップによって「身体で体験している安心感・安全感」を獲得しているのです。

10ヶ月くらいの赤ちゃんは、「いないいないばあ」をすると、大喜びでけらけらと大きな声で笑います。私たちは、笑っている赤ちゃんが「大喜び」しているとどうしてわかるのでしょうか?赤ちゃんは「大喜びだ」とことばで話すわけではありません。私たちは、赤ちゃんの示している表情や笑い声、しぐさから、赤ちゃんが「大喜び」していると判断しています。赤ちゃんの身体の中に、喜びのエネルギーが流れていることを感じ取っているのです。感情とは、身体の中を流れるエネルギーなのです。赤ちゃんが「いないいないばあ」が楽しくて、笑っているとき「楽しい」「喜び」といったエネルギーが流れているのを、私たちは感じ取り、それを「ことば」にします。身体を流れるエネルギーであるアナログの(量として体験される)感情が、「うれしい」「たのしい」というデジタルな(記号としての)「ことば」で名づけられ、結びつけられるわけです。

2歳くらいの子どもが、仮面ラィダーになりきって遊んでいるとしましょう。突然3歳の子どもがやってきて、変身グッズを奪い取ったとしたら、2歳の子どもはどんな反応を示すでしょう?泣き叫び、地団駄をふみ、顔を真っ赤にして、にぎりこぶしをふるわせるでしょう。この子の身体を流れているエネルギーは、非言語的に外に向かって表出されています。親や保育士など養育する大人が、その非言語的表出をくみとって、「くやしかったね」「怒っているんだね」と共感を示すとき、それは、身体を流れる感情を「ことば」で名づけるという子どもの感情を育てるかかわりをしていることになります。

物の名前をあらわす「ことば」は、現実に存在する「物」と「ものの名前」が一対一対応でつなげられることによって獲得されていきます。「感情」と「感情をあらわすことば」が一致したものとして獲得されていくためには、子どもが感じている感情を、推測して「正しく」言い当ててくれる大人の存在が必要だということになります。喜びのエネルギーが流れているときには、「うれしかったんだね」と、悲しみのエネルギーが流れているときには「悲しかったんだね」と名づけてくれる大人がいなければ、感情は「ことば」とのつながりを獲得することができないということになります。

このように、身体を流れる混沌としたエネルギーとしての感情が、「ことば」とつながり、「うれしい」「たのしい」「かなしい」「くやしい」「怒っている」といった「ことば」を使って、自分の身体の中で起こっていることを他者と共有することができるようになることが、「感情の社会化」です。感情は「ことば」によって社会化されます。つまり感情の発達、すなわち社会化のプロセスにおいては、親や重要な養育者との相互作用、コミュニケーションがきわめて重要な役割を果たしていると考えられます。

私たちは、これらのことをまったく意識せずに通過してきているので、「うれしい」といったことばで感情を表現すれば、それを聞いた人にもその感情は同じように伝わると思い込んでいます。

14日 躍動するわくわく感!

14日の魔法の日めくりメッセージです。

躍動するわくわく感! ~絵本はわくドキ~

絵本は、自分自身でページを進める事も、
戻る事も、止める事もできます。
主導権が自分にあり、探究心、やる気、
自発的な行動を促します。
又、想像力も培われます。
いくつになっても、絵本にふれることで、
冒険心を持ち、何かやってみたくなるような
わくわく感が湧いてきますよ。

一番は何より一緒に絵本を開くこと。
「あなたと一緒に」開く絵本が子どもには格別なものなのです。
さあ、14日目です。絵本の国へ出発しましょう。

 2学期5週目、月曜日です。土曜日に本屋さんで6年生の男子と会いました。その子は、お母さんと本を買ってもらいに来ていました。本という共通のものを通じて、地域の人や大人との会話から学ぶことが多くあります。親戚の人との会話からも多くの学びがあるはずです。ミクロとマクロの視点から考えることが大切です。可能でしたら、親子読書や家読に取り組んでみてはいかがでしょうか。非認知能力を育てるのにも読書は大変有効です。学力は「学ぶ力」です。本校の教育目標「自ら学ぶ子」と同じように文字を読んで考える力(読解力)を育てることです。

感情はどのようにして育つのか?①

 感情はどのようにして育つのか?

感情をコントロールすることは難しいことですが、学校生活の中でコントロールできないと不適応が生じてしまいます。感情を伴うイメージは、忘れないという特性を持っています。快・不快を感じる扁桃核で、ワクワクを感じることが大切になると言われています。「怒りをコントロールできない子の理解と援助 大河原美以著」などを基にして考えてみたいと思います。

 

1 感情とことば

私たち大人は子どもたちを「思いやりのある子」に育てたいと願っています。本校の保護者の皆様も同様の状況でした。そして子どもには「思いやりをもちなさい」「困っている人がいたら助けてあげなさい」「電車ではお年寄りに席をゆずりましょう」「人をいじめてはいけません」と教えます。しかしながら現在、教えたとおりに子どもが育たないと感じている方は多いのではないしょうか。最近の子どもたちにはこのようなことを教えていないのではないか、と心配されているようでもあります。だから、「きちんと教えるべきだ」という考えや主張が生まれます。現実には「人を殴ってはいけない」「すぐに怒ってはいけない」「やさしくしてあげなければいけない」「みんなと仲良くしなければいけない」といった、多くの「ベからず」が子どもたちにはシャワーのように毎日ふりそそいでいます。

一般に私たち今の親世代は、子どもを「ことば」で育てる傾向が強いように思います。「思いやりをもちなさい」と伝えると「思いやりが育つ」と考えがちです。しかし「ことば」で伝えれば伝わるものだと思っていることは「錯覚」であると言われています。たとえば、子どもに「机を運びなさい」と言えば、ほとんどの子どもが何をすればよいのかを理解することができます。ところが「思いやりをもちなさい」と言う場合は、友だちにやさしくしてあげようと思う子どももいれば、何をすればいいのかまったくわからない子どもや、先生が見ているところでだけ、どう振る舞えばいいのか理解している子どもなどもいて、その理解の状況は一律のものではないのです。

それはなぜでしょうか?「机」は具体的に実在する「物」です。「運ぶ」という動詞も、具体的な「行動」として現実に体験されています。つまり「机」「運ぶ」という「ことば」はともに「物」や「行動」 と一対一対応で結びついています。ところが、「思いやり」は抽象的なことばで、目に見えません。このように「感情」をあらわす「ことば」は、「物」をあらわす「ことば」と性質が異なるわけです。

「机」「鉛筆」「黒板」「先生」など物の名前は、その名前の「ことば」を使うことによって、他の人と共有のイメージをもつことを可能にします。「机」と聞けば「机」を思い浮かべることができるわけです。「ことば」には、このようにイメージを共有することを可能にするという機能があります。そして、それによって、人は他者とつながりをもつことが可能になります。「うれしい」「かなしい」「腹がたつ」「うらやましい」などといった感情をあらわす「ことば」の場合も同様です。「うれしい」という「ことば」を使うことによって、他の人と共有のイメージをもつことができれば、「ことば」を通して感情を共有することができ、他者とのつながりをもつことが可能になります。このように「ことば」によって感情を他者と共有できるようになるプロセスを「感情の社会化」といいます。「思いやり」という高度な感情が社会化されている子どもたちの集団においては、「思いやりをもちなさい」という「ことば」による指示も有効でしょう。しかし、そうではない状態にある場合、その「ことば」は意味をなさなくなってしまうわけです。

私たち大人は、基本的な感情をあらわす「ことば」をあたかも、アプリオリに(先天的に)知っていたかのように感じてしまいがちです。ですから、「思いやり」ということばとその感情が結びつかないということが、どういうことなのかを理解することは困難です。しかし、パソコンやインターネットに関する「新しい抽象的なことば」を例にして考えてみると、「ことば」と「社会化」の関係を想像していただくことができるでしょう。たとえば「ダウンロード」といった「ことば」によってそれをイメージできない人は、IT社会の中では社会化されていないということになります。

 子どもたちの中には、「思いやりをもちなさい」といわれても、この「ダウンロードしなさい」といわれているのと同じように、何のことやらわからない子どももいるというのが、今の子どもたちの現状なのです。そして、パソコンの苦手な人が、意味はわからないけれどただ「ENTERキーを押せばいい」とのみ学ぶように、大人の前でどう振る舞えばよいかのみを要領よく学んで適応している子どもたちがたくさんいるというのが、子どもたちの感情の発達において起こっていることといえるかもしれません。

13日 けじめとルールを伝える第1歩

13日の魔法の日めくりメッセージです。

けじめとルールを伝える第1歩 ~靴をそろえようね~

1度しゃがんで靴をそろえるのは、
けじめをつけ、それぞれ物事には
ルールがあることを認識する動作です。
例えば、園で靴をそろえると、園のルールを、
「さあ、今から守るぞ!」と認識できるのです。
友達の家には友達の家のルール、
自分の家には自分の家のルールがあり、
社会には社会のルールがある。

靴をそろえることで、けじめがつき、
ルールを守ろうという意識が向けられますよ。

 2学期5週目を迎えた日曜日です。ご家庭で過ごすことが多いかと思いますが、一人で遊ぶときには、ルールは相手任せ(ゲームならゲームのルールのもとに)になりますが、二人以上の遊びにはルールがあり、スポーツにはスポーツのルールがあります。学校には学校のルールがあります。ルールが守られ、定着している土台の上にリレーション(関係性、つながり)ができます。保護者の皆様が職員を信頼していることも土台になっています。これらに基づいて、学校では「守られていることによる心地よさ」を感じさせるように職員一丸となって取り組んでいます。どうぞ、みんな(家庭、地域、職員)で子どもたちを育んでいきましょう。

算数がわからないことを考える⑧

8 どうしてテスト本番で力が出せないの?

授業の内容を本当に理解できていないためにテストで点数が取れないのであれば、できないことを繰り返し復習していくしかありません。しかし中には「わかっているはずなのに、テストになると点が取れない」という子どももいます。特に多いのが「家でやるときはできるのに、テストになると点が取れない」というケース。このケースは、家庭でお母さんが、つきっきりで勉強を見てあげている子どもに多く見受けられます。確かに口出しはせず、子どもが自力で問題を解いているのかもしれません。しかし、子どもはそばにいるお母さんの反応を見ています。

問題を解いている最中に、お母さんが「あっ!」と声を出したり顔をしかめたりすれば、「あれ?間違ったかな」と思ってやり直す。それを見てお母さんは「よしよし、自分で間違いに気付いたな」と思うかもしれませんが、実はそこで一度チェックが入っているわけです。つまり、完全に自分一人で解いていることにはなりません。親が見ていてくれれば、子どもは確かに心強いでしょう。もちろん、場含によっては功を奏することもありますが、逆に、テストで高得点を取れない原因になってしまうこともあります。子どもを見守っているのか、それとも監視しているのか。そこには大きな違いがあります。

また、勉強時間(机の前に座つている時間)が長い子どもの場合は、解くスピードに問題を抱えている場合があります。スピードを意識しすぎてミスを連発してしまう子ども、また、一つの問題を解くのに時間がかかり過ぎて、途中でタイムアップを余儀なくされてしまう子ども、いずれもテストの高得点には結びつきません。

もちろん「この子のペースでじっくりやれればいい」と見守ってあげるのもいいと思います。しかし、テストの点数次第でモチベーションが上がったり下がったりするタイプの子どもであれば、テストと同じような緊張感の中で、制限時間や分量を決めて取り組ませたほうがいいでしょう。ただ、点数だけにこだわりすぎると、子どもの弱点ばかりに目が行きがちです。もし80点を取ってきたら、まずは「すごいね、頑張つたね」と褒めてあげてください。「〇〇君は何点だったの?」とか、「どこをミスしたの?」といった追及は封印しましょう。

 

算数のテストでうまくいくヒント

学校テストの目的は、順位をつけるためではなく、点数を稼いでほしいからでもなく、授業の内容を理解できているかどうかを子ども自身が知るためです。もちろん高得点を取るために努力することも大事ですが、それよりも「できなかった問題=自分の弱点」と捉え、学習方法を見直すきっかけにすることが大切なのです。

(1)一人の力で問題を解く習慣をつける

お母さんのそばで勉強する場合は、お母さんの立ち位置に注意が必要です。もしかしたらお母さんは、「私は見ているだけで、一切ロは出していません」とおっしゃるかもしれません。たとえロに出さなくても、態度や表情で「〇」か「X」かのサインを出していないでしょうか。自分ではわからないうちに、お子さんにプレッシャーを与えていないでしょうか。子どもが勉強に取り組んでいる時は、静かに見守ってあげましょう。そして、すべてを自力でやり遂げた時に、心おきなく褒めてあげてください。

(2)制限時間を決めて、解く速さを身につける

テストでいい結果を出せないときは、問題を解くときにかかる時間に注目してみましょう。1問解くのに、長時間かかっていないでしょうか?子どもには、それぞれのペースがあるかもしれませんが、実際のテストには、制限時間があります。時間内に解けなければ、たとえ正解できていても「解けなかった」と評価されてしまうのです。じっくりと時間をかけて問題に取り組むタイプの子どもは、おそらく実力はあるはずです。テスト前には制限時間を決めて、速く解く練習をしておくのがいいでしょう。

(3)自宅学習でも採点は厳しく

自分に甘い点数をつけるタイプの子どももいます。「このくらいのミスならミスじゃない」と自分に0Kを出してしまうのです。楽観的な性格で、日常生活ではむしろ好ましいのかもしれませんが、テストで点を取るには、自分に厳しい態度で臨むとよいでしょう。間違いに対し「どこで間違えてしまったのだろうか」と点検し、まずは原因を明らかにすることから始めます。単純な計算ミスなのか、大事なポイントを見逃してしまったのか…。家庭学習でもこうして厳しくチェックしておけば、ほとんどのミスは防ぐことができるものです。

12日 丸ごとドーン!と受けとめる

12日の魔法の日めくりメッセージです。

丸ごとドーン!と受けとめる ~「お帰り」「ただいま」~

子どもは毎日、
新しい出来事の中で精一杯過ごしてきます。
この想いを誰かに受け止めて欲しい!
と、帰ってきます。

しっかりと心を抱きしめてあげるためにも、
目を見て笑顔で迎え入れて下さい。

「お帰り」「ただいま」という言葉で、
嫌なことも、すべてリセットされやすくなり、

次への行動が起こしやすくなりますよ。


 2学期4週目が終わり、週末の土曜日です。丸ごと受け止めてもらえることは、子どもたちにとって安心することになります。秩父神社に「親の心得」があります。「赤子には肌を離すな 幼児には手を離すな 子供には眼を離すな 若者には心離すな」です。小学生には子ども同士の仲間関係を大切にしつつ、必要なときに助けてあげてほしいということです。よく斜めの関係になることで受け止めやすくなります。例えば、祖父母の方々は受け止めやすい存在です。子どもから目を離さずに守ってください。どうぞ宜しくお願いします。

算数がわからないことを考える⑦

7 わからないまま、なぜいつまでも考え続けるの?

「いくら考えても答えが出ない」と苦戦しながらも、難問を前にしてもあきらめない子どもを見ると「この子はこれから伸びていく子だな」と、ちょっと嬉しくなります。投げ出さず、ふてくされず、自分で何とかしようと挑戦し続ける気持ちがあれば、いつか必ずその成果は出てくるものです。ただ年齢にもよりますが、子どもが集中して考え続けるには限界があります。ですから、ずっと考えているうちにフッと気を緩めるときがあります。緊張状態と緩和状態をバランスよく配分しながら机に向かっているならば問題はないのですが、緩めたまま、別のことをずっと考え続けているようならば、いつたん机の前から離れることを促したほうがいいでしょう。

「もっと効率よく勉強しなさい」「集中力が足りないんじゃないの」などと追いつめることだけは避けて、よく話を聞いてあげて本音を聞き出してみてください。今やっている勉強が難しすぎるのかもしれません。悩みを抱えているのかもしれません。

よく、「算数は積み重ねの教科だから、今わかっていないとだめだ」と心配されるお母さんがいますが、それは大きな誤解です。算数は取り返しのつく教科です。中学校に進んで数学を勉強していく中で、いやでもこれまで学習したことのすべてを復習せざるを得ません。ここが、理科や社会科と違うところです。算数は、今やっていることに本気で取り組めば、全部それが復習につながります。どこか一つ取りこぼしたとしても、後で必ず取り返すことができます。

一度くらいつまずいたからといって、「算数は苦手だ」と決めつけないことです。新しい問題に取り組んでいくうちに、自然に理解できるようになるものです。そのときに理解できなくても、しばらく経ってから、「ああ、あのときわからなかったのは、こういうことだったのか」と気づくことが多いのです。しかも、算数にはいろいろな解き方があります。よく「算数の答えは一つだ」と言います。確かに答えは一つかもしれませんが、答えを導き出す方法はたくさん用意されているのです。例えば、植木算がわからなくても、鶴亀算でつまずいても、「方程式を使えばできちゃった」という子どももいます。それをきっかけに算数が苦手科目から得意科目になるケースもあります。心配しすぎないでください。

 

「わからない」を助けるヒント

わからないなりに頑張ろうとしている子どもに対し、厳しい言葉を投げかけるのは逆効果です。大人の意見を一方的に説いても、「こうしなさい」と命令しても、子どもの耳には届きません。頑張る姿勢を評価した上で、何につまずいているのか、手助けできることはないのかと、穏やかに本音を聞き出してあげましょう。

(1)現時点のレベルに合った問題を解く

親御さんの立場からすれば、自分の子どもが「学校の勉強についていけていない」と認めるのは辛いことかもしれません。しかし当の子どもは、もっと辛い思いをしています。その心情をわかってあげて、一緒に解決していく方法を話し合いましょう。まずは、つまずかずに問題が解ける時点に遡ってスタートします。簡単な問題でも、「できた!」という満足感を味わうことが自信につながるのです。そして、そこから、「もっと頑張ろう」という意欲が出ます。多くの成功体験を積み重ねていけるよう、長い目で導いてください。

(2)体を動かす時間を作る

長時間机の前に座り続けていると血行が悪くなり、次第に頭も働かなくなります。机を離れ、体を動かすように勧めてあげましょう。軽いストレッチ運動や、ゆっくりと外を歩くのも効果的です。お母さんも家事の合間に、子どもと一緒にウォーキングに挑戦してみるのもお勧めです。歩きながら楽しい時間が過ごせます。凝り固まった体をほぐして気持ちを一新した後は、頭もスッキリしているはず。「さぁ、もうひと頑張りね」と励ますことも忘れずに。

(3)途中経過をしっかり書く

 一つの答えを導き出すために、頭の中で考えを巡らせてもなかなか解決の糸口が見つかりません。答えを導き出せないということは、方法が間違っているか、または何かが足りないわけですから、 見方を変えてみるのも一つの方法です。また、頭の中だけで答えを出そうとせず、とにかく何でも書き出してみる習慣をつけさせましょう。書き出すことで頭の整理がついてくることもありますし、何がわかって何がわからないのか、はっきり目で確認できるので、対策も立てやすくなります。

11日 聴くことは宝箱

11日の魔法の日めくりメッセージです。

聴くことは宝箱 ~お話は最後まで・・・~

相手の話が終わるまでしっかり聴くことで、
自分より相手を優先することが出来、
注意深く聴き取る力、集中力が身に付き、
よく知ることが出来ます。
習慣化すると、人をまとめる力、
リーダーシップ力にもつながります。

まず、お母さんが子どもの話に
「あいづち」をうちながら、最後まで聴くことで、
子どもに満足感が得られ、
自然に最後まで話を聴ける子に育ちますよ。

 2学期4週目の金曜日です。話を聴くことには様々なよさがあります。話を普段聴くことができない場合、一緒にお風呂に入ることで可能になります。また、絵本などを読み聞かせすることも効果的です。聴くときにはうなずいたり、相づちを打ったりすると、聴いてもらっているという気持ちが高まります。出来事や事実を聴きながら、流れている気持ちや思いを併せて聴いてください。「◯◯だったので、・・・と言う気持ち(感じ)なんだね」と、フィードバックするとより有効になります。金曜日の夕方から日曜日と時間がありますので、子どもたちの話に耳を傾けていただけると幸いです。

算数がわからないことを考える⑥

6 文章題が苦手なのはなぜ?

算数の文章題を解くにあたって大事なことは、頭の中で絵が描けるか、イメージできるかということです。文章題の苦手な子どもは、後で「どんな問題だったのか説明してみて」と促しても語り直せません。自分の言葉で説明できないのです。文章を読んでそのストーリーを描ける子どもは、文章題を苦にしません。例えば「Aちゃんがお買い物に行き、リンゴを3個買って帰りました。お家にはリンゴが2個ありました。リンゴは全部でいくつでしょう」という文章題があるとします。問題文から、お買い物をしている状況を想像し、赤いリンゴを思い浮かべ、そして最後はどうなったかなとイメージできれば、「これは足し算だな」とわかるのです。

学年が進んで分数や複雑な割合が出てきても、その情景をイメージ化できて、それぞれの関係を結び付けることのできる子どもは、心配ありません。算数というのは、余計な情報をどんどん切っていくものなのです。ミカンであろうがリンゴであろうが、最後は数字だけが残るわけですから。膨大な量の中から、抽象的なものを残して他を切り落としていくというのが、算数の本筋です。しかしこの作業を行なうには、たくさんの問題に出合い、訓練し続けることが必要です。

低学年の場合、この算数の本筋の逆をやらせることもあります。例えば、「2+3」という式を使って、できるだけ長い文章題を作らせます。「リンゴ2個とミカン3個、合わせていくつ?」という問題文ができたら、次に「どうしてミカンとリンゴ が一緒にあるのかな?」、「お友だちが家に来るから果物をたくさん用意することになったの」というように話を膨らませていきます。この操作ができるようになると、これとは逆の、『切り落としていく作業』もラクにできるようになるのです。

上級生になると、問題を一問解くために、いくつもの情報を使わなければならないケースも出てきます。時間の問題、割合の問題、図形の問題が組み合わさっている1問があるとすれば、どれか一つでもわからなければ答えを出すことができません。と同時に、不要な情報は切り捨てるという決断力も必要になってきます。

要は、頭の中のどの引き出しを開ければこの問題を解くために有効な情報が入っているのか、答えを導き出すのに何が必要で何が不必要なのか、を判断して制限時間内に答えを出す。それができて、初めて点数に結び付くのです。

 

文章題に強くなるヒント

計算題を解くのは得意なのに文章題になると途端に筆が止まってしまうのは、とてももったいないことです。知識や技術は、応用できなければ宝の持ち腐れになってしまいかねません。今後、計算能力を生かせばどんなことができるのかなど、家庭で将来の夢を語らせてみると、苦手意識を克服するきっかけになることもあります。

(1)文章の情景をイメージする

文章題を解くには、文章の情景をイメージできるかがカギになります。まずは、問題を音読させてみてください。スムーズに読めなければ、問題の意味を理解していないことが考えられます。突っかからずに読めたら、どういう内容だったか聞いてみましょう。うまく説明できなければ、「誰が、何を、いくつ、どこに」といった具合に尋ねます。また、絵や図を使って要点を整理していくのもいいでしょう。頭の中で考えるだけでは解けない問題も、実際に読んだり書いたりすることでヒントが見えてくるものです。

(2)まずキーワードや数を抜き書きする

文章題を読んでも問題文の意図がわからないときは、文中のキーワードや数をノートに抜き書きしてみます。書き出したポイントを結びつけたり、丸で囲ったりすることで、それぞれの関係性が明確になってきます。そのような作業に時間をかけるわけにはいかないテストに備え、問題文の中で重要だと思う部分に下線を引くという方法を試すといいでしょう。ご家庭での学習で卜レーニングしておけば、こちらの方法でも対処できます。

(3)問題をランダムに出して復習する

問題集をただ順番通りに解いていくのではなく、問題を一つひとつ切り取って、ランダムにノートに貼っていきます。次にどんな問題が出てくるかわからない、まさに本番のテスト問題のような教材ができあがります。このようなオリジナルの問題集を作って、本番に備えたトレーニングを繰り返しましょう。必要に応じて素早く問題を解くためのスキルを引き出せるような準備をしておけば、「どんな問題が出ても大丈夫」と自信を持ってテストの日を迎えられるようになります。

10日 自己責任力

10日の魔法の日めくりメッセージです。

自己責任力 ~脱いだ服、片付けられるかな?~

脱いだ服は、ついつい、親が片付けてしまいますが、
ここではぐっと堪えて自分で片付けられるように
導きましょう。

自分の行動に最後まで責任を持つ。

伝えたい大切な「自己責任能力」を
毎日の繰り返しの中で身に付けさせてあげましょう。


 今日は木曜日です。自分のことは自分でできるように見守って、声をかけたり教えたりして励ましていきましょう。コーチングの考えが必要になります。その場その場での成長を促すかかわりが大切です。目をかけ、手をかけ、声をかけるなど宜しくお願いします。
 ペップトークをご存じですか。試合
前に、指導者が選手に対してポジティブな言葉を投げかけるというもの。たとえば、試合を控えた選手に対して「絶対勝て!」などとプレッシャーをかけるのではなく、「練習どおりにやれば大丈夫だよ」と前向きな言葉を投げかけます。あるいは、ミスをした選手を叱るのはなく、「次はうまくいくはずだ」と励ますといった手法です。多民族国家であるアメリカのチームスポーツが特に強いのは、コーチが選手たちにペップトークを使うことで士気を高めているからだと言われてます。ポジティブな言葉は、チーム全体に一体感をもたらす効果があるのです。

算数がわからないことを考える⑤

5 計算ミスを防ぐ方法ってあるの?

ミスをするには、いろいろな要素があります。学んだことが身についていない、テスト中の緊張感で焦ってしまう、体調不良に端を発したケースもあるでしょう。ところが、わからないからではなく、できすぎるからミスをするケースもあります。例えば、「3+2」を「6」と間違ってしまうのは、上級生になってからのことです。頭の中で「3X2」という式がよぎってしまい、それを答えだと勘違いすることがあります。かけ算を習う前や、あるいはかけ算嫌いの子であれば、こういうミスは出ませんね。

子どもの頭の中では、いくつもの数式、いくつもの組み合わせが混在しています。その中から選択するときに、うっかりミスしてしまう可能性もあります。ある程度の知識や思い込みがあるから犯してしまうミスもあるのです。

計算ミスは、誰もがしてしまうものですから、いつまでも引きずらないことも大事です。10問のうち5問を間違えたなら勉強不足ですから、反省しなければなりません。しかし、10問中1問を間違えたからといって問題視することはありません。人間ですからミスもして当然です。「次は、こういうミスをしないようにしよう」と振り返ることのほうが、よほど大事なことです。

ミスは、「しない」ことを目標にするのではなく、「発見すること」を目指しましょう。つまり、チェックする機能をどれだけ持っているか、が重要なのです。例えば「20円の鉛筆を15本買いました。代金はいくら払いましたか?」という問題が出たとして、うっかり「30円」と答えを書いてしまったとします。見た目には「ゼロをひとつ忘れた」という単純ミスに見えるかもしれません。でも、実際に20円の鉛筆を15本も買ったとしたら、「30円しか払わないのはおかしいな」と思うはず。思わないことこそが、問題です。チェック機能が働いていれば、テスト中にミスを発見することもできます。検算をすることも大切です。検算すれば、ある程度のミスは防ぐことはできます。しかし実は、ざっと見直したときに「あれ?」「なんかおかしいな」と思えれば、時間の短縮にもつながります。

ミスは必ず起こるという前提でいいのです。「起こるものだから、ていねいに確かめをする」という考え方にシフトするといいです。

 

計算ミスを減らすためのヒント

テストを受けるときは、程度の差はあれ、どの子どもも緊張しています。緊張のあまりミスをしてしまう子どもも少なくありません。家庭でじっくり時間をかけて考えることも大事ですが、時には本番さながらの条件のもとで、問題に取り組んでみることもお勧めします。予行演習を滞りなく行なえば、落ち着いて本番を迎えられます。

(1)答えを出すまでのプロセスを見る

 計算をするときには筆算は必ず書いて、消さずに残しておくこと。どこでミスをしたのか、プロセスに沿って見直すことができるからです。中でも位取りを間違えてしまうと、せっかく理解しているのに点数に結びつかないという、悲しい思いを繰り返すことになります。ですから、普段からマス目のノートではなく、白紙のノー卜を使うようにします。マス目に頼ると、テストのときにうっかりズレていても気づかなくなってしまうからです。白紙に書く習慣をつけておくと、自分で意識して位取りに注意を払うようになります。

(2)自分で答え合わせをする

テストが返却されたら得点だけをチェックするのではなく、ミスしたところを必ず見直します。見直しは、なぜミスをしたのか、どこでミスをしてしまったのか、そして、ミスをしやすいのはどのような問題なのかを、把握するために行なうものです。自宅で勉強するときも、答え合わせは自分で行なうこと。そして、ミスをしてしまった問題を集めて、再チャレンジしてみましょう。こうして自分の弱点を見つけ、その弱点を一つずつ潰していくようにすれば、次のテストには自信をもって臨めます。

(3)時間を決めて簡単な問題から解く

学校では、計算ミスを防ぐためのトレーニングとして、100問の問題を解かせることがあります。易しい問題から難問までとりまぜて、どの問題から解いてもいいとします。制限時間は決めますが、時間内ですべて解くことは不可能です。ただしどの問題も配点はすべて同じ。簡単な問題から解いて いったほうが当然有利ですから、100問をざっと見渡して、簡単な問題を見つけ出して解き始めます。

これは、テスト中にミスを見つけるための、とてもいいトレーニ ングになります。家庭でも挑戦してみてください。

9日 家族の輪は会話から!

9日の魔法の日めくりメッセージです。

家族の輪は会話から! ~楽しくみんなでごはんを食べよう!~

「お喋りしながら楽しく食べる。」
毎日必ずとる食事の時間は、
家族の大切なコミュニケーションの場で、
会話のキャッチボールが出来る場、唯一の家族共通の場です。

会話で心が通い合うと、
何でも話し合える仲になり家族関係が上手くいきます。

テレビを見ながら食事を摂ると集中力がなくなり、

味覚も分からず無関心な子になりますよ。


 2学期4週目の水曜日、週の折り返しです。新型コロナによるストレスに上手に付き合いながら、新しい生活様式が求められています。一緒に食事をすることには、大きな意味があります。衣食住の「食」を司っており、その場での楽しい会話によって「つながり」や「絆」が深まっていきます。朝食や夕食のいずれか一つは、一緒に楽しい場になるようにしていきましょう。大人の世界でも今ではない懇親会があったり、ランチをしたりする(今はできにくい状況ですが)ことは、同じものを一緒に食べて会話することで輪や和が広がったり深まったりします。同じことですね。残念なことですが、給食では会話しないでの食事になっていましたが、ご家庭では会話をしながらの楽しい食事をすすめてください。

算数がわからないことを考える④

4 図形を理解するコツってあるの?

幾何の分野でつまずいている場合、考えられる原因は2つあります。1つは、図形そのものに苦手意識を持っている場合。図形のカタチをうまく描けなかったり、角度の意味を理解していなかったりするケースです。図形のカタチがとれないのは、小さい頃から自分の手で図形を描く機会が少なかったからだと考えられます。

図形の認識を持たせるためには、まずはフリーハンドで描かせます。例えば五角形を描こうと思ったら、ある程度五角形のイメージを持っていなければできません。頭の中でイメージを描き、そのイメージを自分の手で紙に描く練習をさせましょう。もちろん子どもが小さいうちに、一緒に描いてあげるのがいちばんですが、いつから始めても遅いということはありません。家の中にあるものでもいいし、車好きの子どもなら、丸や四角や三角を使って遊びながら描いていくと、いつの間にか図形を描きこなしていけるようになるものです。

そしてもう1つは、技巧的な問題です。コンパスや定規、分度器といった器具の扱い方に慣れていないというケースです。また、線がまっすぐ引けない、途中から二重線になってしまうようなケースでは、指がうまく動かない、力の入れ方がわからないという問題を抱えていることがあります。普段から使わなければきれいな線が書けませんから、器具を使うことを習慣づけてあげるといいでしよう。そのためには、定規もコンパスも、子どもの使いやすいものを使わせてあげましよう。楽しみながら練習すれば、必ずうまくなります。

例えばコンパスならば、きれいな円を描く練習をするのではなく、円を使った模様をデザインしたり、できあがった模様に色付けしたりするといいでしよう。学校でも、コンパスを使ったデザインコンテストを開催すると、子どもたちは本当にイキイキと楽しそうに取り組みます。コンパスや定規を使って好きなキャラクターを描くのも楽しそうです。危険のない範囲で好きなだけ遊ばせてあげると、器具の使い方は格段に上手になります。

図形を描く技能を磨くならば、お手本になるものを用意して、忠実に描き写すという方法もあります。正しいカタチを観察することで、技術的なレベルアップにつながります。

 

図形に興昧を持たせるためのヒント

図形の苦手な子どもは、描く楽しさを知りません。ですから「正しい描き方はこうだ!」などと強制すると、ますます敬遠してしまうでしょう。コンパスや定規などの使い方が多少間違っていたとしても、あえてロをはさまず、いつでも遊べる遊具として手の届く場所に置き、自由に使えるようにしておくのが、図形に興味を持たせるための近道です。

 

(1)描きたいものをフリーハンドで描く

描きたいものが考ったら、それをまずイメージします。建物でも家具でも、いつも見ているアニメのキャラクターでも構いません。まずはなるべく「〇・□・△」で描き表せるような、簡単なものを頼りにして、遊び感覚で好きなようにフリーハンドで描かせてください。もし描いた絵が気に入らなくて自分で修正するようになれば、図形を描く第一段階はクリアしたと思っていいでしょう。

(2)器具を勉強道具として使わない

器具の中でも、コンパスはいちばん扱いにくいものです。種類もたくさんありますから、まずは使いやすいものを自分で選ぶことが大事です。学校では、コンパス学習が始まるときは、事前にコンパスを用意させて、休み時間に自由に使うようにすることで、子どもたちはコンパスを勉強道具だと認識しません。ですから、実際にコンパス学習が始まる頃には、自在に使いこなせるようになっています。家庭でも、楽しみながら使う時間を設けてみましょう。持つところをビニールテープで巻いて太くすることも有効です。

(3)図形のクイズを作成する

図形を使ったクイズやゲームで楽しむことをお勧めします。図形は単純に見えますが、ちょっとした工夫次第で幾通りもの表現が可能です。例えば、紙の上に線をランダムに交差させて、その中から三角形や四角形を何個見つけることができるかを競ったり、目視で角度を推測して最も近い答えを出したりと順に順位をつけるゲームはいかがでしょう。まずは親御さんが作り、慣れてきたら子どもにも製作を依頼してみましょう。ビックリするようなアイディアを見せてくれますよ。

8日 自分は大切な存在!

8日の魔法の日めくりメッセージです。

自分は大切な存在! ~手洗いうがいは大切だよ~

手洗い・うがいを通して、
自分の体を大切にする習慣を身に付けましょう。
手を洗うとは、表裏、爪の間まで気を付けること。
うがいは、喉の奥の見えない汚れを取ること。
見えていることだけにとらわれないで、
自分を大切にしましょう。

すぐに結果が見えないことでも習慣化することで、
自分というものは、外見だけでなく、
”中身も大切なんだ”と分かります。

自分を大切に出来ているようになると、
他の人・ものも大切にする事が出来るようになりますよ。


 2学期4週目の火曜日です。新型コロナウイルス感染予防のための新しい生活様式の中心は、こまめな石けんを使った手洗いやマスクをつけた生活です。また、毎朝の検温を行っていただいています。自分を守ることは、みんなを守ることです。自分のことを守るためには、まず自分自身が意識や自覚をもとにした行動になります。行動化につながるためには、子どもに理由を伝えていくことが大切になります。引き続き、宜しくお願いします。

算数がわからないことを考える③

3 どうすれば『割合』『比率』を理解できるの?

『割合』『比率』の学習は、子どもにとっては大きな壁です。分数や小数の知識が身についていないとなかなか理解できないし、たとえ分数や小数が得意でも、割合や比率に関連づけたりする知恵がないと、「わからない」で終わってしまう可能性もあります。ものの見方には、加法的な見方と、乗法的な見方がありますが、子どもたちは通常、ものの大きさや量を比べるときには「差」を見ています。ですから早いうちから、意図的に「比」で考えられるようにするといいですね。

お姉ちゃんは折り紙を10枚、本人は5枚持っていたとき、「お姉ちゃんのほうが5枚多いね」というより、「お姉ちゃんは、あなたの2倍持っているわね」とか、おやつにクッキーが8枚あって4枚食べてしまったときは、「4枚食べた」ではなく「もとの数の半分になっちゃったね」といった具合です。「何を基準にしているのか」をはっきりさせておく習慣をつけておくといいでしょう。

一緒に買い物に出かけていけば、「果汁30%のジユース」とか「本日全店3割引」といった表示を目にする機会があります。「今日は安くなっている」と言って、さっさと買い物を済ませてしまうのではなく、「なになに?定価が5000円で3割引。てことは、このシャツ3500円ってことね。すごい。1500円も得したね」といった投げかけをしてあげるといいでしょう。このように、割合について馴染むような会話をしていると、実際に授業で習うときに理解するのがラクです。『割合』『比率』という言葉は知らなくても、意味は理解できているからです。

説明しよう、教えてあげようと構えることはありません。例えばテレビを見ていて「あら、消費税が8%から10%になったね。いやだ、大変だわ」といった話題をちょっと取り上げるだけで充分です。子どもが「何が大変なの?」と聞いてきたらしめたもの。「だって100円のノートが、今は108円で買えるけど、10%になったら110円払うのよ」と。「たいしたことないじゃん」と言うなら、「じゃあ、1億の家を買うとして、今なら消費税800万円だけど、10%になったら1000万円よ」という会話でもいいと思います。

 

『割合』『比率』を使いこなすヒント

家事をはじめとして、私たちは日常の中で『割合』『比率』の考え方を使っています。料理の味付け、洗濯時の洗剤や水の量の調整、買い物や掃除、一日の時間配分をするときなど、振り返ってみるとけっこう思い当たります。子どもにもこういった貴重な体験を積ませて、知識を日常の中で生かすことを学んでほしいと思います。

(1)意図的に『割合』や『比率』を使う体験をさせる

例えば、料理のレシピはたいてい4人分で書かれていますが、「このレシピを使って3人分の料理を作るときはどうすればいい?」と、実際に挑戦させてみます。表示されているそれぞれの材料を4つに分けた分量を3倍することになりますが、その比率は変わりません。野菜も、肉も、すべてその割合になるのです。そしてできあがる量も同じ割合です。基になるのは何かを理解した上で、考え方が混乱しないように整理させてみてください。このような経験によって、『割合』や『比率』について正しい見方が身につくようになります。

(2)会話の中に、割合の表現を意識的に挟み込む

新聞やテレビでも、割合や比率はよく登場します。お父さんと一緒に野球中継を観れば、打率や盗塁率、防御率など、比率に関する数字が出てきます。何を基にして、どのような計算で算出しているのかを教えてあげてください。ほかにも、ニュース番組を聞いていると、降水確率〇%、失業率〇%、消費税率〇%とあちこちに貴重な教材が豊富に揃っていることに気づきます。

(3)割合は、実際の大きさや量を意識させる

脳全体を100%として、例えば、お父さんの脳内は、仕事40%、趣味20%、家族20%、お酒10%、スイーツ10%というように、割合を円グラフにするという遊びがあります。『割合』や『比率』がひと目でわかる円グラフは、視覚的に子どもの興味を引くのでぜひやってみてください。このように、子どもから大人まで家族みんなで楽しめるような遊びを通して、割合への理解を深めていくことも、ご家庭においてはとても効果的な取り組みだと思います。さっそく家族みんなの脳内円グラフを作ってみましょう。

7日 無償の愛を満タンに!

7日の魔法の日めくりメッセージです。

無償の愛を満タンに! ~ぎゅ~っと抱きしめ合おうね♡~

無条件に抱きしめましょう。
心を抱きしめることで、
きっと、強がりや意地っ張りな心がほぐれ、
素直な心が戻ってきますよ!
”下の子が生まれた!”
”喧嘩した!”
”叱った!”
そんな時には特に、しっかり抱きしめて愛を伝え、
安心させあげましょう。

今日は7日目、子どもをしっかり抱きしめましょう♡

 2学期4週目、月曜日です。子どもは学校への足が、大人は仕事への足が重い日です。子どもの心のエネルギーが空になると、やる気や意欲はでません。もちろん大人も同じです。心のネルギーを貯める器が子どもによって大きかったり、小さかったりします。器が大きくなった子はときどきで大丈夫ですが、まだ小さい子には沢山のエネルギーを貯め続けることができるようにお願いします。一緒に楽しく食事をする、一緒にお風呂に入る、女の子なら髪の毛をとかす、楽しくコミュニケーションするなど、一緒に何かをすることでエネルギーが満ちてきます。そのときに、頑張って顔晴っていることを伝えていきましょう。

算数がわからないことを考える②

2 小数や分数でつまずいたときは?

12 345…」という自然数は、子どもたちにとっても、文字通り自然に感じられる数です。日常的にも関わりの深い数字なので、理解するのも難しくありません。たとえ数値が変わっても、同じ質の数が変化するだけですから、頭の中でイメージできるのです。ところが、小数や分数は、数の構成自体がまるで異質ですから、簡単には理解できません。初めて目にしたときに戸惑う子どもも少なくありません。

また、分数が難しいのは、複数の意味や捉え方があるからです。例えば「3分の2」というのは、「1を3つに分けたうちの2つ分」であり、「3分の13分の1を足した数」であり、「23分の1をかけた数」でもあるわけです。

分数でつまずくと、人によっては成人になるまで引きずってしまうこともあります。たとえ分数が理解できないままでも、日常生活ではあまり不自由を感じない、また分数を理解していないからといって恥をかく場面があまりないために、なかなか『分数音痴』は露見しないのです。ですから、授業で出てきた時点でしっかりと理解しておかないと、本当の苦手意識を持ってしまうことになりかねません。小数も同様です。しかし小数も分数も、本当の意味や構造的なことはわかっていなくても、日常のいろいろな場面で、なんとなく耳にはしているのです。

例えば、体温を測って「36. 5度ね」と言われたとき、「その、テン5ってなぁに」と疑問を持ち、その疑問に対して、大人が答えてくれた経験を持つ子どももいるはずです。もしそのときには理解できなかったとしても、学校で小数を習つたとき、「あぁ、あのことだ」と、頭の中で結びつくわけです。

 よく「1年生は何も知らない、何もない状態だから何でも1から教えなくてはならない」と思っておられる人もいますが、実はそれは誤りです。1年生の学習をするのにふさわしい下地はみんな持っています。その中でも、今までにいろいろなことを見て聞いて、たくさんの体験をしている子どもほど、算数を理解するのは早いです。

「そういうことだったんだ」と気づくことが、学校での学びなのです。日常生活の中での具体的なことが、学校で勉強することによって抽象化し、結びついていく、それは、子どもにとつては大きな喜びです。そしてそれが、次の学びへの原動力になるのです。

 

小数と分数を理解するヒント

小数や分数は、本当に理解できるまでには時間がかかるもの。たとえ意味はわからなくても、ルールに従って正しく計算し、短時間で答えを出せる子もいます。ただし、そのときに数式は解けたとしても、文章題や応用問題でつまずいてしまうこともあります。子どもには、具体的なことと結びつけて理解できるように促してあげましょう。

(1)実際に分数の操作を経験させる

分数の本質は実際に目で確かめることが可能なので、ご家庭でのお手伝いなどを通して、分数を意識するような体験をさせてあげるといいでしよう。「牛乳をコップの3分の1まで入れておいてね」 「今日は大根を使った料理を作るから、この大根を5等分してくれる?」など。もし迷っているようならば手を貸してあげて、子ども自身が「これが3分の1なんだ」「5等分って、5分の1ずつに分けることなんだ」と納得できることが大事です。実体験に勝る教材はありませんから、キッチンでどんどんトライさせてください。

(2)基になるものを明確にする

 分数も小数も、「基になるものがあり、それを『1』とする」という基本があって成り立つことを理解させます。この点を曖昧にしたままだと、混乱するばかりです。「牛乳が半分しか残っていないね」の牛乳の量を『1』としていると意識させます。「青い色鉛筆の長さは、黄色の色鉛筆の3分の1くらいだね」というときには、黄色の色鉛筆を『1』とするという見 方ができるようにします。小数も同様のやり方をすることで、理解させるようにしましょう。

(3)小数は、実際の大きさや量を意識させる

小数を実体験させるには、例えば靴を買いに出かけて試着したときがチャンスです。「20cmだと小さいし、21cmだとちょっと大きいね。20.5cmの靴にしようね」といったときに、0.5cm5であることを教えてあげてください。 子どもなら、おそらく難なく理解できるでしょう。また、体重計に乗って「21.7 kgだった」というときには、「あと0.3kg増えれば、22 kgになるね」と、毎日の暮らしの中で小数を意識させるようなやり取りをしてみてください。

算数がわからないことを考える①

 今週は算数でつまずかないようにするための留意することを考えていきます。
1 かけ算でつまずくのはなぜ?

算数を勉強していくにあたっては、幾度とない関門が待ち構えています。第一の関門は『繰り上がり』です。今までは10本の指で数えることができたのに、それができなくなることの衝撃はとても大きいのです。自分のまわりでは10という数を超えるものを目にする機会があまりありません。手や足は2本、家族は4人、おやつの飴は5個といった具合です。ですから見慣れない数字に戸惑ってしまいます。大人は「12」と言われると、「102」と理解できますが、習いたての子どもは、「10」の次は「11」という数、「11」の次が「12」という捉え方をします。わかりやすく図解しながら理解を深めていくといいでしょう。

そして第二の関門が『かけ算』です。子どもたちの生活の中では、数を加法的に捉えることがほとんどです。例えば、「イチゴをもう1つちょうだい(+1)」、あるいは「お姉ちゃんのお小遣いは、僕より100円多い(+100)」のように、数は増えていくもの、時には減っていくものなのです。あるとき突然現れる『かけ算』は、記号のカタチは似ているのに、同じやり方で計算すると答えが間違ってしまう。「よくわからない」から「わかるようになりたい」と思えれば成功なのですが、「よくわからない」はやがて「つまらない」、そして「算数なんて嫌い」とつながっていくこともあります。

また、『かけ算』のなんたるかを理解していないうちに『九九』を暗記させられることが、子どもたちの負担になっている場合もあるでしょう。実際に「こんなにたくさん覚えきれない」と、初めから投げ出してしまう子どももいます。なかなか覚えないからといって、急がせたり、責めたりするのはタブー。『かけ算』を「苦手なもの」「嫌いなもの」にさせないようにしましょう。

25回足していくよりも『2×5』を覚えれば、あっという間に答えが出る」というように、かけ算を使えば便利になることを話してあげるといいですね。また、『九九』の練習を勉強としてではなく、リズム遊びとして楽しんだり、2の段を言い終わるまでのスピードを計ったりと、遊びとして親子一緒に楽しむのも、『九九』に興味を持つきっかけになるでしょう

 

かけ算を覚えるためのヒント

「やらされている」と感じるとき、人はモチベーションが下がります。それは子どもでも大人でも同じです。家庭では、学校のようにきちんと椅子に座って勉強の態勢を作るのではなく、ある程度の準備をしてあげるだけで充分です。子どもが自分から「やってみたい」という気持ちにさせるのがコツです。

(1)日常生活の中で、かけ算にできそうなものを見つける

日常生活の中では、かけ算を使うチャンスがたくさんあります。例えば、休日に家族4人で公園に出かけるとします。お母さんはみんなのおにぎりを作ります。こんなときは「13個ずつね。お母さんはいくつ作ればいいと思う? 「1,2,3…」と数え始めても、それをさえぎらずに最後まで数えさせます。「わかった!12個だよ」と答えたら、「正解!」と褒めてあげて、それから「もっと簡単に数えられる方法があるんだよ」と、かけ算の便利さを教えてあげましよう。

(2)数の多いものは「2とび、5とび、10とび」で数える

数の多いものを数えるときには、2個ずつ、あるいは5個ずつ分けながら数えていく方法があります。これを、目の前でやってみせると、興味字持つようになります。貯金箱に集まった10円玉をテーブルの上に広げて、「全部でいくらになるか数えてみようか」と誘い、5個ずつ分けてきます。「5個の塊が7つできたから、全部で350円だね」と言ったとき、「どうしてすぐにわかったの?」と聞いてくればしめたもの。「これがかけ算の魔法だよ」と、ちょっと自慢してみてください。

(3)九九バージョンのカードゲー厶で遊ぶ

手作りの九九カードを一緒に作って、遊びながら覚えていく方法もあります。かけ算の式と答えを、表と裏に書いたカードを作ります。まず、式が書かれた側を上に向けてすべてのカードを広げます。読み役の人が答えを言い、その数が答えになる式のカードを取る。これが『かけ算カルタ』です。同じようにカードを広げ、裏に書いてある答えが同じになるものを取っていく『かけ算神経衰弱』という遊びもあります。取った数を家族で競うことで、自然に『九九』が身につく遊びです。

6日 役立つ事の「喜び」を知ること

6日の魔法の日めくりメッセージです。

役立つ事の「喜び」を知ること ~お手伝い出来るかな?~

どんな小さなお手伝いでも、
沢山の「有難う」のシャワーを浴びせて、
褒めて認めてあげましょう!

人のために行動することに喜びを実感すると、
将来、社会に貢献でき、
思いやりや責任感が育まれ、
志の持てる子になりますよ。


 2学期4週目の日曜日です。PTA奉仕作業ありがとうございます。奉仕作業に協力する子どもたちもいるのではないかと楽しみにしています。誰かのために役立つことができるようになるためには、褒められた、認められたということを実感したり、自覚したりすることが必要になります。「だれかのために、みんなのために」行ったことが承認される経験が多いお子さんに育ててることが大切だと「エミール(ルソー)」でも述べられています。「自分のために生き、みんなのために生きる」そんな子どもたちを育んでいきましょう。

国語がよくわかっていないことを考える⑧

8 なぜ国語のテストで点数がとれないの?

学校で行なわれる国語のテストは、学んできたことを確認するためですから、特別難しい問題が出題されるわけではありません。そのテストで点がとれない原因として考えられるのは、まず「漢字や言葉が理解できていない、覚えていない」こと。小学校で習う漢字は1006字と、とても数が多いので、新出漢字は出てきたときにしか教えられません。前に習った漢字を復習する時間がないのです。しかし漢字や言葉は、「習って、知って、使って」を繰り返さなければ、身につけることができません。普段から、目につくものや動作を、「これは漢字になるのかな」「なるとしたらどんな漢字を使うんだろう」と考えるような習慣をつけてあげましょう。続けていくうちに、「調べるにはどの辞書を使えばいいんだろう」という疑問が出てきて、国語辞典をよく使うようになります。ある子どもが、「先生、漢字を調べるのは漢字辞典だと思っていたけど、知りたい漢字を探すのは国語辞典なんだね」と、嬉しそうに報告してきてくれたこともあります。

点がとれない原因の二つ目は、「学習したことが定着していない」こと。学習内容をどこまで理解できているかを確認するには、音読や視写を繰り返して、文章自体に馴染むことが大事です。音読についてはお話ししましたが、『視写』というのは「視て、書き写す」ことです。自分で「ここは大事だ」と思った文章や、気に入った文、気になる文をノートに書き出します。目で字を追うよりも、自分の手を使うほうが、内容はしっかりと定着します。

また『視写』には、書く速度を身につけるという利点もあります。字を書くスピードが遅くて、黒板に書かれたことを先生と同じ速度で書き写すことができないまま、どんどん遅れていく子どももいます。こういうことが何度も続くと、ノー卜をとることが苦痛になったり、無気力になったりすることさえあります。ある程度のスピードで文章が書けるというスキルが身につけば、国語以外の教科でも生きてきます。

三つ目の原因は、「何が問われているのか理解できない」こと。テストの問題には、当然答えが用意されています。質問文を理解できなければ答えを導き出すことができません。対策として、身のまわりのものや出来寧などに疑問を持ったときに、人に頼らず、自分で答えを見つけ出そうと行動を起こさせるようにするといいでしょう。

 

理解度を上げるヒント

テストの点数に一喜一憂することはないのですが、子どもの理解度を知る上で、点数は参考にしていただいてよいと思います。しかし点数に対する評価だけで終わるのではなく、家庭では、子どもとしっかり向き合って、なぜこんな間違いをしてしまったのか、基本的なことが理解できているかどうかを話し合ってみてください。

(1)漢字や語句は文章で覚える

 教科書の文章を全部ひらがなにして、「漢字に直せるところを直しなさい」という問題を出すことがあります。これは、習った漢字を使う機会を増やすために行います。習っていなくても、知っている漢字は書いてもいいということにしています。ひらがなだけの文章を漢字に直すには、文脈が読み取れていないとできません。このようなやり方をすると、漢字だけでなく、読み取る力も同時につけられます。ご家庭でも、手作りの問題を作り、子どもに挑戦させてみてはどうでしょうか。家族で一緒にすると、楽しみながらできます。

(2)自問自答の習慣をつける

 授業の内容は理解しているし、ノートもキチンと取っているから、授業がつまらないわけでもないらしい。にもかかわらずテストでは答えに空欄が多いという場合は、問題文の意味を理解していない場合があります。こういうケースは、日常生活で恵まれた環境、例えば困っていたらすぐに手助けしてもらえる、わからないことは質問する前に答えが用意されているという状況下にいる子どもによく見られます。普段から自問自答する習慣をつけて、わからないところは悩み、自分でまず行動を起こさせるようにすることが大切です。

(3)ノートを見ながら教科書を読む

 学校のテストは、「学校で学んだことだけが出題される」、これが基本です。ですから、まずは毎日ノートを開くことを促してください。これだけでもその日学習したことを思い出しますから、立派な復習になります。テスト前にも、ノートを大いに活用させてください。テスト問題には、授業で繰り返しふれたところや、特に力を入れた箇所が出題されます。教科書を読むだけではなかなか集中できないときも、ノートと照らし合わせながら進めていくことで、出題されそうな問題を、ある程度予測できるようになります。

国語がよくわかっていないことを考える⑦

7 何が主語で、どれが述語?

日常で使う会話のほとんどは、主語と述語が明確になっていません。省略することで、親しみやすさを表したり、会話をテンポよく進められたりするという利点があるからでしょう。日本語というのは、シチュエーションの中で成り立つ言語なのです。例えば、「妹は男です」という一文。誰が見てもおかしいと思います。ところが、ある状況下の会話の中で出てきたのであれば、間違ってはいないのです。

ある2人の女性が会話をしているとしましよう。

女性A「お子さんが生まれたんですって?」

女性B「はい。女の子です」

女性A「妹さんも、確か今年出産されたのよね」

女性B「はい。妹は男です」

いかがでしようか。正しくは、「妹は男の子を産みました」ですが、話の流れの中では、「妹は男です」という一文は間違いではありません。このように、シチュエーションの流れの中で理解していく言語なので、絶対に主語や述語がなくてはならないわけではないのです。国語の教科書でも、物語文では主語、述語が抜けることが多いです。ですから、子どもが書いた文章を見て、「この文章には述語が抜けているわね」とか「主語は何?しっかり書きなさい」といった指導は、子どもにとってはとても窮屈なことで、痩せた文章しか書けなくなってしまうことがあります。それが日本語の特徴です。

とはいつても、学年が進むにつれて、論理的な文章を読んだり、説明的な文章を書くようになったときは、「何が」「どうであるか」を正確に読み取ったり、書き示したりすることが求められます。そのときのために、主語、述語についての認識を深めていく準備は必要です。

日常の会話の中で、子どもが「ジュース!」といった単語だけだったり、「はい、これ」というような主語述語抜きの短文ばかりを話したりするのであれば、その都度、「誰が?」「何を?」「どうしたの?」と聞いてあげればいいでしょう。ただ、あまりしつこく追及すると話すことが面倒になってしまうので、深追いしないこと。子どもによっては言葉が出てこなくなってしまうこともありますから、この点は注意が必要です。

主語、述語を見失わないためのヒント

長い文章を短く表現する言葉として、東北地方の方言「どさ(あなたはどこへ行くの)」「ゆさ(私はこれからお風呂に行くところです)」が有名ですが、状況で理解したり察したりする能力を磨くことも大切です。主語、述語にこだわり過ぎては文章が回りくどくなることもあります。主語、述語は必要に応じて意識させるようにしましましょう。

(1)述語からスタートする

実際にあったことを正確に伝えたいときは、「今、何について説明しているのか」「何についてわかってほしいのか」を、明確にしなければなりません。そのためには主語から始まり述語で締めくくるという、王道の文章を構成していく必要があります。事実を正確に伝えることを職業とするアナウンサーのトレーニングは、まず述語から始めるといいます。「〜しました。」「誰が?」「どのように?」「どうして?」と下から上に戻ることで、必要な情報を取りこぼすリスクを減らしているのだそうです。

(2)指示語を理解しているかどうかを確認する

説明的な文章では、「これは」とか「このように」という指示言語がよく使われます。基本的には同じ言葉の繰り返しを避けるために使われることが多いので、直前の文を見直せば対応できます。こういった学習によって、文章の構成や内容が理解しやすくなります。また物語の文中でも、「あれ」「それ」が使われることがありますが、話の流れをしっかりとイメージできれば、何を指しているのかは理解できます。会話の中で頻繁に「あれ」「それ」が出てきて、言いたいことが伝わらないならば、一つひとつていねいに聞き取ってあげるといいでしょう。

(3)子どもが話したくなる空気づくリをする

言葉は、日常で使うことによって身につくものです。家族間で会話をする時間は、言葉を学ぶための、最も有意義で効果の高い学習タイムといえるでしょう。子どものロから「面白いことがあったよ」という言葉が出たときには、「何があったの?」「どう面白かったの?」「誰と一緒だったの?」と、興味を持って聞いてあげてください。質問に答えようとするときに、子どもは一生懸命に考えます。そこには「伝えたい」という思いがあるからです。家族が一堂に揃ったときは、お互いに質問したり出来事を伝えあったりできる雰囲気や空気を作りましょう。

5日 安心感は、勇気と行動力の源!

5日の魔法の日めくりメッセージです。

安心感は、勇気と行動力の源! ~ずーっと、ずっと「いってらっしゃい」「いってきます」~

子どもは毎日、
新しいことに出合うために出発します。
しっかり、姿が見えなくなるまで
見送ってもらうことで、安心して旅立てるのです。
安心感が得られないと、不安で、
何事にも消極的になります。
安心感が得られると、エネルギーが充満して、
自分らしさが発揮できます。

「いってらっしゃい」「いってきます」の掛け合いで、
1歩前へ進めるのです!

 2学期3週目が終わり、土曜日です。ご家庭での子どもたちの変化はいかがでしょうか。子どもの中に安心感が得られているかどうかがポイントです。安心感が得られるときには、実際にはいなくても心の中に「いつでも見守られている」という感覚が育つことです。「愛着の形成」ということになります。小学校入学前に「愛着の形成」がなされないと、学校生活で困難な場面が生じます。お子さんによっては、十分に獲得されないこともあります。小学生の子どもたちに安心感が育つように、褒めて、認めて、励ましましょう。

国語がよくわかっていないことを考える⑥

6 どうすれば漢字を覚えられるようになるの?

漢字に苦手意識を持ってしまう理由には、漢字の面白さや便利さにまだ出合っていないことが挙げられると思います。面白さもわからないのに、テストのためだけに勉強しなくてはならない……。これでは、なかなか身につきません。また、漢字を単なる記号としかとらえていないために、機械的に暗記するしかなく、漢字の勉強を苦痛に感じてしまうことも考えられます。

漢字を習得するには、漢字をしっかりと見てカタチを覚えます。そして実際に書き、書いた漢字をもう一度目で確かめて覚える、という手順を繰り返すことです。地道な作業ですが、こうやって覚えた漢字は、しっかりと正しいカタチで記憶されます。「そんなこと当たり前だ」と思われるかもしれませんが、この当たり前の手順を繰り返すことが、実はいちばんの近道なのです。漢字は正しく覚えなければ、正しく使えないからです。

その上で、言葉としての意味を考えることも教えましょう。漢字の成り立ちを調べたり、漢字の部首を理解していくことで、効率よく漢字を覚えたりする子どももいます。しかし、それも正しい漢字のカタチを知った上でのこと。新しい漢字が出たときには、曖昧なカタチではなく手本を見ながら完全なカタチで書く習慣をつけましよう。国語のテストにおける漢字の配点は、決して少なくありません。確実に覚えておけば確実に点数を稼げるわけですから、取りこぼしのないよう注意を払うように言い聞かせてあげてください。

小学6年生までに覚える漢字の数は1006字です。学習負担に配慮しつつ、必要に応じて前後の学年の漢字を指導することができるようになりました。それでも子どもたちは大変な思いをしていることでしょう。特に低学年の中には、指がまだしっかり発達していない子どももいます。そのため、頭ではわかっているのに、その思考の流れに手が追い付かない子どももいますが、そのうち手の動きと脳のスピードが同じになってきますから、心配はいりません。

みんなが同じように発達しているとは限りません。小学生のうちは、差があって当然なのですから。親も子も焦らずに、一つひとつの漢字を大事にしながら勉強を進めていってほしいと思います。

 

漢字を正しく覚えるためのヒント

画数の多い漢字は、それだけで負担感があります。 逆に、難しい漢字を覚えられた喜びや、どのように使っていこうかというワクワク感があれば、使うことを楽しく感じるものです。漢字は使うことで身につくものです。日記や手紙、自作の物語を作るなど、楽しみながら使うことを教えてあげたいものです。

(1)漢字を使える喜びを味わう

 漢字は、とても優れた文字です。読んだ音だけでは意味がわからなくても、漢字で書けばすぐに意味を理解できます。例えば「じょせい」という音を聞いて首をかしげることがあっても、「女性」「女声」「助成」と書けば、その瞬間に意味がつかめます。また、漢字を使うことで読み手にも伝わりやすく、説得力も増す文が書けます。自在に漢字が使えるようになれば、本や新聞で目にするような端正な文章を自分も書けるかもしれない……。子どもたちにはこういった期待感を持って、漢字の勉強をしてほしいと思います。

(2)読書で文字としての語彙を増やす

子どもは、言葉をまず耳で覚えます。そのため、「体育館」を「たいくかん」、「水族館」を「すいぞっかん」といったような誤認識をしていることがよくあります。ものを音だけで理解している時点ではわかりづらかった意味も、漢字を学ぶことによって明らかになったり、誤って理解していた言葉も修正したりすることができるのです。話し言葉の語彙だけでは、漢字を覚えることにはつながりません。ですから、なるべく多くの活字にふれて、文字で言葉を増やしていくように導いていってほしいのです。その中で、読書をすることが最も効果的です。

(3)漢字は「部分」を組み立てたものだと理解する

画数の多い漢字は、覚えるまでに時間がかかります。そこで、漢字は、一つひとつの部分の組み合わせで成り立っていることに注目させます。そして次に、その一つひとつの部分は、それぞれに意味があることを教えていきます。例えば、「清」という漢字を見ると、「『さんずい』があるので水に関係した字である」ことと、「青という字は、セイと読む」ことがわかります。このように分解してみると、意味と読み方を同時に理解できる楽しさを知ることもできるわけです。漢字辞典を使えば漢字の意味や奥深さに気づき、興味も膨らんでいくでしょう。

国語がよくわかっていないことを考える⑤

5 単調な文しか書けないのはなぜ?

 小学校では今、「書く」学習に、多くの授業時間を費やしています。「文を書く」という意味で、かつては『作文』という言い方が一般的でしたが、今の学習指導要領では、どのような文章を書くかが具体的に示されています。『身近なことや想像したことを書く文章』『経験したことを報告する文章』『説明する文章』『手紙』『日記』というように、目的によっていろいろなジャンルの文章があり、詩や俳句、短歌なども作ります。例えば『あさがお日記』のような記録文は、きちんと事実を見て記録しなければなりません。『感想文』であれば、どんなところに感動し、何を思ったかを、読み手に伝えることのできる文章が求められます。

もちろん、子どもによって得手不得手があります。文系で『継次処理型(物語好き)』タイプの子どもは、自分の感じたことや登場人物の心情などを豊かな表現で書き綴ることが得意ですが、レポートを書くときには苦戦しているのが見て取れます。

逆に、理科系で『同時処理型(図鑑好き)』タイプの子どもは、簡潔でわかりやすくまとめる力があり、結論を導き出すまでのレポートを見事に書き上げます。しかしその一方で、感想文や旅日記などの文章を書くときには一気に鉛筆のスピードは落ち、書いた文を見ても、単調な短文を並べているだけの、味気ない内容になっていることがあります。

子どもたちにはそれぞれ得意分野がありますが、不得意分野があるのもまた当然です。いずれにしても学校では、ジャンルを問わずいろいろな文を書けるように指導していくわけです。学習指導要領で6年生の「書く」学習の目標としては、『随筆』を書くことです。『随筆』とは、「ものの見方に自分なりの視点があって、自分の意見や感想を入れながら、記述する」とあります。

卒業文集に載っている文章は、ある意味6年間の集大成といえます。ただ事実を羅列するのではなく、そこでどんなことをして、どんなことを学び、どう感じたかという心情を表しているか、さらに、今までの生活経験とつなげて記述してあるか、その子どもなりの視点で文章を記述することができることを目指しています。「書く」ことは、個人差が大きいものですが、まずは気軽に書き慣れることからはじめ、ねらいに即して書くことまで導いてやりたいものです。

 

文章力を上げるヒント

記録文や説明文を書くことよりも、自分の気持ちを文章化することに、迷いや抵抗があることが多いようです。おそらく、自分の気持ちが受け入れられるだろうか、笑われないだろうかと不安になるのでしょう。それでも、きちんと伝えることができたときには、書くことの喜びを味わえるのだということを、まず教えていきたいですね。

(1)何を伝えるべきなのかを明らかにさせる

昆虫好きの男の子が、『夏休みの思い出』というテーマで昆虫の特徴を説明した文を書いてきました。よく調べていて、観察日記としてはいい出来でしたが、思い出については、「楽しかったです」の1文のみ。そこで「どこで見つけたの?」「誰と一緒に行ったの?」「捕まえ方のコツは?」と、 何を書くべきなのかを質問していくと、きちんと語ることができました。

このように、質問していくことで、何を書かなくてはならないのかが明らかになり、次第に書くことの意味を理解できるようになり、次第に書くことの意味を理解できるようになります。

(2)語りながら文体を学ばせる

まだ鉛筆を握る力も弱く、文字を書き慣れていない低学年にとっては、「文章を書く=面倒なこと」と思ってしまいがちです。ですから、できるだけ簡単に終わらせてしまおうと、事実のみを箇条書きのように並べただけで提出してしまうことがあります。

書き続けることをおっくうに思っている間は、「今日あったことをお話ししようね」と、好きなように語らせるだけで充分です。慣れてきたら、文体の間違いを直します。「あったこと」だけではなく「思ったこと」を語らせるといいでしょう。

(3)子どもが書いた文章に興味を持つ

もし子どもが、「きょうはえんそくにいって、オタマジャクシがいちおくひきもいました」という文を書いたとします。でもそこで、「何を言ってるの?1億匹もいるわけないでしょ」と否定しないでください。興味を示しながら「すごいねぇ、そんなにたくさんのオタマジャクシを見たことがないわ」と驚いてあげてください。子どもは嘘を書いているつもりはありません。

子どもの目には「1億匹」に匹敵するくらいたくさんに映っただけなのです。子どもの思いに寄り添ってあげれば、書くことを楽しむようになります。

4日 「あいさつ」は人とのつながり・結びつき

4日の魔法の日めくりメッセージです。

「あいさつ」は人とのつながり・結びつき ~目を見て「あいさつ」してるかな?

目を見ることは相手を認め、
信頼関係を結ぶ第1歩になります。
朝1番の「おはよう」は、
1日の清々しいスタートがきれますよ!

沢山の「あいさつ」を探して声に出してみましょう!
きっと、新しいつながりや、お友達と出合えますよ。


 2学期3週目の金曜日です。1週間があっという間に過ぎたと感じる日々です。人と人があいさつを交わすことが改めて、重要視されています。ご家庭での「あいさつ」はいかでしょうか。元気な「あいさつ」ができる子は自分に自信があったり、エネルギーがあったりすると感じています。普段、私も負けなぐらいに「あいさつ」をしてエネルギーを与えていますが、学校が再開して子どもたちの姿が学校にある当たり前の光景になってきました。互いがつながり、結ばれていることを実感しながら、ご家庭での「おはよう」「いただきます」「おやすみなさい」などのあいさつをすすめてください。人とのつながりは向社会性の育成につながります。

国語がよくわかっていないことを考える④

4 登場人物の気持ちがわからない?

 文章を読むということは、文字をただ追っていくことではありません。頭の中で情景を思い浮かべたり、登場人物の気持ちを想像したり、文章に込められた作者の思いを読み取ったりしながら読み進めていくという、かなり高度な学習です。

文章の中で活字化されていない「情景」や「気持ち」を読解していくわけですから、子どもたちが難しいと感じてしまうのは当然かもしれません。特に、理科系が得意な子どもたち(男の子が多いですが)が苦戦しています。

理科系の頭脳を持っている子どもの多くは、「修飾」を避けたがります。何事に関しても、事実や要点、あるいは結果を早く知りたいと思うので、気持ちの機微を味わう、行間を読む、文章を膨らませるといった作業を面倒に思ってしまうのです。しかし国語の教科書に限らず、文章とは誰かに何かを伝ぇるためのものであって、その「何か」を読み取ることが、読み手の仕事(あるいは義務)であると言っていいでしょう。

国語のテストでは、「文章から登場人物の気持ちを読み取りなさい」という問題がよく出てきます。このような問題に対して理科系の子どもが苦手意識を持ってしまうのは、登場人物になりきって情緒的に心情を読み取らなければならないことを、面倒に思ってしまうからでしょう。しかし、「読み取る」という中には、文章の中に描かれている心理描写を読み取ることも含まれています。つまり、文章を正しく読めているかどうかが問われるわけです。

得意科目が何であれ、将来進みたい道がどんな分野であれ、文章はいたるところについてまわります。社会科や理科、算数・数学を学ぶときにも読解力は必要ですし、物を買ったときには取扱説明書を読まなくてはなりません。社会人になれば、依頼書や報告書をはじめとしたさまざまな書類に目を通す機会も訪れるでしょう。

このようなときに、書き手の真意や報告内容を正しく読み取ることは基本中の基本。意味を間違って読み取ってしまえば、信用を失くしたり、大きなトラブルに発展したりすることがないとは言えません。

ですから「登場人物の気持ちを読み取る」という学習を通して、あらゆる文章に対応できるような読解力を身につけてほしいと思っているのです。

 

登場人物の気持ちを理解するためのヒント

「物語に登場する人物の気持ちを読み取るのが、なぜそんなに難しいのか」と思われるかもしれません。でも、想像力を駆使して物語の中に入り込み、自分が体験していないことを自分の体験として捉える追体験をするのですから、決して簡単ではありません。とはいえ、その力がつけば、国語の勉強はぐっと楽しくなります。

(1)ごっこ遊びで他人を演じる

『おままごと』は、いわば追体験の一つ。「自分ならこうするだろう」と、架空の家庭を思い浮かべながら演技をします。ヒーローになりきって悪人を倒す、「ヒーローごっこ」も同様です。このような「ごっこ遊び」を通して、子どもたちは自分以外の人物になりきって想像力を膨らませるのです。

学校では、人の「気持ち」を追体験するために、物語の人物に なって遊ぶ『劇遊び』や、やってみたい人物のお面などをかぶってセリフの読み合わせをする『役割読み』、登場人物の気持ちになって日記を綴る『なりきり日記』などで学習しています。

家庭でも、料理中の鍋の中の具材が煮えていく様子を実況中継させてみる、壊れてしまったおもちやの気持ちを代弁してみる、文房具に名前をつけて会話をさせてみる、といった遊びを通して、親子で一緒に「気持ち」を想像することを楽しんでください。

(2)日常の場面で、感情を言語化してあげる

どんなに小さい子どもでも、胸の内には感情を秘めています。ところがその感情をどのように表現するのかよくわからなかったり、適切な言葉が見つからなかったりすることもあります。そこでそのサポートとして、感情を言語化してあげましょう。

例えば、学校から子どもが泣きながら帰ってきたときには、「どうしたの?何があったの?」と問いつめるのではなく、「くやしかったね」「仲直りして、また一緒に楽しく遊べるといいね」のように、子どもの思いを言葉にします。こうした周囲の大人の支えが、子どもの学びを進化させます

(3)追体験の機会を作る

 学校では、人の「気持ち」を追体験するために、物語の人物になって遊ぶ『劇遊び』や、やってみたい人物のお面などをかぶってセリフの読み合わせをする『役割読み』、登場人物の気持ちになって日記を綴る『なりきり日記』などで学習しています。

家庭でも、料理中の鍋の中の具材が煮えていく様子を実況中継させてみる、壊れてしまったおもちやの気持ちを代弁してみる、文房具に名前をつけて会話をさせてみる、といった遊びを通して、親子で一緒に「気持ち」を想像することを楽しんでみてください。

3日 食を通じて宇宙とつながる

3日の魔法の日めくりメッセージです。

を通じて宇宙とつながる ~「いただきます。」「ごちそうさま。」~

手を合わせて言う動作は、
自分と食事に関わる全ての事柄が
つながり合わさることを意味します。

親指にはご先祖様・お父さんなどと言う意味があるので、
親指を見て言うことで、
周りの方への感謝の心が育まれます。

食べ物への感謝の気持ちと共に、
人とのつながり、世界とのつながり、
宇宙とのつながりの中で
自分が生きていることを感謝出来るのです。


 2学期、3週目の3日目です。今日は防災給食の日です。レトルトのシチューのようです。きゅうりやミニトマトは自宅のものを、なすなどを産直で購入して食べていますが、旬を感じて大変おいしいです。旬をいただくことができる幸せを感じています。食べ物に感謝する気持ちで「(生き物の命を)いただきます。」「(生き物の命を)ごちそうさまでした。」と言うのだと祖父母から教えられたことを思い出します。生き物の命を大切にすることは、人間が生きるために必要な分だけ、命をいただくことなんですね。季節を感じつつ、食べ物を感謝してほしいものです。

国語がよくわかっていないことを考える③

3 質問の意味わかっている?

「質問をしているのに、的はずれな答えばかりする」「こっちの言いたいことの意味がわかっていない」という憤りの声を聞くことがあります。なぜこのような、すれ違いのような現象が起きてしまうかといえば、思考の文脈が、大人と子どもとはまだ異なるからです。

小学生になると、それまでの幼さが影を潜めて、大人っぽい口調になったり、面と向かって反抗的な態度をとったりするようにもなります。そのため、ロでは「子どものくせに」と言いながらも、無意識のうちに「大人として」扱うようになるものです。ですから、自分の言いたいことを察してくれなかつたり、予想した答えが返ってこなかったりすると、驚くでもなく、困るでもなく、なぜか怒ってしまうのです。

でも思い出してみてください。子どもが言葉を覚え始めて、やっと会話らしいやり取りができるようになった頃は、ただただ嬉しさでいっぱいだったはずです。お母さんの言葉を理解できないのがわかっていても、一生懸命に話しかけていたでしょうし、少しでも理解できれば、「えらいね」と手放しで喜んだことでしょう。子どものロから、輝くような言葉やフレーズが飛び出したときには、その子どもらしい独特の感性に感心したり、癒されたりしたのではないでしょうか?

あの頃から数えても、そんなに時間は経っていないのです。ですから、お母さんの言いたいことを理解できなかったときには、子どもを責めるのではなく、理解しやすいように言い換えてあげてはいかがでしょうか?学校でも、授業が終わった後に「今日の授業はどうだった?」と質問すると、「楽しかった」「面白かった」という答えが多く返ってきます。教師側からすれば、嬉しい半面、少しがっかりしてしまいます。それは、子どもたちから「ここはよくわかった」とか、「あそこは難しかった」という類いの答えを期待しているからです。

ところが、子どもたちにはなかなか伝わらないのです。だから「今日わかったことは何?」とか、「よくわからなかったのはどこ?」と、具体的に答えやすいように質問するように努めています。そうすれば、「ああ、ここはうまく伝わっていなかったんだな」「明らかに誤解させてしまうような授業になってしまっていたんだな」と振り返ることもできるからです。

 

子どもから的確な答えを引き出すためのヒント

 子どもは大人の言うことを聞いていないわけではありません。ましてや大好きなお母さんの質問には、一生懸命に答えようとします。ただ、どんな答えを期待しているのかというような高度な思考が、まだできないだけです。「そういうことを言っているんじゃない」と突き放せば、子どもはロをつぐんでしまいかねません。

(1)ゆっくり話しかけ、ゆったり待つ

もし子どもが、予想外の突拍子もない答えを出したとしても、それを否定するのは待ってください。正解を告げる前に、どうしてそういう答えになったのかを聞いて、「面白いね」「そういう考え方もあるよね」といったんは受け止めてほしいのです。そして、ゆっくりと穏やかに正解へと導いてあげてください。

学校でも一人ひとりの考え方をすくい取れればいいのですが、教師としてはまず「正解」を教えなければなりません。学校でできないことを、ご家庭でサポートしてただけると幸いです。

(2)人の話を集中して聞く姿勢を見せる

子どもが今日学校で習ったことを報告しようとしたら、いったん家事の手を止めて、聞く態勢をとってあげてください。「自分に関心を持ってくれている」という喜びが、子どもの学習意欲を大いに掻き立てます。ただし、「そこ違うでしょ」と、横やりを入れるのではなく、「お母さんにも教えて」というような関わり方をしてください。お母さんが子どもの話にしっかりと耳を傾ける姿勢を示すと、人の話を熱心に聞くようになります。子どもは、親の様子を本当によく見ているものです。

(3)自力で調べる楽しさを教える

子どもから質問されたときは、安易に即答せず、「お母さんにもよくわからない。調べてみようか」と促します。または「明日、先生に聞いてみて、わかったらお母さんにも教えて」と頼んでみます。そうすれば、おそらく張り切って自分で調べるという行動を起こすことでしょう。知りたいと思う気持ちを萎えさせないで、自然に正解に行きつけるよう、上手に後押しをしてあげましよう。

「自分の力で検証できた」という自信は、子どもを大きく成長させてくれます。

2日 物事が、うまくいく!

2日の魔法の日めくりメッセージです。

物事が、うまくいく! ~一緒にお部屋を片付けようね~

部屋の乱れは、心の乱れにつながります。
片付けをする事で、空間が整い、心も整理出来るので、
良いエネルギーが部屋に充満します。
部屋の片付けは、心が落ち着き、物事がうまくいきますよ。

ぬいぐるみ、ボール、積み木、
どこに何を片付けるのかを、
はっきり分かるように分類する工夫をしましょう。

一緒に片付けをすることが、習慣化する秘訣です!


 2学期3週目の2日です。幼児へのメッセージですが、小学生に向けたメッセージといっても不思議ではありません。きれいにすることは、場所を整え、次の行動へ切り替えることの準備になります。切り替えることや後片付け、計画的に行うことなどを「実行機能」と言います。この実行機能を上手くできるようにすることが小学生に重要なことと言われています。自分だけではできない子どもの場合、大人が一緒にかかわることで習慣化につながります。「段取り八分」とも言われているように、計画的に行えるようにすることが大人になって役に立ちます。子どもによい習慣を。

1日 何事も基本から

1日の魔法の日めくりメッセージです。

何事も基本から ~朝、歯を磨こう!顔を洗おう!~

さあ、1日の始まりです!
自らの身を整えることが出来ると、
気持ちがシャキッとし、
清々しくなり、気合いが入ります。

エネルギー全開でスタート出来る習慣を付けましょう!


 今日から9月。防災の日でもあります。改めて基本を考えてみてください。朝起きたらすぐにトイレに行き、歯を磨くことの習慣を身につけさせることが体の健康につながる始まりでもあります。顔を洗って着替えて朝ご飯です。この一連の動作が身についているか、「おはようございます、おはよう」のあいさつも含めて、始めてみましょう。あいさつができる子は、学習に向き合う準備ができている証拠です。また、人とつながり合うための基本です。